2025年、東京への転入超過が1万4千人減!その理由と不動産投資への影響を解説
- 公開:
- 2026/03/23
「東京への人口集中がますます加速している」というイメージを持っている方は多いでしょう。しかし2025年の最新データを見ると、少し違う景色が見えてきます。2025年の東京都への転入超過数は65,219人で、前年の79,285人から14,066人の大幅な減少となりました。
ただし、この転入超過の減少を「東京離れが始まった」と読むのはやや早計です。背景にある要因を丁寧に見ていくと、東京・首都圏の賃貸需要の安定感は変わっていないことが見えてきます。この記事では転入超過が減少した理由と、不動産投資への影響を見ていきましょう。
- 目次
- 2025年、東京の転入超過が4年ぶり減少に
- 東京の転入超過減少の3つの理由
- 一時的な転入超過減少でも東京・首都圏一極集中が続く根拠
- 東京の転入超過減少が不動産投資に与える影響
- 短期的な変動に惑わされず長期視点で不動産投資を検討しよう
- まとめ
2025年、東京の転入超過が4年ぶり減少に
前述のとおり、2025年の東京都転入超過数4年ぶりに14,000人超の大幅な減少となっています。この減少がどこから来たのか、データの内訳から確認していきましょう。
2025年の転入超過は65,219人で前年比14,066人減
総務省が2026年2月に公表した「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」によると、東京都の転入超過数は65,219人となりました。2021年以来4年ぶりの減少で、コロナ後の急回復から一段落しています。
東京都と東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県)における、直近2年の比較は以下のとおりです。
| 項目 | 2024年 | 2025年 | 前年差 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 79,285人 | 65,219人 | △14,066人 |
| 東京圏(1都3県) | 135,843人 | 123,534人 | △12,309人 |
参考総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」
東京圏は外国人を含む集計を開始した2014年以来12年連続の転入超過で、首都圏への人口集中という大きな流れ自体は続いています。
転入超過の都道府県はわずか7都府県のみ
同データで転入超過となっている都道府県は以下の7都府県のみで、残りの40道府県はすべて転出超過です。
- 東京都:65,219人
- 神奈川県:28,052人
- 埼玉県:22,427人
- 大阪府:15,667人
- 千葉県:7,836人
- 福岡県:5,136人
- 滋賀県:353人
転出超過の筆頭は広島県の9,921人で、福島県(7,197人)、静岡県(6,711人)と続きます。地方から大都市圏への人口移動という構図が、2025年も続いていることがわかるでしょう。
東京の転入超過減少の3つの理由
転入超過の減少には複数の要因が絡み合っています。なかでも影響が大きいのは以下の3点です。
外国人が転入超過から転出超過に転換(8,722人→△378人)
最大の減少要因は、外国人の転入が大幅に減っていることです。
| 項目 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 外国人の転入超過数(東京都) | +8,722人 | △378人 |
参考総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」
この外国人の転入数の変化だけで、約9,100人分の転入超過数が失われた計算となります。背景としてもっとも考えられるのは、東京の家賃・物価上昇が外国人にとっての転入障壁となり、一部が神奈川県や埼玉県など周辺地域に分散した可能性です。グラフを見ると、東京都のご近所である神奈川県や埼玉県では、2024年比で2025年の外国人移動者が増えていると分かります。
なお、日本全国レベルでは国外からの転入者が依然として増加傾向です。2025年は前年比+6.3%の782,165人となっており、外国人の転出超過への転換は東京特有の現象といえます。
東京の家賃高騰で転入が鈍化している可能性
前述の外国人転入者の減少にも関連しますが、JA共済総合研究所の分析では、東京圏とその他の地域の家賃上昇率の格差が2024年以降に拡大していることが判明しました。この格差が東京圏への転入を抑制している可能性が、多くの有識者から指摘されています。
東京の新築分譲マンション価格が2年連続で1億円を超えるなか、賃貸物件の家賃も大幅に上昇。「生活費が高い東京以外でもよい」という選択肢が広がってきたことが、転入鈍化につながっているようです。
大阪圏への転入超過拡大も影響(万博・IR効果)
東京の転入超過減少に関連する動きとして、大阪圏の転入超過が大幅に拡大しています。
| エリア | 2024年 | 2025年 | 前年差 |
|---|---|---|---|
| 東京圏 | 135,843人 | 123,534人 | △12,309人 |
| 大阪圏 | 2,679人 | 8,742人 | +6,063人 |
| 名古屋圏 | △18,856人 | △12,695人 | △6,161人 |
大阪圏が日本人・外国人の合計で転入超過となっているのは2024年からです。背景には以下のようなイベントや開発があります。
- 2025年に開催した大阪・関西万博
- 2030年秋の開業をめざすIR(※)
- インバウンド市場の拡大に伴う雇用創出
※IR:カジノを含む統合型リゾート施設
関西経済が長期的に成長するとの期待の高まりが、安定的な転入増につながっていると多くの有識者が分析しています。東京への流入の一部が、大阪方面に振り向いた可能性が考えられるでしょう。
一時的な転入超過減少でも東京・首都圏一極集中が続く根拠
2025年の転入超過減少を「東京離れのシグナル」と読み取るのはやや早計です。より深くデータを見ていくと、東京への人口集中を支えるメカニズムは健在であると分かります。詳しく見ていきましょう。
若年層(15~29歳)の転入超過は10万人超で過去最多水準
東京への転入を長年けん引してきたのは、進学・就職を機に上京する若年層です。総務省の「住民基本台帳人口移動報告」のデータによると、2023年・2024年の東京都への15〜29歳の転入超過数は10万人超と、年齢別データの公表が始まった2010年以降で最多水準を維持しています。
2025年も20〜24歳だけで57,263人の転入超過を維持しており、若年層の東京流入のトレンドは変わっていません。少子化が進むなかでこれだけの若者が集まり続けているのは、東京の就職機会・教育機会の多さが他の地域を大きく上回っているためです。
東京圏全体でも15歳~29歳の転入超過は高水準の125,458人となっており、大阪圏の7,971人と比べても大きな差があります。
参考総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」
2050年でも人口を維持できるのは東京都のみ
2023年に公表された国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口」では、2050年時点の見通しが次のように示されています。
- 日本全体の人口:2020年比で約2割減の83%に減少
- 秋田県をはじめとする地方11県:約3割の大幅人口減少
- 東京都:2040年頃まで人口増加が続き、2050年でも2020年比102.5%
2050年に人口維持が見込まれる都道府県は、唯一「東京」しかないと推計されています。長い目で見た賃貸需要を考えるうえで目を背けられない事実です。他のあらゆる地域と東京の間に生まれる「需要と供給の格差」は、今後ますます広がっていくと考えられます。
外国人の転出超過は一時的な可能性が高い
2025年に東京都で外国人が転出超過に転じたことは確かですが、日本全体での外国人増加の流れは継続中です。国外からの転入者は2025年も前年比+6.3%の782,165人で、国外への転出者409,592人を大幅に上回っています。
参考総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」
東京都の外国人転出超過は、居住コスト上昇を嫌った一時的な分散の結果と考えられるでしょう。今後、東京の生活環境がまた整ってくれば、再び転入超過に転じる可能性があります。
東京の転入超過減少が不動産投資に与える影響
14,000人超の転入超過減少は、賃貸市場に何をもたらすのか。不動産投資目線での影響を見て行きましょう。
短期的には賃貸需要の伸び鈍化も長期トレンドにはほぼ影響ナシ
転入超過の減少は、新たに賃貸物件を借りる人の数が減ることを意味するため、短期的には需要が下振れするリスクがあります。ただし、賃貸需要というものはいわゆる「ストック」であり、一年分の転入超過の減少で、既存の入居者が急にまとまって退去するわけではありません。
また、14,000人の減少といっても、東京圏全体では123,534人が引き続き転入超過です。単年の減少が長期間の流れを覆すには、それをはるかに上回る変化が必要になります。2050年まで東京のみが人口を維持するという国の推計が示すとおり、長期の賃貸需要は東京をはじめとした都心部に集中し続けるでしょう。
単身者向けとファミリー向けで明暗が分かれる
年齢別データが示すとおり、東京都への転入を支えているのは主に若年単身世帯です。一方で35歳以上は転出超過傾向が続いており、とくに60〜64歳の転出超過数が4,222人と最多でした。この年齢別の転出状況は、以下のように賃貸市場でも物件タイプごとの明暗を分けます。
- 単身者向け(ワンルーム・1K):安定した若年層の流入により、需要も安定しやすい
- ファミリー向け(2LDK以上):都心よりも周辺エリアの需要が強くなる傾向がある
物件タイプとエリアの組み合わせを、この「需要の偏り」に合わせて選ぶことが、現在の転入超過が減少する状況ではより重要になってきます。
エリア選定の重要性が増す:都心vs郊外なら都心が有利に
転入超過が減少しているなかでも、需要が集中するのは東京23区や大阪など都心部の駅近エリアです。若年層の流入は就職先となる企業が集まる都心部に向かいやすく、通勤に便利なエリアのニーズの高さは今後も維持されると考えられます。
郊外・地方への人口分散という話題はコロナ禍からよく出ていますが、住民基本台帳のデータが示すのは「東京圏の転入超過が30年連続で続いている」現実です。都心から離れたエリアで物件を選ぶ場合は、この実態を踏まえて慎重に判断しなければいけません。
家賃設定は慎重に:過度な値上げはハイリスク
東京の家賃高騰が転入ペースを鈍くしている一因として考えられる以上、賃料の過度な引き上げは長期入居者の退去リスクを高め、新規入居者の獲得を難しくします。
つまり転入超過が減少している現在は「相場から大きく離れない家賃設定」が空室リスクの抑制に効果的です。もちろん、設備投資などで競合と差別化する前提での戦略的な家賃上昇は問題ありませんが、「収益性が低いから家賃を上げる」方向性は避けるのが無難でしょう。
短期的な変動に惑わされず長期視点で不動産投資を検討しよう
2025年の転入超過減少は4年ぶりとはいえ、ひとつの年のデータに過ぎません。若年層の大量流入や首都圏における30年連続の転入超過、2050年時点で人口維持が東京のみという将来推計が示す東京・首都圏の賃貸需要の安定感は変わっていません。
ただし、人口動態のデータを読めても、それが「この物件を買うべきかどうか」に直結しないのが不動産投資の難しさです。転入超過減少のこの年に買った物件が10年後も稼ぎ続けるかどうかは、エリア・築年数・間取りなど、さまざまな要素を組み合わせて決まります。
TOKYOリスタイルでは、独自の物件評価システム「MIKATAイズム™」で約25項目の投資妥当性を数値化し、買うべきかどうかを客観的にデータ化しています。「今、どのエリアのどんな物件を長期保有すべきか」を考えていきたい方は、お気軽に無料相談をご利用ください。客観的なデータと専門家のアドバイスで、あなたの不動産投資の成功をサポートします。
まとめ
2025年の東京都転入超過数は65,219人で、前年比14,066人の減少となりました。減少の主な要因は以下の3点です。
- 外国人が転入超過から転出超過に変わった
- 東京の家賃高騰により転入ペースが鈍くなった
- 万博・IR効果で拡大した大阪への分散があった
一方で、東京圏は30年連続で転入超過を続けており、若年層の流入は10万人超の過去最高水準を記録しています。2050年まで人口維持が見込まれる唯一の都道府県が東京という推計も変わらず、長い目で見た賃貸需要の安定感は健在です。
不動産投資では単年のデータに一喜一憂せず、長期的な変化を正確に読み解くことが成功のポイント。2025年の転入超過減少のデータのみを見ると「人口と賃貸需要減少の予兆」に見えるかもしれません。しかし、他のデータを見る限り今後も転入超過が大きく減少し続けるとする根拠は薄いでしょう。
TOKYOリスタイルでは、長期のトレンドと客観的なデータから「本当に投資すべき物件」のみをアドバイスします。「不動産投資に手を出すか迷っている」「今、買うべき物件が分からない」という方は、お気軽に無料相談でお悩みをお聞かせください。

この記事の執筆: 及川颯
プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。
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