2023年11月24日、東京都港区に「麻布台ヒルズ」が開業することが発表されました。麻布台ヒルズは、平成元年から行われた再開発事業により建設。3棟の超高層タワーを擁しながら、緑あふれる魅力的な環境であることが特徴です。

本記事では、麻布台ヒルズの特徴や各施設の概要、麻布台ヒルズ内に建設されるマンションについて解説します。さらに、麻布台ヒルズが及ぼすであろう不動産市場への影響についても考察を加えました。

麻布台ヒルズのマンションや不動産投資に及ぼす影響が気になる方は、ぜひ最後までご一読ください。

• 麻布台ヒルズの概要
  • 場所
  • コンセプト
  • デザイン
  • 施設
    • 3つの超高層タワー
    • 4つの低層ビル
  • 環境面への配慮
• 麻布台ヒルズに建設される4つのマンション
  • ①アマンレジデンス東京
  • ②麻布台ヒルズレジデンス A
  • ③麻布台ヒルズレジデンス B
  • ④麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンス
  • 麻布台ヒルズに建設されるマンションの販売価格
• 麻布台ヒルズの完成で想定される不動産市場への影響
  • 麻布台ヒルズの経済効果
  • 住友不動産六本木グランドタワーレジデンス棟における入居開始前後の地価変動率
  • アマンレジデンス東京の売出価格による不動産投資への影響
• まとめ

麻布台ヒルズの概要

麻布台ヒルズは「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」として建設されました。特徴は、高さ約330mの「麻布台ヒルズ森JPタワー」を中心とする3棟の超高層ビルです。麻布台ヒルズ森JPタワーは、高さ300mのあべのハルカスを抜いて、日本一の高さとなります。

参考麻布台ヒルズ

参考ニュースリリース

麻布台ヒルズの開業は、2023年11月24日です。しかし、同年8月30日にはインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京（BST）」が開校。また、同年11月6日には、慶應義塾大学予防医療センターの検査提供がスタートします。

麻布台ヒルズ本開業後も、2023年冬にはホテル「ジャヌ東京」開業、2024年1月に「麻布台ヒルズ マーケット」開業、「エプソン チームラボボーダレス」の開館を控えています。同年2月以降にはラグジュアリーブランドの入店が予定され、本開業後も段階的に施設がオープンします。

場所

麻布台ヒルズは、六本木一丁目駅のある外苑通りと神谷町駅にある桜田通りに挟まれている地域です。最寄り駅は、六本木一丁目駅（南北線）か神谷町駅（日比谷線）になります。

麻布台ヒルズレジデンスや森JPタワーは六本木一丁目駅が使いやすい立地です。また、ガーデンプラザは神谷町駅と地下通路でつながっています。

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コンセプト

麻布台ヒルズのコンセプトは、「Modern Urban Village」です。「Modern Urban Village」とは、「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街」のこと。「Green」と「Wellness」の二本柱に支えられています。

「Green」とは、圧倒的な緑に囲まれ都市と自然が調和した環境です。低層ビルの屋上も含めて敷地全体を緑化することで、都心でありながら約2万㎡の緑地が確保されています。

一方、麻布台ヒルズが定義する「Wellness」とは、そこに暮らすことで人々が健康になれる街のこと。医療施設を中心にフィットネスクラブやスパ、レストランといった各種施設を連携させ、麻布台ヒルズでの生活が「Wellness」の実現に繋がる仕組みを提案しています。

デザイン

麻布台ヒルズは、世界各国からデザイナーを招聘して作られた施設です。場所により複数のデザイナーが担当しています。

場所別の代表的なデザイナーと代表作は、次のとおりです。

施設

麻布台ヒルズの構成要素は、3つの超高層タワーと4つの低層ビルです。これらに入る各施設により、人々の営みがシームレスにつながる新しい都市生活を実現できるよう設計されています。

それでは、超高層タワーと低層ビルの概要を解説します。

3つの超高層タワー

超高層タワーは、いわば麻布台ヒルズの「目玉」。下記3つの超高層タワーが建設されます。

• 麻布台ヒルズ森JPタワー
• 麻布台ヒルズレジデンスA
• 麻布台ヒルズレジデンスB

麻布台ヒルズ森JPタワーは、64階建てで高さ330m。次のような施設があります。注目すべきは、アマンリゾーツと組んだ分譲マンションである「アマンレジデンス東京」です。

麻布台レジデンスAの施設は、以下のとおり。1階 〜 13階に入る日本初進出の「ホテルジャヌ東京」が目玉となっています。

麻布台レジデンスBに入居する施設は、以下のとおりです。分譲・賃貸マンションについては、後ほど詳しく解説します。

4つの低層ビル

麻布台ヒルズには低層ビル「ガーデンプラザ」も建設されます。トップクラスのラグジュアリーブランドやレストランを中心に、80店舗の商業施設が集まるビルです。ガーデンプラザはAからDまでの4棟。神谷町駅と地下で直結しています。

さらに、ガーデンプラザには日本初のリアル店舗となる集英社のギャラリー「集英社マンガアートヘリテージ」や、お台場から移転する「森ビル デジタルアート ミュージアム：エプソン チームラボボーダレス」など、さまざまなギャラリーが設置されます。

環境面への配慮

麻布台ヒルズは、都心にありながら環境面にも配慮された施設となっています。麻布台ヒルズ内で使用される電気は、すべてCO2を排出しない再生可能エネルギーです。事業活動で使用する電力を100％再生可能エネルギーでの調達を目指す「RE100」にも適合。麻布台ヒルズで使用される全電力が再生可能エネルギーとなっています。

さらに、麻布台ヒルズでは東京都水道局と協定を結び、国内で初めて下水熱を冷暖房に活用。雨水や雑排水を再利用することにより、水資源の有効活用も図っています。

麻布台ヒルズでは、国際的な環境性能評価システムである「LEED」において、最高ランクのプラチナ予備認証を複数分野で取得。「WELL」においても予備認証を取得済みで、竣工後は最高ランクのプラチナ認証を取得予定です。

麻布台ヒルズに建設される4つのマンション

麻布台ヒルズには、下記4つのマンションが建設されます。

1. アマンレジデンス東京
2. 麻布台ヒルズレジデンス A
3. 麻布台ヒルズレジデンス B
4. 麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンス

ここからは、各4つのマンションについて、特徴を解説します。

①アマンレジデンス東京

アマンレジデンス東京は、麻布台ヒルズ森JPタワーの53階 〜 64階部分に建設される91戸の分譲マンションです。ラグジュアリーホテルチェーン「アマンリゾーツ」と組んで開発された超高級マンションです。

アマンレジデンス東京には、居住者専用の「アマン・スパ」も建設予定。アマンリゾーツが提供する贅沢でかつ行き届いたサービスで、都心でありながら穏やかで満たされた生活空間が提供されます。

②麻布台ヒルズレジデンス A

麻布台ヒルズレジデンスAにも、14階 〜 54階にマンションが建設されます。麻布台ヒルズレジデンスAには、アマンリゾーツが展開するホテル「ジャヌ東京」が2023年冬頃にオープン。ジャヌ東京と連携したサービスを24時間受けられることも魅力です。

麻布台ヒルズレジデンスAのインテリアは、シンガポール大統領デザイン賞を受賞したスー・K・チャン氏が担当。吹き抜けのリビングやプールのある部屋に代表されるゆとりと解放感が共存する住空間が特徴となっています。

麻布台ヒルズレジデンスAは、分譲と賃貸両方が存在するマンションです。しかし、賃貸は法人契約のみとされています。分譲と賃貸の割合も、2023年8月現在非公開。今後の情報解禁が待たれるところです。

③麻布台ヒルズレジデンス B

麻布台ヒルズレジデンスBは、6階から64階にできる約970戸のマンションです。分譲802戸、賃貸168戸で構成されています。賃貸は、日常生活に必要な家具や食器が完備された、サービスアパートメントです。海外からの利用者やワーケーション、セカンドハウスとしてのニーズに応える形態となっています。

麻布台ヒルズレジデンスBの特徴は、充実した共用施設。ジム、シアター、キッズルーム、スタディルーム、ラウンジなどが併設されています。

④麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンス

麻布台ヒルズガーデンプラザレジデンスは、ガーデンプラザA、B、D棟8階に建設されるマンションです。総戸数は31戸。こちらは賃貸で、法人契約のみとなっています。

公表されている価格帯は、次のとおりです。

参考麻布台ヒルズ ガーデンプラザレジデンス 空室状況のご案内

麻布台ヒルズに建設されるマンションの販売価格

それでは、麻布台ヒルズの分譲マンションはいくらで販売されているのでしょうか。2023年8月現在、麻布台ヒルズで販売される分譲マンション価格の公式発表はありません。アマンレジデンス東京の価格は200億 〜 280億円と言われていますが、実際の販売価格が気になるところです。

麻布台ヒルズの完成で想定される不動産市場への影響

麻布台ヒルズは大規模な高級住宅街となることから、不動産市場にも何らかの影響を及ぼすことが想定されます。しかし、麻布台ヒルズの売出価格がわからないこともあり、その影響は未知数とも言えるでしょう。

ここからは、麻布台ヒルズの完成で期待されている経済効果や、過去の超高級マンションの入居開始前後の公示地価推移を参考に、麻布台ヒルズが与える今後の影響を考察します。

麻布台ヒルズの経済効果

麻布台ヒルズ森JPタワーの就業者数と居住者数は、合計約23,500人。年間来訪者数は、約3千万人を予想しています。森JPタワーのスケールは六本木ヒルズと同様。経済効果は数百億円以上とも言われています。

麻布台ヒルズ全体の商業施設数は、約150店。ギャラリーやホテル、ベンチャーキャピタル（VC）の集積拠点も作られることから、六本木ヒルズと同等、もしくはそれ以上の来訪者数が期待できます。

また、麻布台ヒルズは、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズ、アークヒルズの中間地点に位置しています。既存の各ヒルズは、麻布台ヒルズと同様に森ビル株式会社が運営。各ヒルズの相乗効果により、さらなる経済効果も期待できそうです。

住友不動産六本木グランドタワーレジデンス棟における入居開始前後の地価変動率

2016年（平成28年）3月、住友不動産六本木グランドタワーのレジデンス棟が完成、同年4月に入居が開始されました。同タワー近隣の六本木2-3-9の公示地価推移を見ると、入居開始前後の7年間で以下のように推移しています。

参考国土交通省地価公示・都道府県地価調査

2015年 ～ 2017年を見ると、地価上昇率が前年より上昇。同タワーの入居開始が地価に影響を与えたことが伺えます。麻布台ヒルズでも、マンションの入居開始後は六本木の不動産価格が上昇する可能性があると言えるでしょう。

アマンレジデンス東京の売出価格による不動産投資への影響

アマンレジデンス東京は200億円 ～ 280億円と噂されていますが、公式発表はありません。参考として、2021年11月に分譲開始、売出価格が67億円とされた「MARQ OMOTESANDO ONE」近隣の直近5年分の地価推移を掲載します。

参考国土交通省地価公示・都道府県地価調査

こちらも、売出開始後に変動率が上昇したことが伺える結果となっています。麻布台ヒルズも「MARQ OMOTESANDO ONE」と同様に、六本木の不動産価格に大きく影響をあたえる可能性があると言えるでしょう。

まとめ

麻布台ヒルズは、先日オープン日が決定したばかりです。斬新なデザインと環境への配慮、周辺の利便性が向上することもあり、11月の開業が待たれています。

株式会社ウェイブダッシュが運営する地域情報サイト「生活ガイド.com」によると、港区は「住みたい自治体ランキング4位」となっています。今のところ、麻布台ヒルズが不動産投資に与える影響は未知数です。とはいえ、麻布台ヒルズが港区の魅力をさらに高める可能性も十分あります。

六本木は、当社でも今後の動向を注目している地域です。麻布台ヒルズ開業で六本木の不動産市場の変動に関して気になる点がございましたら、ぜひ当社の無料相談をご活用いただけましたら幸いです。