地方都市の再開発プロジェクト一覧|不動産投資のチャンスがあるのはココだ
- 更新:
- 2025/04/25

人口減少が進む日本において、地方都市はそれぞれ独自の再開発プロジェクトを打ち出し、新たな魅力を創出しようと躍起になっています。全国各地で進行中の地方都市再開発プロジェクトは、不動産投資家にとって見逃せないチャンスです。
この記事では、全国の地方都市で進行中の再開発プロジェクトを紹介しながら、不動産投資のチャンスが眠っている地域を紹介。地方都市での不動産投資のメリットや、失敗を回避するコツも詳しく解説します。地方都市のポテンシャルを見極め、チャンスをつかみましょう。
- 目次
- 地方都市の再開発プロジェクト一覧|不動産投資のおすすめエリア
- 地方都市で不動産投資をする3つのメリット
- 地方都市の不動産投資で失敗しないコツ
- 「地方都市のワンルームマンション投資」はアリ?
- 「安定性」を取るならやっぱり「東京」や「大阪」「川崎」がおすすめ
- まとめ
地方都市の再開発プロジェクト一覧|不動産投資のおすすめエリア
さっそく、地方都市で現在進行中・これから行われる再開発プロジェクトと、不動産市場の動向を見ていきましょう。
北海道札幌市:「西武跡地」はじめ札幌駅周辺中心
札幌市では、2009年9月30日に閉業した「西武百貨店」の跡地を含む、札幌駅周辺エリアで大規模な再開発が進行しています。商業施設やオフィス、ホテルなどが入居する複合施設の建設が計画されており、札幌の新たなランドマークとなる見込みです。
そのほかにも札幌駅周辺では、大小さまざま20以上の再開発を計画・進行しています。地価を見ても、すべてのエリアが「上昇傾向」に転じている状況です。
引用土地代データ
また、札幌市では2030年の冬季オリンピック誘致を見据えた都市インフラの整備も進んでいます。今のうちに投資しておけば、大きな恩恵を受けられるかもしれません。
宮城県仙台市:仙台駅周辺・長町地区など
仙台市では、仙台駅東口や長町地区を中心に複数の再開発が進んでいます。特に中心部にあたる仙台駅東口では、2023年に大型商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」が開業。これに伴い、周辺エリアでマンションをはじめとする住宅も多く建てられています。こうした動きもあり、2025年3月時点の仙台市の公示地価は、2024年比でほぼ全エリア「上昇」の状況です。
引用土地代データ
さらに仙台駅西口方面では、駅前「さくら野跡地」や、かつて「ダイエー」が入居していた青葉区の「仙台ビル」といった元大規模商業施設の跡地が、今後10年程度のスパンで解体・再建築される見通しです。
仙台市は東北の中心都市として、今後も人口流入が続くと予想されます。比較的安定した賃貸需要と、将来的な資産価値の上昇が期待できる地域と言えるでしょう。
広島県広島市:広島駅周辺・紙屋町・八丁堀地区など
広島市では平成29年に掲げた「ひろしま都心活性化プラン」にもとづき、広島駅周辺や中心部の紙屋町・八丁堀地区での都市機能の集積が進んでいます。なかでも2033年を目標に2つの超高層ビルを建設する「本通3丁目地区市街地再開発事業」は、過去に類を見ないビッグプロジェクトです。
また市内中心部では「サンモール」や「天満屋八丁堀ビル」など、かつて市の中核となっていた大規模商業施設における、周辺エリアを巻き込んだ大規模な再開発計画も検討されています。ただし具体的な目途はまだ立っていないので、今後の動向に注目しましょう。
そして広島市内の地価は東京や大阪などの大都市ほどの高騰はないものの、着実に上昇中です。2025年現在、駅周辺のほぼすべてのエリアで地価が上がっています。
引用土地代データ
再開発が進む駅周辺エリアを中心に、今後の価値上昇が期待できるでしょう。
福岡県福岡市:博多駅周辺・天神など
福岡市では2030年までのスパンで、「博多コネクティッド」と「天神ビッグバン」という2つの官民連携型再開発プロジェクトが進行中です。
「天神ビッグバン」では、天神地区を中心に老朽化したビルの建て替えを促進し、市民から日常的に利用される拠点の整備が進んでいます。すでに複数の高層ビルが竣工または建設中で、今後も続々と新しいランドマークが誕生する予定です。
一方の「博多コネクテッド」では、博多駅周辺に新たなホテルやオフィスビルを多数建設。駅前広場の再整備などでアクセス性・回遊性も向上させ、都市としての機能強化を目指しています。
また、福岡市は九州の玄関口として栄え、人口も増加傾向です。1995年から2023年まで、右肩上がりで人口が増え続けています。
引用福岡市
都市圏ほどではないものの安定した需要が見込めるため、不動産投資にも適したエリアといえるでしょう。
福岡県北九州市:「旦過地区」など観光拠点
北九州市では「旦過(たんが)地区」の再整備プロジェクトが注目を集めています。この地区は「北九州の台所」として親しまれてきた「旦過市場」を有する商業拠点ですが、老朽化した木造建築物が密集するなど、防災面での課題を抱えていました。
旦過地区再整備プロジェクトでは、過去に複数回の浸水事故を起こしている「神嶽川」を整備するとともに、土地区画整理事業を行うことで小倉都心部の防災機能強化とにぎわい創出を目指しています。すでに進行中で、2027年ごろをめどに完了する見込みです。
こうした再開発事業も相まって、旦過市場がある小倉駅周辺エリアの地価は上昇トレンドに転じています。
引用土地代データ
ただし、前述の福岡市の大規模再開発により、「北九州市の人口が、若者中心に博多や天神に流れていくのでは?」との懸念も。地価上昇のトレンドが今後も長期的に続くとは限らないため、今は慎重に動向をチェックすべきかもしれません。
地方都市で不動産投資をする3つのメリット
地方都市の特性を活かした投資戦略を立てれば、投資対象としてメジャーな都市圏よりも多くの利益を得ることが可能です。ここでは、地方都市で不動産投資をする3つのメリットを解説します。
物件価格が安く手を出しやすい&固定資産税が安い
地方都市の不動産投資最大の魅力は、物件価格の安さにあります。たとえば東京23区では2,000万円の中古ワンルームマンションが、地方都市ならほぼ同条件で1,200万円……というケースも少なくありません。つまり、初期投資を抑えて不動産投資を始めることが可能です。
また、物件価格の差は固定資産税にも大きく影響します。固定資産税は物件の評価額に応じて課税されるため、安い物件ほど税負担も軽くなるからです。以下の表は、物件の価格差が固定資産税に与える影響を示したものです。
物件価格 | 評価額(目安) | 年間固定資産税額(概算) |
---|---|---|
2,000万円 | 1,400万円 | 約19.6万円 |
1,200万円 | 840万円 | 約11.8万円 |
800万円 | 560万円 | 約7.8万円 |
※固定資産税率は1.4%で計算。評価額は物件価格の70%と仮定。実際の評価額は地域や物件により異なります。
固定資産税の節約で年間の経費を削減すれば、低コストで運用して投資利回りを高められます。長期的に見れば、固定資産税だけでも100万円以上の差を生み出す可能性が高いでしょう。
利回りが高めで収益性を維持しやすい
東京などの大都市では物件価格の高騰により、利回りが2〜4%程度に留まることが多いです。一方で地方都市では、5〜10%の利回りを実現できる物件も珍しくありません。
たとえば1,200万円で購入した物件で月額5万円の家賃収入が得られれば、表面利回りは年5%となります。空室リスクの高さなど、地方都市特有のデメリットはあるものの、数値上は大都市の物件よりも高い収益性を期待できるでしょう。
また、前述のとおり各地方都市では、さまざまな再開発プロジェクトが進行中です。再開発はそのエリアの不動産価値を押し上げる可能性が高く、将来的な資産価値の上昇というメリットも見込めます。「高い利回り」と「資産価値の上昇」両方の可能性を併せ持つ地方都市は、高収益が期待できる魅力的な投資対象のひとつです。
競合物件が少なく差別化しやすい
地方都市では、大都市と比較して新築物件の供給量が少ない傾向にあります。そのため、設備や内装にこだわった物件は競合が少なく、以下のようなポイントでの「差別化」が図りやすいのがメリットです。
- インターネット無料サービスの導入
- セキュリティの向上(防犯カメラやオートロックなど)
- 内装・設備のグレードアップ
- 省エネ設備の導入
- ペットの許可
差別化要素を取り入れることで、周辺の競合物件と比べて高い家賃、そして高い入居率を実現できる可能性があります。ただし、地域のニーズに合わない差別化は単なる「費用の無駄遣い」になりかねません。
たとえば「近くに女子比率の高い教育大学があるから、女学生をターゲットにしてセキュリティを向上しよう」といったイメージで、そのエリアの入居者層が求めるものを分析するのがポイントです。
地方都市の不動産投資で失敗しないコツ
地方都市の不動産投資にはさまざまなメリットがありますが、特有のリスクも多いです。失敗しないためには、地方都市特有のリスクを押さえて、戦略的に投資を進めることが欠かせません。
ここでは、地方都市での不動産投資で失敗しないための3つのコツを見ていきましょう。
都市部より賃貸需要が低い!徹底的な需要予測がマスト
地方都市の不動産投資でもっとも気をつけるべき点は、根本的に人口が少なく、大都市と比べて賃貸需要が低い点です。空室リスクを最小限に抑えるためには、以下のポイントを押さえて「エリアの需要」を徹底的に予測しなければいけません。
- 教育機関(大学など)の立地と学生数の動向
- 公共交通機関へのアクセス状況
- 商業施設や医療機関などの生活利便施設の充実度
- 再開発計画や公共事業の進行状況
- 競合物件の空室率や賃料相場の調査
たとえば大学などの教育機関があるエリアなら、継続的な学生需要が見込めます。ただし、入学・卒業のタイミングで入居者が入れ替わりやすいため、このシーズンに合わせた募集戦略が必要になるでしょう。「思ったより入居者が集まらない」「学生が卒業して、次の入居者が見つからない」といった失敗を避けるためには、事前の予測が不可欠です。
地方都市はほとんど車社会!「駐車場」は絶対に押さえること
地方都市では公共交通機関が大都市ほど発達していません。「徒歩圏内に職場や商業施設がある」環境は珍しく、日常生活における車の必要性が非常に高いです。単身者向けの物件でも駐車場は必須条件と考えるべきでしょう。駐車場が確保できない物件は、地方都市では著しく空室リスクを高めてしまいます。
物件に専用駐車場がない場合、近隣の月極駐車場の空き状況も確認しておきましょう。ただし「駐車場料金+家賃」が相場以上になってしまうと、空室リスクを大きく高めかねません。料金も含めた駐車場のチェックが必要です。
「将来売却できない」おそれあり!人口が減っていない都市に投資すべき
地方都市では、人口減少によって将来的に物件の売却が困難になるリスクが高いです。売れないままの物件を持ち続けると、管理負担や固定資産税の負担だけが積み重なっていきます。将来的にも一定の人口が維持される可能性が高い都市、または人口が増加している都市に投資すべきです。
例えば前述した福岡県福岡市は九州の中心都市として発展しており、人口も増加傾向が続いています。将来も一定の需要が見込まれるエリアに投資することで「売りたいときに売れない」最悪の事態を回避できる可能性が高いでしょう。
「地方都市のワンルームマンション投資」はアリ?
地方都市でのワンルームマンション投資は、慎重な分析と戦略があれば「アリ」といえます。ただし、地方都市では人口・単身者数が大都市と比較して明らかに少ないため、ワンルームマンションの需要は限定的です。失敗しないためには徹底的な需要予測や差別化で、空室リスクに細心の注意を払う必要があるでしょう。
どうしても、地方都市への不動産投資は「ハイリスク・ハイリターン」に寄ってしまいます。「これから不動産投資を始める」「まだ1、2件しか運用したことがない」という人は、やはり安定性の高い「都市圏」で経験を積んでから、地方都市に手を出すのがおすすめです。
「安定性」を取るならやっぱり「東京」や「大阪」「川崎」がおすすめ
不動産投資で失敗したくないなら「東京」「大阪」「川崎」などの大都市圏への投資からスタートしましょう。こうした大都市圏への投資をおすすめする理由は以下のとおりです。
- 人口流入が続いており、賃貸需要が安定している
- 交通インフラが充実しており、利便性が高い
- 企業や教育機関が集中しており、入居者層が多様
- 不動産市場の流動性が高く、将来的な売却も比較的容易
- 金融機関の融資姿勢が積極的で、資金調達がしやすい
大都市圏は若年層の人口流入が続いており、単身世帯向けワンルームマンションの需要は今後も一定水準を維持すると予想されます。また、大都市圏では賃料水準も安定しており、急激な下落のリスクは地方都市と比べて低いです。
物件価格は地方都市と比較して高額になりますが、資産価値の安定性や将来的な売却のしやすさなどのメリットもあります。「一発当てるより、堅実に家賃収入を得ながら資産形成したい」なら、大都市圏への投資から検討しましょう。
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まとめ
札幌、仙台、広島、福岡、北九州を代表する地方都市では、大規模な再開発により都市機能が向上し、不動産価値の上昇が期待できます。ただし「都市圏と比べて賃貸需要が低い」「将来的に売却が困難になりかねない」といった「不動産投資におけるリスク」は完全には避けられません。安定性を最優先するなら、東京や大阪などの大都市圏への投資を検討すると良いでしょう。
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この記事の執筆: 及川颯
プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。
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