「堺筋線」の不動産投資における魅力を解説!大阪を南北に駆け抜ける堺筋線の特徴とおすすめエリアを紹介
- 更新:
- 2023/08/28
「大阪市内を南北に貫く路線」というと「御堂筋線」が頭に浮かぶ方も多いでしょう。
しかし、もう一つ忘れてはならない路線が今回ご紹介する「堺筋線」です。
1930(昭和5)年に始まった御堂筋の拡幅工事により御堂筋が大阪の顔となる前から大阪の歴史に欠かせないのが「堺筋」であり、その堺筋を支える路線が堺筋線です。短い区間に利便性と魅力が凝縮された堺筋線は、大阪の不動産投資において一考する余地のあるエリアです。
本記事を読めば堺筋線沿線の魅力と特徴、おすすめエリアがわかります。不動産投資を考えていて、投資先エリアを探している方必見です。
堺筋線の魅力と利便性
日本最長最大の商店街や電気街、問屋街などを擁する堺筋線は、短い区間に大阪の「活力」と「歴史」が凝縮した路線です。
まずはそんな堺筋線の概要と利便性を中心に見ていきましょう。
堺筋線の概要と魅力
堺筋線は、大阪環状線の中心部を南北に通る「堺筋」の地下を走る路線です。
約100年前の1925(大正14)年、商工業が発達した大阪市は開発を進めるため周辺の町村との合併をおこないました。その結果、大阪は東京を超え人口・面積で日本一、人口では世界第6位という大都市となり、「大大阪(だいおおさか)」と呼ばれた時代がありました。
今でこそ大阪の主要道路といえば御堂筋ですが、当時の大阪を代表する街道は堺筋でした。のちに大阪取引所ができて大阪経済の中心となった北浜をはじめとして、当時百貨店が立ち並び賑わいを見せた堺筋は、今日に至る大阪の歴史に重要な役割を果たしています。
大阪メトロのなかで一番短い堺筋線ですが、街道の長い歴史から沿線には大阪の魅力があふれた多くのスポットが点在しています。
「大阪の中心」は御堂筋線に譲ったものの、堺筋線は大阪の魅力である「活力」と「歴史」を感じられる路線です。
堺筋線の利便性
堺筋線は「天神橋筋六丁目」駅から、「天下茶屋」駅を結ぶ10駅の路線です。
大阪環状線を南北に貫く路線にはほかにも御堂筋線や谷町線がありますが、堺筋線は御堂筋線と比較して南北間の所要時間が若干短くなっており、「南北を素早く縦断する」という点で優れています。
また、堺筋線はJR・阪急・京阪・近鉄・南海・阪堺線など多くの路線とつながっており、10駅すべての駅が何らかの路線に乗り換えできるという、高いアクセス性も特徴です。
上の広域路線図のなかで、茶色の線で示されている路線が堺筋線です。堺筋線は大阪府吹田市の「北千里」駅までを結ぶ阪急千里線との相互直通運転により、大阪北部と大阪中心部のアクセスにおいて重要な役割を果たす路線であることがわかります。
堺筋線の主要エリアと特徴
次に、堺筋線の主要なエリアとそれぞれの特徴について紹介します。
エリア①:オフィスビルとレトロ建築が立ち並ぶ「南森町 ~ 北浜」周辺
豊臣秀吉が大阪城を築城する際に商業者を集めた、現在の大阪市中央区を中心としたエリアは「船場(せんば)」と呼ばれ、経済や流通の中心となり大阪が「天下の台所」と呼ばれる礎となりました。「船場の北の浜」という意味の「北浜」は古くから金融街として栄えており、現在も銀行や証券会社が多く存在しています。
北浜のもう一つの特徴が、当時の歴史が残るレトロ建築です。
有名なレトロ建築の一つが、先物取引やオプション取引など特殊な取引に特化した証券取引所である「大阪取引所」です。
引用船場ビルディング
上の写真は、当時は珍しいオフィスと住居をあわせもつ複合ビル「船場ビルディング」です。おしゃれなパティオ風の中庭は、実はトラックや荷馬車を引き込むための設計の工夫だったよう。
ほかにも生駒時計店の本社がある「生駒ビルヂング」など、北浜は多くのレトロ建築が立ち並ぶ魅力的な街です。
「お金と商業の街」としての歴史が長く、現在もビジネス街である北浜ですが、北浜のすぐ北側には中之島公園があります。
引用中之島公園
川と公園がすぐそばにあり梅田にも近い北浜は、雰囲気と利便性のよさから近年はタワーマンションも増え住宅街としても人気が出ています。
北浜の隣駅である「南森町」もオフィスビルの多い街です。繁華街である梅田エリアに比べ治安がよいため、職住近接の住みやすい街としてマンションも多く建っています。
また、南森町には大阪・神戸エリアに広く路線網を有する阪神高速の出入口もあり、電車だけでなく自動車の便もよいエリアです。
(詳細は次の記事をご覧ください:「【不動産投資】人気の大阪・南森町駅!周辺地域の特徴や投資情報を分かりやすく解説します」)
エリア②:「西の秋葉原」ポップカルチャーの街「日本橋」周辺
日本橋(にっぽんばし)は東京・秋葉原、名古屋・大須と並び「日本三大電気街」として有名なエリアです。日本橋から恵美須町方面の約1kmにわたり電子部品やオーディオなどの専門店が軒を連ね、「でんでんタウン」という名でも知られています。
また、堺筋の西側「オタロード」にはアニメ・ゲーム・フィギュア・トレーディングカードを取り扱う店やメイドカフェが集まり、西のポップカルチャーの聖地と呼ばれる「オタク街」としても知られています。
江戸時代、日本橋付近は「長町」と呼ばれる宿屋町でした。それが戦後賑わいを残したまま電気街として発展し、今日の姿になりました。
エリア③:「新世界」のお膝元「恵美須町 ~ 動物園前」周辺
日本橋の一つ南側、恵美須町駅から次の動物園前駅の間に広がるのが大阪南部のシンボル「通天閣」やB級グルメが集う「ジャンジャン横丁」で有名な繁華街、「新世界」です。
「新世界」の歴史は1903(明治36)年に外国の新技術紹介と国内の技術交流を目的として開催された「第5回内国勧業博覧会」にさかのぼります。当時は美術館や動物館、イルミネーションやメリーゴーランドなど娯楽色の強い施設も設置され、大きな賑わいを見せました。
その後博覧会の跡地は半分が天王寺公園となり、もう半分は通天閣を中心として娯楽施設が集まり今の新世界が形作られました。新世界は当時も今も「内外から人が集まる歓楽街」として不動のエリアです。
引用天王寺動物園
また、動物園前といえば1915(大正5)年に開園した「天王寺動物園」の最寄り駅。11ヘクタールの敷地内では約180種1,000点の動物が飼育され、多くの利用者で賑わっています。
さらに動物園前は「大阪第3の都市」と呼ばれる「天王寺」も徒歩圏内であり、大阪の新旧を味わえるエリアでもあります。
(詳細は次の記事をご覧ください:「大阪・天王寺駅周辺はなんでも揃う住みやすい街!エリアの特徴から不動産投資の動向まで徹底解説」)
堺筋線の不動産投資におけるおすすめエリア
次に不動産投資の観点から堺筋線でおすすめのエリアをいくつか紹介します。
おすすめエリア①:天神橋筋六丁目駅周辺
堺筋線の北端「天神橋筋六丁目」駅は、大阪メトロ谷町線も利用できる上に阪急千里線で大阪北部、阪急京都線で京都方面にもアクセスできる便利な駅です。
江戸時代に「大阪天満宮」の門前町として栄えた天神橋筋は、全長約2.6kmの日本一長い商店街、「天神橋筋商店街」で有名です。約800店舗からなる商店街が至近にあり、休日の買い物や外食にも困りません。
また、天神橋筋六丁目はビジネス街である「堺筋本町」駅まで1本4駅です。さらに谷町線で天王寺まで1本で行ける高い利便性から周囲にマンションも多く、今後も賃貸需要が期待できるエリアです。
(詳細は次の記事をご覧ください:「【不動産投資】人気の大阪・天神橋筋六丁目駅!周辺地域の特徴や投資情報を分かりやすく解説します」)
<天神橋筋六丁目駅の概要>
乗降者数 | 34,485人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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利用可能路線 | 谷町線・阪急線利用可能、複数路線を有する「梅田」エリアも徒歩圏内 |
周辺施設 | スーパー・飲食店が充実、駅近に総合病院あり 天神橋筋商店街 |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:5.08 ~ 10.87万円 2K ~ 2LDK:9.01 ~ 15.15万円 (※LIFULL HOMES 天神橋筋六丁目駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
天神橋筋六丁目の家賃相場は隣の「扇町」駅より1万円以上低く、LIFULL HOMESによると約84%の人が単身 〜 2人用の物件を検索しています。さらに築年数にこだわらず検索している人が多く、「利便性とコストパフォーマンス重視」の物件需要が高いと考えられるエリアです。
おすすめエリア②:堺筋本町駅周辺
堺筋本町はオフィスビルが立ち並ぶ歴史あるビジネス街です。大阪の中心部にありながら犯罪件数が低く、治安がよい堺筋本町は職住近接が可能な住みやすいエリアです。
引用船場センタービル
また堺筋本町界隈は古くからの繊維街でもあり、堺筋本町駅と直結する「船場センタービル」には繊維の卸問屋をはじめとする多くの店舗が入っています。
堺筋本町は再開発が進み大阪ベイタワーがランドマークの「弁天町」駅、合同庁舎がありタワーマンションが立ち並ぶ「谷町四丁目」駅などがある大阪メトロ中央線も利用でき、住みやすさと利便性の高さが魅力です。
(詳細は次の記事をご覧ください:
「【不動産投資】大阪・堺筋本町駅の特徴と不動産投資のメリットを分かりやすく解説!」
「【不動産投資】住みやすい街として人気の大阪・弁天町駅!周辺地域の特徴や魅力を分かりやすく解説します」
「【不動産投資】人気の大阪・谷町四丁目駅!周辺地域の特徴や投資情報を分かりやすく解説します」)
<堺筋本町駅の概要>
乗降者数 | 99,019人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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利用可能路線 | 大阪メトロ中央線も利用でき、南北・東西とも移動に便利 |
周辺施設 | ビジネス街のため駅周辺に飲食店や店舗も多い |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:7.73 ~ 12.30万円 2K ~ 2LDK:9.11 ~ 23.20万円 (※LIFULL HOMES 堺筋本町駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
LIFULL HOMESによると、堺筋本町は単身向けの新築 ~ 築浅の物件の需要が高い点が特徴です。
おすすめエリア③:天下茶屋駅周辺
最後にご紹介するのが堺筋線の南端「天下茶屋」駅です。始発駅のため通勤に便利な上、南海本線も利用可能なため、和歌山方面や関西空港へのアクセスがよいのが特徴です。
<天下茶屋駅の概要>
乗降者数 | 65,651人(※大阪メトロ 路線別乗降人員(2022年11月)より) |
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利用可能路線 | 南海線 徒歩数分で大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅利用可能 |
周辺施設 | 駅前にスーパー・コンビニがあり生活に必要な店舗は一通り揃う |
家賃相場 | 1R ~ 1LDK:4.15 ~ 6.77万円 2K ~ 2LDK:4.35 ~ 10.43万円 (※LIFULL HOMES 天下茶屋駅の家賃相場情報(2023年8月18日時点)より) |
天下茶屋駅は堺筋線内で最も家賃相場が低く、単身用の物件は家賃相場が4万円台からとなっています。LIFULL HOMESによるとファミリー層向けの物件の需要も一定数あり、築年数にこだわらず駅近のコストパフォーマンスのよい物件への需要が高いエリアです。
堺筋線沿線における不動産投資の展望
2025年開催の大阪万博やIR開業に向けて大阪全体で再開発やインフラ整備が進んでいます。
堺筋本町にほど近い「大阪城公園」周辺では、重要文化財などを有する歴史ある大阪城公園を国際観光拠点として、その玄関口である大阪ビジネスパークを国際的なビジネス拠点として形成するとしています。
また国土交通省によると、関西国際空港のリノベーションにより国際線のキャパシティを強化し、大阪万博会場へのアクセス向上を図るとしています。大阪が国際観光都市としてさらに発展すれば、空港路線にもアクセスできる堺筋線沿線の観光業や関連ビジネスに従事する人の賃貸需要の増加や地価上昇にも期待できます。
まとめ
御堂筋線に「大阪の顔」を譲ったあとも、長い歴史と共に発展してきた堺筋線沿線は大阪らしい活気あふれる魅力的なエリアです。
大阪は大阪万博やIRに合わせた開発があちこちで進んでおり、今後の不動産投資においても見逃せません。
堺筋線、そして大阪エリアの不動産投資を考えている方は、ぜひ当社コンサルタントまでお気軽にご相談ください。
この記事の執筆: ひらかわまつり
プロフィール:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格を有するママさんライター。親族が保有するマンションの管理業務経験を有するなど、理論・実務の両面から不動産分野に高い知見を持つ。また、自身でも日本株・米国株や積立NISAなどを行っていることから、副業や投資系ジャンルの執筆も得意としている。解像度の高い分析力と温かみのある読みやすい文章に定評がある。不動産関連資格以外にも、FP2級、日商簿記検定2級、建築CAD検定3級、TOEIC815点、MOSエキスパートなど多くの専門資格を持つ。
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