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「無電柱化」で東京都の地価がさらに上がる?!進む電線の地中化と不動産投資への影響を解説

無電柱化, 地価, 不動産投資

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普段存在すら意識していないほど、街中に無数にある「電柱」と「電線」。日本にある電柱は3,600万本と言われています。

しかし数十年後には、その光景を知らない子どもが多くなるかもしれません。

街角の電線と電柱を、主に地下に収容する「無電柱化」のプロジェクトが、30年以上前から全国で進んでいます。

この無電柱化に特に力を入れているのが東京都です。小池百合子知事は2017(平成29)年に都道府県で初となる「東京都無電柱化推進条例」を制定し、積極的に無電柱化を進めています。

国や自治体にとってだけでなく、不動産投資にもメリットをもたらす「無電柱化」。

本記事では無電柱化の進行状況やメリットと課題、不動産市場への影響について解説します。本記事を読むと、無電柱化の概要と不動産投資にもたらす可能性がわかります。東京のさらなる進化について知っておきましょう。

東京都が「無電柱化」を進めるのはなぜ?

市民生活に影響を与えずに既存の電柱・電線の地中化をおこなう大変さは想像に難くありません。

それにもかかわらず東京都が無電柱化を推進する目的と、無電柱化の仕組みについて見ていきましょう。

無電柱化の目的と経緯

東京都の無電柱化計画は、近年始まったものではありません。

東京都は以下の3つの目的のため、昭和61年度から7期にわたり計画を策定し無電柱化を推進してきました。

  • 都市防災機能の強化
  • 安全で快適な歩行空間の確保
  • 良好な都市景観の創出

それにより無電柱化が進んだものの、欧米の主要都市と比べて東京の無電柱化は遅れている現状がありました。

そのため東京都は2017(平成29)年に都道府県で初となる「東京都無電柱化推進条例」を制定しました。さらに今後10年間の方針や目標を定めた「東京都無電柱化計画」を2018(平成30)年に策定し、コアエリアから都内全域へと取り組みを広げました。

その後、近年の自然災害の激甚化を受けて2018(平成30)年に策定されたのが「無電柱化加速化戦略」です。「電柱を減らす、これ以上電柱を増やさない、無電柱化の費用を減らす」を3原則としており、新設電柱の抑制・既設電柱の制限に向けた取組が進んでいます。

無電柱化の仕組みと進め方

無電柱化の方法で主に使用されるのが、「電線共同溝」です。

注意してみると、「電線共同溝工事」と書いてある工事看板を目にすることも多いのではないでしょうか。「電線共同溝」とは、2以上の事業者で共同使用する地下空間の施設を指します。

「電柱」と一言で言っても電力会社やCATV、NTT東日本の通信線などさまざまな線が通っています。これらの複数事業者の電力線や通信線を、まとめて地下の空間に収容する地中施設が「電線共同溝」です。

以下の図は電線共同溝の仕組みを表したもので、次のようなパーツで構成されています。

管路部 電力や通信用のケーブルを収容する管
特殊部 宅地への供給ケーブルとの接続・分岐部分
引込管 宅地への供給ケーブルを収容する
地上機器 電力の変圧器などを収容する

参考東京都建設局 東京都の無電柱化 仕組み

また、無電柱化工事は以下の6ステップでおこなわれます。

  1. ①計画・設計
  2. ②既存のガス・水道管などの移設
  3. ③電線共同溝の工事
  4. ④ケーブル入線と引込管の工事
  5. ⑤不要になった電線・電柱の撤去
  6. ⑥歩道の舗装

東京都の無電柱化、エリアと時期は?

当初中核エリアから始まった無電柱化は、今後どのように進んでいくのでしょうか。

ここでは、無電柱化が予定されているエリアと完了目標の時期について解説します。

対象エリア

まず無電柱化の対象となったのは「センター・コア・エリア」と呼ばれる、首都高速環状線の内側にあたる東京都の中核エリアです。都市防災の重点整備エリアとして、センター・コア・エリア内の対象都道においてはほぼ100%無電柱化が完了しています。

次に整備がおこなわれているエリアは、環状七号線の内側エリアのうち、センター・コア・エリアに指定されていなかった地域です。その後、ほかのエリアに無電柱化の対象を広げていきます。

国土交通省の「無電柱化推進計画」によると、東京都の無電柱化の優先順位は、①防災②安全③景観・観光の順番です。そのため、エリア内での優先順位は以下のようになっています。

①第1次緊急輸送道路ネットワーク 都道府県庁所在地、中心都市及び重要港湾、空港等を連絡する道路
②第2次緊急輸送道路ネットワーク 第1次緊急輸送道路と市町村役場、主要な防災拠点(行政機関、公共機関、主要駅、港湾、ヘリポート、災害医療拠点、自衛隊等)を連絡する道路
③道路法に基づく重要物流道路 平常時・災害時を問わない安定的な輸送の確保のため
④多くの人が集まる駅や観光地 利用人員が多い主要駅80駅(区部30駅と多摩地域50駅)とその半径500m程度

気になるのが、「主要駅」の範囲ではないでしょうか。

東京都建設局では、区部はおおむね5万人/日以上、多摩地域2.5 万人/日以上の利用者がいる駅を主要駅とするとしています。

区部・多摩地区以外でも、島しょ部の無電柱化にも取り組みます。①被災リスクを低減できる②停電・通信障害を防げる③それ以外の区間の順番で整備が進行中です。

無電柱化はいつ完了?

当初、東京都の無電柱化は2060年代の完了を目標としていました。

しかし島しょ地域に被害を与えた2019(令和元)年の台風第15 号をはじめ、近年激甚化する台風などの自然災害に対して備えるため、東京都は2021(令和3)年度に「無電柱化加速化戦略」を策定しています。

このなかで今後の整備目標として、第一次緊急輸送道路 〜 主要駅80駅周辺までと島しょ部は2030年代、整備対象全線では2040年代の完了を目指すとしています。
(※整備対象となる都道は歩道の幅員が2.5メートル以上のもの)

ちなみに、現在の重点エリアである環状七号線の整備状況は2023(令和5)年2月の時点で以下の図のようになっています。

10年 〜 20年近い整備の前倒しをするために、東京都は2020(令和2)年度時点で年間25kmの整備ペースを、2025(令和7)年度には年間50kmにペースアップするとしています。

無電柱化のメリット

無電柱化は「防災」「安全・快適」「景観・観光」の観点から推進されています。

一つひとつ解説します。

メリット①:災害対策

一つ目のメリットが、無電柱化の主たる目的である災害対策です。

台風や地震などの自然災害で電柱が倒壊すると、避難活動や緊急車両の通行の妨げになります

さらに電線は振動や暴風に弱く、断線が起きてしまえば電力・通信サービスの供給がストップしてしまいます。実際に2018(平成30)年の台風21号では近畿地方、2019(令和元)年の台風第15号では千葉県を中心に大規模停電や停電による断水が発生し、住民生活に多大な支障が発生しました。

電柱・電線が地中化すれば、災害時にライフラインが長期にわたり途絶える危険性が減る上に、災害時の緊急車両のスムーズな通行が可能になり人命救助に役立ちます。

メリット②:安全性の向上

二つ目のメリットが、安全性の向上です。

電柱でより狭くなりすれ違いが大変な狭い歩道、あるいは電柱を避けながら車と接触しないように気をつけて歩かなければならないような狭い道路では、無電柱化によって快適さと安全性が向上します。

また、車を運転する人にとっても無電柱化はメリットがあります。

電柱に遮られることなく、歩道の視認性が上がるため歩行者の急な飛び出しによる事故が起きにくくなります。

無電柱化によるさらなる効果が「バリアフリー」です。

「東京都無電柱化計画(改定)」によると、無電柱化の際の舗装復旧工事に合わせて段差の解消や勾配の改善などのバリアフリー化を一体的におこなっていくとしています。

メリット③:景観の向上

三つ目のメリットが、電柱と電線がなくなることによる街の景観の向上です。

写真を撮る際に「いい風景なのに、あの電線さえ入らなければ……!」と悔しい思いをしたり、あとから編集で消したりといった経験は誰しもあるのではないでしょうか。そのため、観光地では景観を重視して無電柱化されている場所もよく見られます。

無電柱化により、街の景観はここまで変わります。

特に雑然とした印象の幹線道路や商店街の無電柱化は、周辺の印象を大きく変える効果があります。

東京都の無電柱化に対する課題

メリットの反面、無電柱化のネックとなっているのが多額の工事費用と工事期間の長さです。

国や自治体をはじめとする関係者は、さまざまな対策を講じて課題解決を目指しています。

工事費用

電線共同溝の整備には、施設延長1kmあたり5.3億円(国土交通省試算)という多額の費用を要します。

自治体の費用負担を軽減するため、国は「無電柱推進計画事業補助制度」の策定と「PFI方式」の導入をおこないました。

補助制度では、無電柱化に際しての負担金や補助金の交付がある自治体を対象として5.5/10の補助率で補助金を給付します。

もう一つの施策の「PFI方式」とは、民間業者に資金調達も含めて事業を委託し、整備完了後に建設費と管理費を分割で支払う方式です。民間の効率的な事業運営を利用でき、費用負担も平準化できるメリットがあります。

費用に対する補助や費用の平準化のほかに、低コスト手法の導入も検討されています。

電線共同溝方式では地中の工事をおこなうため費用がかかります。その代わりの選択肢となるのが、電線を沿道家屋の軒下に配置する「軒下配線方式」や裏通りに配置して表通りを無電柱化する「裏配線方式」などです。

また機器類のコンパクト化や分割化によっても、コスト削減を図っています。

工事期間の長さ

電線共同溝方式の場合、埋設物などを確認しながら数ステップにわたる工事をおこなうため、施工延長約400mの整備に約7年という長い期間を要する点も無電柱化の課題です。

工事自体にも年数がかかりますが、複数の関係者に対して無電柱化事業の必要性についての合意、工事への理解や地上機器設置への協力が必要な点も時間がかかる要因です。

関係者との合意形成をスムーズに図るために、国土交通省は2022(令和4)年に合意形成の流れや内容をまとめた「無電柱化事業における合意形成の進め方ガイド(※リンクは改訂版)」を作成しています。

そのほかにも「無電柱化加速化戦略」では、電力・通信の需要が低くケーブルが少ない島しょ部には電線共同溝方式ではなく簡易な構造を採用するなどして工期を7年から3 ~ 4年にするとしています。

東京都の無電柱化による不動産市場への影響

無電柱化推進計画について」のなかで、国土交通省は「無電柱化を実施する機会を捉えて、舗装、照明、街路樹等のデザインの刷新など道路空間のリデザインを推進する」としています。

無電柱化に伴う植樹帯の設置や、歩道のカラー舗装などの道路空間を中心とした街並みのリデザインがもたらすもう一つの効果が対象エリアの不動産価値の向上です。

無電柱化事業をおこなうジオリゾーム社は、不動産鑑定士との協力により無電柱化(電線地中化)が宅地価格に与える影響の調査をおこないました。その結果、「電線地中化(無電柱化)は、宅地価格に約7%のプラス効果を与える」と報告しています。

この調査は大阪府で20年以上前に無電柱化を実施した星田西地区と、似た条件で近接している星田山手地区とで地価と価格下落率について検証したものです。

不動産鑑定評価では、当時250万円/戸と推定される電線地中化費用を差し引いても、宅地価格が約9%上昇しており、その他の手法での分析結果と合わせて宅地価格に約7%のプラス効果があるとしています。

無電柱化による街の景観向上がもたらす「美しい街」「安全な街」という印象は宅地価格の向上に大きく寄与するでしょう。

特に今後施工予定である、主要駅周辺の不動産需要の上昇による地価上昇に期待が持てます。

まとめ

課題はあるものの、無電柱化の実施で高い都市機能に加え都市としての価値が上がり、東京のさらなる地価上昇につながる可能性があります。

今後電線地中化と合わせた街づくりが見込まれるエリアは不動産投資の観点からも注目です。

東京都の不動産投資について知りたい方は、お気軽に当社コンサルタントに無料相談ください。

また、13冊の電子書籍が無料会員登録によってダウンロードできます。不動産投資に役立つ情報をぜひ手に入れましょう。

この記事の執筆: ひらかわまつり

プロフィール:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格を有するママさんライター。親族が保有するマンションの管理業務経験を有するなど、理論・実務の両面から不動産分野に高い知見を持つ。また、自身でも日本株・米国株や積立NISAなどを行っていることから、副業や投資系ジャンルの執筆も得意としている。解像度の高い分析力と温かみのある読みやすい文章に定評がある。不動産関連資格以外にも、FP2級、日商簿記検定2級、建築CAD検定3級、TOEIC815点、MOSエキスパートなど多くの専門資格を持つ。

ブログ等:ひらかわまつり

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

経験豊富なコンサルタントが
投資家目線で課題をヒアリングし、
中立の観点でアドバイスを行います。

不動産投資で成功するためのアドバイスですので、お客様のご状況によっては不動産投資をあきらめていただくようおすすめする場合もございます。あらかじめご了承ください。

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