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不動産売買における売買契約書の重要ポイント

執筆者:釜田晃利不動産投資コンサルタント

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。
過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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投資用不動産を購入・売却する時には、売主と買主の間で売買契約書を交わすことになります。大きな金額の取引ですので、この売買契約書でどのようなことを取り決めるのかについてあらかじめ知っておいた方が良いでしょう。

そこで、不動産売買における売買契約書の重要ポイントや書き方などについて説明します。

売買契約書とは

不動産の売買契約は、売主と買主の間で結ばれる契約です。売買契約書は、対象の不動産物件を幾らで売買し、いつどのような形で引き渡すのかといった契約内容を書面にして残すものです。

不動産取引は高価な金額が動くものです。そして、物件に問題があることは少なくありません。
不動産取引で避けることの難しい、また発生する可能性のあるリスクの責任の所在や、その場合の対応なども記載しておくことになります。

不動産の売買契約書の重要ポイント

不動産の売買契約書には多くの記載事項があります。中には宅地建物の法により記載が義務付けられているものもあり、重要なポイントについては契約前にきちんと抑えておくことが重要です。

以下に、売買契約書の重要な事項について説明していきます。

(1)契約の当事者の特定

誰が不動産売買の取引をしているのか、その当事者を特定するため、不動産の売買を行う売主・買主両者の情報を売買契約書に明記する必要があります。売主・買主の住所、氏名、法人であれば会社名や商号、代表者氏名、事業所住所を売買契約書に記載します。

(2)売買される物件の特定

売買取引の対象となる不動産物件を特定するため、登記記録の内容を記載します。登記情報には、対象物件の建物を特定する情報や、土地の範囲が記載されていますので、そのままの内容を記載することになります。

(3)売買代金とその支払日の明示

不動産の売買代金や支払日、支払方法については、通常は契約の前に確認を済ませています。
売買契約書は不動産仲介を行う業者がドラフトを作成し、売主、買主に提示し内容の確認を行うのが一般的です。契約の前に双方が合意した内容が売買契約書に記載されています。

(4)土地面積・土地代金の積算

売主は売買対象となる不動産物件土地面積を明らかにするため、隣地との境界線を売買契約書に明記する必要があります。

物件の中には、境界不明確なまま市場に出てくるものもあるので、売主が土地家屋調査士や測量士に依頼し、物件の境界線を明確にしなければいけません。境界不明示で買主が納得している場合は、その条件を売買契約書に記載する場合もあります。契約までに境界を明示することが出来ない場合は、売主が買主に境界を確定する期限を特約事項として売買契約書に記載します。

また、投資用の不動産物件は、土地と建物がワンセットになっている場合が多いです。この場合、土地代金の精算をどうするか、土地と建物の割合をどうするかについても、契約書に明示することがあります。基本的には、不動産の建物と土地の積算評価により全体の取引金額を按分して土地金額を決めますが、その按分について売主と買主で交渉して決めることもあります。

(5)所有権の移転と引き渡し日の明示

不動産の売買契約書には所有権の移転と引き渡し日が記載されます。通常、売主から買主への所有権の移転は、買主による売買代金支払いと同時です。この際、契約に同席した司法書士による登記移転の届けがなされます。

(6)付帯設備の引き継ぎの明示

不動産の売買契約書には、不動産の付帯設備の引き継ぎについても記載されます。

賃貸物件の場合、家具付き物件もありますし、共有部分の設備や備品、庭木なども付帯設備に含まれます。このような付帯設備を現況のまま引き渡すのか、撤去するのか、故障しているエアコンなどは修理するのか新品にして引き渡すのかなど、付帯設備の「設備表」を作成し、その引渡し方法を決定しておきます。

(7)抵当権などの抹消の明示

不動産の売買契約書には抵当権などの抹消について記載する必要があります。売主から買主に所有権が完全に移転されたことを明記するため、物件に設定されている抵当権や地役権などは売主が引き渡しまでに抹消することを売買契約書に記載します。

(8)公租公課などの精算方法の明示

売買契約書には、売主・買主が合意した公租公課などの精算方法を記載します。不動産にかかる固定資産税や都市計画税などの租税公課は、365日で割り、不動産の引渡し日を基点に案分したうえで売主・買主双方で負担します。

通常は売買代金で相殺して処理されます。また、賃料収入などについても振込み口座の変更が間に合わないのが普通ですので、同じように売買代金で、当該期間の賃料収入も案分されることになります。

(9)手付金と手付解除についての明示

不動産の売買契約書には手付金と手付解除についても記載されます。手付金は不動産売買の代金の一部になります。手付解除する場合は、買主は手付金を放棄すること、売主は手付金を倍にして買主に支払うことで、売買契約を破棄することが可能です。その取り決めについても売買契約書に記載されます。

(10)引き渡し前の物件の滅失・毀損についての明示

売買契約書には引き渡し前の物件の滅失・毀損について記載されます。これは、売買対象となる不動産が不測の天災などで損害を受けた場合、その負担を売主と買主のどちらがどのような形で負担するのかを決めるものです。

民法では、このようなケースは買主の費用負担を原則していますが、不動産取引の現状は売主負担が慣例となっています。

引き渡し前の物件の滅失・毀損については、特約事項として売買契約書の中に記載しておくのが普通です。また、物件の破損が大きく、修復しての使用が困難であると判断される場合は、売主、買主はどちらからでも契約を解除できるとするのが一般的です。

(11)契約違反による解除についての明示

契約違反による解除の条件や方法についても売買契約書に記載されます。売主・買主のどちらかが契約内容の履行を怠った場合、書面による勧告を行い、それでも改善されない場合は契約破棄となります。

契約の履行を怠り、契約破棄の原因を作った当事者は、契約の相手に違約金を支払うことになります。違約金は通常、物件価格の10%から20%です。買主が契約違反をした場合は手付金が没収され、定められた違約金に足らない場合はさらに金額を充当して支払います。逆に手付金のほうが多い場合は、違約金を支払った残額が買主に戻ります。

(12)反社会的勢力排除の明示

暴力団などの反社会勢力の排除についても記載されます。反社会勢力に所属する者は、不動産取引ができないことが法律により定められており、所属していた場合は契約解除となることが記載されます。

(13)ローン特約の明示

買主が金融機関等のローンを利用して不動産を購入する場合、売買契約にはローン特約(融資特約、融特)について記載されます。

ローン特約とは、買主が金融機関のローン審査を通らなかった場合、契約を白紙とし、売主は手付金を無利子で買主に返却するというものです。売買契約書には、不動産ローンを受ける予定の金融機関や融資予定額などが記載されます。基本的にローン特約の利用は、売買契約書作成前の段階で売主と買主で合意に至っているものです。

(14)瑕疵担保責任の明示

不動産の売買契約書では、不動産の欠陥や問題である「瑕疵(かし)」について、その解決方法や解決できなかったときの契約解除などに関する瑕疵担保責任が記載されます。

不動産の瑕疵は、買主が知らなかったことも責任を負うものです。瑕疵担保を負う期間は物件引渡しを基点として定められ、売主が宅建業者である場合は2年間と法律で決まっています。

不動産売買契約書の書き方について知っておきたいこと

不動産取引では通常、売主・買主双方に不動産の仲介業者がついています。不動産の売買契約書は専門的な内容を含みますので、この業者が作成するのがほとんどです。基本的にはお任せで良いのですが、内容だけでなく書き方についても知っておくべきことを2点説明しておきます。

収入印紙が必要

不動産取引の際に作る売買契約書には、取引金額に応じて収入印紙を貼ることが義務付けられています。500万円を超え1,000万円未満物件であれば5000円の、1,000万円を超え5000万円以下のものであれば1万円の収入印紙が必要です。

仲介業者が契約に必要な印紙代も教えてくれるものですが、少なくとも収入印紙が必要だと言うことは知っておきましょう。

雛形・テンプレートを確認しておく

売買契約書は、契約前にドラフトとして売主・買主双方がその内容を確認することになります。

重要ポイントについては上で説明したとおりですが、その書式については見たことがない人がほとんどでしょう。インターネットで売買契約書の雛形をダウンロードできますので、一般的な形式を見ておくと理解しやすく、疑問点の確認もしやすくなるでしょう。

まとめ

不動産取引の売買契約書は、売主と買主の合意事項をまとめて記載したものです。通常は不動産仲介業者が進めてくれますが、不動産業者は本当に玉石混交ですので、自分でしっかり内容を確認することは必須です。一通りの確認事項についてはあらかじめ把握しておき、自身で確認できるようにしましょう。

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