渋谷区で不動産投資はアリなのか?渋谷区エリアの魅力と留意点を解説
- 更新:
- 2024/04/08
渋谷区は、住みたい街や駅として常にランクインする人気の街です。都心であり人気があるためマンションの価格が高く、「自分には手を出せない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
利便性が良く、かつ自然と文化が共存する渋谷区は、今後も賃貸需要が十分に期待できるエリアです。
今回は渋谷区エリアの魅力や雰囲気、不動産投資の可能性や渋谷区で不動産投資をするにあたっての留意点を解説します。本記事を読むことで、渋谷区で不動産投資を行う際のイメージがつかめるでしょう。渋谷区で物件を購入して不動産投資を行いたい、渋谷区の物件が気になっている方は、最後までご一読ください。
渋谷区の概要と魅力
渋谷区は人口23万人で、若者の街として知られています。
渋谷駅前は再開発により様変わりし、大きな商業施設が複数建設。一方で、松濤や広尾、代々木上原といった高級住宅街がありながらも、初台・幡ヶ谷・笹塚といった京王新線では下町の雰囲気を楽しめる多面性のあるエリアです。
まずは渋谷区の概要と主要なスポットを紹介します。
渋谷区の概要と人口動態
渋谷区は東京23区の西南部に立地、広さは15.11㎢です。「若者の街」として知られる一方、中心部には明治神宮や代々木公園があり、全体の10分の1を緑地が占めています。
渋谷区は、2024年3月1日現在で230,683人が住んでいます。渋谷区が2016(平成28)年に策定した人口ビジョンでは、2025年に人口ピークを迎えるとされていました。
人口ビジョンによると、2025年に迎えるはずだった人口のピークは約22.3万人。しかし、2024年3月現在の人口は23万人となり、すでに想定人口を上回っています。
2020(令和2)年に改訂された人口ビジョンでは、2025年以降も人口は増加し、2045年をピークに減少に転じると推計されています。
渋谷区の交通利便性
渋谷区は、交通利便性が高いエリアです。
渋谷駅には4社8線が乗り入れ。駅の再開発により、利便性がさらに向上しました。
渋谷区内を走る路線は、以下の通り。多くの路線が走り、利便性に優れています。
- JR(山手線・埼京線・総武線)
- 地下鉄(東京メトロ:銀座線・半蔵門線・千代田線・日比谷線・副都心線、都営地下鉄大江戸線)
- 私鉄(東急電鉄・小田急電鉄・京王電鉄)
バスも、世田谷区、新宿区、港区など都心方面を中心に走っています。利用者数も約9万人と、日本有数のバス乗降数です。
区内では、渋谷駅の「ハチ公」をモチーフにしたコミュニティバス「ハチ公バス」が4ルートを走行中。「丘を越えてルート(上原・富ヶ谷ルート)」「夕焼け小焼けルート(恵比寿・代官山循環ルート)」などどこか懐かしくユニークなコース名も特徴的です。
渋谷区の有名スポットと魅力
渋谷区の有名スポットや魅力を見ていきましょう。
渋谷駅前は、109、PARCO、ヒカリエ、センター街などを擁する「若者の街」です。
(渋谷センター街)
(渋谷ヒカリエ)
渋谷PARCOは、所在地である宇田川町エリアの再開発に伴い2016年に閉店。2019年11月に「新生渋谷PARCO」としてリニューアルオープンしました。
渋谷駅周辺は賑わう街ですが、少し足を伸ばすと明治神宮や代々木公園など、落ち着いたスポットもあります。
(明治神宮)
渋谷駅周辺は、劇場も豊富です。
- 新国立劇場
- 国立能楽堂
- 東急シアターオーブ
- Bunkamuraオーチャードホール、
- Bunkamuraシアターコクーン(Bunkamura改装工事のため、2027年度まで休館中)
伝統芸能からミュージカルまで、さまざまな舞台が楽しめます。
渋谷駅以外でも、表参道ヒルズや恵比寿ガーデンプレイスなど、大きな複合施設が複数あります。
(表参道ヒルズ)
渋谷区の雰囲気と賃貸ニーズ
渋谷区は、大きく以下の5エリアに分けられます。
- 渋谷駅前
- 京王新線沿線
- 代々木
- 神宮前・原宿
- 恵比寿・広尾
エリアごとに雰囲気や賃貸ニーズを見ていきましょう。
渋谷区の各エリアと雰囲気
渋谷駅前は昼も夜も人が多く賑わう街です。ターミナル駅であることから、社会人の一人暮らしが多く、スーパーよりコンビニが多くあります。
渋谷駅の奥にある神山町、宇田川町、富ヶ谷近辺は「奥渋」と呼ばれ、隠れ家的なショップやレストランが点在。奥渋にはスーパーもあり、自炊したい場合も困りません。
京王新線沿線(初台・幡ヶ谷・笹塚)は、新宿まで1本で出られる点が魅力です。渋谷や新宿に近いにもかかわらず、人々の暮らしの息づかいを感じられる街でもあります。
笹塚には複合商業施設「フレンテ笹塚」と駅直結の地下街「京王クラウン街」があり、仕事帰りの買い物や食事に便利です。フレンテ笹塚は21時まで、京王クラウン街は24時まで営業している店舗があるため、残業が長引いた際の夜食にも困らないでしょう。
代々木駅周辺は、オフィス街や学生街でありながら、少し歩くと明治神宮や代々木公園がある多面性を持った地域です。学生街であることから、駅前にはリーズナブルな飲食店が豊富にあります。
代々木上原は高級住宅街としても知られる、閑静な住宅街です。センスが良いショップと、昔ながらの住宅が共存している街でもあります。
表参道もある神宮前や竹下通りでおなじみの原宿は、おしゃれなショップが建ち並ぶ若者の街です。2024年4月17日には、神宮前に「東急プラザ原宿「ハラカド」」がオープン予定です。
恵比寿は、渋谷、新宿、六本木までのアクセスも良く人気が高い街です。恵比寿ガーデンプレイス、アトレ恵比寿、キュープラザ恵比寿など、複合商業施設が多くあります。
一方、恵比寿駅前には恵比寿銀座通りや恵比寿駅前通り商店街など、昔ながらの商店街が混在。新旧の文化が共存する街で、犯罪件数が少なく治安がいいことが特徴です。
(恵比寿銀座通り)
広尾は、高級住宅街として知られ、大使館や有名学校が多くあります。緑も豊富で、落ち着いた住環境も人気です。
渋谷区の賃貸ニーズ
ここからは、各種調査結果をベースにして渋谷区の賃貸ニーズを見てみましょう。
大東建託が調査した「街の住みここち&住みたい街ランキング2023<東京都版>」によると、住みたい街、住みたい駅ともに10位以内に渋谷区が入っています。
令和4年度の渋谷区民意識調査では、「これからも渋谷区に住み続けたいと思いますか」との問いに対して、「ずっと住み続けたい」が50.3%で最も高く、次に「できれば住み続けたい」が45.5%。転出希望者は、全体の5%未満でした。
同意識調査によると、渋谷に愛着を持っている人の数も90%以上です。これらの結果からも、渋谷区は人気があり、賃貸ニーズも高いことがうかがえます。
参考令和4年度 渋谷区 区民意識調査 報告書(概要版)|渋谷区
渋谷区の地価推移と不動産投資における将来性
不動産投資においては、将来にわたって家賃収入を得られるかといった将来性が重要です。最後に、渋谷区の地価推移状況と、不動産投資における将来性を考察します。
渋谷区の地価推移
令和5年の地価公示価格によると、渋谷区の住宅地における平均価格は1㎡あたり126万円弱となっています。
また、ここ数年の渋谷区における基準地(住宅地)の標準価格は下表のように推移しています。
平均価格(円) | 変動率(%) | |
---|---|---|
令和元年度 | 1,143,000 | 5.3 |
令和2年度 | 1,166,500 | 2.1 |
令和3年度 | 1,178,500 | 0.3 |
令和4年度 | 1,212,300 | 2.9 |
令和5年度 | 1,262,800 | 4.1 |
参考東京都基準地価格
渋谷区内の地価はおおむね上昇傾向であり、コロナ禍で軒並み変動率が下落した令和3年度においても上昇しています。順調に地価が上がっていることから、23区内で不動産投資をするにあたって、渋谷区の物件は需要が高いと考えられます。
不動産投資における渋谷区の将来性
不動産投資における渋谷区の将来性を、人口や再開発を絡めて見ていきましょう。
渋谷区は住みたい街にもランクインを続けており、区民意識調査によると、住んだ人の4分の3が「暮らしている地域の雰囲気は、自分にとって心地よい」と感じています。憧れでありながらも住むと心地がよい街である渋谷区は、今後も人気が落ちることはないと考えられます。
渋谷区は、渋谷駅エリアを中心に2012年から各種再開発が続き、2027年度まで大規模開発が続く見込みです。
渋谷駅の他にも道玄坂や宮益坂でも再開発が行われており、今後も成長が期待できるでしょう。
渋谷区で不動産投資をおこなう留意点
渋谷区で不動産投資をおこなうにあたっては、災害リスクを見ておく必要があります。
渋谷区は、比較的災害リスクが低い地域です。渋谷区地震防災マップによると、マグニチュード7.3の地震が来た場合、建物倒壊危険度0 〜 3%未満の「危険度1」地域と、3 〜 5%未満の「危険度2」地域がほとんどとなっています。
地表面の震度分布(揺れやすさ)も合わせて確認しましょう。
緑地の場合、震度6弱を記録した場合に震度5強程度に軽減。住宅密集地でも、震度6強で震度が6となり、揺れが軽減される地域が多く存在します。以上のことから、大きな地震が起こっても渋谷区は比較的安心といえるでしょう。
渋谷区は、住みたい街としても住む街としても人気です。だからこそ物件の資産価値が高く、価格も高めとなっています。
当社掲載物件のうち、渋谷駅と池袋駅周辺における2千万円以上の物件数を比較したところ、渋谷駅周辺の方が高い割合となりました。
地域名 | 2千万円以上の物件の割合 |
渋谷駅周辺 | 19.7% |
池袋駅周辺 | 7.2% |
渋谷駅周辺は中古でも価格が高めなので、修繕費用が必要となる可能性があります。大きな修繕が必要となり支出が増えた場合に、キャッシュフローを圧迫してしまうかもしれません。
渋谷区は、今後の再開発により地価が変動し、マンション価格に影響が起こりうる可能性もあります。渋谷区内では、神宮外苑再開発が話題となりました。神宮外苑の再開発が不動産投資に与える影響も考察しておりますので、合わせてお読みください。
参考【2023年11月最新版】神宮外苑の再開発はなぜ反対される?再開発の論点と市場への影響を徹底解説
まとめ
渋谷区はさらなる発展が見込まれ、住みたい街としても人気が高いエリアです。住人からの支持も高いことから、中古でも価格が高い物件が多いというデメリットもあります。
渋谷区エリアは、各種再開発が行われることもあり、今後物件の価格が変化するかもしれません。渋谷区の物件購入を希望する際は、最新の状況を直接お伝えできる無料相談をぜひご活用ください。
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この記事の執筆: 堀乃けいか
プロフィール:法律・ビジネスジャンルを得意とする元教員ライター。現役作家noteの構成・原案の担当や、長野県木曽おんたけ観光局認定「#キソリポーター」として現地の魅力を発信するなど、その活躍は多岐に亘る。大学および大学院で法律や経営学を専攻した経験(経済学部経営法学科出身)から、根拠に基づいた正確性の高いライティングと、ユーザーのニーズに的確に応えるきめ細やかさを強みとしている。保有資格は日商簿記検定2級、日商ワープロ検定(日本語文書処理技能検定)1級、FP2級など。
ブログ等:堀乃けいか