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出産費用が保険適用になる?自己負担額を予想して世界各国とも比較!

出産費用, 保険適用, 自己負担額

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2024年3月31日、こども政策担当大臣より「こども・子育て政策の強化について(試案)」という文書が発表されました。ここでは深刻化する少子化問題に対しての目標や具体的な対策がいくつも提案されており、なかでも出産費用を保険適用するという骨子案に注目が集まっています。

今後の日本の経済においても少子化対策は重要な役割を果たすことが考えられ、高額な出産費用への対策も見逃せない動きです。しかし今後、出産が保険適用された場合、今よりも自己負担額が軽減するとは限りません

この記事では、政府が発表した出産費用の保険適用に関連する少子化問題や、なぜ現状は保険適用外なのか、更には、世界各国と日本の出産費用についても比較して解説します。

政府が提言した出産費用の保険適用

日本政府が少子化対策などの子供に関連する政策を重視していることは、2023年4月1日に「こども家庭庁」が設立されたことからも明らかです。2024年3月31日には、こども家庭庁のこども政策担当大臣名で「こども・子育て政策の教科について(試案)~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~」という案が発表されました。

ここでは、この試案の一部に記載された出産関連費用の保険適用について解説します。

いつから保険適用される?

2023年4月5日付の日経新聞によると、2026年を目途に出産費用の保険適用が検討されているとのことです。ただし、公表された文書では「保険適用の導入を含め出産に関する支援等のあり方について検討を行う」という記載があるように、まだ案の段階であると考えられます。

更に、保険適用に先駆けて、厚生労働省は2024年4月を目途に各病院の出産費用を公表する方針です。これにより出産費用を透明化し、費用の格差を埋め、保険適用を現実化する狙いがあるようです。

少子化問題の深刻化

出産費用の保険適用について議論されている理由は、これまでの想定以上に少子化が深刻になっているからです。

少子化には過去多くの財源が投入されてきましたが、それでも出生率の低下に歯止めがかからず、「令和3年人口動態統計月報年計の概況」によると、2021年の合計特殊出生率は1.30と、前年よりも更に低い数値になっています。

更に、2022年の出生数は80万人を下回り、過去最少となる見込みです。これは政府の予測より8年も早いペースでの少子化であり、このままでは今まで通りの社会機能が働かなくなるでしょう。

これまでの少子化対策

日本で初めて少子化が問題視されるようになったのは、戦後最低の出生率1.57を記録した1990年のことです。これを機に保育の拡充などを中心に取り組みが始まりました。

しかし少子化は留まらず、2000年以降は保育だけでなく、雇用や母子保健、教育など幅広い分野での少子化対策が目標とされ、政府全体で取り組まれるようになりましたが、財源の投入は限定的で、効果もそれほど無かったと言われています。

2010年代からは消費税率の引き上げに伴い、こども・子育て分野に0.7兆円の財源が充てられ、2017年には更に2兆円の財源が追加されました。2023年現在、少子化対策に充てられる財源は過去10年でほぼ倍増しています。

それでも、日本の出生や子育てに関係する政府の支出「家族関係社会支出」のGDP比は、他のOECD加盟国と比較すると少ない方です。財務省総研の「人口動態と経済・社会の変化に関する研究会」での発表によると、家族関係社会支出と出生率は相関関係があるとされています。

増え続ける高齢者への支援に追われるなか、どうやって少子化対策への財源を確保するかが日本の大きな課題と言えるでしょう。

出産費用のシミュレーション

2023年現在、政府は出産一時金や妊婦健診のクーポン券を発行することで補助を行っています。今後、出産に関する医療が保険適用となった場合、結局得をするのか損をするのかが不明確なのが現状です。

ここでは、現状の出産費用と、保険適用された場合の出産費用をシミュレーションし、保険適用になった方が自己負担が増えるおそれについても解説します。

現在の出産一時金制度の場合

2023年4月から出産育児一時金が50万円に改定されました。これまでの42万円から大幅な拡大により、今後は出産費用の負担が減ると期待されています。

厚生労働省による「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」によると、出産費用は年間平均1%前後で増加しており、令和2年度の全施設の出産費用は46万7千円でした。50万円の一時金が支給されれば、平均的には手出しがなく出産できる計算です。

しかし、実際には一時金の増額と同時に病院等が定める出産費用も値上げされ、結局のところ自己負担には変わりないという意見も少なくありません。更に、公的病院の出産費用は最も高い東京都の平均は55万3千円、最も安い佐賀県の平均は35万2千円と、地域によって出産費用に大きな差があることにも注意が必要です。

更に、妊婦健診にかかる費用についても地域差があります。現在、各自治体から発行されているクーポン券で健診代が十分賄える地域と、健診の度に毎回数千円から数万円の自己負担が生じる首都圏とでは、負担額に大きな差があります。

保険適用の場合

一般的な病気や怪我のように出産費用が保険適用されると、一般的な妊産婦はかかった医療費の3割を自己負担します。現行の妊婦健診クーポンや一時金を考慮せず、出産費用の全国平均46万2千円で単純に計算した場合、3割負担では138,600円を自己負担することになります。

保険適用で自己負担が増える?

もし保険適用の代わりにクーポン券や一時金が無くなった場合、これまで一時金でも出産費用を十分賄えていた地域や病院では、自己負担が大幅に増えることになります。

しかし、少子化対策として出産費用の保険適用を進めるという主旨のため、自己負担が増える仕組みになるとは考えにくいでしょう。出産費用を保険適用にしたうえで、生じた自己負担分を何らかの形で補助するようになると予想されます。

なぜ出産費用は現状・保険適用外なのか

なぜ出産費用は保険が適用されないのかと疑問に思う方は少なくありません。ここでは、出産費用がこれまで保険適用外だった理由と、保険適用されるケースについて解説します。

「妊娠・出産は病気ではない」

出産費用が保険適用外である理由は、「妊娠・出産は病気ではないから」です。心や身体に不調が生じた状態を「病気」と表現することが一般的です。

妊娠・出産は個人差が非常に大きく、なかには一切の不調を感じないまま安産となるケースもあります。反対に、平常時とは違う心身の重い不調を抱えながら過ごし、命の危険を伴う出産となる方も多くいます。

また、「病気ではないからこそ、医療的な対処ができず大変だ」という説もあるなど、「妊娠・出産は病気じゃない」という言葉は、現代では時に議論を呼ぶこともあります。

かつては妊娠・出産は病気ではないから公的保険は使えないと当然に考えられていたのに対し、出産費用に対する保険適用は、時代の流れに合わせたものとも言えるでしょう。

出産費用が保険適用されるケース

現状でも、病気であると公的に認められるケースでは出産費用が保険適用されます。具体的には、普通分娩ではなく帝王切開となったケースや、重度のつわり、切迫流産・早産での入院などの異常が起きた時は保険により3割負担となります。

このようなケースでも、出産育児一時金は満額支払われるため、普通分娩よりも帝王切開をした方が金銭的な負担は少なくなることがあります。

出産費用を保険適用する問題点

出産費用を保険適用するに当たっては、財源の確保以外にも問題がいくつか考えられます。ここでは、出産の保険適用に関する問題点を解説します。

どこまで保険適用するか

現在、妊婦健診や出産については自由診療となっているため、各病院がそれぞれの方針に従って取り扱っています。実際の健診内容や出産方法などは、病院によって異なるのが現状です。

更に、産後のエステや豪華な病院食など、一般的な入院とは異なる豪華な滞在を売りにしている病院も少なくありません。現に、厚労省の調査によると、出産場所を選んだ理由としては費用以上に付帯サービスの方が点数が高くなっており、ニーズの高さが伺えます。

多岐に渡る各病院の付帯サービスまで保険適用するのは無理があるでしょう。

まずは各病院の健診内容や付属のプランを明確にし、純粋な健診と出産にかかっている費用はいくらかを正確に洗い出す必要があります。

出産に関する選択肢が狭まるおそれ

公的な保険が適用できないからこそ、現在は大規模な病院や診療所、助産所など、様々な場所を選んで出産が行われています。

しかし、保険が適用されると、助産師だけで運営している助産所などで出産することは難しくなるおそれがあります。出産に関する選択肢が狭まることにより、出産に関わる様々な施設の運営に影響を与えかねません

世界の出産費用と比較

日本では保険適用について検討が始まった段階ではありますが、世界各国と比較するとどうでしょうか。ここでは、他の国の出産費用を比較して解説します。

高額なアメリカ

医療費が高額なことで知られるアメリカでは、出産費用についても公的な補助はありません。個人的に加入する医療保険によって一部カバーされますが、医療保険によって上限は異なります。また、医療保険自体も高額なため、出産にかかる金銭的な負担が非常に大きいことが問題とされています。

アメリカの経済雑誌フォーブスによると、妊娠から出産にかかる費用の平均は$18,865($1=131円で換算して約247万円)であり、医療保険でカバーされず、自己負担する金額の平均は$2,854($1=131円で換算して約37万円)ということです。

自己負担ゼロの国

出産に関する自己負担がゼロの国も、多く見られます。アメリカやカナダでは出産費用は50万円から80万円程ですが、公的保険で全て賄えます。フランスやイギリス、ドイツ、イタリアなども公立病院で出産すれば自己負担はありません。

ただし、公立病院ではなく私立病院で出産した場合、費用は全て自己負担となるケースが多いようです。

費用以外の違い

他国では出産にかかる費用の自己負担額は様々ですが、出産に関する根本的な文化に違いがあるため、一様に並べて比較はできません

例えば、アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国では、分娩時に麻酔を利用して無痛分娩にするのが一般的です。これにより母体の回復が早いこともあり、産後1日から2日程度で退院することが多いです。

しかし、日本では産後1週間程度入院し、母体のケアや新生児の世話についても学びます。これほど長期の入院を全て保険適用するには多くの財源が必要となるでしょう。日本では麻酔医の数が少ないことなどから、母体の回復が早い無痛分娩が一般的に広がるのにも時間がかかる見込みです。

もし日本が諸外国に倣って退院まで短い日数にしたとしても、その後も続く母体と新生児のケアに必要な費用はどうするのかという問題も生じるでしょう。実際に、産後数日で退院し、産後ケアの別施設に入所するのが一般的な韓国では、産後の費用負担の重さが問題視されています。

このように、出産については文化の違いが大きいため、単純な比較だけに留まらず、他国の優れた部分を参考にしつつも、日本独自の政策を作り上げる必要があります。

まとめ

この記事では、出産費用の保険適用についてまとめました。

深刻になる少子化への対策として、出産費用の保険適用を始めとした親の負担減が期待されています。今後も出生率の上昇を達成している諸外国を参考にしながら、日本独自の文化も大切にすることが求められるでしょう。

日本を支える人口が減り続けるなか、長く続く資産形成をお考えの方は、ぜひ当社コンサルタントまでお気軽にご相談ください。

この記事の執筆: 丸岡花

プロフィール:宅地建物取引士・FP検定2級を持つ主婦ライター(2児の母)で、300本以上の不動産関連記事の執筆実績を有する。得意ジャンルは不動産・税金・英語・育児。不動産が大好きで、不動産関連のニュースや法改正、市況のチェックが日課となっている。豊富な知識に裏付けされた独自性の高い切り口と、公的機関や学術論文などの1次情報に基づく正確性の高い文章に定評がある。元バックパッカーで旅行・キャンプをこよなく愛し、過去に20か国以上を訪問した経験を持つ。保有資格は宅建士・FP2級に加え、TOEIC895点(米国居住経験あり)、秘書検定1級、保育士など多岐に亘っている。

ブログ等:シュフリーランス

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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