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不動産投資で法人化?資産管理会社のメリット・デメリットを徹底解説!

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不動産投資の事業規模が大きくなってくると、法人を設立して運用したほうが節税になります。これは「法人化」と呼ばれ、不動産投資を行ううえでの節税術として、是非知っておきたい知識です。

「事業規模が大きくなってくると」とは、具体的にはどのくらいなのでしょうか?

また、いつ法人化したらいいのか?といったことも気になりますし、メリットがあればデメリットがつきものですが、法人化することによるデメリットがあるのかといった知識も深めておきたいところです。そこで本記事は、不動産投資の法人化や資産管理会社について説明します。

不動産投資における「法人化」とは?

不動産投資における「法人化」がどういったことを指すのかというと、不動産に投資をして利益をあげる資産管理会社を設立するということです。つまり、不動産投資の法人化は資産管理会社(法人)の代表となる個人が資本金を出資して、法人が物件を購入して所有するということになります。

一般事業法人が不動産を購入する際に借入をする場合、通常、融資期間は最長20年間となっていますが、ここでいう不動産投資の法人というのは他に事業をおこなっておらず不動産投資のために設立した個人に近い法人のことを指します。このような場合であれば、個人の場合と同様30年の長期融資をしてくれる銀行も多いのです。

法人化すると節税になる理由は「税率」

そもそも、なぜ法人化することによって節税になるのでしょうか?

その理由は、個人と法人の税率の違いによります。不動産投資の利益にかかる税金は、個人は所得税、法人は法人税です。所得が少なければ個人のほうが税率は低いですが、一定以上になると法人のほうが低くなります

個人の所得税は、所得が増えれば増えるほど税率が上がっていく超過累進税率で、所得が少ないうちは税率が10%や20%程度なのですが、課税所得が1,800万円を超えると40%、4,000万円を超えると45%にまで上がります。
実際は住民税も加わるので、税率はこれよりも高くなります(住民税も累進課税)。

所得税率(令和4年4月1日現在法令等)

課税所得 税率 控除額
~195万円未満 5% 0円
195万~330万円未満 10% 97,500円
330万円~695万円未満 20% 427,500円
695万円~900万円未満 23% 636,000円
900万円~1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円~4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

法人税率:資本金1億円以下の場合(令和3年9月1日現在法令等)

事業年度開始時期 800万円以下の部分 800万円超の部分
平成30年3月31日まで 15% 23.4%
平成30年4月1日から
平成31年3月31日まで
15% 23.2%
平成31年4月1日以降 19% 23.2%

参考国税庁HP 法人税の税率

一方で法人税率は、23.2%です。資本金1億円以下の法人は、課税所得800万円以下だと19%(軽減税率が適用される期間は15%)になります。不動産投資のための法人設立であれば資本金1億円以下でしょうから、19%または最大で23.2%の税率です。個人の所得税の最大45%と比較すると、課税所得が高くなるほど法人のほうが節税になることがおわかりいただけるでしょう。

実際は地方法人税、法人住民税、事業税、地方法人特別税など、法人の所得に関するさまざまな税金が加わるので、実質的な所得税負担率(実効税率)はこれよりも高くなります。

法人税の推移

財務省HP:法人税の推移

参考財務省HP:法人税の推移

なお、法人税は下がっていく傾向にあります。上表の通り、平成27年の税制改革で25.5%から23.9%に下がり、さらに平成28年には23.4%になりました。平成30年4月1日以降は23.2%にまで引き下げられました。

課税所得が800万円以下の中小法人については、さらに税率が低くなります。不動産事業を拡大していくのであれば、法人を設立したほうがますます得になるのです。

法人化したほうが得になる収入ラインは900万円

それでは、結局収入がいくら以上になったら法人化すればいいのでしょうか?

上表を見るとわかるように、課税所得金額が900万円を超えて税率が33%になると法人税率を上回りますので、法人化したほうが節税になるのは、課税所得が900万円~1,000万円以上が目安ラインとなります。この「課税所得」は不動産事業だけでなく給与所得も含まれますので、サラリーマンであれば年収1,500万円前後が目安になります。

税金は様々な要素によって決まるので「課税所得◯◯万円以上なら」と簡単に言うことはできません。目安の収入に届きそうになってきたら、早めに税理士に相談することをお勧めします。

法人化の4つのメリット

法人化すると、法人税率が適用されるだけでなく、個人ではできなかった様々な節税対策や融資対策を行うことができます。
ここでは、法人化することによって生じるメリットについて詳しく説明していきましょう。

メリット①:幅広い経費計上が可能

個人は、事業に直接関係のある支出のみを経費にできますが、法人は、法人が行った業務行為を経費にできます。 具体的に、個人ではできず法人なら経費にできる主なものは、以下のとおりです。

役員報酬

法人ですので、家族を役員にすることができます。そして仕事をしてもらえば、役員報酬を支払うことができます。人件費を活用できるということは個人と法人の明確な違いであり、法人化の最大のメリットともいえるでしょう。

課税所得の計算が、個人では「事業収入 ー 経費」となるのに対し、法人は「事業収入 ー 経費 ー 役員報酬」となります。

役員報酬にももちろん課税されますが、課税所得が分散されることによって、それぞれの税率が低くなるのです。役員を増やすほど小さく分散され、節税効果は高まります。

退職金

法人は、代表取締役や役員への退職金を支払うために積み立てることができ、この積立金はすべてが損金(経費)扱いになるので、法人の課税所得を圧縮することができます。退職金を受け取れば個人の所得税の対象ですが、退職金は控除額が大きいので、二重の節税効果を生みます。

退職金は、退職後の生活資金や功労の対価の後払いといった性質があるため、通常の役員報酬にかかる所得税の計算方法と比べて少し税金面で優遇されるのです。

下表が退職金にかかる税金の計算方法です。

課税退職所得金額 =(退職金 - 退職所得控除額) ✕ 1/2
所得税額 =(課税退職所得金額 ✕ 所得税率 - 控除額)✕ 1.021(復興特別所得税含む)
勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円 ✕ 勤続年数
20年超 800万円 + 70万円 ✕ (勤続年数 - 20年)

参考国税庁HP 退職金と税

保険料

個人は保険の支払いのうち経費にできるのは最大12万円までです(生命保険、個人年金保険、介護医療保険それぞれ4万円まで)。一方で、法人は保険の種類によって全額損金、半額損金の損金計上できる範囲が異なりますが、12万円という上限はありません。保険料が大きくなればなるほど経費計上できる金額も大きくなり、節税できます。

共済掛金

共済掛金も経費にすることが可能です。役員の退職金の積立や、修繕積立金に充てることが可能となります。

土地取得用借入金の利息

土地取得用借入金の利息についても経費計上することが可能です。個人事業主の場合には、そもそも不動産取得に伴う借入金の利息は経費として認められていないため、法人の場合の大きなメリットとなります。

メリット②:減価償却費の調整ができる

減価償却とは、不動産の取得費用を数年間に分割して経費計上することです。仮に1,500万円の物件を10年間で減価償却する場合、1年あたりの経費は150万円です。減価償却費は不動産事業の経費の中でも金額が大きく、時に会計上の赤字・黒字を左右するほどの影響力があります。

個人の場合、減価償却費は計算式にのっとった金額を全額計上することになりますが、法人の場合はその金額を上限として調整することができます。これがなぜ節税になるのかについて、例をあげて説明します。

減価償却費が100万円の物件で、年間家賃収入が70万円だったとします。個人だと−30万円の赤字になりますが、法人でなら決められた計算式で算出した年間の減価償却費の範囲内で経費にする額を自由に決めることができるため、償却費を50万円などにして黒字にすることができます。黒字のほうが金融機関への印象が良くなるので、その後の融資に有利な影響を与えます。

メリット③:損失の繰越が9年間になる

個人でも法人でも、年間の収支がマイナスであれば赤字分を翌年に繰り越し、次年度以降の利益から差し引くことができます。この繰り越し年数は、個人だと3年間なのですが、法人だと9年間もの期間、繰り越すことができます。

メリット④:資産を分散することができる

資産管理会社の設立により、会社名義や役員名義で資産を保有できるため、資産を分散管理することが可能です。これにより相続税対策と相続時の手続きでメリットが生じます。

相続税対策としては、資産を会社名義にしておき、その資産を役員報酬という形で親族等に支払うことで、相続財産において節税効果を生みます。資産が「相続財産」ではなく「報酬」として取り扱われるため、相続税の課税対象にならないからです。上述の通り、資産管理会社から支払われた役員報酬等は経費として計上可能なので、法人税軽減にもつながります。

また、相続時の遺産分割手続きについても、一般的に相続時に分割しにくい不動産を「法人の株式」という形で相続させることができるため、煩雑な遺産分割手続きをスムーズに行うことができます。

法人化の5つのデメリット

ここまで見てきたように、法人化することによってできる範囲が広がり、多くのメリットがありますが、逆にデメリットもあります。

デメリット①:法人設立費用がかかる

法人設立時には設立手続きの費用や税金がかかります。最低限かかる手続き費用は定款認証、登録免許税、収入印紙などがあります。ただし、あくまでこれらは最低の金額で、手続きを専門家に依頼する場合はその手数料も必要となります。

定款とは会社の根本規則で、自分で作成できないことはないですが、専門知識が必要なので司法書士等の専門家に頼むのが一般的です。これらの費用は登記まで含めて10万円~20万円かかることもあります。

登録免許税は法人の設立登記の際に支払う必要があり、株式会社では15万円、合同会社では6万円となります。定款に貼る収入印紙は通常4万円かかりますが、昨今では電子定款による手続きが一般的なため、その場合は印紙代4万円が無料となります。

デメリット②:法人住民税が毎年最低7万円かかる

法人住民税とは、法人にかかる地方税で、法人所在地の道府県と市町村に納税します。法人住民税は申告納税方式で、自ら申告を行う必要があります。

個人の住民税であれば、前の年の所得金額に応じて計算される所得割と、一定以上の所得があればその所得の多少に関係なく算定されるもの(均等割)の合計になります。 法人住民税は所得に応じて算定される法人税割と、会社規模に応じて算定される均等割の合計になり、利益がなくても最低7万円かかります。

デメリット③:法人のお金は個人で勝手に使えない

法人として上げた税引き後利益は、法人の余剰金であり、社長であるあなたのものではありません。そのため、個人事業のように自由に使うことはできません。使えるのは、あくまでも役員報酬として支払われた金額だけです。

それならば役員報酬を多く設定すればいいのかというと、そうもいきません。役員報酬が多くなればあなたの個人所得が増え、所得税率が高くなってしまいます。節税目的で法人化したのに、税金が高くなるのは本末転倒です。

デメリット④:長期保有後の売却益にかかる税金が高くなる

売却益にかかる税金(譲渡税)の税率は、法人は30%前後なのですが、個人は物件の保有年数により変化します。そして、5年以上保有した場合、法人のほうが個人よりも税率が高くなります。

個人の場合、所有期間が5年以内だと短期譲渡となり、税率は約39%です。これが5年を超えると長期譲渡となり、税率は約20%にまで下がります。法人の30%よりも低く、長期保有後の売却は個人のほうが得です。

デメリット⑤:法人の決算申告が必要

資産管理会社を設立した場合は、法人の決算申告も必要となります。決算とは会社が自社で決めた決算月で会計を締め切り、一年間の業績を集計することです。

帳簿の作成、決算整理仕訳の実施をした後、申告書を作成し、税金の金額計算まで行う必要があります。通常は自社ですべて行うのではなく、顧問税理士等に依頼することになるので、その際は税理士への手数料も必要となります。

法人化するために必要な準備と手続き

法人の設立は難しそうと思われるかもしれませんが、以前に比べてずいぶん簡単になっているので自分で設立することも可能です。 ここでは、法人化の手順と必要な手続き・費用について解説していきたいと思います。

①:発起人・役員を決める

法人の最初の株主と、代表取締役がそれぞれ最低1名必要になります。

②:定款を作成し、公証役場で認証を受ける

定款は、会社を運営する上での基本的規則を定めたもので、会社の憲法と呼ばれ、自分で作る場合は、法務省HPの以下のページ「第1 株式会社」の「1.設立」の部分を参照するとわかりやすいかと思います。

参考商業・法人登記の申請書様式

定款を作成したら、公証役場に出頭して認証を受けます。
必要な書類:発起人の印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)

③:資本金を振り込む

資本金を発起人名義の口座に振り込みます
準備するもの:発起人名義の銀行口座の通帳

④:法務局で申請手続きをおこなう

会社の所在地を管轄する法務局に設立登記申請書と必要書類を持ち込み、申請手続きをおこないます。申請は平日にしかできないので注意しましょう。
準備するもの:会社の実印にする予定の印鑑、役員の印鑑証明書

サラリーマンが法人化するときの注意点

不動産投資をおこなう方の中にはサラリーマンの方が多くいらっしゃいます。
家賃収入を得ることに関しては寛容な会社が多いといわれていますが、中には室数や棟数に制限を設けている会社もあるそうです。

法人化しても勤務先にばれたくない場合、「妻を社長にした」というサラリーマン大家さんが多いようです。後々トラブルになるのを避けるためには、このように発起人をご自身ではなく家族名義にするか、勤めている会社の副業規定を確認したり事前に報告しておくことをおすすめします。

まとめ

本記事では、法人化によるメリットやデメリットを、主に不動産投資の観点から解説しました。課税所得が900万〜1,000万円以上であれば、メリットを享受できるという点がお分かりいただけたのではないでしょうか。

一方、法人化によって費用負担が増え、事業収入を自由に使えなくなるという制限も出てきます。不動産取得税を二重に支払うのも、抵抗感があるでしょう。

とはいえ、不動産事業を拡大していくのであれば、所得税の超過累進税率と法人税率との差はどんどん開いていきますので、法人化によるデメリットの存在は相対的に縮小していきます。どのタイミングで法人を設立するかを検討しつつ、不動産投資を進めていってください。

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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