【2023】インフレ対策なら不動産投資!その理由を徹底解説
- 更新:
- 2022/12/26

2021年末に一度収束の兆しを見せた新型コロナウイルスは、年明けからオミクロン株を筆頭に再び感染拡大の動きを見せています。
新型コロナウイルスの収束がいつ頃になるかは未知数ではありますが、アフターコロナの時代には経済が大きく動く可能性があり、今のうちから対応できるように準備をしておくに越したことはありません。
アフターコロナの時代に日本がインフレ・デフレのどちらに動くかは経済の専門家でも意見が分かれており、確実な見通しは立っていません。その中でも、インフレという見方をする金融機関やアナリストが増えてきています。しかし、インフレに備えるとしても、どのような準備をすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、まずは「インフレ」とはどういった状態なのかについて簡単に触れていきます。次に、インフレ対策が必要な理由について解説し、不動産投資がインフレ対策に有効である理由を、注意点を含めて見ていきます。経済の知識があまりない方でもなるべく分かるようにお書きしていますので、ぜひご覧ください。
コロナ収束後のインフレ対策はなぜ必要なのか
この項目では、新型コロナウイルス収束後に想定されるインフレについて、そもそもインフレとは何なのか、なぜインフレと想定されるのか、インフレ対策が必要な理由は何なのかについて解説していきます。
そもそも「インフレ」とは
まずは「インフレ」とはどういった状態を指すのかを簡単に見ていきましょう。インフレとは、「モノの価値が上がっていくこと」を指します。
たとえば、あるリンゴが100円で買えたとします。ある日、100円で買えたはずのリンゴを買うのに120円かかるようになりました。インフレとは「モノの価値が上がっていくこと」ですので、100円という価値で買えたリンゴが120円の価値に上がった状態はインフレと言えます。
また、「モノの価値が上がっていく」ということは、相対的に「お金の価値が下がっていく」ということでもあります。100円出せばリンゴがひとつ買えた状態から、100円ではリンゴをひとつも買えない状態になったということは、お金の価値が下がっているということなのです。
反対に、モノの価値が下がり、お金の価値が上がる状態のことを「デフレ」と呼びます。
モノの価値 | お金の価値 | |
インフレ | 上がる | 下がる |
デフレ | 下がる | 上がる |
インフレになる背景には、モノの需要が供給より多くなる場合や、モノを供給するためのコスト(原材料や人件費など)が上がる場合など、さまざまなケースがあります。
今はインフレ・デフレどちらと言えるか
インフレとデフレについて触れたところで、今現在の日本はインフレ・デフレのどちらなのかを見ていきましょう。
インフレかデフレかを判断する基準として、消費者がモノやサービスを購入する価格の統計である「消費者物価指数」というものが用いられます。消費者物価指数が上昇傾向であればインフレ、下降傾向であればデフレであると言えます。
総務省が2021年4月に発行している「2015年基準 消費者物価指数」によると、2015年の消費者物価指数を100とすると、2021年3月は101.8となっており、数値に大きな変化はありません。新型コロナウイルスによって人々の生活様式は大きく変化しましたが、経済的にはインフレにもデフレにもならず、横ばいの状態であると言えます。
ポストコロナはインフレ・デフレどちらになる?
現在がインフレ・デフレのどちらでもなく横ばいの状態であると分かったところで、新型コロナウイルス収束後はどちらに傾くのかを見ていきましょう。冒頭でもお書きしたとおり、専門家でも意見が分かれるところではありますが、どちらかと言えばインフレの見立てが強いと言えます。
SMBC信託銀行の投資調査部による「プレスティアグローバルリサーチマンスリー 2022年1月号」では、「日本でも着実にインフレが広がりつつあることが確認される」としています。燃料価格の高騰や交易条件の悪化により、消費者物価に上昇圧力が強まるという見通しが立っています。
また、三菱総合研究所の「マンスリーレビュー2022年1月号」では、2022年の物価の推移には3つのシナリオが想定されるとしています。
想定されるシナリオとしては、成長は鈍いものの高いインフレとなるパターン、低いインフレに落ち着くパターン、成長しながらインフレとなるパターンの3種類が挙げられています。中でも理想的なシナリオは、3番目の成長しながらインフレとなるパターン(上の図で言う「3.成長を伴うインフレ」)であるとしています。
一方、成長は鈍いものの高いインフレとなるパターン(上の図で言う「1.高インフレと成長鈍化の並走」)は最も避けるべきとしています。経済があまり成長せずにインフレになるということは、収入はあまり上がらないのにモノの値段が上がってしまうという状態です。この状態では生活が圧迫されていってしまうため、避けるべき未来であることが分かると思います。
さて、万全を期して準備をしておくのであれば、「経済は成長しないけれど高いインフレになってしまう」というシナリオを想定しておくに越したことはありません。
インフレはモノの価値が上昇し、お金の価値が下落する状態であるため、現金の価値はどんどん減ってしまうことになります。すなわち、資産のすべてが現金・預貯金という人は、資産が分散している人に比べて相対的に不利であると言えます。
そうしたインフレの対策として、不動産投資が効果的と言えます。不動産投資がなぜインフレに強いのか、次の項目で見ていきましょう。
不動産投資がインフレ対策に効果的な理由
こちらの項目では、不動産投資がインフレ対策になる理由をご紹介します。
- 建物の価値が下がりにくい
- 家賃が上昇する傾向
- 地価の上昇が見込める
- 融資の返済に有利
という4点の理由を、それぞれ見ていきましょう。
理由その1 現物資産なので金融資産よりも価値が下がりにくい
この記事で見てきたとおり、インフレとはモノやサービスの価値が上がり、お金の価値が下がっていくことを指します。そのため、金融資産はインフレにより価値が下がっていくのに対し、現物資産である建物は相対的に価値が上がると言えます。
もちろん、築年数の経過により新築時よりも建物の価格が下がるケースもあります。そうした価格の変動を加味したとしても、インフレ時には現物資産である不動産のほうが、金融資産よりも価値が下がりにくいと言えるでしょう。
理由その2 物価とともに家賃が上昇する傾向にある
インフレ下では物価が上がり、現金・預貯金の価値が下がることを見てきました。物価が上がるということは、家賃も連動して上がっていくことが想定できると思います。
総務省発行の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、専用住宅(店舗などと併用しない住宅)の家賃は右肩上がりで上昇しており、家賃と物価は連動する傾向にあります。すなわちインフレ時には、物価とともに家賃も上がっていく傾向にあると言えるのです。
理由その3 地価の上昇が見込める
不動産物件の資産価値は、建物と土地の価格の合算で定められます。インフレ下では、建物の価格だけでなく、地価(土地の価格)の上昇も見込めます。
日本銀行金融研究所による「バブル期の金融政策とその反省」では、バブル期に絞ってみれば土地を含む資産価格と物価の動きはかけ離れていたものの、広い期間で見ればタイムラグをもって相関することを示唆しています。
上記資料は1980年代~90年代と古いデータではありますが、「物件の価格が上がる一方で土地の価格は著しく下がってしまった」といった事態は可能性が薄いことが分かると思います。理由その1~3で挙げた建物・家賃・地価を踏まえると、投資用不動産は総合的にインフレに強いと言えるでしょう。
理由その4 金融機関からの融資の返済に有利
投資用不動産を購入する方の多くは、金融機関から融資を受ける形で借り入れをおこないます。すなわちローンを返済する形になりますが、インフレ下では現金の価値が下がっていくため、返すべきお金の価値も下がっていきます。
金利の上昇といったリスクについては後述しますが、返すべきお金の価値が下がることで返済プランを組みやすくなることが想定できます。
さて、ここまで不動産投資がインフレに強い理由をご紹介しましたが、もちろん何も考えずに不動産投資をしてもよいというわけではありません。インフレ対策でおこなう不動産投資の注意ポイントについて、以降でご紹介します。
インフレ対策で始める不動産投資の注意ポイント
こちらの項目では、インフレ下ならではの不動産投資の注意ポイントを
- 家賃滞納リスク
- 売却時のリスク
- 金利上昇リスク
という3点からご紹介します。それぞれ見ていきましょう。
家賃滞納リスク
インフレ時には物価が上昇することをお書きしてきましたが、仮に給料が上がらず物価が上がってしまった場合、家賃を払えなくなる人が出てくる可能性があります。
特に、先ほどご紹介した三菱総合研究所の「マンスリーレビュー2022年1月号」に書かれている「1.高インフレと成長鈍化の並走」のシナリオにおいて、可能性が高まると言えます。
日本経済の成長は鈍化しているのに物価が上昇しているという状態は、景気の後退と物価上昇が同時に起こる「スタグフレーション」という現象に近いものです。スタグフレーション時には収入が増えないのに支出が増え、「インフレなのに生活が苦しい」という人が増加してしまいます。生活が苦しくなることで、家賃を滞納してしまう可能性があるのです。
スタグフレーションや「高インフレと成長鈍化の並走」のシナリオの対策として、地域を参照しながら物件を選ぶことをオススメします。地域住民の質が悪くないか、周辺の物件で家賃の下落が発生していないかをチェックし、滞納される可能性の低い地域の物件を選ぶようにしましょう。
売却時のリスク
インフレ下では不動産の保有が有利とお書きしましたが、手放しで不動産をもったままにしておくと、いざデフレになったときに中々買い手が現れず、売りたくても売れないという事態になることもあり得ます。
不労所得という側面だけを見て不動産を放置してしまうのではなく、日本経済の動向に合わせた出口戦略を、いくつかのパターンで考えておくと盤石な態勢となるでしょう。
金利上昇リスク
インフレは融資の返済に有利とお書きしましたが、インフレ時には物価が上昇しすぎることを防ぐため、日本銀行が金利を上昇させる可能性もあります。インフレだからといって無策に融資を借りすぎるのではなく、インフレ進行時の返済有利な状態と金利上昇のリスクの双方を視野に入れて、現実的な返済プランを考えていくことをオススメします。
不動産投資における金融機関からの融資は、固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利はその名のとおり金利が固定されており、変動金利は日銀の金融施策などにより金利が変わることがあります。多くの融資が変動金利となっていますが、固定金利と変動金利が選べる場合は、上記の返済戦略を踏まえて選択するとよいでしょう。
まとめ
今回の記事では、インフレについての基礎知識から、インフレ時の不動産投資の強みと注意点まで解説をおこないました。
今回お書きした注意ポイントについて、経済動向を照らしながら複数パターンの出口戦略を1人で考えるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。また、高インフレ下で家賃が滞納されるリスクの低い物件を選ぶのも、初心者には難易度が高いと言えます。そして、返済有利な状況と金利上昇リスクを天秤にかけた返済プランも、知識のない状態で組み立てるのは至難の業です。このような難易度の高い物事に取り組む際には、専門的な知見を活かすことをオススメします。
インフレを想定した不動産投資をお考えの方は、当社のコンサルタントまでぜひお気軽にご連絡ください。