マンション査定が分かる!所有者が知っておきたいポイントを解説!
- 更新:
- 2021/09/10
所有するマンションを売却するにあたって、実際どのくらいの価格で売却できるのかを知りたいという方は多いと思います。
しかし査定額について、物件近隣の相場よりも不当に高い金額や低い金額を提示する不動産会社もいる事実があります。なぜ不動産会社がそういった対応をするのかについて把握・理解していないと、いつまで経っても売却できない、売却損が出るといったことにもつながりかねません。
そこで、この記事では、マンション査定の流れ、不動産担当者が物件のどこを見ているか、査定時のポイントや注意点などについてまとめています。この記事を読んで、早期・高値でのマンション売却につなげてください。
マンション査定の流れ
まずマンション査定の大まかな流れを確認しましょう。
- 不動産会社へ査定を依頼する
- 不動産会社に査定してほしい家に訪問してもらい現地調査をする
- 査定額の回答
上記の流れを解説していきます。
①不動産会社へ査定を依頼する
マンションの売却にあたっては、まず不動産会社に査定を依頼します。
査定額は不動産会社によって上下しますので、複数の不動産会社に査定してもらい、その結果を比較検討するようにしましょう。
ネットで検索すると不動産一括査定サイトが複数表示されると思いますので、そういったサイトを使うか、知っている不動産会社があればそちらに相談をしてみるのも一つの方法です。但し、サイトを使用する場合にはあくまでも参考の数値として利用しましょう。
依頼を受けた不動産会社は、ネット上もしくは電話などで簡易的に査定額を算出します(机上査定)。
最近は、AIが自動的に査定金額を算出してくれるサービスもありますので、そういったサービスの利用を検討してみてもいいでしょう。
②訪問査定の実施
机上査定の金額などを参考に不動産会社を絞り込み、所有する不動産の所在地に訪問してもらい査定を行います(訪問査定)。
訪問査定では所有者も同行し、査定担当者が分からないことなどを併せて確認することもあります。
回答が査定に影響する場合もありますので、正直にありのままを回答するようにしましょう。
③査定額の回答
訪問調査と所有者へのヒアリングを経て、不動産会社は査定額を回答します。
その際、査定結果について、その背景や判断理由などについてできるだけ詳しくヒアリングするようにしましょう。
というのも、査定結果に関する妥当性などを確認しながら、担当者の力量判断をし、適切な売買仲介活動を行ってくれそうな不動産会社選びの材料にすることができるからです。
また、実際に売却する際に必要な手続きや書類の確認なども行うことで、実際の売却活動の大まかなイメージ作りを始めておくことも留意しておきましょう。
査定担当者は物件の何を見ているのか?
不動産会社の担当者は、査定の際、以下のポイントを意識しながら査定を行っています。
- 立地や周辺環境
- 新/旧耐震基準と築年数
- 玄関/水回り/収納などの室内の状況
- エントランス/駐車場などの共用部
- 部屋の向きと階数
- その他
ここでは、査定の着目点について解説していきます。
立地や周辺環境
マンションの売却においては、景観や利便性の良し悪しといった物件の周辺環境が重要なポイントの一つとなります。
なぜなら景観が良い、周辺環境が閑静で住みやすいというようなわかりやすい価値のある立地は買い手が付きやすいため、査定上の高評価につながるためです。
所有する物件の周辺にどのような施設があるかについて、事前に確認しておくようにし、必要に応じてアピールすることも重要でしょう。
新/旧耐震基準と築年数
新・旧耐震基準のどちらが適用されているかを判別するために築年数を確認します。
築年数については、築年が浅い方が評価は上がることに加えて、1982年までに建てられたマンションは旧耐震基準、それ以降に建てられたマンションは新耐震基準が適用されており、耐震設計に大きな差があります。
後者の方が査定ポイントは高まりますので、確認しておくようにしましょう。
ただし、1982年以前でも新耐震基準が適用されているケースもありますので注意が必要です。
玄関/水回り/収納などの室内の状況
部屋の状態や修繕(リフォーム)が適切に行われているかどうかをチェックします。
チェックポイントは主に玄関・水回り・収納です。
各設備に汚れ・劣化、壁や床のキズなどのチェックをしますので、リフォームを行った場合はどこをどのようにリフォームしたかを説明しましょう。
リフォームの有無は、室内の適切な管理・修繕をしっかり行ってきた重要なアピールになります。
エントランス/駐車場などの共用部
共用部も査定ポイントの一つとして、清潔な状態が維持されているかどうかなどをチェックしています。
共有部は個人では対応できませんので、査定時は、共有部の清掃やセキュリティなどに不備が無いように管理会社に依頼しておくと良いでしょう。
ほかにも外壁や廊下(通路)なども査定対象として適切な管理・修繕が行われているかどうかをチェックします。
部屋の向きと階数
部屋の日当たりや階数なども査定に影響を与えます。
角部屋・南向きなどに加えて、風通し、眺望、ベランダの広さなども査定のポイントです。
逆に、南側の高いマンションが遮光しているなどの場合は、マイナスポイントとなります。
また、眺望や日当たりが良いことに加えて、上層階にステータスを感じる人が多いため、上層階の方が評価が高まる傾向にあります。
その他
以下の2つもおさえておきましょう。
売却時の不動産市況や住宅ローン金利
売却時の不動産市況や経済情勢も査定に影響を及ぼします。
市況が良ければ、買い手が多いのでその分高く売却できる見込みが高まります。
住宅ローン金利の推移についても、金利が低いほどローンを組みやすくなりますので、買い手が増えることとなります。
買い手を取り巻く経済情勢については、日頃から日銀や政府の政策や景況感調査などに関する情報収集を行うようにしておきましょう。
マンション周辺や沿線の再開発計画
マンション周辺や沿線の開発計画も影響を与えることがありますので把握しておきましょう。
近隣に新築マンションが建設されれば、中古マンションの周辺相場にも影響をあたえます。
ほかにも、沿線のターミナル駅で再開発が進んでいる、学校が誘致されるなどの場合は、人口増による買い手の増加が見込めるなどの効果が期待できるでしょう。
査定にかかる費用
不動産会社に査定をしてもらう場合には、基本的には費用はかかりません。
机上査定は、査定したい物件の近隣相場などから価格を算出する仕組みとなっていますので、ほとんど時間もかからずすぐに査定概算額を把握できます。
より正確な査定額を知りたい場合は訪問査定となりますが、こちらも無料で対応してくれることが大半です。
念の為、費用がかかるかどうかを確認してから訪問査定を依頼するようにしましょう。
査定時の7つのポイント
不動産会社の担当者に所有する物件を査定してもらい、高い査定額を引き出すために知っておきたいポイントは以下の通りです。
- 所在地近隣の相場の把握
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 設備の不具合を修繕
- 物件の強みを分析・把握
- 売主が不利になる情報も不動産会社に伝達
- 必要書類の確認
上記ポイントについて解説します。
所在地近隣の相場の把握
事前に所在地近隣の相場を把握しておくことで、不動産会社の査定が適切かどうかの判断ができます。
不動産会社の中には、媒介契約を獲得するために、あえて相場よりも高い査定額を提示してくるといった悪質なケースもあります。
この場合、査定額で売出しても買い手が見つかる可能性は低く、後から値引きさせて相場近辺の価格で売却することを狙っています。
売主からすると売却が難航し、時間の無駄となりますので、予めざっくりとした相場観を把握しておくことで、このようなケースを回避できるようにしておきましょう。
相場観については、不動産ポータルサイトなどで、物件所在地周辺の売出し状況を見ておくだけでも、相場観の把握に十分役立ちますので参考にしてください。
複数の不動産会社に査定を依頼する
複数の不動産会社に査定を依頼し、相見積もりを取ることも重要です。
複数の業者に依頼した中で他社と極端に価格が違う場合は、査定理由を確認し、納得できなければ候補から外すようにしましょう。
相見積もりで数社を比較することで、査定額だけでなく、誠実な担当者かどうか、不動産に関する知見や実績があるかどうかなどを比較判断することもできます。
設備不具合の修繕
査定前までに壊れた箇所を修復・修繕するようにしておきましょう。
この場合、修繕が必要なのは給排水のトラブルやドアの建て付けなどの比較的ダメージの大きいもので、小さい傷などについてはその必要はありません。
なお、査定前にリフォームやリノベーションをしても、かけた金額分だけ査定額が上がるということはあまりないでしょう。
むしろ近年のリノベーションブームで、購入してリノベーションしたいという人も増えていますので、逆効果になる場合もあります。
修繕・リフォーム・リノベーションいずれにしても査定する不動産会社に相談してから行うことをおすすめします。
物件の強みを分析・把握
所有物件のことを一番良く知っているのは所有者自身です。
マンションの周辺環境や特徴でアピールできることは何かを分析・把握し、査定時には適切にアピールできるようにしておきましょう。
例えば、オススメの飲食店や地元の方が夜間パトロールをしていて治安が良いなどの、買い手目線で重要な情報を整理しておくことが重要です。
不動産会社は地域の情報通ですが、地域のすべてを完璧に把握しているわけではありませんので、情報を補足してあげるようにしましょう。
売主が不利になる情報も不動産会社に伝達
所有する物件の良い点だけでなく、売主にとって不利になる情報も不動産会社に伝達することが必要です。
例えば、雨漏りや騒音、事故歴などの実際に住んでみないと分からないことを伝えなかった場合、契約不適合責任(2020年4月の民法改正前は瑕疵担保責任)違反として契約の解除や損害賠償を請求される可能性があります。
マンション売却後に瑕疵(≒欠陥)が発覚すると、購入者から多額の賠償金の支払いを請求されることにもつながりますので、ありのままを伝えるようにしましょう。
必要書類の用意
これは必須ではありませんが、より精緻な査定としてもらうために必要な資料を準備しておくとなお良いでしょう。
査定をスムーズに進めたり、場合によっては有利な情報を不動産会社にもたらすことで査定額アップにつながることもあるかもしれません。
例えば、分譲時のパンフレットや間取り図、管理規約、目検で確認しづらい箇所(水道管など)の修繕履歴などが考えられます。
査定を依頼してから訪問査定までは時間があるかと思いますので、必要資料の収集などに充てることができるでしょう。
まとめ
ここまで、マンション査定の流れ、不動産担当者が物件のどこを見ているか、査定時のポイントなどについて解説してきました。
この記事を読んでいただいたことで、査定のポイントとして、複数の不動産会社から相見積もりをとり、所在物件周辺の相場を適切に把握することの重要性を理解していただけたかと思います。
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