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開業はいつ?!大阪なにわ筋線がもたらすメリットと不動産投資市場への影響とは?

なにわ筋線, 大阪, メリット

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大阪府によると、一日の乗降者数が約250万人にもなる大阪周辺エリア。その中心にあり西日本最大のターミナル駅である大阪駅に2023年3月18日、地下ホームを持つ「うめきたエリア」が開業しました。

大阪エリアでは、2019年3月に新大阪から奈良方面へのアクセスを向上させるJRおおさか東線が全線開業しています。さらに、今回のうめきたエリアの開業に続いて大阪・関西万博の会場である「夢洲(ゆめしま)」まで路線をつなげる大阪メトロ中央線の延伸が2024年開業予定とされており、さまざまな新駅・新路線開業の動きが出ています。

そんな中、現在工事が行われているのが大阪市内を南北に貫く新路線、「なにわ筋線」です。

大阪駅とそのすぐ近くにある梅田駅周辺には今でもJR西日本・阪神電気鉄道・阪急電鉄・大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)と複数の路線があり、南北方向にも大阪メトロの四つ橋線や御堂筋線が既に運行しています。

ではなぜ、なにわ筋線を開業するのでしょうか?
それにはさまざまな計画が関連しており、開業による効果が期待されています。

本記事ではなにわ筋線の概要や開業のメリット、加えて新路線の登場で周辺不動産にどのような影響を与えるのか、不動産投資の観点から解説します。

なにわ筋線の概要

なにわ筋線はどういった経緯で開業が決まり、いつどの運行ルートで開業予定なのでしょうか。ここではなにわ筋線の概要について解説します。

事業の概要と運行ルート

JR西日本

引用JR西日本

なにわ筋線は、大阪駅(うめきたエリア)とJR難波駅及び南海本線の新今宮駅をつなぐ路線で2031年春に開業予定です。

なにわ筋線の建設主体は大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄などが共同出資する第三セクターである関西高速鉄道(株)であり、営業は図のようにJR西日本と南海電鉄が共同で行います。大阪の中心エリアを南北に貫くなにわ筋線は、大阪都市部の鉄道ネットワークだけでなく更なる広域鉄道ネットワーク構築の一環として総事業費約3,300億円をかける事業規模で行われます。

大阪駅以外の停車駅は共同営業区間である「中之島駅」「西本町(にしほんまち)駅」、そして西本町駅からJRが運行する「JR難波駅」と南海が運行する「南海新難波駅」に分かれ南海側のルートは「新今宮」まで続きます。なにわ筋線は総複線の約7.2kmの路線であり、その大部分が地下を走る地下鉄です。(※途中停車駅は仮称)

なにわ筋線沿線は、大阪駅北部の旧梅田貨物駅である広大なエリアの活用を目指すうめきた地区、淀川の分流に挟まれオフィス街でありながら歴史のある街である中之島など、都市開発が進められているエリアでもあり交通だけでなく広域開発の足がかりという側面も持っています。

路線決定の背景

なにわ筋線の開業が決まった背景として、まず、大阪駅周辺から関西国際空港・和歌山方面までのアクセスがあまり良くないという問題が挙げられます。京都・新大阪を通り関西国際空港に行く「特急はるか」、和歌山方面に行く「特急くろしお」2つの特急はどちらも大阪駅には停車せず、観光や商業の中心地である大阪・梅田エリアから特急に乗るためには新大阪、あるいは天王寺まで移動する必要がありました。

次に挙げられるのが、なにわ筋線と同じく都市部を南北に走る、大阪メトロ御堂筋線の混雑です。国土交通省の「大阪圏における主要区間の混雑率 令和3(2021)年度」によると御堂筋線の混雑率は118%でした。同調査で同じく南北を走る路線である谷町線の混雑率が100%、四つ橋線が82%であったことを考えると、JR大阪駅に一番近く乗り継ぎしやすく乗客が集中する御堂筋線の混雑解消も問題のひとつでした。

そうした背景から、なにわ筋線は「JR新大阪駅及び京阪神圏の各拠点都市から関西国際空港へのアクセス機能の強化に資する路線」「大阪市交1号線(※御堂筋線)の混雑緩和に資する路線」という位置づけで「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」のひとつとなりました。

大阪都市部の鉄道ネットワークの向上、そして新大阪・大阪/梅田から中之島、新今宮を経由して関西国際空港まで続く新たな交通軸を形成するとともに沿線の開発を促進し、ひいては西日本の中心として大阪の国際競争力の向上を目指すのがなにわ筋線開業の主な目的です。

路線決定までの経過

事業主体である関西高速鉄道(株)による、路線開業決定までの経緯をまとめると以下の通りです。

1989(平成元)年 運輸政策審議会答申第10号において
「目標年次(2005年)までに整備することが適当な路線」とされる
1999(平成11)~
2000(平成12)年度
国土交通省によるなにわ筋線の整備に関する調査
2004(平成16)年 近畿地方交通審議会答申第8号において
京阪神圏において、中長期的に望まれる新たな鉄道ネットワークを構成する路線」のひとつとなる
2014(平成26)年~
2017(平成29)年
大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄によるなにわ筋線の事業化に向けた技術検討会を実施
2017(平成29)年 大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄・阪急電鉄が、なにわ筋線の早期事業化をめざすことで一致
2017(平成29)年 なにわ筋線の整備主体を関西高速鉄道とすることなどを意思決定
2017(平成29)年 ・大阪府・大阪市・JR西日本・南海電鉄・関西高速鉄道間で「なにわ筋線建設事業の推進に関する覚書」締結
鉄道事業法に基づく鉄道事業許可(JR西日本・南海電鉄・関西高速鉄道)
2020(令和2)年 大阪府知事により都市計画法に基づき「大阪都市計画都市高速鉄道事業なにわ筋線」として事業認可告示

事業認可の告示を受けて、関西高速鉄道(株)によると2021(令和3)年から工事が行われています。

なにわ筋線開通によるメリット

すでに大阪エリアには数多くの路線があり、南北方向にも複数路線が運行しています。しかし、なにわ筋線は既存の路線とは別の目的があり、開業によりいくつかのメリットが見込めます。

メリット①:関西国際空港・新幹線新大阪駅へのアクセス向上

なにわ筋線開業の最大のメリットが関西国際空港と新幹線停車駅である新大阪駅双方へのアクセス向上です。

大阪駅地下ホームの開業により、特急「はるか」と「くろしお」が大阪駅に停車できるようになり、大阪駅と関西空港や和歌山方面とのアクセスがさらに便利になりました。しかし、どちらも一部大阪環状線を利用する大周りのルートです。

そこで将来的に計画されているのが、特急のルートをなにわ筋線経由にすることです。大阪市によるなにわ筋線の整備計画によると、日中の運行予定は「JR:特急2本/時、快速4本/時、南海:特急2本/ 時 、急行4本/時」となっており、JRと南海の特急が運行される予定になっているのが分かります。

南海電鉄の特急である「ラピート」は現状なんばから関西国際空港までの路線ですが、共同事業であるなにわ筋線開業で大阪、そしてゆくゆくは新大阪からの特急ルートも期待されます。アクセス向上効果は以下のように試算されています。

区間 経路 計画段階 なにわ筋線開業※2
新大阪-関西国際空港 JR 51分・乗換0回 49分・乗換0回
南海 60分・乗換1回 50分・乗換0回
大阪(梅田)-関西国際空港 JR 64分・乗換0回 44分・乗換0回
南海 54分・乗換1回 45分・乗換0回

参考関西高速鉄道(株) なにわ筋線について

「関西国際空港まで続く新たな交通軸を形成する」のが目的のひとつであるなにわ筋線の開業により、将来的に新大阪・大阪ー関西国際空港の大幅なアクセス向上が期待できます。

メリット②:鉄道ネットワークの強化による混雑緩和・時間短縮

「既存鉄道路線との連携による鉄道ネットワークの強化」、「大阪環状線の混雑緩和」もなにわ筋線開業の目的のひとつです。

現在大阪・梅田地区と難波地区間を走る大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線に加え、なにわ筋線の開業で大阪都心部の南北方向の輸送力が強化されます。それと共に、大阪駅で発着する利便性の高いなにわ筋線に乗客が分散することが見込まれ、問題となっている御堂筋線の混雑解消にもつながります。

また、大阪(梅田)ー難波間の御堂筋線・四つ橋線の駅は5つであるのに対し、空港アクセスに重きを置くなにわ筋線の同区間の駅数は4つ。なにわ筋線は、大阪南北方向の所要時間短縮にも貢献します。

それだけではなく、現在大阪環状線の一部を通る特急や関空快速をなにわ筋線に乗り入れさせれば、今後USJに加え大阪万博・IRに向かう観光客での混雑が見込まれる大阪環状線の運行本数にも余裕が生じるため、混雑緩和につながるというメリットがあります。

メリット③:広域アクセスの向上による観光都市としての強化

図のように、なにわ筋線は各停車駅でJR・阪急電鉄・京阪電鉄・大阪メトロ・近鉄(近畿日本鉄道)・南海と多数の路線と接続します。これにより大阪エリア内だけでなく、京都・和歌山・奈良など近隣の観光地への広域アクセスも向上します。

それに加えて関西国際空港と、新幹線が停車する新大阪駅、そしてゆくゆくは2040年に大阪まで開通予定のリニア中央新幹線ともつながることで、西日本最大の観光都市として大阪の競争力を強化する狙いがあります。この構想に基づきうめきた地区をはじめとする開発が進んでおり、なにわ筋線開業もその一環です。

この構想の重要な要素が、「大阪万博」と「IR(統合型リゾート)」です。

大阪市によると2025年に開催される大阪万博の想定総来場者数は2,820万人。そして行く末が注目されていた大阪IR計画ですが、政府によって2023年4月14日にIR計画が認定されたと報道されました。

開催地である夢洲には現状鉄道路線がありません。そのため、今建設中で2024(令和6)年度中に完成する予定の地下鉄中央線の延伸に加えて、夢洲とコスモスクエアのある咲州(さきしま)、USJをつなげる交通網を形成する計画が一層活発化することは確実です。大阪・梅田エリアと繁華街なんばを結び関西国際空港へのアクセスを向上させるなにわ筋線も大阪の観光都市としての強化に寄与するでしょう。

なにわ筋線開通による不動産投資への影響

このような大阪全体を国際都市・観光都市としてさらなる発展を目指す構想の一環であるなにわ筋線ですが、なにわ筋線の開通によって不動産投資にはどのような影響が考えられるでしょうか。

影響①:需要の増加による収益の向上

まず考えられるのが、周辺の交通アクセス向上による不動産物件の需要の増加です。需要が高まれば物件の入居率が高まるほか、家賃相場が上がり新規募集の際に家賃を下げずに済む、あるいは多少値上げして募集しても申し込みが入る可能性があるため家賃収入が上がり収益性の向上が期待されます。

元々人気の高い大阪・梅田エリアはもちろん、なにわ筋線開通により大阪梅田エリアへの通勤アクセスが向上するエリアも含め全体的に需要が高まることが予想されます。例えば周辺相場より割安な難波・新今宮駅周辺、現行路線の終点でありなんば筋線によりアクセス性が向上する中之島駅周辺、大阪・梅田エリアへ通勤がしやすくなる泉佐野駅などの大阪南部の南海本線の駅の需要が伸びる可能性があります。

影響②:保有物件の資産価値上昇

IR事業の認可を受け、万博後も経済効果が期待できる見通しができたことで周辺地価が上がる可能性があります。地価の上昇と周辺不動産の需要の高まりにともない期待できるのが、保有物件の資産価値の上昇です。

保有する物件の資産価値が上昇傾向にあれば、さらなる不動産投資を行う際の担保としても有効なほか、将来売却する場合のキャピタルゲインにも期待できます。

大阪市では関西万博、そして事業実施が確定したIRの集客効果を土台に、国際競争力のある「副首都」として2050年に向けた新しいまちづくりである「グランドデザイン・大阪」を進めています。

大阪の都市としての成長は今後も中・長期的に続くことが予想され、それに伴い大阪エリアの不動産需要が上がり、東京圏との物件価格の差が縮まる可能性もあるでしょう。

まとめ

30年以上前から話にのぼっていたにもかかわらず、高額な事業費の問題や複数の鉄道会社間の調整の難航など路線決定には長い年月がかかったなにわ筋線ですが、完成すれば大阪駅は各方面につながる西日本のコアのひとつとなる巨大ターミナルとなります。

「グランドデザイン大阪」が目指すまちづくりの完成予定は20年以上後である2050年。
さらなる発展に期待が寄せられる大阪は、周辺住人や観光客としても、そして不動産投資を検討する人にとっても今後が注目されるエリアではないでしょうか。

大変に魅力的な大阪エリアの物件への不動産投資ですが、なにわ筋線の開業時期はあくまで予定であり、投資を検討する場合時期についての判断は難しいところです。不動産投資を検討の場合はぜひ豊富な売買実績を持つ当社コンサルタントにご相談ください。

この記事の執筆: ひらかわまつり

プロフィール:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格を有するママさんライター。親族が保有するマンションの管理業務経験を有するなど、理論・実務の両面から不動産分野に高い知見を持つ。また、自身でも日本株・米国株や積立NISAなどを行っていることから、副業や投資系ジャンルの執筆も得意としている。解像度の高い分析力と温かみのある読みやすい文章に定評がある。不動産関連資格以外にも、FP2級、日商簿記検定2級、建築CAD検定3級、TOEIC815点、MOSエキスパートなど多くの専門資格を持つ。

ブログ等:ひらかわまつり

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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