【2025年】日本の不動産市場は世界から注目!現状と今後の見通しをチェック
- 更新:
- 2025/05/11

近年、日本の不動産市場が世界的な注目を集めています。海外投資家からの関心が高まり、不動産価格も上昇傾向にあるなか、2025年に向けて市場はどのように動いていくのでしょうか。
この記事では、世界基準で見た日本の不動産市場の現状や注目される理由、そして今後の見通しを詳しく解説します。グローバルな視点から見た日本市場の位置づけを理解し、確度の高い投資を実現したい人は参考にしてみてください。
世界基準で見た日本の不動産市場の現状
最近の調査やデータから、日本の不動産市場の特徴と世界市場における立ち位置を見てみましょう。
「世界の不動産指数」は東京がマイアミに次いで2位
UBSグローバル不動産指数2024年版によると、東京の不動産市場は「世界の不動産指数」でマイアミに次いで世界第2位という結果になっています。この指数は、住宅価格の上昇率や賃料収益との関係性などを分析し、市場の過熱度を測定するものです。
東京のスコアは1.67と「高」リスク領域に達しました。これは、主に以下の理由によります。
- 住宅価格が過去5年間で約30%以上上昇
- 賃料の上昇率を大きく上回る価格上昇
- 世界的な投資家による資金流入
価格の持続可能性についての懸念から「リスク」という表現が用いられていますが、この結果はすなわち、東京の不動産市場が活況となっている証拠です。同資料によれば住宅価格は直近4四半期を見ても約5%上昇しており、この傾向は今後も続く可能性があります。
2024年の住宅価格上昇率は日本が世界5位、過去5年平均で見ると2位
世界の住宅価格指数を見ると、日本の住宅価格上昇率は世界的にも目立つ存在となっています。2024年の最新データでは、日本の住宅価格上昇率は世界5位にランクイン。さらに過去5年平均で見ると、なんと世界2位の上昇率を記録しました。
アメリカやイギリスなどの多くの先進国では、金利上昇の影響で住宅価格が停滞または下落するケースが増えてきています。そんな中、安定して価格上昇を続ける日本市場の安定感が際立っています。
賃料での回収には平均30年以上が必要、キャピタルゲイン狙いの投資価値が高い
日本の不動産市場の特徴として「価格賃料倍率」の高さがあります。東京のマンションを購入し、賃貸に出した場合、投資額を回収するには平均30年以上かかるという結果が出ています。
この数値が示すのは、日本の不動産は「賃料収入」だけを目的とした投資の効率があまり良くはないことです。しかし、価格上昇による「キャピタルゲイン」も見込めるため、総合的に見れば非常に魅力的。いわゆる売却まで想定した「出口戦略」をしっかりと立てていれば、日本は高確率で成功が見込める市場です。
日本の不動産が世界から注目される理由
日本の不動産市場への関心が世界的に高まっているのには、5つの明確な理由がありました。海外投資家たちが日本の不動産に魅力を感じる要因を詳しく見ていきましょう。
「空室率」「賃料」などデータの透明性が高い
日本の不動産市場は、データの透明性という点で世界的に高い評価を受けています。不動産情報会社JLLの「グローバル不動産透明度インデックス2024」によると、日本は透明度において世界11位、アジア太平洋地域ではオーストラリア、ニュージーランドに次いで3位にランクインしました。アジア単独では1位です。
参考JLL「2024年版 グローバル不動産透明度インデックス- グローバルランキング」
日本における不動産の透明性の高さは、下記のような要素に沿って成り立っています。
- 正確な空室率データの公開
- 賃料相場の情報公開
- 取引価格の透明性
- 法的枠組みの明確さ
- 市場データへのアクセスのしやすさ
とくに東京や大阪などの主要都市では、レインズをはじめとした団体・企業が市場レポートを発表しており、投資家は信頼性の高い情報を容易に入手できます。投資リスクの評価や収益予測がしやすく、海外投資家から見ても戦略を立てやすい市場となっているわけです。
海外から見ると高級マンションでも安く手出ししやすい
日本国内では高額と感じる不動産価格も、世界基準で見ると比較的手頃な価格帯となっています。下図は日本の高級マンション価格水準を100としたときの、各国の同等物件の価格です。
このように、東京の高級マンションは香港の約5分の2、ロンドンの約半分の価格で購入可能です。日本の不動産は価格上昇率が高いため「安く買えて、高く売れる可能性が高い」と投資対象としての魅力も増しています。
投資用の区分マンションとなると、一千万円台から購入できるものも多く、海外投資家が日本の不動産に投資するハードルは非常に低いです。こうした「手出しのしやすさ」が、世界から日本不動産への投資を促進している、といえるでしょう。
「カントリーリスク」が非常に低い
投資をする際、多くの投資家はその国固有の政治的・経済的リスク、いわゆる「カントリーリスク」の評価を確認します。その点、日本は世界的に見てもカントリーリスクが極めて低い国です。もっともリスクの低い「A」ランクに位置しています。
たとえば、不安定な政情が続く新興国では、政権交代により外国人の不動産所有に関する法律が突然変更されるようなリスクがあります。しかし、現状の日本には、そのような懸念はほとんどありません。安定した政治環境が、海外投資家の日本の不動産市場への参入を後押ししています。
建築基準が厳格で資産価値を維持しやすい
日本は世界でも非常に厳しい建築基準を持つ国です。とくに耐震性能や防火対策に関する基準が厳格で、建物の品質と安全性を高いレベルで保証しています。
唯一「断熱基準」など、いわゆる省エネ的な領域では、欧州をはじめとする諸外国に後れを取っていました。しかし、2025年4月に始まった省エネ住宅の義務化により、徐々に平均的な水準が引き上げられていくでしょう。
他国では建物の品質にばらつきがあるケースも多く、投資判断が難しい場合が多くあります。日本では一定以上の品質が法的に保証されているため、安心感を持って投資できるのです。
充実のインフラ・生活利便性の高さから賃貸需要が常に高い
日本、とくに東京をはじめとする大都市圏は、世界トップクラスのインフラと生活利便性を誇ります。以下のような恵まれた環境は、他国ではめったに実現できません。
- 世界最高水準の公共交通網(電車・地下鉄・バス)
- 24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーの充実
- 医療機関へのアクセスの良さ
- 教育施設の充実
- 治安の良さ
これがオフィスやマンションの安定した賃貸需要を生み出し、投資物件の空室リスクを大幅に下げています。投資家にとっては「キャッシュフロー(資金繰り)が安定する」ので、安心して日本の不動産に投資できる大きな理由となっています。
世界から注目の日本不動産市場、今後の見通しは?
世界的に注目を集める日本の不動産市場。2025年以降、市場はどのような動きを見せるのでしょうか。ここでは市場の将来性について解説します。
「上がっても低い」日本の金利が投資を後押し
日本銀行は2024年に「マイナス金利政策」を解除しました。しかし、世界的に見れば依然として日本の金利水準は極めて低い状態が続いています。2025年4月24日時点の、主要国の政策金利を比較してみましょう。
- 日本:0.5%
- 米国:4.25~4.50%
- イギリス:4.50%
- オーストラリア:4.10%
- カナダ:2.75%
参考マネックス証券
低金利で資金調達できる日本の不動産投資は「レバレッジ効果」を活かしやすく、少ない資金で利回りを高める効果があります。海外からの投資資金の流入は、今後も日本の不動産価格を支える要因となるでしょう。
空室率が低い「オフィス」と価格上昇が続く「マンション」への投資が過熱か
日本の不動産市場の中でも、とくに注目を集めているのが「オフィス」と「マンション」の2つです。
オフィス市場については、2024年後半から空室率の改善傾向が見られるようになりました。三鬼商事の調査によると、東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の2025年3月時点での平均空室率は3.86%と、前年同期比で約2%改善しています。
「オフィス回帰」の動きが強まり、今後もオフィス需要が高めに推移するとみられます。投資家からの注目も続くでしょう。
一方、マンション市場も価格上昇が続いており、とくに首都圏は好調です。不動産経済研究所のデータを見ると、首都圏の新築マンション価格はある程度の上下をしながらも、長期スパンでは右肩上がりの傾向で推移しています。
こちらは新築のみのデータですが、新築が活況なら中古物件も相乗的に価格が引き上げられます。つまり中古マンションも同様に、価格は上昇傾向です。
こうした市場の好調さを背景に、機関投資家から個人投資家まで、幅広い層がこれらのオフィスやマンションへの投資を活発化させています。とくに駅近の優良物件や、周辺の利便性が高い住宅地の物件は、流動性の高い優良な投資ターゲットとして人気を集めるでしょう。
注意すべきは「米国長期金利の動向」
日本の不動産市場の将来を左右する注意事項が「米国長期金利の動向」です。
2024年後半から2025年にかけては、米国の金利引き下げが進むと予想されていました。この通りに金利が下がっていった場合、日本の不動産の「お得感」は変わらず、一定の需要を保つものとみられています。
一方でトランプ新政権の関税政策などによりインフレ懸念が再燃し、米国長期金利が再び上昇傾向を示した場合、以下のような影響が考えられるでしょう。
- 日本円がさらに下落し、高金利なドル建て投資に資金が流れ込む
- 長期的には日本の金利も上昇圧力を受け、不動産の取得・運用コストが上がる
もし多くの投資家が「ドル建て投資」へのシフトを決めれば、必然的に日本の不動産需要は落ち込んでしまいます。「トランプ政権がどう動くか」により、日本の不動産市場も大きく揺れ動く可能性が高いです。
2025年、中古区分マンション投資は今やるべき?
不動産投資のなかでも、とくに手を出しやすい「中古区分マンション投資」。2025年は投資のタイミングなのでしょうか。市場の動向を踏まえて解説します。
金利が上がる前に買ったほうがコストは下がりやすい
日本銀行はマイナス金利政策の解除後も、ゆるやかな利上げを継続する姿勢を示しています。これは今後、ローンの金利が徐々に上昇していく可能性が高いことを意味するものです。
ローン金利の上昇が不動産投資に与える影響は単純ではありません。たとえば、金利が1%上昇した場合の月々の返済額の変化を見てみましょう。
〇3,000万円を35年ローンで借りた場合の月々の返済額
- 金利1.0%:約8.4万円
- 金利2.0%:約9.7万円
- 差額:約1.3万円(年間約15.6万円)
金利上昇前に融資を受けられれば、長期的な収益に大きな差が生じます。現在のように、金利が相対的に低い時期に投資をはじめるのがおすすめです。
「4号特例廃止」が戸建て需要ダウン・マンション需要アップを引き起こす可能性大
2025年4月から施行される建築基準法改正により、いわゆる「4号特例」の適用範囲が大幅に縮小されました。木造2階建て住宅などの新築や大規模リフォームにおいて、これまで省略されていた構造審査が必要になっています。この法改正は、戸建てに以下のような影響をおよぼす可能性が高いです。
- 戸建て住宅の新築コストの上昇(構造計算の追加費用)
- 木造住宅の大規模リフォーム時の手続き・コスト増加
- 審査期間延長による工期の長期化
この影響が「木造戸建て住宅投資」の魅力を相対的に低下させ、一方で鉄筋コンクリート造のマンション需要を高める期待があります。区分マンションは基本的に4号特例とは無関係で、内装リフォームも建築確認申請が不要なケースがほとんどです。しばらくは、中古区分マンション投資に「追い風」が吹く状態といえます。
参考建築基準法改正による「4号特例」縮小をわかりやすく解説!不動産市場への影響も紹介
投資するなら「首都圏」「地方都市」がメインターゲットか
不動産投資のエリア選びにおいて、とくに注目されているのが「首都圏」と「地方都市」です。世界の投資家たちは「流動性」を意識する傾向があり、これが投資対象エリアの選択に大きく影響しています。その点、首都圏や地方都市の不動産には以下の強みがあります。
- 人口流入の多さ(とくに20~30代の若年層)
- 高い賃貸需要と安定した入居率
- 物件売却時の高い流動性
- さまざまな価格帯の物件の存在
- 積極的な再開発による資産価値の上昇
一方で、人口減少が著しい地方の郊外エリアや、経済基盤の弱い小規模な都市は資産価値の下落リスクが高く、売却時の流動性も低い傾向となっています。こうした地域は、世界の機関投資家にはもちろん、個人投資家にとっても高リスクと見なされるケースが多いです。
「首都圏」と「地方都市」は今後もしばらく不動産価値の維持・上昇が期待できるため、投資のターゲットとして適しているといえるでしょう。
なお、当社では東京23区・大阪のような首都圏の中古区分マンションをメインに取り扱っています。これからの成長が期待できるエリアで安定した家賃収入を得たい方は、当社の不動産投資専門のコンサルタントへお気軽に無料相談ください。
まとめ
日本の不動産市場は世界からの注目を集め、とくに東京などの主要都市では住宅価格の上昇が続いています。不動産データの透明性や低いカントリーリスクなど、日本の不動産市場ならではの強みが世界の投資家から魅力的に映っているようです。
2025年以降も、依然として低い金利に後押しされ、成長度が高いオフィスやマンションを中心に投資が過熱するとみられます。ただし、米国の長期金利により大きく市場が変動するリスクも抱えているため、動向は要チェックです。
なお、当社では東京23区・大阪をはじめとした、今後も高い成長性が見込まれるエリアの中古区分マンション情報を豊富に保有しています。無料会員登録すれば非公開の優良物件情報をチェックできるので、まずは試しにご覧になってみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆: 及川颯
プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。
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