不動産投資において「御堂筋線」は外せない!「大阪の大動脈」御堂筋線の魅力とおすすめエリアを紹介
- 更新:
- 2023/08/21
新大阪・梅田・なんば・天王寺といった主要駅をおさえつつ大阪市内を南北に貫き、観光客にとっても府民の生活の足としても重要な役割を果たす「御堂筋線」。有名観光地だけでなく大阪有数のビジネス街も擁する御堂筋線は大阪市内の中心路線の一つであり、その沿線は不動産市場においても外せない注目エリアです。
今回は、大阪市も「大阪の大動脈」と公言する大阪の主要かつ人気路線、御堂筋線の概要と魅力、おすすめエリアについて紹介します。
本記事を読めば御堂筋線の魅力がわかり、不動産投資における可能性について把握できます。ぜひ参考にしてください。
御堂筋線の魅力と利便性
御堂筋線は「大阪」のイメージを凝縮して体感できる、まさに都市の脈動を伝える「大動脈」に相応しい存在です。
まずは御堂筋線の概要と利便性について解説します。
御堂筋線の概要と魅力
御堂筋線は大阪環状線の中心付近を南北に走る路線であり、阪急うめだ本店前から難波駅前を結ぶ「御堂筋」と呼ばれる幅員44メートルの道路の地下を通ることからその名前が付いています。
44メートル幅という大規模道路である御堂筋は、「大阪の中心街路たるに恥じざる幅員と体裁を備える」という、大正15年当時の市長の構想により誕生しました。
主要エリアをつなぐ御堂筋は古くから今日に至るまで「大阪都心の顔」として発展してきました。その地下を走る御堂筋線もまた、大阪初の地下鉄かつ日本初の公営地下鉄として昭和8年に梅田〜心斎橋間が開業して以来、長く大阪の中心路線として活躍しています。
大阪市内を南北に走る御堂筋線は、新幹線停車駅でもある新大阪、繁華街である梅田・なんば・天王寺、大阪有数のビジネス街である本町など市内の主要エリアを結びます。その利便性の高さから御堂筋線は「SUUMO 住みたい街ランキング2022関西版」で20駅中6駅が上位に入る人気の路線です。
御堂筋線の利便性
御堂筋線は20駅からなる路線であり、北側の始発駅である「江坂」駅は吹田市・豊中市・箕面市を通る北大阪急行線と直通運転をおこなっています。
「新大阪」駅はJR・新幹線と連絡し府外と府内をつなぐハブターミナルとなっているほか、「梅田」駅はJR・阪急線・阪神線に乗り換えでき、神戸方面への乗り換えにも重要な駅です。また、「なんば」駅ではJR・阪神線・近鉄線に加え南海本線にも乗り換えられ、市内だけでなく奈良や和歌山方面のアクセスにも利用できます。
上の広域路線図のなかで、赤い線で示されている路線が御堂筋線です。鉄道網の要所をおさえた路線であることが一目でわかるのではないでしょうか。
多くの駅が他路線に乗り換えできる御堂筋線は、市内・市外ともに圧倒的なアクセス性の高さが魅力です。
そのアクセス性から、御堂筋線はなんば駅で連絡予定の2031年開業予定である「なにわ筋線」と合わせて、2025年に開催される大阪万博やIR開業で増える国内外からのアクセスにおいても重要な役割を果たすことが期待されています。
(詳細は次の記事をご覧ください:
「開業はいつ?!大阪なにわ筋線がもたらすメリットと不動産投資市場への影響とは?」
「2025年大阪万博による経済効果は?不動産市場への影響まで解説」
「大阪で日本初のカジノを含めたIR!懸念点や不動産投資への影響をご紹介」)
御堂筋線の主要エリアと特徴
次に、御堂筋線の主要なエリアとそれぞれの特徴について紹介します。
エリア①:開発が進む「新大阪 ~ 梅田」周辺
(画像:新大阪駅)
新大阪は東海道新幹線の停車駅であり、広域交通の要所という利便性から駅周辺はビジネス街となっています。
さらに2037年の開業を目指すリニア中央新幹線により、「東京 〜 大阪」間の所要時間が67分になる予定です。これにより、3大都市圏が一体となった「スーパー・メガリージョン(巨大都市圏)」が生まれると言われています。
新大阪エリアは東日本と西日本、そして国内と国外を結ぶ結節点としての役割が今まで以上に期待される、ポテンシャルのあるエリアです。
広域交通の要所が新大阪ならば、観光・商業・ビジネスの要所が梅田です。
梅田周辺には「大阪」駅直結の日本最大級の複合施設「グランフロント大阪」や、空中庭園展望台で有名な「梅田スカイビル」などがあり、「大阪の玄関」と位置づけられる街です。
引用梅田スカイビル
ほかにも赤い観覧車が印象的な「HEP FIVE」など多くの商業施設が集まる商業・観光の中心地である梅田エリアですが、再開発も進んでいます。現在は「うめきた2期」として「みどり」と「イノベーション」の融合拠点を目指すまちづくりが進んでおり、さらなる進化が期待されるエリアです。
(詳細は次の記事をご覧ください:「【不動産投資】再開発で大注目! 大阪・梅田駅の特徴や魅力を徹底解説」)
エリア②:活気あふれる繁華街「心斎橋 ~ なんば」周辺
「キタ」の中心「梅田」に対し、「ミナミ」の中心が「なんば」周辺です。
「グリコ」の看板で有名な道頓堀や「なんばパークス」をはじめとした多くの商業施設があり、観光客で夜遅くまで賑わうエリアです。さらには2018年に南海なんば駅直結の複合施設「なんばスカイオ」も開業しています。
なんばの隣駅「心斎橋」も駅周辺に商業施設が集まっています。多くの古着屋や服飾ショップが並ぶ「アメリカ村」もあり、観光客・地域住民ともにショッピングに人気のエリアです。
(詳細は次の記事をご覧ください:
「【不動産投資】難波駅の魅力とは?エリアの特徴や周辺施設まで徹底解説!」
「【不動産投資】大阪・心斎橋駅の魅力とは?エリアの特徴や周辺施設まで徹底解説!」)
エリア③:大阪第3の都市「天王寺」周辺
梅田、なんばに続く「大阪第3の都市」と呼ばれるのが「天王寺」です。
JR・御堂筋線・谷町線が利用可能な天王寺駅は利便性がとても高く、2020年度の御堂筋線利用者数でも第3位です。
天王寺のランドマークといえばホテル・オフィス・美術館・近鉄本店などからなる「あべのハルカス」でしょう。地上300メートルの超高層複合ビルの最上階からは大阪を一望でき、「ハルカス」の由来となった「晴るかす(古語)= 晴れ晴れとされる」気分が味わえます。
もう一つのランドマークが東京ドーム5.5個相当の広さを持ち、回遊庭園「慶沢園」や天王寺動物園、大阪市立美術館を擁する「天王寺公園」です。
府下最大のショッピングモール「あべのキューズモール」もあり観光のイメージが強い天王寺エリアですが、市内有数の文教地区としても知られる住みやすいエリアでもあります。
(詳細は次の記事をご覧ください:「大阪・天王寺駅周辺はなんでも揃う住みやすい街!エリアの特徴から不動産投資の動向まで徹底解説」)
不動産投資における御堂筋線のおすすめエリア
次に不動産投資の観点から御堂筋線でおすすめのエリアをいくつか紹介します。
おすすめエリア①:中津駅周辺
梅田駅の隣にある中津駅周辺は、徒歩で梅田エリアにアクセスでき、高い利便性と住環境が両立できる人気の高いエリアです。
<中津駅の概要>
乗降者数 | 37,190人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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利用可能路線 | 阪急神戸線「中津」駅まで徒歩数分のほか、「大阪」「梅田」駅も徒歩圏内のため複数路線利用可能 |
周辺施設 | 駅周辺にコンビニや飲食店は多いが、ほかの店舗は少ない |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:6.40 ~ 11.90万円 2K ~ 2LDK:8.48 ~ 23.82万円 (※LIFUL HOMES 中津駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
またLIFUL HOMESによると、梅田駅より単身者向けの家賃相場が平均7,000円近く低く、単身〜2人用の物件を検索する人が78%にものぼる単身者に人気のエリアです。
おすすめエリア②:大国町駅周辺
なんば駅の隣にある大国町駅周辺も、徒歩でなんばエリアにアクセスできる利便性が魅力ですが、それだけではありません。
大国町のメリットは、大阪有数のビジネス街である「本町」駅まで3駅、5分程度とアクセスが非常によい点です。
<大国町駅の概要>
乗降者数 | 30,126人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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利用可能路線 | 大阪メトロ四つ橋線のほか、JR「今宮」「新今宮」、南海「新今宮」「今宮戎」も徒歩圏内 |
周辺施設 | 駅周辺にコンビニ・スーパー、卸売市場も有 |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:5.77 ~ 10.01万円 2K ~ 2LDK:10.72 ~ 13.61万円 (※LIFUL HOMES 大国町駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
またLIFUL HOMESによると、単身 〜 2人用の物件を検索する人が87%。通勤にも買い物にも高い利便性がある上に隣のなんば駅より家賃相場が5,000円近く安めのため、単身者に高い人気がある穴場エリアです。
おすすめエリア③:江坂駅周辺
御堂筋線の始発駅、「江坂」は関西圏以外の人には聞きなじみのない駅ですが、「SUUMO 住みたい街ランキング2022関西版」で9位です。その理由は新大阪駅まで4分というアクセスと住環境のよさの両立です。
<江坂駅の概要>
乗降者数 | 77,048人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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他利用可能路線 | 北大阪急行線 |
周辺施設 | 駅周辺にスーパー多数、ディスカウントストア、江坂公園もあり暮らしやすい |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:6.56 ~ 10.97万円 2K ~ 2LDK:8.47 ~ 14.22万円 (※LIFUL HOMES 江坂駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
LIFUL HOMESによると、江坂駅周辺では約30%の人がファミリー向け物件を検索しており、単身層からファミリー層まで幅広い需要があることがわかります。
人気エリアのため2つ隣の新大阪駅よりも家賃相場が1万円程度高いですが、「家賃も需要も高い」という不動産投資において期待が持てるエリアです。
おすすめエリア④:昭和町駅周辺
最後におすすめするのが昭和町駅周辺です。
天王寺に隣接する阿倍野エリアは、1,400年以上の伝統を誇る「四天王寺」などの旧跡を持つ歴史のある街です。天王寺駅の隣、阿倍野区にある「昭和町」周辺には近代長屋としては全国初の登録有形文化財「寺西家阿倍野長屋」や「あべの王子商店街」などがあり、「古い大阪」の魅力が伝わるエリアです。
<昭和町駅の概要>
乗降者数 | 23,891人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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他利用可能路線 | 大阪メトロ谷町線「阿倍野」駅徒歩圏内 |
周辺施設 | スーパー・コンビニ有、商店街も有 |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:4.7 ~ 9.79万円 2K ~ 2LDK:6.21 ~ 10.71万円 (※LIFUL HOMES 昭和町駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
LIFUL HOMESによると、大国町駅周辺では約30%の人がファミリー向け物件を検索しており、単身層からファミリー層まで幅広い需要があるエリアです。
御堂筋線沿線における不動産投資の展望
来たる大阪万博開催とIR開業に向けて、世界に向けても「大阪の顔」となるべく御堂筋沿線の再開発が進められています。
先述した梅田エリアにおける「うめきた2期」再開発だけでなく、大阪市は「空間再編により回遊性を向上させ、多様な人々が集う交流・滞在空間の創出」を目指す「なんば駅周辺における空間再編推進事業」を進めています。
大阪市が掲げるのは、御堂筋全体の空間再編をおこない、最終的に「シャンゼリゼ通り」のような「人中心の目抜き通り」にするという「御堂筋将来ビジョン」です。御堂筋が「大阪の顔」として今後も発展を続けると同時に、御堂筋線もますます重要な役割を果たすと考えられます。
まとめ
名実ともに大阪の中心である御堂筋線沿線は人気も高く、沿線の発展もますます続いていくことが予想されます。そのため、不動産投資において今後も期待できるエリアです。
当社のコンサルタントが専門的な観点からアドバイスをおこない、不動産戦略のお役に立ちます。御堂筋線や大阪エリアの不動産投資に興味を持った方は、ぜひ当社にご相談ください。
この記事の執筆: ひらかわまつり
プロフィール:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格を有するママさんライター。親族が保有するマンションの管理業務経験を有するなど、理論・実務の両面から不動産分野に高い知見を持つ。また、自身でも日本株・米国株や積立NISAなどを行っていることから、副業や投資系ジャンルの執筆も得意としている。解像度の高い分析力と温かみのある読みやすい文章に定評がある。不動産関連資格以外にも、FP2級、日商簿記検定2級、建築CAD検定3級、TOEIC815点、MOSエキスパートなど多くの専門資格を持つ。
ブログ等:ひらかわまつり