もう失敗しない!エアコンのベストサイズを徹底解説!
- 更新:
- 2023/07/12
不動産オーナーとして「所有する物件の管理」も仕事の一つです。中でも経年劣化により壊れやすい家電製品の管理は重要です。とくに現代では、物件を探している人が賃貸物件を選ぶ際の指標の一つとして「エアコンの設置」を挙げることも多く、物件にはエアコンが必須ともいえる時代となっています。物件を所有した際には必ずエアコンを設置し、修繕が必要な場合は早目に手配して円滑に進めましょう。この記事では、エアコンの選び方や不動産オーナーとしての業者の関わり方などを解説していきます。
エアコンのタイプは3種類ある
エアコンのタイプには3種類あることをご存知でしょうか。まずはそれぞれのエアコンのタイプについて解説していきます。
壁掛けタイプのエアコン
一つ目は壁掛けタイプのエアコンです。
これは最もスタンダードなタイプのエアコンのモデルです。室内機を天井に近い壁に設置し、外に室外機を置き配管を通じて接続し、室内の温度を調整する仕組みです。
多くの物件は、この壁掛けタイプのエアコンを使用しています。
壁掛けタイプのエアコンのメリットは、部屋全体を冷やしたりと暖かくしたりすることが出来るという点と電気代が安いことが挙げられます。
デメリットは、本体価格が高額であり、取り付けるための工事が必要という点です。この取付工事も凡そ10万円程度は見た方がいいでしょう。
このようにエアコン本体の金額だけでなく、工事費もかかってしまうことはデメリットです。
それに加え壁掛けタイプのエアコンは、本体のみ販売されている場合と工事込みという製品があります。家電量販店等で販売されているものを購入する際は、事前に確認しましょう。
窓用タイプのエアコン
2つ目は窓用タイプのエアコンです。これは本体を窓に取り付けて使うエアコンのことです。
こちらは室外機を置く場所が無い等の理由により、室外機を設置しないエアコン。窓用タイプのエアコンのメリットは、室外機を置かない分、本体価格が安いこと、取り付けのための工事不要、取り外しが簡単という点です。
デメリットとしては、電気代が高い、部屋全体を冷やしたり暖めたりできない、掃除が大変、窓の光を遮る、ということが挙げられます。窓用タイプのエアコンの多くは、壁掛けタイプのエアコンが置けない部屋に設置されます。
床置きタイプのエアコン
また床に設置する床置きタイプのエアコンも存在します。
床置きタイプのエアコンは、室内機を床に置き使用するタイプのエアコンです。室外機はありません。
こちらも窓用タイプと同様に、壁掛けタイプが使用できない部屋で主に使われます。また業務用の機種となると工場、屋外でも使われます。
床置きタイプのメリットは、他に比べると小さくてコンパクト、工事不要、狭い範囲で集中的に空気を送れるという点です。
デメリットとしては狭い範囲でしか使用できないため、部屋全体を冷やしたり暖めたりすることができない点です。
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適応畳数を確認しよう!ベストサイズの考え方とは
エアコンには「適応畳数」というのが設定されています。適応畳数とは部屋を冷やしたり暖めたりすることができる範囲のことです。これはそれぞれの製品によって違ってきます。
例えば広い部屋に、適応畳数が小さなエアコンを設置した場合、部屋全体を冷やしたり暖めたりすることが出来ません。逆もしかりです。
こういった状況を防ぐためにも、まずは部屋のサイズの適応畳数を算出してそれにあったエアコン選びをしましょう。
木造と鉄筋で変わってくる
エアコンの適応畳数に関しては、物件が木造構造か鉄筋構造かで変わります。
よくあるエアコンの機能の記載として冷暖房能力が「8~12畳」と記されていますが、これは戸建ての木造物件は8畳、鉄筋集合住宅で12畳の部屋に最適という意味です。
また冷房能力が「8~12畳」であっても、暖房能力は「8~10畳」となっている場合も多いです。ということは暖房能力は冷房より適応畳数が小さくなります。
冷房能力と暖房能力のどちらを重視したいのか、それによっても選ぶ製品が変わってきます。
適応畳数には目安がある
適応畳数にも関わらず“エアコンの効きが悪い”と悪いと嘆いている人が多いのですが、実は「畳数の目安」は、平均的な日本の気候の南向きの洋室という設定を元にして算出されています。このため、例えば寒い地域や暖かい地域、日当たりが悪い部屋などで差が出てきてしまいます。
寒い地方であれば、通常のエアコンではなくパワフルで強力なタイプのものがいいですし、日当たりが悪い部屋は暖まりにくいため、暖房能力を重視した方が良いでしょう。
また天井が高い・吹き抜けとなっているなど、建物の構造もエアコンの効きに影響しています。こういった場合は、暖房が効き辛いので一回り広い最適畳数のエアコンにした方がいいでしょう。
不動産オーナとしては部屋の環境によってエアコンを変えるという視点も重要です。
入居者にとってはエアコンの効きは「快適な生活」に繋がります。
快適な部屋であればあるほど、住む年数が長くなる可能性もあります。
入居者の入れ替えとなると、原状回復費など様々な金額がかかるため、できるだけ1人の人に長く住んでもらった方が良いといえます。特に住環境の設備の中で、長く使用するエアコンは設備の中でも重要視することをおすすめします。
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エアコン設置の環境を確認する
エアコンを購入した後に「設置不可だった」ということにならないためにも、エアコンを設置するスペース、コンセントを先に確認しておくことをおすすめします。
設置予定のスペースに室内機が入るか
壁掛けタイプのエアコンの室内機を設置する際には、設置予定の場所にある程度のスペースが必要となります。天井・左右・下に凡そ10㎝程度のスペースは必要となります。
そのためエアコン設置予定の場所のサイズは先に測ったほうがいいでしょう。
エアコンの室外機を置けるスペースがあるかどうか
室外機は外に設置するため、ベランダや庭などの部屋外のスペースが必要となります。室外機はある程度の大きさとなるため、それが入るスペースがあるかを先に確認した方が良いでしょう。購入後に収まらなかった等ということがないように注意すべきです。
コンセントの形状・場所の確認
エアコン専用のコンセントは4種類があり、それに加えてプラグの形状も4種類です。部屋の電圧やプラグが一致しないと設置することができないためエアコンを設置するためのコンセントなどを確認しておきましょう。
機能で選ぶときにチェックしたい項目
エアコンを選ぶ際に機能面でチェックすべき項目を解説します。
省エネ機能の高さ
暑さや寒さの変化が厳しくなることで、エアコンを毎日稼働しているという家庭も多いです。稼働時間が伸びれば伸びるほど、電気代がかかります。そのため出来る限り電気代を抑えるために、省エネ機能が高いエアコンを選びましょう。
エアコンは「省エネの目標基準値」という値が設定されています。この値が高ければ省エネ性能が高いということです。電気代を安くすることもできます。
「省エネ基準達成率」は数値だけではなく星の数で表している場合もあり、星の数が多いほど省エネということになります。見た目からも分かりやすいので、日頃から家電量販店などに行った際に見てみることをおすすめします。
また「期間消費電力」を見れば1年間に消費する電力量の目安にもなります。この数値は基本的に商品に記載されていることが多く、これに1キロワットの電気代をかけることで年間の電気代を算出することができます。
空気清浄機能
最近のエアコンの中には空気を綺麗にしてくれる「空気清浄」機能が追加されたエアコンもあります。これであれば、埃や菌などのアレルギーが気になる人にも良いといえます。
またペットを飼っている人で、においが気になるという人にもおススメです。ペットによるハウスダスト、花粉などが気になる人にもエアコンに空気清浄機能がついていれば安心です。
自動掃除機能
毎日使うエアコンは知らずに汚れてしまうものです。しかし掃除となると大変です。フィルターを交換したり、奥の掃除など手間がかかります。そんな時は「自動洗浄機能」がついているエアコンを選択しましょう。中でも「フィルター自動洗浄機能」があれば、とくに汚れが溜まってしまうフィルターを自動で掃除してくれるので便利です。
それに加えて「自動熱交換器洗浄機能」があれば、冷房・除湿運転の際に発生した水を使い熱交換器の表面汚れを洗い流してくれます。また「内部乾燥機能」があれば、エアコンが止まった後に内部に風を送って乾燥しカビの発生を抑えてくれますよ。
様々な機能が付いているエアコンが発売されているので、気になる場合は家電量販店などで販売員に聞いてみるのが一番です。
その時々で新発売されたおすすめのエアコンや、物件のサイズ感なども合わせて聞いてみるのが良いでしょう。エアコンは様々なメーカーから発売されているため、自分に合う最適なものを聞くのがおすすめです。
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エアコンが壊れそう?そう思ったら取り替えるべし
中古物件を購入する際や所有する物件で入居者の入れ替えがある場合、エアコンの状態は確認した方が良いでしょう。
特に気を付けて欲しいのは、設置されているエアコンが調子が悪く「そろそろ壊れそうなのでは」と思ったら迷わず取り替えることをおすすめします。
もしもエアコンが壊れてしまい、しかもそれが真夏で合った場合、エアコンが壊れたことにより入居者の熱中症などのリスクも上がります。入居者がエアコンが原因で倒れてしまった、なんてことがあったら責任問題です。またもしも入居者が亡くなってしまったらその物件は事故物件として扱われることになります。これは防ぐことができる事故です。
またエアコンが古くなることで水漏れの可能性も出てきます。水漏れによっては物件を痛めるだけではなく、その他の設備不良を引き落とすなど他の可能性も出てきてしまいます。
確かにエアコンの工事となると高額です。しかしこういった事故に繋げないためにも、調子が悪い場合はすぐに取り換えるべきだと頭に入れておいてください。
工事の時期に要注意
エアコンが壊れてしまった場合、すぐに工事が出来ない場合があります。特に夏場と冬場はエアコンの工事が込み合ってしまうため、もしも壊れてしまった場合の修理予定が何週間後という可能性もあります。しかし夏場の暑い時期や冬場の寒い時期にエアコンが無いのは死活問題です。そうならないためにも、繁忙期は避けて早目早目にエアコンの状態を確認するなどの対策をしておくことをおすすめします。
信頼できる業者選びを心掛けよう
基本的に不動産オーナーがエアコン工事などに関わることはありません。不動産会社やオーナーと契約を結んだ業者にお任せするというのが基本的な仕組みです。そのため、不動産オーナー自身がエアコンの機種の値段を把握しておく所まではしなくてもいいのですが、凡その金額は頭に入れた方が良いかもしれません。
特に初めての業者に工事を依頼する場合など、エアコンの工事で高額な金額を請求されることもないわけではありません。工事費なども業者ごとによって金額が異なるため、信頼できる業者と関わることが非常に重要です。
またエアコンの要望もきちんと伝えるべきです。これまで述べてきたように、部屋ごとによっても最適な大きさなどが変わるため物件ごとに変えた方が入居者にとっては親切だといえるでしょう。そういった要望をきちんと伝え対応してくれる業者と組むことをおすすめします。
不動産投資家として成功するには、信頼できる業者との付き合いは不可欠です。もし不動産投資を始めたばかりでつながりが無い、という場合はまずは信頼できる不動産業者に業者を紹介してもらいましょう。
多くの不動産業者は、工事関連の業者とも繋がっているため信頼できるところを紹介してくれるはずです。
まとめ
エアコンの選び方のポイントについて解説してきました。不動産オーナーとして、物件の設備管理は重要な仕事です。今回紹介したエアコンの選び方を参考に、自身の知見を深めるためにお役立てください。