海老名市が再開発で発展中!人気の理由や将来性について解説します!
- 更新:
- 2023/08/25

2023年7月、神奈川県海老名市長の定例記者会見にて、人口が14万人を突破したことが発表されました。「14万人」は、海老名市が2026年の目標人口としていた数値であり、市の想定以上に人口が増えたと言えます。同時に、2022年の転入超過数が県内6位であることも発表。海老名市の人気がうかがえる会見となりました。
海老名市が急速に発展した理由として、海老名駅周辺の再開発が挙げられます。本記事では、最初に海老名駅周辺の再開発について解説。次に、海老名市の人気が上昇した理由を解説します。海老名駅周辺の再開発が気になる方や、なぜ海老名市が急速に発展したのか知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
海老名駅の特徴
海老名駅は神奈川県中央部に位置し、都心へ45分、横浜へ30分と好アクセスを誇る駅です。小田急小田原線と相鉄線の海老名駅、JR海老名駅があります。小田急・相鉄線海老名駅は現在駅舎改良工事中です。2023年3月、北口改札が先行開業しました。2027年度には、地上2階建ての駅舎が完成予定となっています。
2019年11月、相鉄線とJR線の直通線が開業。さらに2023年には相鉄線と東急線の直通線が開業し、乗り換えなく渋谷や新横浜に行けることが魅力です。
海老名駅前再開発の歴史
海老名駅は、昭和48年に現在地に移転。それを契機に、民間による市街地整備と海老名市による市街地整備が並行して進められました。現在は、小田急電鉄が中心となり駅前の再開発が行われています。
小田急電鉄は、海老名駅を小田急線の中核駅のひとつとして定義しました。海老名駅周辺の賑わいを創出すると同時に、鉄道利用者の拡大につなげることが再開発の目的です。
海老名駅前は、2002年の「ViNAWALK(以下、ビナウォークと記載)」開業を皮切りに急速に変化しました。2025年の「ViNA GARDENS(以下、ビナガーデンズと記載)」完成まで、今後も更なる変化が見込まれるでしょう。
年 | 出来事 |
---|---|
2002年 | ・「ビナウォーク」開業 |
2004年 | ・JR海老名駅前にツインタワーマンション「ビナマークス」オープン |
2014年 | ・「ビナフロント」開業 ・小田急・相鉄線海老名駅東口ペデストリアンデッキ完成 |
2015年 | ・小田急・相鉄海老名駅ーJR海老名駅間の自由通路完成 ・海老名市中央図書館リニューアルオープン ・「ららぽーと海老名」開業 |
2017年 | ・「ビナガーデンズテラス」開業 |
2019年 | ・相鉄とJR直通線開業 ・ビナガーデンズ内タワーマンション「リーフィアタワー海老名」完成 |
2021年 | ・ロマンスカーミュージアム開業 |
2023年 | ・相鉄線と東急線の直通線開業 |
2025年 | ・「ビナガーデンズ」完成予定 |
参考リーフィアタワー海老名「Redevelopment 海老名駅再開発」
参考エビジョイ「エビナノミライ – 海老名の未来 2018年~2025年の開発・発展まとめ」
海老名駅周辺の主な再開発地域と施設
海老名駅周辺の再開発地域は、主に4ヵ所。ここからは、4ヵ所に建設された施設を紹介します。
JR海老名駅:ららぽーと海老名
JR海老名市西口に位置する「ららぽーと海老名」は、海老名駅と連絡デッキで直結しています。2015年10月に開業、2023年8月現在で256店舗が営業中です。
施設名 | ららぽーと海老名 |
---|---|
営業主体 | 三井不動産グループ |
住所 | 神奈川県海老名市扇町13-1 |
駅からの所要時間 | ・JR海老名駅:徒歩1分(直結) ・小田急海老名駅:徒歩3分 ・相鉄海老名駅:徒歩4分 |
店舗数 | 全256店舗 |
※2023年8月現在
参考三井不動産グループイベントスペース&メディアポータル「ららぽーと海老名」
参考ららぽーと海老名
小田急・相鉄海老名駅東口:ビナウォーク
ビナウォークは、小田急・相鉄海老名駅東口に2002年開業。正式名称は「Rambling Terrace ViNAWALK」です。「ViNA」とは「ViVA NATURE(自然礼賛)」の略語で、ぶらぶら歩きを表す「Rambling」と合わせて「歩いて楽しめる界隈」を表現しています。
施設名 | ViNAWALK(ビナウォーク) |
---|---|
営業主体 | 小田急電鉄株式会社 |
住所 | 神奈川県海老名市中央1-4-1 |
駅からの所要時間 | 各線海老名駅徒歩1分 |
店舗数 | 全139店舗 |
※2023年8月現在
JRと小田急相鉄海老名駅の間:ビナガーデンズ
ビナガーデンズは、小田急とJRの両駅間に立地。2023年現在住宅施設以外が開業、2025年に完全開業予定となります。
ビナガーデンズは、複合施設(ビナガーデンズパーチ)、商業施設(ビナガーデンズテラス)、オフィス棟(ビナガーデンオフィス)と住宅エリアから成り立っています。住宅エリアにはタワーマンション2棟が建設、2024年から引渡開始予定です。
施設名 | ViNAGARDENS(ビナガーデンズ) |
---|---|
営業主体 | 小田急電鉄 |
住所 | 神奈川県海老名市めぐみ町内 |
駅からの所要時間 | 各線海老名駅徒歩1分 |
店舗数 | 全73店舗 |
※2023年8月現在
めぐみ町内
めぐみ町は、海老名駅周辺再開発の重点地域です。2017年2月、JRと小田急駅間地区に位置する「上郷」地区の一部で住居表示が実施され「めぐみ町」となりました。
めぐみ町は住宅エリアと賑わい創出エリア、文化エリアに分けられます。各エリア内の施設は、次のとおりです。
住宅エリア | リーフィアタワー海老名 |
---|---|
賑わい創出エリア | ビナガーデンズ |
文化エリア | 海老名市文化会館 海老名市中央図書館 |
その他 | ロマンスカーミュージアム |
海老名市中央図書館は、スターバックスコーヒーが併設。蔦屋書店もあり、借りるだけでなく購入もできる図書館となっています。
ロマンスカーミュージアムは、小田急電鉄の特急車両「ロマンスカー」の魅力を発信する施設です。小田急電鉄とロマンスカーの軌跡をたどるシアターや、かつて活躍していたロマンスカーの展示ギャラリーなどがあります。
海老名駅周辺のタワーマンション
海老名駅周辺の再開発では、複数のタワーマンションも建設。ここからは、海老名駅再開発とともに建設されたタワーマンションについて解説します。
ビナマークス
ビナマークスは小田急不動産株式会社が開発、2004年より売出が開始されたタワーマンションです。EAST棟とWEST棟があり、計313戸の住居があります。
ビナマークスは全戸南向きであることが最大の特徴です。加えて、眺望、日照、通風、プライバシーといった住まいの本質的な性能が徹底的に追求されています。
名称 | ビナマークス |
---|---|
所在地 | EAST:神奈川県海老名市中央1丁目3-17 WEST:同2-6 |
駅からの所要時間 | 相鉄・小田急線海老名駅:徒歩2分 |
供給開始 | 2004年 |
開発業者 | 小田急不動産株式会社 |
階数 | EAST:23階建(地下1階付) WEST:22階建(地下1階付) |
総戸数 | 313戸(EAST:129戸、WEST:184戸) |
グレーシアタワーズ海老名
グレーシアタワーズ海老名は、ららぽーと海老名の向かいに位置します。相鉄不動産株式会社が開発、2017年より売出が開始された25階建てタワーマンションです。ウエスト棟とイースト棟に分かれ、計477戸の住居があります。
グレーシアタワーズ海老名では、ゆとりある敷地を活かした「コミュナルガーデン」に豊かな緑やベンチ、アート作品を設置。さらに、フィットネスルームや子どもの知育空間「キッズラボ」など、さまざまな共用空間で潤いのある生活を提供していることが特徴です。
名称 | グレーシアタワーズ海老名 |
---|---|
所在地 | 神奈川県海老名市扇町14-4 |
駅からの所要時間 | JR海老名駅:徒歩3分 相鉄・小田急線海老名駅:徒歩5分 |
供給開始 | 2017年 |
開発業者 | 相鉄不動産株式会社 |
階数 | 25階建 |
総戸数 | 477戸(ウエスト棟:238戸、イースト棟:239戸) |
リーフィアタワー海老名
リーフィアタワー海老名は、ビナガーデンズ内にある31階建てタワーマンションです。アクロスコート、ブリスコートの2棟があります。
アクロスコートは「感じる」がテーマです。海老名の原風景を感じられる自然素材を使用し、日常のさりげないシーンでの視覚の変化を楽しんでもらえるよう設計されています。
一方、ブリスコートのテーマは「眺める」。風景や造形、素材の気持ち良い眺めを重ねたデザインで、風景の変化を見て感じることでも楽しめる設計となっています。
名称 | リーフィアタワー海老名 |
---|---|
所在地 | アクロスコート:神奈川県海老名市めぐみ町5−5 ブリスコート:同町5-6 |
駅からの所要時間 | 【アクロスコート】 JR海老名駅:徒歩3分 相鉄・小田急線海老名駅:徒歩5分 【ブリスコート】 JR海老名駅:徒歩5分 相鉄・小田急線海老名駅:徒歩4分 |
供給開始 | 2017年 |
開発業者 | 小田急不動産株式会社 |
階数 | 31階建 |
総戸数 | 606戸(アクロスコート:304戸、ブリスコート:302戸) |
セントガーデン海老名
セントガーデン海老名は、JR海老名駅西口に位置するタワーマンションです。合計1,000戸が入居することから「1000 Dream(センドリーム)プロジェクト」と銘打たれ、現在建設が進められています。
セントガーデン海老名は、家具や知育玩具にサブスクリプションサービスを採用。子どもの成長、ライフスタイルの変化に沿って柔軟に家具や玩具を変えられる点が魅力です。
名称 | セントガーデン海老名 |
---|---|
所在地 | 神奈川県海老名市泉二丁目 |
駅からの所要時間 | JR海老名駅:徒歩7分 |
供給開始 | 2020年 ※2024年2月竣工、同年3月下旬引渡開始予定 |
開発業者 | センドリームプロジェクト(日鉄興和不動産株式会社、JR西日本不動産開発株式会社など) |
階数 | 15階建 |
総戸数 | 1,000戸(Ⅰ街区、Ⅱ街区とも各500戸) |
海老名市が人気となった2つの理由
海老名市は、2022年に転入超過となりました。海老名市公式ホームページでも「市の人口が目標人口を上回る数値で増加している」と述べられています。
では、海老名市がこれほど人気となったのはなぜでしょうか。ここからは、海老名市と周辺市の人口推移を比較し、海老名市が人気となった理由を考察します。
海老名市と周辺市の人口推移比較
まず、近隣にある大和市、厚木市と海老名市の人口推移を見てみましょう。令和元年から令和5年までの直近5年間で、海老名市、大和市、厚木市は以下のように人口が推移しました。
※単位:人 | 海老名市 | 大和市 | 厚木市 |
---|---|---|---|
令和元年8月 | 133,165 | 237,231 | 224,851 |
令和5年8月 | 140,040 | 243,270 | 224,141 |
人口推移を元に算出した3市の人口増加率は下図のとおり。最も増加率が高いのは海老名市であることがわかります。
参考海老名市「昭和33年4月からの毎月の世帯数、人口、1世帯当たりの人口、人口密度」
理由①:利便性の良さと自然が共存している
海老名市の人口増加理由のひとつに、利便性の良さと自然の共存が挙げられます。海老名駅は3路線が通り、都心や横浜への通勤圏内です。さらに駅前の施設は、いずれも日常の買い物から服飾雑貨、食事、遊びまですべて完結でき、とても便利な街づくりとなっています。
一方で、再開発が進む駅前を一歩離れると、昔ながらの緑豊かな町並みが残っています。子どもが外で遊べ、子育てしやすい環境と言えるでしょう。
このように、海老名駅の利便性の良さと郊外の自然が共存している点が人気となり、海老名市全体の人口が増加していると考えられます。
理由②:市の条例により環境が保全されている
海老名市では市の条例でラブホテルや遊技場の建設が制限されている点も、人気の理由として挙げられます。
海老名市は「海老名市住みよいまちづくり条例」により、特に周辺に与える影響が大きい開発事業を「特定開発事業」と定義。中でも以下地域へのパチンコ店やゲームセンターなどの遊技場とラブホテルの建設を制限しています。
- 商業地域、近隣商業地域以外の市街化区域
- ※ラブホテルは近隣商業地域も建築等抑制区域とする
- 市街化調整区域
- 次に掲げる施設の敷地から100m以内(ラブホテルは200m以内)の区域
- 各種学校
- 児童福祉施設
- 図書館
- 公民館
- 都市公園
- 病床がある病院及び診療所
- 重要文化財等
青少年の健全な成育や社会教育環境確保のために市が主体的に動いている点も、海老名市が人気である理由のひとつと言えるでしょう。
海老名市の人気は続く?将来性について解説
最後に、海老名市の人気が今後も続く可能性について解説します。
海老名市では、まちづくりの基本方針として平成9年に「海老名市都市マスタープラン」が策定されました。令和5年に改定された同プランでは、現在再開発が行われている範囲外にある海老名駅周辺の開発方針や、現在JR海老名駅と相鉄・小田急線海老名駅を結ぶ自由通路の延伸計画が挙げられています。
また、同プランでは、海老名駅から徒歩15分程度に位置する「市役所・海老名総合病院周辺地区」の土地利用についても言及。同地区は人口増加の受け皿となることが期待されていることから、都市的な土地利用を進め、公共公益機能の集積した市街地の形成が計画されています。
このように、海老名市は駅前から周辺地域まで広く開発されようとしています。2025年には、ビナガーデンズが完全オープン。さらに、2027年にはリニア中央新幹線が開通予定です。リニア神奈川県駅予定の橋本駅は、JR相模線で海老名駅と直通。名古屋や大阪への便も良くなることから、海老名市は今後も人気が上がる可能性を秘めていると言えるでしょう。
まとめ
海老名市は駅前再開発による発展により人気上昇中です。再開発は現在進行形のため、海老名市および海老名駅周辺はまだまだ人気が上昇する可能性を秘めています。
平成17年に出された「海老名市都市ブランド開発研究報告書」によると、海老名市の良さは「駅周辺に商業集積区域・住居区域・田園区域が調和良く広がっている都市であること」。海老名市がこの魅力を保ちながら発展したのは、市が主体的に街と自然を共存させる取り組みを行ったからだと言えるでしょう。
海老名市に限らず、狙い目の再開発エリアの情報や不動産投資の最新情報について詳細をご希望の方は、当社までご相談ください。

この記事の執筆: 堀乃けいか
プロフィール:法律・ビジネスジャンルを得意とする元教員ライター。現役作家noteの構成・原案の担当や、長野県木曽おんたけ観光局認定「#キソリポーター」として現地の魅力を発信するなど、その活躍は多岐に亘る。大学および大学院で法律や経営学を専攻した経験(経済学部経営法学科出身)から、根拠に基づいた正確性の高いライティングと、ユーザーのニーズに的確に応えるきめ細やかさを強みとしている。保有資格は日商簿記検定2級、日商ワープロ検定(日本語文書処理技能検定)1級、FP2級など。
ブログ等:堀乃けいか