不動産投資の分析ツールは2種類!分析ツールを使ってできることを徹底解説!
- 更新:
- 2024/10/29
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現代は、新型コロナウイルス感染症の拡大や金融市場の急変動など、予測できないことが多く発生する時代です。不動産投資においても、世相が反映された結果、物件の価値が急下落する可能性が多くあります。
不動産投資においてはさまざまな角度からリスクを想定し、できる限りリスクを減らしておくことが欠かせません。リスクを軽減する際に役立つのが、分析ツールです。不動産投資で活用できる分析ツールは、大きく2種類。本記事では、代表的な分析ツールや、分析ツールの元となる分析方法について解説します。本記事を読むことで、どの分析ツールで何ができるのかを理解できるでしょう。不動産投資で確実に利益を出すために分析ツールを導入したいと考えている方は、最後までご一読ください。
不動産投資における2種類の分析ツール
不動産投資には、2種類の分析ツールがあります。
- 物件分析ツール:優良物件の解析、希望する物件の周辺情報や地価などを調べる
- 投資分析ツール:購入時のデータや予測キャッシュフローから購入後の利益や損失を解析する
「分析ツール」とひとくくりに解説されることが多く、複数のツールが存在することを知らなかった方も多いのではないでしょうか。ここからは、物件分析ツールと投資分析ツールはそれぞれ何ができるか、どのようなツールがあるかを見ていきましょう。
分析ツール①:物件分析ツール
物件分析ツールは、希望する物件の周辺情報や地価などを調べ、どの物件が優良かを分析するために使用します。本記事で紹介するのは、下記3種類。
- レインズ(REINS)
- 不動産情報ライブラリ
- MIKATA(ミカタ)イズム™
いずれも無料で、ブラウザ上で簡単に使えます。
レインズ(REINS):不動産流通機構
レインズ(REINS)は、国土交通省から指定を受けた「不動産流通機構」が運営しているコンピューターネットワークシステムです。地域別に、管轄するレインズが分かれています。
レインズ名 | 対象地域 |
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東日本レインズ (東日本不動産流通機構) |
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中部レインズ (中部圏不動産流通機構) |
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近畿レインズ (近畿圏不動産流通機構) |
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西日本レインズ (西日本不動産流通機構) |
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レインズのデータを利用できるのは、レインズ会員となった宅地建物取引業者のみです。しかし、毎月発表される「月例速報マーケットウオッチ」は非会員でも閲覧可能。中古マンションや戸建て住宅、土地の各県ごとの概況や価格帯別の売買軒数のデータを見て、価格が上昇傾向にある物件を選定できます。
不動産情報ライブラリ:国土交通省
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営するシステムです。「土地総合情報システム」「標準地・基準地検索システム」の後継システムとしてリリースされ、価格や地形、公共施設の場所など不動産取引で参考にすべき情報が掲載されています。スマートフォンでも閲覧でき、会員登録なしで誰でも使用可能です。
不動産情報ライブラリには、防災情報、公共施設、学校、病院など、実際そこに住むときに必要となる情報が掲載されています。一方レインズは、売買の参考となる、価格に関する情報を掲載。居住面と価格面それぞれの情報を集めることで、入居者のニーズを満たしつつ利益を上げられる物件選定ができるでしょう。
不動産情報ライブラリについては、以下記事も合わせてお読みください。
参考国交省の不動産情報ライブラリが超有益!概要や不動産投資での活用法を解説!
MIKATA(ミカタ)イズム™:ストレイトライド株式会社
MIKATA(ミカタ)イズム™は、当社が開発した物件選定システムです。不動産投資コンサルタントの知識や経験、思考回路を数値化すべく独自に設計され、特許も取得しています。会員登録により、インターネット上で利用できる無料のシステムです。
MIKATA(ミカタ)イズム™では、現地調査を重ねて収集した、賃料・管理費・利回り・管理費・築年数・間取りなど総計25種類のデータを分析。収益性、安定性、リスク回避性の3点から自動で導き出した物件への投資妥当性を、5段階でわかりやすく表示します。
投資妥当性の判断基準は、以下の3点。
- 家賃収入額が高いか
- 空室が続かずに継続して利益を得られるか
- 災害や劣化による倒壊リスクや、家賃以外の変動費のリスクを回避・軽減できるか
総合評価を見るだけで物件価値が一目でわかるので、細かい計算やリサーチをしなくても投資可否の判断がしやすくなるツールです。
分析ツール②:投資分析ツール
不動産投資の分析ツールには、物件分析ツールの他に投資分析ツールもあります。投資分析ツールを使うと、購入後の利益や損失の解析が可能です。
本記事で紹介する投資分析ツールは、次の3種類。
- REIFA(リーファ)
- 不動産投資スピードAI分析サービス
- CYARea!
それぞれ特徴を見ていきましょう。
REIFA(リーファ):株式会社ジェイ・ティ・アドバイザーズ
REIFA(リーファ)は、株式会社ジェイ・ティ・アドバイザーズが開発した不動産投資分析ソフトです。後述するDCF法に基づき、不動産の運営により得られる利益(インカムゲイン)と、将来の売却により得られる利益(キャピタルゲイン)の両方を予測。両者の時間的価値が投資額に対して見合うかどうかを即座に分析できます。
1ライセンス39,800円ですが、14日間は無料利用可能。14日間試してみて、自分に合うか判断してもいいでしょう。
不動産投資スピードAI分析サービス:矢島不動産管理
不動産投資スピードAI分析サービスは、株式会社矢島不動産管理が運営するサービスです。市場分析、近隣分析、物件分析や各投資指標をベースに、より良い不動産投資が実現できるようサポートするサービスです。レインズやリーファなど各種システムを横断してデータを取得。本サービスだけで、市場性の判断や販売価格の分析が可能です。
不動産投資スピードAI分析サービスは、矢島不動産管理がデータを分析するサービスになります。サービス利用料は、1物件あたり33,000円(税込)。他に、分析に必要な、登記事項証明書や建物図面、固定資産税評価証明書などの取得費用も必要となります。
CYARea!(ちゃりー!):株式会社レアプレ
CYARea!(ちゃりー!)は、株式会社レアプレが運営するクラウドサービスです。これから不動産投資を始めようとする方や投資の経験知識が浅い方であっても、さまざまな分析ポイントから見た収益不動産の分析が可能となっています。ワンルームだけでなく、一棟マンションにも対応。不動産情報をExcelで管理している場合は、データの移行も可能です。
料金は、月額1,078円(税込)のベーシックプランと、月額3,300円(税抜)のプレミアムプランの2種類。プレミアムプランは60日間無料となっています。経費率、NOI(純利益)利回りなどを算出できるシミュレーションもあるので、試してからの登録もおすすめです。
不動産投資の分析方法
不動産投資は、ミドルリスクと言われています。しかし、1回の投資額が大きいため、簡単に購入できるものではありません。近年は「不動産投資詐欺」が横行しています。「すぐ儲かる」「損はしない」などといった甘い言葉につられて、不良物件を買わされることもよくある話。詐欺が横行する不動産投資だからこそ、自ら分析し、利益が出るかを判断したうえで慎重に購入することが求められます。
基本的な不動産投資の分析方法として、DCF法とNPV法の2種類を簡単に解説します。
DCF法(割引キャッシュフロー法)
DCF法は、「Discounted Cash Flow」の頭文字で、物件が将来生み出す収益を軸に分析する「収益還元法」の一種です。簡単に言うと、「毎年変わるお金の価値を将来の予想利益に加味する」考え方。物件が将来生み出すであろう価値と、将来負う可能性があるリスクをそれぞれ数値化し、所有期間に発生する利益を算定します。
DCF法を採用するのは、購入後5年目までです。計算式は次の通り。
- { 家賃収入 ×(1 - 空室率)} ÷ (1 + 割引率)^ 年数
NPV法(正味現在価値法)
NPV法は、「Net Present Value」の頭文字です。「Net」は「正味」、「Present Value」は現在価値を指します。
NPV法では、「今得られる利益は、将来同じ値段で得られる価値より低い」という前提にのっとり、DCF法で算出した将来得られる利益額を現在価値に換算します。換算結果がプラスであれば「投資価値あり」とみなし、マイナスの場合は「投資はしない」と判断する方法です。
不動産投資の分析を学べる書籍
不動産投資における分析は、ツールだけでなく、先人たちの知恵が詰まった本から学ぶこともおすすめです。本記事では「不動産投資分析=不動産の投資価値とファイナンス(デビッド・ゲルトナー/ノーマン・G・ミラー著)」を取り上げます。
ファイナンスとは、会社が事業のために資金を調達すること。企業価値を向上させ、調達資金を最大限に活かすことが目的です。事業に必要な資金を金融市場から調達する際に用いられる理論を「ファイナンス理論(コーポレートファイナンス理論)」と呼びます。
不動産投資も同じで、多くの人が融資を利用し、融資金を最大限に活かして利益を得ようと活動します。本書籍には、不動産投資におけるファイナンス理論の具体例や実務についての話が網羅されています。実際に海外の大学院の授業でも使われ「高評価」を受けた、不動産投資における分析方法の教科書ともいえる書籍です。
具体的には、以下の内容について書かれています。
- 不動産の期間収益率
- 不動産のリスク分析
- 不動産評価
ファイナンス理論と不動産投資の関連性がわかりやすく書かれた良書です。
不動産投資は分析ツールだけに頼ってはいけない
不動産投資は、分析ツールだけに頼ってはいけません。分析ツールはあくまでも相対的な数字を出しているだけです。当たり前ですが、予測がつかない出来事には対応できません。新型コロナウイルス感染症の流行は、ツールで予測できない出来事の典型です。予測できないことが起こった場合は、ツールで出した数値よりも「投資家の勘や経験」が当たる場合が多々あります。
ツールに頼り、ツールに沿って行動を進めてしまうと、投資家としての勘や経験が磨かれません。ツールは、物件を購入する際の目安のひとつです。予測できない状況でも利益を出し続けるためには、積極的に情報収集を行い、経済や世相の変化に敏感に反応できる感覚や、ツールの予測に反した行動を取れる力を身につけておくことが必須です。
不動産投資での判断に必要なのは、投資家自身の感覚に従うこと。ツールありきではなく、自身の判断を正確にするために活用しましょう。
まとめ
不動産投資において、分析ツールはかなり有用です。とはいえ、分析ツールは2種類あり、何から使っていいか迷う方も多いでしょう。
当社が開発した物件分析ツール(収益物件選定システム)「MIKATA(ミカタ)イズム™」は、投資家の要望を受けて生まれたツールなので、実用性が高くなっています。物件分析だけでなく、5段階評価による収益性の算出も可能です。詳しい分析方法を知らなくても利便性と収益性を一気に確認できるため、特に、初めて不動産投資を行う際におすすめします。
「MIKATA(ミカタ)イズム™」は、無料会員登録により利用可能です。会員登録をしていただくと、不動産投資の知識が詰まった13冊の電子書籍もダウンロードできます。電話番号の入力をお願いしておりますが、勧誘電話は一切いたしません。MIKATA(ミカタ)イズム™の結果を見て、物件について詳しく聞きたい、疑問点が生じた場合は、当社コンサルタントによる無料相談もご活用いただければ幸いです。
この記事の執筆: 堀乃けいか
プロフィール:法律・ビジネスジャンルを得意とする元教員ライター。現役作家noteの構成・原案の担当や、長野県木曽おんたけ観光局認定「#キソリポーター」として現地の魅力を発信するなど、その活躍は多岐に亘る。大学および大学院で法律や経営学を専攻した経験(経済学部経営法学科出身)から、根拠に基づいた正確性の高いライティングと、ユーザーのニーズに的確に応えるきめ細やかさを強みとしている。保有資格は日商簿記検定2級、日商ワープロ検定(日本語文書処理技能検定)1級、FP2級など。
ブログ等:堀乃けいか