不動産投資TOKYOリスタイル

特許取得

不動産投資を投資家目線でアドバイス
東京23区・駅近・低価格帯

電子書籍13冊39800円相当が今なら無料

会員登録後にマイページトップから
すぐにお読みいただけます。

会員登録してダウンロード(無料)

家賃相場をExcelで算出する方法を徹底解説!

Excel, 物件, 適正家賃, 導く, 重回帰分析, AI, 人工知能

開催間近のオンラインセミナー

セミナー一覧を見る

不動産投資を検討していく中で最も考えなければいけないことの一つは、「この物件はいい物件なのだろうか」という点だと思います。それを判断するためには数多くの視点が必要であり、だからこそ不動産投資の世界は奥深いものであると言えるかもしれません。

ただ、その要素の中にも、比較しやすいものとしづらいものが入り混じっているのは確かです。例えば、築年数であれば、どちらが新しいのかは明確ですし、どちらの方が専有面積が広いのかということもすぐに分かります。また、駅から何分で着くのか、という点だって、ネットで調べればすぐに分かることです。

一方で、どうしても分かりにくい構成要素の一つに、「家賃相場」があります。そもそもなぜ家賃相場を見る必要があるかというと、購入した物件が将来にわたって同程度の収益力を維持できるか、という指標になるからです。

例えば、ある物件の周辺の家賃相場が5万円であるなか、その物件には8万円の家賃がついていたとします。この場合、買い手は今後も8万円の家賃で貸し出せるという前提で物件を購入する訳ですが、今の入居者が退去すれば、当然次は相場通りの5万円となるわけです。

そうなると、収益性は一気に下がります。もし買い手が周辺相場をしっかりと把握していれば、家賃下落のリスクを考慮して、もうすこし指値をするか、購入を控えていたことでしょう。

このように、不動産投資の世界では、現家賃が適正家賃相場通りか、というのは大変重要なファクターなのですが、一方でその判断材料は大変乏しいのが現状です。

もし今の投資家があるエリアの適正相場を見極めようとした場合、できることとしては賃貸募集サイトにある家賃相場表を見るしか手はありません。にもかかわらず、そういったサイトのほとんどが、「20㎡~25㎡、築10年〜20年、駅徒歩5分〜10分で家賃75,000円~85,000円」といったアバウトな記載しかしていません。これでは当然、正確な投資分析などできるはずもありません

そこで本記事では、Microsoft の Excelという誰もが利用できるソフトウェアを使って、物件ごとの適正家賃を導く方法について、皆さんにお伝えしたいと思います。

これがマスターできるようになれば、不動産会社のサイトなどに頼ることなく、ご自身で想定賃料を導き出せるようになり、強力な武器となることでしょう。

それではまず、想定家賃を導くための考え方について解説します。その考え方を理解したうえで、次は実際にExcelを使って同じように分析が出来るようになっていただく、というのが本記事の主旨です。

重回帰分析の利用

今回、想定家賃を導くために使うのが、「重回帰分析」です。重回帰分析は、統計的データを使った分析手法の一つであり、ある結果(目的変数)を説明するために、そこに関わる複数の変数が、それぞれ目的変数にどのくらいの影響を与えているのかを数値化することを言います。

重回帰分析の身近な例

例えば、ある会社の店舗ごとの一日ごとの売上が、広告費と、従業員数と、駅からの距離によって左右されていると仮定すると、重回帰分析を行うことによって、それぞれの要素がどの程度売上に影響するのかを明らかにすることが可能です。そして、その分析の結果は、重回帰式として表現することが出来るのです。

仮に全ての店舗のデータを集めた結果、以下のような回帰式が求められたとします。

売上(万円) = 35 ✕ 広告費(万円)+ 100,000 ✕ 従業員数(人)- 300,000 ✕ 駅からの時間(分)

この式から分かることは、次の3点です。即ち、

  1. 広告費を1万円使うと、売上が35万円増える
  2. 従業員が1人増えると、売上が10万円増える
  3. 駅からの距離が1分離れると、売上が30万円ダウンする

以上の3つです。

このように、重回帰分析によって、各要素がどの程度目的変数に影響を及ぼすのかを明らかにすることが出来る、という点がお分かりいただけたのではないかと思います。

重回帰分析を不動産の家賃相場に応用する

ここまで、重回帰分析とは何か、ということについて、簡単に説明をしてきました。複雑な分析手法ではあるものの、具体例を見ることで、重回帰分析がどういったものなのか、ということを概ね理解出来たのではないでしょうか?

さてそれでは、ここからが本題になります。重回帰分析を使うことで、物件ごとの家賃相場を導くことが可能となります。

これまで、不動産業界では適正家賃の算出のために、様々な努力や開発が行われてきました。実際、Tech系の不動産業者の中には、ディープラーニング(深層学習)という手法を用いたAI(人工知能)を使って適正家賃を算出しようとしている企業によるサービスもあるようです。

では一方で、AIがどのようにして家賃相場を算出しているのか、という仕組みを知っている方がどれだけいらっしゃるでしょうか?おそらく、ほとんどの方がご存じないのではないでしょうか。つまりAIによる相場家賃の算出は、ある意味ではブラックボックス化していると言っても過言ではないのです。

ここで、重回帰分析の登場です。誰もが使えるツールであるExcelを使うことによって、誰でも簡単に、適正賃料を導き出すことが出来るようになるのです。「空室物件を購入する際の、相場賃料を知りたい」という方や「検討中の物件の家賃が高すぎないかをチェックしたい」という方にも、重回帰分析による適正賃料の導出が最もシンプルかつ分かりやすいアプローチではないかと考えています。

弊社では、東京23区内全ての駅の賃貸成約事例を集めました。データ元は不動産業者のみがアクセスすることのできるReinsというサイトを参照しています。そしてReinsから、「家賃」「使用部分面積」「交通(駅からの時間)」そして「築年月」の4つの要素を取り出し、家賃を目的変数とした重回帰分析を行いました。

それではここから、実際にエクセルの操作方法をお伝えしながら、重回帰分析の結果を見て行きましょう。

エクセルの設定

まずはパソコンで、エクセルを開きます。開いたら、左上の「ファイル」ボタンを押しましょう。以下のような画面が出てくるはずです。

エクセル

次に、上の写真の左下部分に赤枠箇所の「オプション」を押してください。

エクセル

上図の ①「アドイン」をクリックします。②「分析ツール」を選択し、③下部にあるプルダウンメニューから「Excel アドイン」を選択し、④「設定」をクリックしてください。

エクセル

「分析ツール」にチェックを入れて「OK」を押してください。これで設定は完了です。

ここまでの設定で、回帰分析を行うための準備が整いました。
次に、分析するサンプルデータをダウンロードします。次のリンクを右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択しエクセルデータをダウンロードしてください。

データの使用について

当データは個人、法人を問わず無料でご利用いただけますが、当データはサンプルデータになりますので、データの有効性を保証するものではなく、データの使用に関するいかなる責任も負いかねます。

サンプルデータ

サンプルデータを開き、①で示す「データ」タブをクリックすると、右側に②で示す「データ分析」というボタンが表示されていれば、設定がしっかりとされている証拠です。それではこの「データ分析」ボタンを押してみましょう。

サンプルデータ

データ分析を押すと、上の図が出てきますので、「回帰分析 」を選択し「OK」をクリックします。

サンプルデータ

そして、回帰分析ウィンドウの左側「ラベル」にチェックを入れ、「入力Y範囲」には家賃額を、「入力X範囲」にはそれ以外の要素を全て参照します。以下の図が、その参照の様子です。

サンプルデータ

※図は一部分のみ。実際は500件ほどデータが存在しています。

ここまで全てが完了すると、重回帰分析の結果が出力されます。

実際に家賃を算出する

今回、「三軒茶屋駅」「明大前駅」「四ツ谷駅」のワンルームマンションに絞って(~26㎡)データを集め、約500件の成約事例を分析しています。その結果が以下の通りです。

算出

まず最初に、上から2番目の「重決定R2」の値、これがとても重要な指標です。この指標は、簡単に言うと「今回導いた回帰式の当てはまりの良さ」を示していて、0~1までの値を取り、1に近いほど式が実際のデータに当てはまっていると言えます。

そして重決定R2の値ですが、ざっくりと以下のように考えることができます。

  • 0.0~0.2のとき ほとんど相関関係がない
  • 0.2~0.4のとき やや相関関係がある
  • 0.4~0.7のとき かなり相関関係がある
  • 0.7~0.0のとき 強い相関関係がある

学術的にどこまでが正しくてどこまでが正しくないのか、という基準は決まってないのですが、重決定R2が大体0.7以上あれば、回帰式が有意義であると言えそうです。

そして今回、明大前の回帰分析の重決定R2は0.803709ですので、家賃とそれぞれの独立変数には、強い相関関係があると言えるでしょう。

相関関係があることが判明した後は、実際に回帰式を読み取っていきましょう。「切片」「使用部分面積」「交通」「築年月」の部分です。

これらの右側に書いてある数字を使って、回帰式を作ることができます。

家賃(円)= 切片「-34625.1」+ 使用部分面積(㎡)✕ 2360.634 - 交通(駅からの時間)✕ 599.584 + 築年月 ✕ 1.779043

これが、明大前駅のワンルームの適正賃料の回帰式となっています。

実際に計算してみましょう

ここまで、Excelの重回帰分析機能を使って、明大前駅のワンルームの適正賃料の回帰式を導きました。そこで、具体的な例を使って計算してみましょう。想定物件は、明大前徒歩2分、使用部分面積22㎡、築年月を2005年11月と定義してみます。

これらを、上記の回帰式にあてはめます。即ち、

家賃(円)= -34625.1 + 22㎡ ✕ 2360.634 - 徒歩2分 ✕ 599.584 + 築年月(2005年11月*)✕ 1.779043

*築年月の表示については、Excelのセル設定から、ユーザー定義で「yyyy/mm」として表示しています。そのため、Excel上の表示は2005/11となっていますが、数式に入る数値は「38657」として計算されるため、注意してください。

上記の式を計算すると、家賃は約84,882円となります。

これで、適正家賃の算出が完了しました。いかがだったでしょうか?少し複雑ではあるものの、仕組みを分かっていただけたかと思います。

重回帰分析の練習と、その効果を実感していただくために、明大前駅、三軒茶屋駅、四ツ谷駅の3駅分の成約事例データを公開します。是非、重回帰分析を行って回帰式を算出し、想定賃料と実際の募集物件との比較をしていただければと思います。

まとめ

本記事では、重回帰分析という統計的手法によって、投資用不動産の適正家賃を算出するための方法と、その意義を解説しました。

冒頭でも述べたように、近年AI(人工知能)が台頭して以降、不動産の価格相場算出に関するノウハウがブラックボックスのようになってしまい、算出結果のみを参考にせざるを得ない、という状況が垣間見えました。

しかしそれでは、投資家が独自で家賃相場を把握することが困難であり、そのような中で投資用不動産取引の透明性を高めることは難しいのではないかと考えます。

そこで今回、駅の賃貸成約事例のデータの一部を一般公開するとともに、適正家賃相場の算出方法を解説することにいたしました。今回の記事ではあくまで3駅分のサンプルデータを公開させていただきましたが、弊社は東京23区に所在するすべての駅の分析データを保有しており、日々更新し続けていますので、各駅ごとの適正家賃相場をしっかりと把握しております。

もし、「その他の駅の適正家賃を算出してほしい」、「自身が保有する空室物件の収益力を知りたい」という方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。当社のコンサルタントが、第三者の視点に立った中立なアドバイスをお伝えさせていただきます。

参考【2022年】投資用マンションの価格推移をどこよりも分かりやすく解説します!

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

経験豊富なコンサルタントが
投資家目線で課題をヒアリングし、
中立の観点でアドバイスを行います。

不動産投資で成功するためのアドバイスですので、お客様のご状況によっては不動産投資をあきらめていただくようおすすめする場合もございます。あらかじめご了承ください。

初回面談でQUOカード10,000円分をもれなくプレゼント お申し込みはこちら
あなたが選んだ物件を プロの目利きで数値化! MIKATAイズムとは