「売れない土地の引き取りサービス」は危険?空き家・負動産を狙った悪徳業者・詐欺に注意
- 更新:
- 2025/07/30
相続や長年の所有で手に負えなくなった土地が「負動産」となり、処分に困っている方が増えています。そんな中で注目を集めているのが「売れない土地の引き取りサービス」です。
手数料を支払えば土地を引き取ってもらえる便利なサービスですが、実は悪徳業者による詐欺やトラブルが多発しています。無料をうたいながら高額請求されたり、実際には所有権が移らなかったりする被害が続出しているのです。
この記事では、引き取りサービスの実態と危険性や安全な業者の選び方、そして他の土地処分方法を詳しく解説します。
- 目次
- 売れない土地の引き取りサービスとは?
- 売れない土地の引き取りサービスによる詐欺・トラブル事例
- 安全な「売れない土地の引き取りサービス」を選ぶポイント
- 「引き取りサービス」以外の売れない土地を手放す方法
- 売れない土地の売却・活用方法は「TOKYOリスタイル」に相談
- まとめ
売れない土地の引き取りサービスとは?
売れない土地の引き取りサービスについて、まずは仕組みと現状を整理していきましょう。
建物や土地の売買ではなく「手数料と引き換えに引き取る」サービス
引き取りサービスは、通常の不動産売買とは根本的に異なる仕組みです。通常の売買では買主が売主に代金を支払いますが、引き取りサービスでは所有者が業者に手数料を支払って土地を引き取ってもらう逆の流れになります。
このサービスが生まれた背景には、現代の「負動産問題」があります。人口減少や過疎化により、土地の需要と供給のバランスが大きく崩れているエリアが増加しました。とくに地方では、相続した土地が売れずに固定資産税だけを支払い続ける「お荷物」となってしまうケースが急増しています。
引き取りサービスは、そうした「どこにも売れない土地」の最後の受け皿として機能することを目指しているのです。
2024年10月時点で59社が存在|宅建業法の規制外で詐欺・悪徳業者が横行
国土交通省の調査によると、2024年10月時点で全国に59社の引き取りサービス事業者が確認されています。
一方で引き取りサービスは「売買」ではなく「譲渡」という形式を取るため、宅地建物取引業法(宅建業法)の規制対象外となってしまうのが問題点です。通常の不動産取引では宅建業免許が必要で、厳格な法規制のもとで営業しなければなりません。ところが引き取りサービスは宅建業規制の網から漏れているため、悪徳業者が参入しやすい状況になっています。
実際に国民生活センターや各地の消費生活センターには、引き取りサービスに関する相談が急増しました。そして、その多くが詐欺的な手法による被害報告となっています。
2025年には国交省や公的機関による注意喚起も
深刻化する被害状況を受けて、2025年に入ってから国土交通省や東京都宅地建物取引業協会などの公的機関が相次いで注意喚起を発表しました。とくに以下の点について警戒を呼びかけています。
- 「無料」や「格安」をうたいながら実際には高額な費用を請求するケース
- 手数料を支払ったにもかかわらず実際には所有権移転が行われないケース
- 契約書の細かい部分に手数料が記載されており、後から法外な金額を請求されるケース
公的機関では、引き取りサービスを利用する前に必ず複数の方法を検討し、信頼できる専門家に相談することを強く推奨しています。詳しいトラブル事例は、この後詳しく紹介します。
参考東京都宅地建物取引業協会「不動産の引取サービス、専門事業者が見解を公表」
売れない土地の引き取りサービスによる詐欺・トラブル事例
引き取りサービスで実際に発生している詐欺やトラブルの具体例を見ていきましょう。事例を知っておけば、同様の被害を未然に防ぐことができます。
①「無料」をうたって高額な引き取り料を請求された
もっとも多いトラブルは、広告では「無料引き取り」をうたいながら、実際には高額な費用を請求するケースです。
業者は最初に「無料で引き取れます」と説明しますが、契約書には小さな文字で各種手数料が記載されています。具体的には以下のような名目です。
- 登記移転手数料
- 測量費用
- 境界確定費用
- 管理費用
契約書にサインした後で「必要な手続き費用です」と言い、合計で100万円以上を請求されるケースも珍しくありません。業者は「土地自体は無料で引き取るが、手続きには費用がかかる」という理屈で正当化を図りますが、明らかに詐欺的な手法といえるでしょう。
②引き取り料を取られたが、実際には所有権が移転されていなかった
手数料を支払ったにもかかわらず、登記上の所有者が変更されないトラブルも多いです。
このケースでは、業者が「手続きに時間がかかる」「書類の準備中」などの理由をつけて所有権移転を先延ばしにします。そのまま連絡が取れなくなってしまい、結果として土地の所有者は変わらず、固定資産税の支払い義務も継続してしまうのです。
被害者が法務局で登記簿を確認すると、数か月経っても所有者欄に自分の名前が残ったまま状況が発覚します。この時点で業者に連絡を取ろうとしても、電話が繋がらない、事務所が空になっているといった状態で対処のしようがありません。
③実際には買い手がつく可能性が高い有用な土地を、どこにも売れないと言われ有償で引き取られた
悪徳業者の中には、実際には市場価値のある土地を「売れない土地」として安く引き取ろうとするケースもあります。たとえば以下のような土地です。
- 駅から徒歩圏内にある住宅地
- 将来的に開発が予定されているエリアの土地
- 郊外だが十分に宅地需要がある土地
こうした土地は適正な価格で売却できる可能性が高いにもかかわらず、業者は「需要がない」「問題がある」などとウソの説明をします。
しかし所有者が不動産市場に詳しくない場合、業者の説明を信じて有償で引き取られてしまうわけです。その後、業者が同じ土地を高値で転売しているケースが多く、明らかな詐欺に近い行為といえます。しかし、すでに契約は結んでいるため、土地を簡単には取り戻せないのです。
④管理費名目で引き取り料を支払ったが、その後土地が管理されていなかった
「引き取り後も責任を持って管理します」と説明して管理費を徴収しながら、実際には土地が放置されるトラブルも発生しています。
たとえば「管理費として年間数十万円を徴収されたにもかかわらず、現地を確認すると雑草が伸び放題、不法投棄のゴミが散乱している状態だった」といったケース。ほかにも近隣住民からの苦情が元の所有者に届いてしまい、結果として責任を追及されるケースも出ています。
このときもっとも問題なのが、管理されていない土地で事故が発生した場合の責任の所在です。所有権が曖昧なまま放置された土地では、誰に法的責任があるかが不明確になってしまいます。そのため、元の所有者が損害賠償を求められるリスクがあるわけです。
⑤引き取りと同時に、いつの間にか別の土地を契約させられていた
複雑な契約書を悪用して、土地の引き取りと同時に別の不利益な契約を結ばせる手口もあるようです。
具体的な例が、引き取り契約書の中に「関連物件の購入契約」や「投資用物件の購入契約」が紛れ込んでいるケース。所有者は土地の引き取りについてのみ説明を受けているため、別の契約があることに気づかないまま署名・捺印してしまいます。
後日、見知らぬ土地の購入代金や投資用マンションのローン契約書が送られてきて、初めて被害に気づくという悪質な手法です。つまり、土地の処分どころか新たな借金を背負わされてしまう被害者が出ています。不当な契約といえど、署名捺印した契約書が存在するため簡単には解決できないのが問題点です。
安全な「売れない土地の引き取りサービス」を選ぶポイント
引き取りサービスを利用する場合でも、信頼できる業者を見極めることで被害を防げます。以下3つのポイントを参考にして、慎重に業者を選びましょう。
過度な広告を出しているサービスは使わない
広告費を大量に投入している業者は、その費用を回収するために高額な手数料を設定している傾向があります。また、短期間で多くの顧客を集めて利益を上げようとする「焼畑商法」的な経営をしているケースも珍しくありません。
とくにGoogle検索の「広告」欄に登場する業者は運営元がはっきりしていないことが多く、リスクが高いです。通常の検索結果に出て来る口コミの良い業者や、知り合いから紹介された業者を選ぶのがよいでしょう。
運営元の住所や電話番号が明記されているサービスを選ぶ
信頼できる業者は、以下のような「運営者情報」をはっきりと公開しています。
- 会社の正式名称と代表者名
- 本社所在地の詳細住所
- 固定電話番号(携帯電話のみは要注意)
- 設立年月日と資本金
- 事業内容の詳細説明
一方で、悪徳業者は代表者名や連絡先を曖昧にしたり、バーチャルオフィスの住所を使用したりしています。電話番号が携帯電話のみ、会社名が不明……といった業者も避けるべきでしょう。実際に業者の住所をインターネットの地図サービスで確認し、実在する事務所があるかをチェックするのもおすすめです。
宅建業許可を得ているサービスを選ぶ
引き取りサービス自体は宅建業法の対象外ですが、宅建業許可を持っている業者の方が信頼性は高いです。宅建業許可を得るためには一定の要件をクリアする必要があり、行政による監督も受けています。
宅建業許可番号は「○○県知事(1)第○○○○号」や「国土交通大臣(1)第○○○○号」という形式で表示されます。この番号が正しいかどうかは、各都道府県や国土交通省のWebサイトで確認しましょう。
「引き取りサービス」以外の売れない土地を手放す方法
引き取りサービス以外にも、売れない土地を処分する方法は主に3つあります。それぞれの特徴を把握してベストな方法を選びましょう。
自治体へ寄付・寄贈|必ず引き取ってもらえるわけではない
地方自治体への寄付は、費用をかけずに土地を手放せる可能性がある方法です。ただし、すべての土地を無条件で引き取ってもらえるわけではありません。自治体が寄付を受け入れやすい土地の条件は以下のとおりです。
- 道路用地として活用できる土地
- 公園や緑地として整備可能な土地
- 公共施設の建設予定地に適した土地
- 防災拠点として活用できる土地
実情としては、自治体の財政状況や土地利用計画により、寄付の受け入れが困難なケースが大半です。とくに管理費用がかかる山林や、活用方法が限定される狭小地などは受け入れを断られることがほとんどでしょう。寄付を受け入れてもらえるかどうかは、まず土地がある市町村の財産管理課や企画課に相談してみてください。
土地買取業者|需要がない土地でも買い取ってもらえる可能性が高い
専門の土地買取業者は、一般市場では売れにくい土地でも買い取ってくれる可能性があります。独自の活用ノウハウや再販ルートを持っているため、一般的には価値がない土地でも収益化できる場合があるのです。買取業者が対応できる土地の例として以下があります。
- 再建築不可の土地
- 接道義務を満たしていない土地
- 傾斜地や変形地
- 土壌汚染の可能性がある土地
- 事故物件となった土地
買取価格は市場価格より低くなりますが、ほぼ確実に現金化できるのが買取業者のメリットです。仲介手数料や広告費などの諸費用がかからないため、結果として仲介売買とトータルの金額が変わらないケースも少なくありません。
ただし、土地買取業者にも、引き取り業者と同様に悪徳業者が紛れ込んでいます。信頼できる買取業者を見つけるためには、複数の業者に査定を依頼し、査定額の根拠や買取条件を詳しく確認しましょう。
相続土地国庫帰属法|条件を満たせば国に返還できる
2023年4月27日から施行された相続土地国庫帰属法により、一定の条件を満たす土地は国に返還することができるようになりました。この制度は相続により取得した土地が対象で、相続人の負担軽減を目的としています。返還が認められる土地の主な条件は以下のとおりです。
- 相続により取得した土地であること
- 建物が存在しないこと
- 担保権が設定されていないこと
- 土壌汚染がないこと
- 境界が明確であること
- 崖地など管理に過大な費用がかからないこと
なお、返還時には10年分の土地管理費相当額(一般的に20万円~80万円程度)の負担金が必要です。手続きは法務局で行い、書面審査と現地調査を経て承認の可否が決定されます。申請から承認まで半年から1年程度の時間がかかりますが、条件を満たせば土地を手放せる公的な制度として注目されています。
売れない土地の売却・活用方法は「TOKYOリスタイル」に相談
売れない土地の処分でお困りの方は、まず専門家に相談することから始めましょう。当社「TOKYOリスタイル」は不動産の専門家です。土地の処分や活用の方法についても豊富な経験とノウハウを持っています。
引き取りサービスに頼る前に、まずは土地に活用方法はないか確認してみるのがおすすめです。一見すると価値がないように思える土地でも、専門家の目で見ると活用方法が見つかるケースは少なくありません。
土地の活用方法にお悩みなら、当社の無料相談をご利用ください。経験豊富なコンサルタントが、あなたの状況に応じた最適な解決策をご提案いたします。
まとめ
売れない土地の引き取りサービスは便利に見えますが、悪徳業者による詐欺やトラブルが多発しています。「無料」をうたいながら高額請求する、所有権移転を行わない、価値ある土地を不当に安く引き取るなどさまざまな手口で被害者を狙っています。
もし引き取りサービスを利用する場合は、運営元の透明性や宅建業許可の有無を確認し、過度な広告を出している業者は避けましょう。また、自治体への寄付や土地買取の専門買取業者、相続土地国庫帰属法など、状況に応じて他の処分方法も検討してみてください。
土地の処分でお困りの方は、まず信頼できる専門家に相談するのがおすすめです。当社では土地活用から不動産投資まで幅広くサポートしており、お客様の状況にベストマッチする方法をともに考えます。お気軽に当社の専門コンサルタントへの無料相談をご利用ください。

この記事の執筆: 及川颯
プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。
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