住宅ローンの金利、今後の見通しは?5年後・10年後に上がる可能性はあるのか
- 更新:
- 2025/08/29
住宅購入を検討している方にとって、住宅ローン金利の動向は毎月の返済額を大きく左右するポイントです。2024年に日本銀行が17年ぶりとなるマイナス金利政策の解除を発表したことで、住宅ローン金利の上昇傾向が始まりました。
これまで長期間にわたって続いてきた超低金利時代の終わりが近づいています。一方で「いつまでに住宅を購入すべきなのか」「今借りている住宅ローンの返済額はどれくらい上がるのか」といった不安を抱える方も多いでしょう。
この記事では、2025年1月の日銀追加利上げを受けて、これからの住宅ローン金利がどのように推移していくのかを詳しく解説します。
- 目次
- 【結論】住宅ローン金利は今後も上がっていく可能性が高い
- みんなの住宅ローン金利はどうなっている?住宅金融支援機構の調査から見る
- 金利上昇でも住宅ローン負担を減らしたい!やるべき3つの対策
- 金利上昇で「不動産投資」も今がチャンスを迎えている
- まとめ
【結論】住宅ローン金利は今後も上がっていく可能性が高い
結論から言うと、住宅ローンの金利は今後も上がり続ける可能性が高いでしょう。以下で現状や具体的な理由を整理していきます。
政策金利の上昇が住宅ローンの金利上昇をもたらす
住宅ローンの金利は、日本銀行の政策金利と密接に関連しています。日銀は2024年3月にマイナス金利解除と17年ぶりの利上げを実施し、同年7月には政策金利を0.25%に引き上げ。さらに、2025年1月には政策金利を0.5%に引き上げました。
政策金利の上昇は、主に以下の仕組みで住宅ローン金利に影響を与えます。
- 変動金利への影響:短期プライムレート(※)と連動し、数ヶ月のタイムラグを経て上昇
- 固定金利への影響:長期金利(10年国債利回り)が上がると、すぐに上昇
※短期プライムレート:信用力のある企業に対し、1年未満の短期融資をする際に適用される金利のこと
多くの金融機関では3~5月の間に基準金利を0.25%引き上げました。2025年春頃から各行の住宅ローン変動金利が上昇しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
「フラット35」の金利はすでに上がってきている
全期間固定金利型住宅ローンの代表格である「フラット35」は、長期金利に連動するため、変動金利よりも早いタイミングで金利上昇の影響を受けています。2025年7月のフラット35の金利は1.84%となっており、過去の最低水準からは上昇傾向にあります。以下は、2023年4月から2025年7月にかけてのフラット35の金利推移を示したグラフです。

引用フラット35
※借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、団信付きの条件の場合
2024年7月に日銀が月間の長期国債買入れ予定額を、26年1~3月にかけて3兆円程度にまで減額する計画を決定したことも、フラット35の金利上昇に大きく影響しています。
参考日本銀行「金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について」
この政策により長期金利が上がりやすい環境となったため、フラット35の金利も今後さらに上昇する可能性が高いです。
住宅ローン利用者も65.7%が1年以内の金利上昇を予想
住宅ローン金利は今後、変動金利も固定金利も上昇していくと考えられる状況です。2025年4月の調査では、実際に住宅ローンを利用している方の65.7%が今後1年以内の金利上昇を予想しています。なお、2024年10月の調査では62.9%だったため、金利リスクが高いと考える人の割合は上がってきているようです。
住宅ローン利用者の多くが金利上昇を予想する背景は、日銀の金融政策が大きく転換したことです。2024年3月のマイナス金利解除から始まり、同年7月、そして2025年1月と段階的に政策金利を引き上げてきた実績があることで、「今後も金利は上がり続ける」という見方が一般的になっています。
なお、日銀が利上げを続ける理由は、日本経済に物価上昇をもたらす複数の要因が重なっているからです。日銀は、以下の要因を注視しながら物価動向を分析しています。
- 入物価の上昇:原油価格などの海外要因による物価押し上げ効果
- 国内需要の拡大:消費や投資の活発化による物価上昇圧力
- 賃金上昇の波及:企業の賃上げが消費拡大につながる好循環
この中でも日銀がもっとも重視しているのが「賃金と物価の好循環」です。企業が賃上げを実施することで家計の購買力が向上し、それが消費拡大と物価上昇につながっています。具体的には、賃金上昇→消費増加→企業収益向上→さらなる賃上げという循環が生まれ、経済全体が活性化する一方で物価も継続的に上昇していきます。
そして日銀の使命は「物価の安定」を図ることです。物価上昇率が目標の2%を安定的に上回り続ける状況では、経済の過熱を防ぐために金利を段階的に引き上げなければいけません。金利を上げることで企業や個人の借入コストを上昇させ、過度な投資や消費を抑制して経済活動を適切なペースに調整します。
つまり、この循環が続く限り、日銀は段階的な利上げを継続する可能性が高いでしょう。結果として、住宅ローン金利も今後さらに上昇していく見込みです。
みんなの住宅ローン金利はどうなっている?住宅金融支援機構の調査から見る
住宅金融支援機構が実施している「住宅ローン利用者の実態調査」では、実際に住宅ローンを借り入れた方々の動向を把握できます。2025年7月に公開された調査結果は、2024年10月から2025年3月までに住宅ローンの借入れをされた、20歳以上70歳未満の1,397人を対象とするものです。
この調査結果から、最近の住宅ローン利用者の傾向を詳しく見ていきましょう。
「年0.5%以下」の金利で借りられている人は大きく減ってきている
住宅ローン金利の上昇は統計データにも明確に現れています。2025年4月調査では、年0.5%以下の超低金利で借り入れできた人の割合は26.6%まで減少しました。これは2024年10月調査の37.1%から大幅な減少です。
一方で、年0.5%超~1.0%以下の金利帯で借り入れた人の割合は45.2%となり、もっとも多い層となっています。こちらは前回調査の36.4%から大幅に増加しており、金利上昇の影響が新規借り入れ者に顕著に現れているといえるでしょう。
同じく年1.0%超の金利で借り入れる人の割合も増加傾向にあり、全体として住宅ローン金利の底上げが進んでいることが分かります。
返済期間は「35年超」が大きく増加。毎月の返済負担を軽減するのが目的か
金利上昇の影響で注目したい変化のひとつが、住宅ローンの返済期間の長期化です。35年超~50年以内の長期返済を選択する人の割合は25.5%となり、前回調査の20.9%から4.6ポイントも増加しています。
もっとも多い返済期間は「30年超~35年以内」で45.8%です。前回調査と比べると2.8ポイント減少しており、より長期の返済を選ぶ傾向が強まっているのが分かります。
そこまで大幅な金利上昇はまだ起きていないため、返済負担率(年間返済額÷世帯年収)自体はさほど変わっていないはずです。つまり、これは金利上昇による月々の返済額増加を、返済期間の延長によって相殺しようとする動きと考えられます。
ただし、返済期間を延ばすことは総返済額の増加につながるため、将来的な家計への影響も慎重に考える必要があるでしょう。
金利タイプは「変動金利」が増加中。固定金利の利上げが影響
住宅ローンの金利タイプ選択にも大きな変化が起きています。変動金利を選択する人の割合は79.0%となり、前回調査の77.4%から1.6ポイント増加しました。3年前の2022年と比すると5.1%もの増加です。
逆に固定期間選択型は12.2%(前回13.5%)、全期間固定型は8.8%(前回9.0%)といずれも減少しています。これは固定金利の上昇ペースが、変動金利よりも早いことが主な要因です。固定金利は長期金利に連動しており、日銀の金融政策変更の影響をより早く受けます。
つまり各金融機関が固定金利を相次いで引き上げたことで、相対的に変動金利の魅力が高まっている状況と考えられるでしょう。しかし、変動金利は将来的な金利上昇リスクを借り手が負うことになります。今後の金利動向を注視しながら、慎重に選択しなければいけません。
ペアローン(収入合算)は若い世代を中心に利用者が増加中
住宅価格の上昇と金利上昇が重なる中で、ペアローンや収入合算による借り入れを選択する人が増えています。全体では39.3%の人がペアローンまたは収入合算を利用しており、とくに若い世代でこの傾向が顕著です。
年代別に見ると、20代では実に67.1%(ペアローン44.0%、収入合算23.1%)が活用しており、30代でも41.9%(ペアローン29.6%、収入合算12.3%)となっています。40代以上では利用率が大幅に下がることから、若年層ほど夫婦の収入を合算しなければ希望する物件を購入できない状況が浮き彫りになっています。
なお、ペアローンや収入合算のメリットは以下のとおりです。
- 借入可能額が広がり、1人では届かない価格帯の物件購入が可能
- 住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる
- 一方の収入が減少しても返済継続しやすい
ただし、将来的なライフスタイルの変化(出産・育児など)に対する柔軟性が低くなる面もあります。また、万が一の離婚時には権利の問題も発生しがちです。安易にペアローンや収入合算を選ぶことはおすすめしません。
「1万円程度の返済額増加」なら返済継続予定が6割以上
住宅ローン利用者の金利上昇に対する意識調査では、毎月の返済額が1万円程度増加する場合でも、62.9%以上の方が返済を継続する予定と回答しています。
この回答から、多くの方がある程度の金利上昇は織り込み済みで住宅ローンを組んでいると考えられるでしょう。一方で、返済額の増加幅が大きくなるほど、借り換えや繰り上げ返済を検討する方の割合が増える傾向も見られます。
注目すべきは「見当がつかない、わからない」と回答する人の割合が、返済額増加とともに大幅に増えることです。月5万円の増加では、44.0%もの人が対応策を見つけられない状況となっています。契約当初に金利リスクをあまり気にしていなかったのでしょう。
金利上昇局面では、家計の見直しや追加の収入確保など、さまざまな対策を検討することが必要になります。これからローンを使うなら、金利が上がって返済額が増えるリスクも想定して収支計画を組むべきでしょう。
金利上昇でも住宅ローン負担を減らしたい!やるべき3つの対策
住宅ローン金利の上昇が続く中でも、返済負担を軽減するための3つの対策があります。少しでも家計の負担を減らして、余裕を持たせたい人は必見です。
繰り上げ返済・一括返済で金利負担を減らす
ローンの残高を「繰り上げ返済」して元本を減らすことで、将来支払う利息を大幅にカットできます。繰り上げ返済には2つのタイプがあります。
- 返済期間短縮型:毎月の返済額は変えずに、返済期間を短くする方法
- 返済額軽減型:返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす方法
金利上昇局面では、返済額軽減型を選んで毎月の負担を軽くするのが基本です。ただし、繰り上げ返済により手元資金が減少します。さらに金利が上がって、毎月の返済負担の増加に耐えられなくなっては本末転倒です。あくまで「余剰資金の範囲内」で繰り上げ返済しましょう。
金利の安い金融機関で借り換える
現在の住宅ローン金利よりも、低い金利を提供している金融機関で借り換える方法もあります。目安として「金利差が0.5%以上」で「残債が1,000万円以上ある」場合は、大きな借り換えメリットが期待できるでしょう。借り換えを検討時のポイントは以下の通りです。
- 金利差の確認:現在の金利と借り換え先の金利を比較する
- 諸費用の計算:事務手数料、保証料、登記費用などを含めた総コストを確認する
- 返済期間の検討:借り換えと同時に返済期間も見直す(短縮すれば金利負担がさらに軽減)
ただし、借り換えには審査があり、収入や健康状態によっては利用できない場合もあります。早めの情報収集と準備を心がけましょう。
資産運用・投資で増える返済額を超える利益を出す
金利上昇による返済額増加分を、資産運用や投資の利益でカバーする方法もあります。住宅ローン金利よりも高いリターンが期待できる投資商品を選ぶのがポイントです。おすすめの投資手法には以下のようなものがあります。
- つみたてNISA:毎月定額の投資信託積立で長期的な資産形成
- 株式投資:配当収入と値上がり益を狙った企業の個別株への投資
- 不動産投資:家賃収入による安定したキャッシュフロー確保
ただし、投資には元手の資金を減らしてしまうリスクが伴います。住宅ローンの返済に支障をきたさない範囲で、余剰資金を活用して行いましょう。
金利上昇で「不動産投資」も今がチャンスを迎えている
住宅ローン金利の上昇は、実は不動産投資にとってはチャンスの時期でもあります。不動産投資が注目される理由は以下のとおりです。
- 賃貸需要の増加:住宅購入のハードルが上がることで賃貸市場が活性化
- インフレヘッジ効果:物価上昇に連動して物件価格や家賃収入も上昇傾向
- 「手取り増」と「資産形成」の両取り:家賃収入で金利増加分をカバーしつつ、将来は売却でまとまったお金に
ただし、不動産投資は空室リスクや物件価格変動リスクが見過ごせません。「空室の出ない立地選定」や「将来価値が上がる物件選び」が成功のポイントです。
当社では、東京23区や大阪といった成長エリアを中心に、安定した収益が期待できる優良中古区分マンションを多数取り扱っています。金利上昇局面だからこそ、不動産投資による資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。過度な勧誘はいたしませんので、ご興味の方は無料相談をご利用ください。
まとめ
住宅ローン金利は、日銀の金融政策転換により今後も上昇していく可能性が高いです。これから住宅購入を検討している方は、金利上昇を見据えて資金計画を見直しましょう。
既に住宅ローンを利用している方は、繰り上げ返済や借り換えによる返済負担軽減が有効です。また、資産運用で「増えた金利分、収入を増やす」のもひとつの選択肢といえます。
当社は、収入を増やしつつ資産形成を実現できる手段である「不動産投資」をサポートする会社です。お客様の利益を第一に考えておりますので、あなたの状況によっては、当社の不動産投資ではない手段をアドバイスすることもございます。金利上昇に立ち向かう手段で悩んでいる方は、お気軽に当社の無料相談をご利用ください。

この記事の執筆: 及川颯
プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。
ブログ等:はやてのブログ

































