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表参道で話題の都営住宅の間取りや家賃は?入居条件を満たせば入れるのか解説

表参道, 都営住宅, 入居条件

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東京の表参道駅から徒歩5分に位置するタワーマンションのような都営住宅「都営北青山三丁目アパート」について、2023年6月14日付けで日本経済新聞が発表した記事が話題になっています。

先日、「都営北青山三丁目アパート」にある2DK・広さ42㎡の一室が家賃62,000円で募集され、16件の応募があったというのが記事の主な内容です。これだけを見ると、一般的な物件にお住まいの方は、様々な考えを抱く方も多いでしょう。

  • 表参道駅徒歩5分の立地で月6万円台の家賃は安すぎる
  • なぜ日本有数の高級住宅地に都営住宅があるのか
  • なぜそのような好条件で16件しか応募がなかったのか
  • 次の機会があれば自分も応募できるのか

このような疑問を解消するべく、当記事では、「都営北青山三丁目アパート」に関する情報を中心に、都営住宅の成り立ちや、都営住宅で議論されることの多い問題点などを解説します。

表参道の都営住宅「都営北青山三丁目アパート」とは

都営住宅が話題を集めるきっかけとなったのが表参道駅のほど近くにある「都営北青山三丁目アパート」です。都営住宅では物件名に「アパート」が付けられています。しかし、近年都心に建築された都営住宅の多くはアパートという名前から想像されるような低層の木造住宅ではなく、むしろタワーマンションという方が最適でしょう。

このイメージ図では右側に位置する、2019年に竣工された高層20階建ての建物が「都営北青山三丁目アパート」です。

間取り

「都営北青山三丁目アパート」のなかでは、2DKタイプおよび3DKタイプの標準的な間取り図が公開されています。話題になった2DKの間取りと全く同じであるとは断言できませんが、雰囲気は大きく変わらないでしょう。

特徴的な部屋の形をしているものの、バルコニーの面積が広く、洋室だけでなく和室もあり、バス・トイレ別の住みやすそうな間取りです。大家族にも対応するためか、4月に応募された42㎡2DKの部屋のように、室内面積の割に部屋が細かく分かれているのが特徴です。

家賃

「北青山三丁目アパート」の2DKの家賃(使用料)は62,000円です。ただし、これは最高額であり、都営住宅では所得によって同じ部屋でも家賃が異なります。たとえば、年間の世帯所得金額が基準以下の場合、募集のあった部屋の家賃は更に下がり、最も安い場合で月額31,600円となります。

都営住宅の家賃は現在募集されている部屋のみ公開されており、いずれも相場の3分の1から4分の1程度であることが多いようです。「北青山三丁目アパート」でも同様の賃貸物件の周辺相場が19万円前後であることから、およそ3分の1から4分の1程度に抑えられています。

周辺環境

「北青山三丁目アパート」は、東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線の表参道駅から徒歩5分に位置しています。日本でも有数の高級店が立ち並ぶエリアで、人気の観光地でもあります。JR原宿駅までも徒歩16分、渋谷駅にも徒歩22分と、徒歩圏内だと感じる方も少なくないでしょう。電車やバスなどの公共交通機関を使えば、更に多くの場所に短時間でアクセス可能です。

再開発により「北青山三丁目アパート」の近くには新しく広々とした「青山北町児童遊園」も整備され、多くの親子連れや買い物や仕事の合間に休憩する方々でにぎわっています。周辺は大都会とは思えないほど多くの木々の間に小川も流れ、心地よい風が感じられる、申し分のない住環境です。公園と同時に、保育園も新しく整備されました。

尚、表参道駅周辺の2023年の公示地価は坪単価1,971万5,702円であるように、非常に高い価値が公的に認められている地域です。

今回の入居条件

都営住宅は部屋ごと、募集ごとに入居条件が異なることが一般的です。ここに話題となった「北青山三丁目アパート」の申し込み倍率が16倍と、それほど高くなかった理由があります。

今回話題となった「北青山三丁目アパート」の入居条件は特に絞られており、40歳未満かつ結婚する予定のカップル、一定以下の所得水準であることなどが条件でした。結婚する予定であるカップルのなかには、パートナーシップ宣誓制度を利用する予定のカップルも含まれます。

今回、2023年4月から新しく始まったカップルや子育て世代向けの都営住宅への入居優遇制度を利用した募集のなかでは、他の都営住宅と比較すると「北青山三丁目アパート」の倍率は高かったということです。しかし、所得水準や入居人数といった基本的な条件を満たせば応募できる通常の募集では、最高775倍といった倍率となったこともあるため、倍率16倍の都営住宅に申し込めた方はラッキーだったと言えるでしょう。

再開発で生まれた「都営北青山三丁目アパート」

なぜ表参道駅徒歩5分という好立地に都営住宅があるのか、疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。タワーマンション型の「都営北青山三丁目アパート」は、再開発によって現在の形になりました。

老朽化した「青山北町アパート」の建て替え

現在のタワーマンションのような「都営青山三丁目アパート」が出来る前は、広い敷地を利用した集合団地の都営住宅「都営青山北町アパート」でした。1957年から1968年にかけて4階または5階建てのアパート25棟586戸が建築され、4ヘクタールもの広さの敷地を有していました。

「青山北町アパート」は年月の経過と共に老朽化が進んで古びたアパート群となり、きらびやかな表参道のなかでも異質な雰囲気となっていました。当時は敷地内の管理も行き届いておらず、不法投棄や落書きなども見られたようです。

そこで、東京都の再開発事業「北青山三丁目まちづくりプロジェクト」が発足しました。このプロジェクトは、これまでの都営住宅を建て替え、高層化することで住戸を集約し、4ヘクタールよりも更に敷地を広げ、民間の力も活かしながら青山通り沿道との一体的なまちづくりを推進するものです。

この図では、左下のA地区のみに都営住宅を集約し、新しい「都営北青山三丁目アパート」の低層部に港区立保育園と児童施設も設置されています。このプロジェクトのために「一般社団法人まちづくり ののあおやま」が設立され、その他の敷地は、公園や広場、飲食店などの店舗の入ったビルに生まれ変わりました。

隣は高級賃貸タワーマンション「クラス青山」

民活事業区域として設定された場所には、地域の活性化が期待できる店舗やサービス付高齢者向け住宅を併設することを条件として公募されました。そして、民活事業の中心に位置したのが高級賃貸タワーマンションである「クラス青山」です。

「都営北青山三丁目アパート」よりも更に高層となる25階建ての建物の6階から25階部分が「クラス青山」の賃貸住宅です。デザイン・景観・監修には世界的な建築家である隈研吾氏を起用し、多くの方を惹きつける魅力的な外観に仕上がっています。

「クラス青山」は、コンシェルジュがサービスを提供するラウンジに、プライベートサロン、フィットネスルーム、ルーフトップテラスなどの豪華な設備を有し、広さ100㎡を超える部屋も複数用意されています。

「クラス青山」の家賃は、専有面積38㎡の1LDKの部屋でも31万2,000円で、家賃100万円を超える部屋も珍しくありません。

このような最高級デザイナーズタワーマンションの隣に、家賃6万円台の都営住宅「都営北青山三丁目アパート」が存在しています

立地の良い場所に都営住宅がある理由

「都営青山北三丁目アパート」の前身である「都営青山北町アパート」が建築された場所は、「東京府青山師範学校」という教師を養成するための学校や、その付属小学校などの学校が複数建てられていた土地でした。学校が移転し、空いた敷地を利用して戦後の住宅供給のために都営住宅が建てられたということです。

かつて戦後の混乱期に、住宅が無く苦しむ都民のために都営住宅が多く必要とされました。都営住宅は学校の跡地に限らず、軍の寄宿舎などを改修して利用されることも多かったため、現在でも立地の良い場所に多数の都営住宅があるのです。

都営住宅の概要と存在意義

表参道のような好立地にも存在する都営住宅は、何のために存在しているのでしょうか。ここでは、運営主体や都営住宅の存在意義について解説します。

そもそも都営住宅とは

住宅に困っている一定水準以下の所得の方に向けて、低額な家賃で貸し出している住宅のことを公営住宅と呼び、そのなかでも東京都が管理しているものが都営住宅です。

同じ東京都内でも、区が管理する区営住宅や市が管理する市営住宅などもあり、それぞれ窓口が異なります。これらは同じ公営住宅法に基づいているため、家賃や入居基準などに大きな違いはありません。

尚、名前の似ている都民住宅は、都営住宅への入居基準を満たさない中流家庭向けの賃貸住宅のため、都営住宅よりも家賃は高めに設定されています。

住宅に困る低所得者向けのセーフティネット

都営住宅は、一般的な家賃では住宅を借りられないという方に向けてのセーフティネットとしての役割があります。そのため、都営住宅に申し込むためには、原則として、以下の条件を満たす必要があります。

  • 一定以下の所得であること
  • 住居に困っていること
  • 暴力団員ではないこと
  • 東京都民であること

一般的な住宅に住める程度の収入があったり、持ち家がある場合などは、これらの条件に当てはまらないため、申し込むことはできません。たとえば、単身の場合は年間189万6,000円以下の所得が申し込みの基準となります。

募集によって、世帯人数や年齢などの条件が異なり、定期募集の単身者の場合は60歳以上や障害者、DV被害者などに該当しなければ申し込めないという基準が設けられています。

都営住宅で指摘される問題点

都営住宅の民営化を公約に掲げる政党が現れるなど、現在の都営住宅のあり方を疑問視する声も少なくありません。ここでは、都営住宅における問題点をご説明します。

家賃と生活費のミスマッチ

表参道の「都営北青山三丁目アパート」に代表されるように、好立地の都営住宅では、家賃が安くても生活費が高くなるという問題があります。一般的に、表参道などの立地の良い場所では、高級住宅街の住民に合わせた高品質・高価格のものを扱う店が多く、食費などの生活費を抑えることが困難です。

低所得で住宅に困っている方が住むには生活費がかかりすぎて、より困窮するのではないかという声もあります。安いネットスーパーを利用するなどの個人の工夫と努力が必要とされるでしょう。

需給バランスの不一致

「都営北青山三丁目アパート」には16件の申し込みがあり、抽選に外れる方も多くいた一方で、申込件数が0だった都営住宅もありました。多くの場合で、利便性が高く、築年数の浅い、設備が充実した人気の都営住宅に申し込みが集中し、そうでない都営住宅は不人気になる傾向があります。

また、家族向けの都営住宅の倍率は減少傾向にあるのに対し、希望者の多い単身者向けの募集では平均50倍を超えるなど、倍率が高くなりがちです。

住人の高齢化

高齢になると一般的な賃貸住宅を借りることが難しくなるため、都営住宅を必要とする高齢者が多くなります。その結果、都営住宅の住人の高齢化が進み、自治会の運営が難しくなるなどの問題も派生しています。

このグラフからも分かるように、都営住宅の名義人の高齢化は進んでおり、今後は更に高齢者が増えると予想されています。

この問題を解決するために、若い世帯に限定して募集するなどの工夫は一部で始まっていますが、不人気のアパートには若い応募者が集まりにくいなど、根本的な解決は難しいようです。

入居へのハードルの高さ

利便性の悪い場所であれば抽選倍率も低いため、単身者でも都営住宅に入りやすいという特徴はあります。しかし、高齢者が利便性の悪い場所に住むと、移動が困難となり、社会から孤立しかねません。結果的に人気のあるアパートに応募が集中し、住みたくても住めない方が多くなってしまいます。

また、都営住宅に当選したとしても、その後に審査が行われ、申し込みから実際に住み始めるまでには約半年の期間が必要となります。

低所得で住居に困ったらすぐに都営住宅を利用できる訳ではなく、高いハードルを乗り越える必要があります。

まとめ

複数のメディアで取り上げられた「都営北青山三丁目アパート」の概要や、都営住宅の抱える問題点などについて解説しました。

表参道に月6万円台の家賃で住めることで話題となった都営住宅ですが、本当に必要な方に必要な分供給されているのかが疑問視されることもあります。過剰な切り捨てにならないように、需給バランスの取れた福祉が求められています。

この記事の執筆: 丸岡花

プロフィール:宅地建物取引士・FP検定2級を持つ主婦ライター(2児の母)で、300本以上の不動産関連記事の執筆実績を有する。得意ジャンルは不動産・税金・英語・育児。不動産が大好きで、不動産関連のニュースや法改正、市況のチェックが日課となっている。豊富な知識に裏付けされた独自性の高い切り口と、公的機関や学術論文などの1次情報に基づく正確性の高い文章に定評がある。元バックパッカーで旅行・キャンプをこよなく愛し、過去に20か国以上を訪問した経験を持つ。保有資格は宅建士・FP2級に加え、TOEIC895点(米国居住経験あり)、秘書検定1級、保育士など多岐に亘っている。

ブログ等:シュフリーランス

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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