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ファイターズ移転で札幌ドームはどうなる?黒字化のための戦略を投資家目線で分析

ファイターズ, 移転, 札幌ドーム

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ファイターズが移転して札幌ドームが危機的状況」という噂を聞き、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。事実、先のファイターズ移転が原因で札幌ドームの財政は緊迫しています。

そこで今回は「ファイターズ移転が札幌ドームに与えた影響」を解説。そして「札幌ドームが黒字化のために今後とるべき戦略」について不動産投資の目線から分析します。札幌ドームに逆転の余地があるのか気になる方は必見です。

ファイターズは新球場へ移転!札幌ドームを去ることに

プロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ(以下、ファイターズ)」は、2004年から2022年の19年間も本拠地を置いていた「札幌ドーム」を離れ、2023年のシーズンから北広島市の「エスコンフィールド北海道」に本拠地を移転しました。エスコンフィールド北海道はファイターズが約600億円の資金を投入して新設した、球場を含む大型施設です。

参考北海道日本ハムファイターズ「北海道、北広島市、ファイターズ、HBPが協定締結」

まずは「なぜファイターズが札幌ドームを離れる事態になったのか」という点について見ていきましょう。

原因は「ファイターズに不利な契約条件」

本拠地としていた札幌ドームをファイターズが去る最大の原因となったのは「ファイターズ側に不利な契約条件」だろうと考えられています。札幌市がファイターズに要求する、ドームの年間利用料(リース代)は約9億円。さらにグッズ販売の収益なども大半をドーム側に吸い上げられており、実質年間30億円ほどの負担となっていました。

たとえば野球球団「ヤクルトスワローズ」の場合、本拠地の「明治神宮球場」に支払う年間利用料は約10億円です。これを考慮すると、年間30億円ほどを負担していたファイターズが非常に不利な契約を結ばされていたことが分かります。

結果的にファイターズは「600億円の費用をかけてでも自前の球場を建設し、広告やグッズ収入も含めた収益が球団に入れば採算が取れる」と判断。結果、札幌ドームとは「縁を切る」形となったわけです。

残るはサッカーJリーグ「北海道コンサドーレ札幌」のみ

ファイターズが離れたことにより、札幌ドームと契約している主要なスポーツチームは、J1サッカーチーム「北海道コンサドーレ札幌」のみとなりました。北海道コンサドーレ札幌は年間20試合程度を札幌ドームで行っています。これに対してファイターズは、これまで毎年約60試合を開催。空いた穴の大きさを物語っています。

つまるところ札幌ドーム側からすれば、ファイターズとの決別は「経営危機」のようなもの。これからの健全な運営には、ファイターズに匹敵するイベント・スポーツチームの誘致や大幅なビジネスモデルの転換が必須となっていくでしょう。

札幌ドームの会社概要

ここで札幌ドームの会社概要について簡単に確認しておきましょう。

社名 株式会社札幌ドーム
株主 札幌市・北海道電力など27団体
開業日 2001年6月2日
資本金 10億円
役員 代表取締役社長 山川広行 ほか

参考札幌ドーム「会社概要」

札幌ドーム株式会社は、札幌市が55%出資している「第三セクター」です。札幌ドームの運営主体は民間(札幌ドーム)となっていますが、バックには札幌市がついているため運営には制約があります。

役員の大半が市職員・幹部の天下りとなっており、ファイターズ移転騒動についても「ファイターズが札幌市を離れるわけがない」と高をくくっていたという噂もありました。今後、天下り役員の面々が経営方針をどのように切り替えていくか注目でしょう。

ファイターズ移転による札幌ドームへの影響

ファイターズ移転による札幌ドームへの影響について、下記の5点を詳しく見ていきましょう。

  • すでにドーム周辺は「ほぼ無人」の状態に
  • 活用方法が見直される
  • 高い可能性で赤字化が予想される
  • 赤字化すれば札幌市民の増税もありうる
  • 土地価格には現状あまり影響せず

それぞれ解説していきます。

すでにドーム周辺は「ほぼ無人」の状態に

ファイターズが移転しプロ野球の試合が行われなくなった札幌ドーム周辺は、イベントのない日は「ほぼ無人化」しているようです。周辺の店舗は軒並み減収し、諦めて撤退する人も出てきています。各不動産情報サイトには、札幌ドーム周辺の土地・建物に関する売買情報の掲載が増えました。

アーティストのライブなどが開催される日には人混み状態となっていますが、それも当日のみ。周辺の活性化のために新たなドームの使い方が模索されています。

活用方法が見直される

ファイターズの移転に伴い「イベントのない日」が一気に約60日発生した札幌ドーム。これまでの「プロ野球・サッカー」「コンサート」といった使い方にとらわれず、下記のように活用方法が見直されています。

  • 20,000人規模のイベントに対応する「新モード」
  • 自主イベントの開催
  • 8,000人規模対応のアリーナ半面利用
  • 高校野球などのアマチュアスポーツ誘致

参考「札幌ドーム管理運営業務計画書」

目玉とされているのが、これまでより小規模なコンサートに対応する「新モード」。従来の札幌ドームは定員50,000人で、20,000人規模のイベントでは「ガラガラ感」が否めませんでした。新モードでは巨大な横断幕で場内を仕切り、20,000人規模でも「満員」のような雰囲気をつくり出せます。それにより、中小規模のコンサートなどを招致しやすくなるのが狙いです。

しかし「新モード」は2023年11月時点で予約0と、早くも暗雲が立ち込めている状況となっています。札幌市にはすでに10,000人規模を収容できるうえに利用料が安い「きたえーる」などの施設がある点や、札幌ドームへの機材搬入経路が「フェリー」に限られ採算がとれない点が主な要因でしょう。「新モード」の実現には10億円の予算が投入されましたが、今のところ回収できる見通しは立っていません

高い可能性で赤字化が予想される

今後少なくとも数年間、札幌ドームはかなり高い可能性での赤字化が予想されます。ファイターズによる売上はドームの約3割を占めており、それだけ空いた穴は大きいということです。2023年7月には札幌ドームの山川社長が、「2024年3月期決算見通しは、純損益が当初想定の2億9,400万円の赤字から、さらに膨らむことが確実となった」と公表しました。

参考北海道新聞

先ほど紹介した「新モード」をはじめ数々の施策が不発に終わっていることから、今後も札幌ドームの苦戦は続きそうです。

赤字化すれば札幌市民の増税もありうる

札幌ドームの赤字化が続けば、ドーム維持のために札幌市民に対する増税も考えられるでしょう。札幌市長は「2027年度までは札幌ドームが赤字でも税金での補填はしない」と明言しましたが、2028年度以降については特に触れていません

過去には2020年度、新型コロナによる休館で大幅減収となった際に市が3.7億円を雑収入として補填しています。つまり赤字となれば、市の補填で運営される可能性が高いということです。

参考札幌市「令和3年度 出資団体評価シート(札幌ドーム分)」

「札幌ドームは表面上黒字だけど、市の収支まで考慮すると実際には赤字」となるケースは十分考えられます。劇的な増収への転換が見込めなければ、「解体」か「市民の負担」の2択となるのはほぼ間違いないでしょう。

土地価格には現状あまり影響せず

ファイターズの撤退により札幌ドームのある札幌市豊平区の地価など、不動産的な価値は下がる可能性が考慮されていました。しかし実際には道内千歳市に進出してきた半導体メーカー「ラピダス」や、札幌市でいくつも進む再開発の影響もあり、豊平区を含め市内の地価は上昇傾向です。

参考国土交通省地価公示

とはいえこのまま赤字経営が続けば、市の財政を圧迫し土地価格などに悪影響を及ぼす可能性は否定できません。いずれにせよ、何かしらの対策は必要となるでしょう。

札幌ドームが今後とるべき戦略とは?収益不動産運営の観点から考察

札幌ドームはその性質上、賃貸収入などで運営される「収益不動産」の分類です。投資家の皆さんの不動産投資をサポートする当社の目線から、「札幌ドームは収益不動産として、今後どのような戦略をとるべきか」について、下記3つを順に解説していきます。

  • 最低でも約3億円の収益増が必要
  • 年間約60試合あったファイターズの穴を埋めなければ採算はとれない
  • 「全天候型多目的施設」の利点を活かした用途をメインにすべき
  • 「民間事業者への売却」も考えるべき

それぞれ詳しく見ていきましょう。

最低でも約3億円の収益増が必要

まず前提として、札幌ドームが健全な経営を維持するには、どんなに低く見積もっても約3億円の収益増が必要です。『「ほぼ間違いない赤字化」が予想される』で解説したように、2023年度は2億9400万円を超える赤字が確定しています。状況から鑑みるに、「年間約60試合あったファイターズの穴を埋めなければ、ほぼ間違いなく採算はとれない」と言っても過言ではないでしょう。

活用方法が見直される」で紹介した4つの活用方法については、すべて市の思惑通りに実現した場合の収益増は1.7億円程度(※)とみられています。しかし収益の主軸となる「新モード」は、2023年11月時点で予約0件。2023年度で最低6件の利用を予想していましたが、もはや1億円の収益増すら期待できない状況です。そもそも、仮にすべてが円滑に進んでも採算がとれません。

※札幌ドームの5か年計画より、増加するイベント日数と利用料金から概算

札幌ドーム管理運営業務計画書」を見ると、その他にも「経費削減」などが収益増のための方針として挙げられています。しかし「実際に施策としてなにをやるか」は明言されていません。つまり「数億円の収益が見込めるほどのビジネスモデルチェンジ」がなければ、札幌ドームの健全経営は難しいと考えられます。

「全天候型多目的施設」の利点を活かした用途をメインにすべき

札幌ドームは従来、プロ野球をはじめとする「イベント」への利用を主軸として運営していました。しかしファイターズが移転した今、競合となるイベント施設も多い中で、旧来のビジネスモデルでの運営には限界があります。天候に左右されず運営できる「全天候型多目的施設」ならではの利点を活かした用途をメインにシフトチェンジすべきです。

事実「ゆきひろば」「ランニングコース」など一般の人をターゲットとした施策は好評で、多くの利用者を集めています。地元住民を中心に積極的に広報すれば、より多くの人が集まり定常的な収益が見込めるでしょう。雪国だからこそ全天候で使えるメリットは大きいため、そこを前面に押し出して「普段使いできる施設」のイメージを定着させるのが、札幌ドームが生き残るための第一歩ではないでしょうか。

「民間事業者への売却」も考えるべき

札幌ドームは「民間事業者への売却」もひとつの選択肢として考えるべきでしょう。先述したように、札幌ドームは札幌市が55%出資する第三セクターです。札幌ドーム株式会社が運営権を握ってはいるものの、新しい施策を打ち出す際や、利用料を変更する際には「札幌市へのお伺い」を立てなければいけません。

市の補填により見かけ上は健全な経営ができるのがメリットではあるものの、非常に運営の自由度が低いのは拭えないデメリットでしょう。札幌市議会でも、札幌ドームの民間への売却を含めた検討について議論されています。

参考波田大専活動報告『「札幌ドームの経営状況と今後の見通し」について』

仮に市が札幌ドームを手放した場合、賃料設定や小規模イベントの開催などあらゆる運営の面における自由度が上がります。たとえば従来は設定しえない、一般利用者に対する「サブスクリプション」的な施策を打ち出し、安定した収益構造を形成できる可能性があるのも民間ならではでしょう。

また民間での運営に切り替えてもドームの需要が見込めなければ、ホテルなど別の用途への転用も考えられます。上手く需要を獲得することができれば、事業の黒字化も不可能ではありません。思い切って「民間事業者へ完全に売却する」のも、札幌市や株式会社札幌ドームにとっては悪くはない選択肢といえるのではないでしょうか。

まとめ

ファイターズが新球場に移転し、札幌ドームは実質的な「経営危機」の状態に陥っています。さまざまな活用方法が模索されていますが、多くは不発に終わってしまいそうです。このままでは少なく見積もっても年間3億円規模の赤字が続くとみられます。

札幌ドームがこの先生き残るには、旧来のイベント型ビジネスモデルにとらわれずに「全天候型多目的施設」の利点を活かした用途を前面に押し出し、「普段使いできる施設」のイメージを定着させる必要があるでしょう。それでも経営が改善しなければ、民間事業者へ売却してしまうのもひとつの選択肢です。

今回の札幌ドーム問題は、私たち民間人の「不動産投資」のメソッドにも通ずる部分があります。「どの層の需要をキャッチすべきか?」「どの段階で撤退を考えるべきか?」というのは重要な考え方です。当社ではこうした戦略的な不動産投資をサポートし、皆さんを毎月の手取り増や適切な資産形成へ導きます。不動産投資にご興味のある方はぜひ、まずは当サイトに無料会員登録して、不動産投資の基礎を知れる電子書籍を読んでみてください。

この記事の執筆: 及川颯

プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。

ブログ等:はやてのブログ

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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投資家目線で課題をヒアリングし、
中立の観点でアドバイスを行います。

不動産投資で成功するためのアドバイスですので、お客様のご状況によっては不動産投資をあきらめていただくようおすすめする場合もございます。あらかじめご了承ください。

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