初めてのワンルームマンション投資で失敗しないための基礎知識
- 更新:
- 2023/06/26
ワンルームマンション投資は他の不動産投資よりも投資額が小さいので、初心者が始めやすい不動産投資方法です。営業電話を受けたことがある人や、知人の紹介で営業マンから話を聞いたことがある人もいるでしょう。
適切な投資を行えば、安定した収入を継続的に得られる投資方法なのですが、当然ながらリターンがあればリスクもあります。ここでは、初めてのワンルームマンション投資に失敗しないための基礎的な知識について説明します。
利回りを正確に理解しよう
ワンルームマンション投資の主な目的は利益を得ることですので、その利益を把握するために利回りの確認は欠かせません。ですが、必須知識にもかかわらず、この利回りについて正確に理解している人は実は少数です。
利回りで物件購入費用の回収期間がわかる
利回りとは、販売価格に対して、利子を含めた1年あたりの家賃収入を%で表したものであり、その計算式は「1年あたりの家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100」です。
そして、利回りの逆数は「物件購入にかかった費用を何年で回収できるか?」を表します。
例)利回り10%:1 ÷ 0.1 = 10 10年間で回収
利回り8%:1 ÷ 0.08 = 12.5 12年6ヶ月で回収
利回り6%:1 ÷ 0.06 = 16.7 約16年8ヶ月で回収
このように、利回りの意味を知ると、数字の見え方も変わってくるのではないでしょうか。
表面利回りだけでなく実質利回りも必ず計算する
利回りにもいくつかの種類があります。上にあげた利回りは「表面利回り」といい、管理費や保険料、税金といった経費を考慮せずに計算された利回りです。不動産会社の広告に表示されているものの多くは表面利回りであり、物件所有後の実際の利回りよりも高い数字となっています。
経費を考慮した利回りは「実質利回り」といいます。計算式は以下です。
- 実質利回り =(1年間の家賃収入 - 諸経費)÷(物件価格 + 諸費用)✕ 100
築年数の古い中古マンションの場合、物件価格は低くても、諸経費として修繕費が頻繁にかかるかもしれません。このようなことは表面利回りだけを見ていてもわかりませんので、購入前に必ず実質利回りも計算しましょう。
利回りについてより詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
参考【2023年最新版】何%が目安?不動産投資における利回りを徹底解説!
家賃は下がることを前提に計画しよう
表面利回りだけでなく実質利回りを計算しましょうとお勧めしましたが、その計算式には「家賃収入」が含まれます。この「家賃収入」は下がっていくことを前提として事業計画を立てるべきです。
築年数が経過していけば、それだけ家賃が下がっていくことは容易に想像できると思います。誠実な営業マンであれば家賃の下落率も考慮した上でのシミュレーションをしてくれますが、強引な営業スタイルの営業マンの場合、聞かれない限りはその点に触れず、同じ家賃のままで何年も利回り計算をしてしまうこともありますので、要注意です。
なお、新築の投資用ワンルームマンションは、長期家賃保証がついているものが多いのですが、この保証家賃も金額が引き下げられることがあります。
家賃が保証されているのに、なぜ減額?と思うかもしれませんが、家賃保証とは「家賃を支払い続けることの保証」であり「家賃金額の保証」ではないのです。営業マンに詳細を聞き、契約書もよく読み込んで契約内容を正確に理解する必要があります。
主な諸経費を考慮して実質利回りを計算しよう
利回りを見る際は、諸経費等を考慮した実質利回りを計算する必要があると説明しました。ですが、実はこれが言葉で言うよりもずっと難しいのです。
というのは、諸経費のほとんどがその金額が固定ではなく、変動するものだからです。主な諸経費としては以下のようなものが上げられますが、このいずれも変動します。
- ローンの利息
- 固定資産税
- 都市計画税
- 積立修繕費
- 管理費
積立修繕費や管理費は一見すると固定のように見えるのですが、築年数が古くなると管理コストや修繕頻度・規模が大きくなるので、高い確率で値上がりします。変化するものが多いため、実質利回りの計算はやや複雑になるのです。
初心者が自分で計算するのはかなり大変ですので、購入前に、担当の営業マンにシミュレーションを作成してもらうといいでしょう。
中古マンションは老朽化状況を確認しておこう
中古のワンルームマンションを購入する場合は、その老朽化状況を必ず確認しましょう。特に築年数が古い場合は必須です。なぜなら、購入してすぐに大規模な修繕が必要になるケースがあるからです。
どんなに詳細に実質利回りを計算しても、すぐに大規模な修繕費用がかかってしまえば、その計画は序盤から大きく狂ってしまいます。計画を立て直してみたら求める実質利回りを下回ってしまうというようなことは避けるべきです。
修繕が必要な物件がダメだと言っているのではありません。その修繕可能性を踏まえたうえでの計画になっていることが大切なのです。不動産投資は長期間にわたり運用するものなので、不測の事態をゼロにすることはできません。ですが、せめて購入後すぐに起こることは避けたいものです。
売却について楽観的に考えてはいけない
通常、不動産投資の利益は「家賃収入による利益(インカムゲイン) + 売却益(キャピタルゲイン)」として考えます。この総額が投資額(購入価格+諸費用)を上回れば、それが投資から得られた利益です。
家賃収入だけで投資額を上回る利益を得られたらすばらしいですが、いずれかのタイミングで売却を検討する人もいるでしょう。もしくは売却を含めた事業計画にしていることもあると思います。この売却について楽観的に考えると、痛い目を見ることがあります。
新築は人が住んだ瞬間に価値が3割下落する
新築は「誰も住んだことがない物件」ですので、一度でも人が住めばその瞬間から新築ではなく中古です。そして、中古になった時点でその価格は約3割も下落し、約7割になってしまいます。これは築浅であっても変わりません。
中古ワンルームマンションに投資する場合はいいのですが、新築の場合は購入価格をもとに売却価格を想定していると、その価格ギャップに驚いてしまうことがありますので、ご注意ください。
そもそも売れない可能性もある
売却を想定する時には、そもそも売れないという可能性もあるということも頭に入れておく必要があります。
投資初心者は「売ろうと思えば売れるものだ」と勘違いしてしまうことがあります。
商取引とは売り手と買い手が合意して初めて成立するものです。そのため、売り手がいくら売りたいと言っても、買いたい人がいなければ売買は成立しません。
売却額を引き下げてみてやっと買い手が見つかることもあれば、下げた価格でも買い手がつかないこともあります。こればかりはその時の需要と供給のバランスですので、確実なことは言えません。
売却を有利にするためには、人気エリアの駅近物件に限定して物件探しをするといいです。人気エリアということは需要が大きいということなので、買い手がつきやすいのは間違いありません。それだけでなく、所有している間に空室になるリスクも減らすことができます。
まとめ
いかがでしょうか。ワンルームマンションへの投資は不動産投資の中では初心者が始めやすいものではありますが、投資によってリターンを期待する以上は、同様にリスクも引き受けなければなりません。
ですが、適切な知識を持ち、入念な計画をたてることによってこのリスクを軽減させることはできます。まずはここに書かれていることを理解したうえで、さらに深い知識を得たり物件探しをしたりしてみてください。
上述したように、実質利回りの計算における諸経費のシミュレーションなど、自分ひとりではなかなか妥当性のある計画を立てにくいものもあります。そのようなお客様の不安を解消すべく、当社では不動産投資に関する無料相談も受付けております。不動産投資コンサルタントが投資家目線で課題をヒアリングし、中立的な観点でアドバイスを行います。完全無料で休日や夜も対応しておりますので、是非ご利用ください。