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ナフサショックで建材高騰!建築・住宅価格など不動産投資への影響と対策

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2026年2月末、米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけにホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油・石油製品の供給が世界的に途絶しました。日本では石油化学の基礎原料であるナフサの調達が急激に悪化し、住宅建材の価格が高騰する「ナフサショック」が発生しています。

そして建材メーカー各社が前例のない規模の値上げと出荷制限に踏み切り、不動産投資にも影響が広がり始めました新築のコスト増、修繕費の高騰、工期遅延。一方で、中古物件市場には追い風も吹いています。この記事を読めば、ナフサショックの全体像と、不動産投資家がとるべき戦略がわかります。

ナフサショックとは何か

まずは、なぜナフサの供給不足がこれほど住宅建材に波及しているのか、原因と構造を解説します。

ナフサは塗料・接着剤など住宅建材にも使われる原料

そもそもナフサとは、原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品です。ガソリンとは異なり、石油化学工場でエチレンやプロピレンといった基礎化学品に分解され、プラスチック・合成樹脂・塗料・接着剤など多くの素材の原料となっています。

住宅に使われる、ナフサ由来の建材の例を挙げると以下のとおりです。

  • 断熱材:ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォームなど
  • 配管材:塩化ビニル管(給排水・ガス・電気配線保護)、ポリエチレン管
  • 塗料・シンナー:外壁塗装・内装仕上げに使う溶剤系塗料全般
  • 接着剤・シーリング材:壁紙やサッシ回りの充填材
  • 防水シート:屋根のルーフィング、基礎の防湿シート
  • ビニルクロス:国内の壁紙シェアの大半を占めるポリ塩化ビニル製

つまり、壁の中の断熱材から床下の配管、外壁の塗装、屋根の防水まで、住宅のほぼすべての工程にナフサ由来の素材が使われています。ナフサが止まれば、家が建たないのです。

中東ホルムズ海峡封鎖による石油供給途絶が主な原因

ナフサショックの直接的な原因は、2026年2月28日の米国・イスラエルによるイラン攻撃と、これに対するイランの報復としてのホルムズ海峡封鎖です。

日本がこれほど大きな影響を受けている背景には、中東への圧倒的な依存構造があります。

  • 日本の原油の中東依存度は約94%で、そのほとんどがホルムズ海峡経由
  • ナフサの輸入依存度は供給量の64%で、輸入先はUAE・カタール・クウェートなど湾岸諸国に集中
  • ナフサ流通量全体の中東依存度は47%で、国産ナフサの原料となる原油も94%が中東産

サウジアラビアの紅海側パイプラインやUAEのフジャイラ港など代替ルートでの調達拡大も進んでいますが、輸送能力には限界があり、供給の完全回復には至っていません

参考中東調査会「ホルムズ海峡の封鎖で揺らぐアジアの石油供給網」

「ウッドショック」との違いは影響範囲の広さ

2021〜2022年のウッドショックでは、木材価格の高騰が住宅業界を直撃しました。しかし影響が及んだのは主に構造材(柱・梁・合板など)で、木材を使わない工程には大きな影響はありませんでした

一方の「ナフサショック」は断熱材・配管・塗料・接着剤・防水シート・壁紙と、住宅建材のあらゆるカテゴリに影響を与えています。ウッドショックが「構造材の危機」だったのに対し、ナフサショックは「住宅建材全体の危機」り、影響範囲が格段に広いのが特徴です。

加えて、ウッドショックは需要過多と物流混乱が主因だったため、サプライチェーンの正常化とともに価格は落ち着きました。ナフサショックは中東の地政学リスクという、いつ解消されるか見通せない要因に起因しており、価格の高止まりが長期化するリスクがあります。

ナフサショックによる建材価格への具体的な影響の例

ナフサショックの影響は、すでに値上げや供給制限として建材メーカー各社から発表されています。とくに影響の大きい「断熱材」「配管材」「塗料・接着剤」の3分野を見ていきましょう。

断熱材:押出法ポリスチレンフォームが大幅値上げ

カネカは2026年4月1日出荷分より、押出法ポリスチレンフォーム断熱材「カネライトフォーム」の40%値上げを発表しました。中東情勢の悪化でホルムズ海峡周辺の海上輸送環境が不安定化し、原材料費・エネルギーコストが大幅に上昇したのが理由です。

カネカだけではなく、断熱材メーカー各社が軒並み大幅な価格改定に踏み切っています。石油系断熱材の不足は代替品である「グラスウール」にも波及しており、品薄による受注制限が広がっている状況です。

参考株式会社カネカ「押出法ポリスチレンフォームの価格改定について」

配管材:塩化ビニル管の供給制限と価格改定

住宅の給排水・ガス・電気配線保護に使われる塩化ビニル管も、ナフサショックの影響をダイレクトに受けています。積水化学工業は2026年5月7日出荷分より、塩化ビニル管・ポリエチレン管の値上げを発表しました。主な製品の値上げ幅は以下のとおりです。

  • 塩化ビニル管:12%以上
  • ポリエチレン管:20%以上
  • 架橋ポリエチレン管:15%以上

対象は給排水、水道、下水道、ガス、電力通信、建築設備と幅広く、住宅から商業施設、インフラ設備まで広範囲に影響がおよびます。さらに6月1日出荷分から追加の値上げも発表されており、原材料の調達環境悪化が続いていることがうかがえます。

参考積水化学工業「塩化ビニル管・ポリエチレン管および関連製品の価格改定について」

塗料・接着剤:シンナー最大75%値上げで仕上げ工事に影響

もっとも深刻な値上げが起きているのが、塗料の希釈剤として使われるシンナーです。日本ペイントは2026年3月19日発注分から、建築用シンナー製品を一律75%値上げしました。関西ペイントも50%以上の値上げと出荷量の制限を実施しています。

シンナーは塗料を適切な粘度に調整するために欠かせない素材で、不足すれば外壁塗装や内装仕上げの工事自体が止まります。住宅のリフォームや大規模修繕において、塗装工事の費用は無視できませんシンナーの75%値上げは、マンションの外壁塗装や共用部の塗り替え工事のコストを直接押し上げる要因です。

参考PRTIMES「中東情勢でシンナー価格「75%値上げ」。異常高騰がもたらす自動車・板金塗装業界の未来予測と対策」

ナフサショックが不動産投資に与える3つの影響

ここまで見てきた建材価格の高騰は、新築のコスト増や修繕費の増加といった形で不動産投資にも影響しています。詳しく見ていきましょう。

新築物件の取得コスト上昇

断熱材・配管・塗料・防水シートと、住宅建材の幅広いカテゴリで20〜75%程度の値上げが一斉に進んでいます。建材価格の上昇は新築マンション・アパートの建築コスト増に直結し、デベロッパーによる販売価格への転嫁も避けられません。

すでに2025年時点で東京23区の新築マンション平均価格は1億円を超えていましたが、ナフサショックによる建材高騰がさらなる上昇圧力となります。投資用として新築を取得する場合、物件価格の上昇分がそのまま利回りの低下に直結するため、キャッシュフローの悪化につながってしまうでしょう。

大規模修繕・リフォーム費用の増加

すでに物件を保有しているオーナーにとっても、ナフサショックは無縁ではありません大規模修繕やリフォーム工事のコストが大幅に増加するためです。

マンションの大規模修繕で使用する建材は、外壁塗料、防水シート、シーリング材、配管材と、まさにナフサ由来の素材の集合体です。たとえば、数億円規模の大規模修繕を計画していたマンションが、建材の値上がりと供給不安を理由に着工を延期するケースも出てきています。修繕積立金の範囲内で工事が収まらなくなり、追加の負担金を求められるリスクも想定しておかなければいけません。

リフォーム費用の増加は、退去後の原状回復コストにも響きます。壁紙(ビニルクロス)の張り替え、水回りの配管更新、室内の塗装といった基本的なリフォームが軒並みコスト増となり、投資家のキャッシュフローを悪化させかねないでしょう。

工期遅延による計画への影響

価格だけでなく、建材そのものが手に入らないリスクも深刻です。断熱材の受注制限、シンナーの出荷停止、ルーフィングの入荷未定など、2026年4月時点で複数の建材カテゴリで供給不足が発生しています。

工期が遅延すれば、新築物件の引き渡しが遅れて家賃収入の開始時期がずれ込みます。リフォーム工事の遅延は空室期間の長期化にも。計画どおりに工事が進まないことで、資金繰りに影響が出るケースも想定されます。

ナフサショック下での不動産投資戦略

建材高騰と供給不安が続く中、不動産投資家はどう動くべきか。「新築」「中古」「リフォーム・修繕」の3つの観点から、ナフサショック下での投資戦略を解説します。

価格が上がる「新築」への投資はおすすめしない

新築物件の価格は、建材コストの上昇分が販売価格に上乗せされるため、今後さらに高くなる可能性があります。加えて、工期遅延リスクも無視できません。断熱材や配管材の供給制限が続いている現在は、計画どおりに竣工しない可能性を織り込んでおく必要があります。

新築マンション投資はもともと利回りが低い傾向にありますが、ナフサショックによる価格上昇はそれをさらに押し下げます。物件価格が上がっても家賃が同じペースで上がるわけではないため、投資効率の面で割に合わなくなるケースが増えるでしょう。つまり、現在の状況で新築に手を出すのはリスクが高いです。

一方で「中古物件の価格つり上げ」が狙える

ナフサショックは中古物件市場にとって追い風になる側面があります。以下の流れが起きる可能性があるためです。

  • 新築マンションの価格上昇→予算を超えた購入希望者が中古に流れる
  • 中古物件への需要増→中古の成約価格が上昇
  • 既存物件を保有しているオーナーにとっては、資産価値の上昇につながる

すでに中古マンションを保有している投資家にとっては、売却益を狙えるチャンスともいえます。「新築が高すぎて手が出ない」層が中古市場に流入することで、保有物件の評価額が上がる可能性があるでしょう。今、早めに買っておけば、同じように恩恵を受けられるかもしれません。

ただし、当然ながら中古だからといって無条件に有利なわけではない点に注意が必要です。立地や築年数、管理状態によって大きく差が出るため、物件ごとの見極めは欠かせません。

リフォーム・修繕にかかるコストには注意が必要

中古物件の価値が上がる一方で、リフォーム・修繕のコストが上がっている点には要注意です。退去時の原状回復、設備の更新、外壁や防水の修繕と、すべてがナフサショックの影響でコスト増になります。

コスト増への対策は以下のとおりです。

  • 建材供給が安定するまで大規模修繕を延期する判断も選択肢に入れる
  • 溶剤系塗料→水性塗料、ポリスチレン断熱材→グラスウールなど代替素材への切り替えを検討する
  • 複数業者から相見積もりを取って安い業者に依頼する
  • 将来のコスト増を織り込んで修繕積立金の計画を修正する

急がない修繕は先送りし、先送りできない修繕は代替素材や施工方法の工夫でコストを抑える。これを物件ごとに判断していく必要があります。

中古は逆にチャンス!?TOKYOリスタイルが不動産投資をサポート

ナフサショックで新築のコストが上がり続ける中、中古マンション投資は相対的に有利なポジションにあります。

しかし「建材が高騰している今、中古を買って大丈夫なのか」「修繕費がどこまで膨らむか読めない」。こうした不安を抱えている方には、数字に基づいた判断軸が必要です。TOKYOリスタイルでは、修繕コストの変動リスクまで織り込んだ収支のシミュレーションで、購入前の段階から「この物件は本当に買うべきか」を一緒に検証します。

投資家にとって不都合な情報ほど先に伝える。それが、東京23区を中心とした中古区分マンション投資で12年以上の実績を積んできた当社のスタンスです。「まだ買い時なのか、それとも待つべきなのか」、その判断材料を揃えるところから、無料相談でお手伝いします。

まとめ

2026年2月のホルムズ海峡封鎖を契機にナフサの供給が途絶し、前例のない規模の建材価格値上げが起きています。かつてのウッドショックの影響が「構造材」に限定されていたのに対し、ナフサショックは住宅建材のほぼ全カテゴリに波及する点が深刻です。

不動産投資にも新築物件の取得コスト上昇や大規模修繕・リフォーム費用の増加、工期遅延をはじめとした影響が出てきています。一方で、新築が高くなるほど中古物件の価格つり上げも起きるため、中古マンションをすでに保有している投資家にとってはチャンスの局面でもあります。

ただし、修繕コストの上昇まで織り込んだキャッシュフローの管理が欠かせません。中古マンション投資で収益を安定させられる確率を上げるには、物件ごとの精査が必要です。TOKYOリスタイルでは、ナフサショックの影響を含めた投資判断をサポートしています。ナフサショックの現状に不安を感じている方は、まずお気軽に無料相談をご利用ください。

執筆者:及川颯

この記事の執筆: 及川颯

プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。

ブログ等:はやてのブログ

この記事の監修:ストレイトライド編集部

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