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中野駅エリア再開発!「サブカルの聖地」から変化する街と不動産市場への影響

中野駅, 再開発, 不動産市場

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1973年に開業し、都内有数のコンサート会場として国内外に知られる中野のランドマーク、「中野サンプラザ」が2023年7月2日に閉館となり50年間の歴史に幕を下ろしました。

中野サンプラザの閉館は中野駅周辺の再開発に伴うものです。

中野駅再開発プロジェクトに関わるのは、野村不動産・東急不動産・住友商事・三井不動産・東⽇本旅客鉄道などの大企業であり、開発規模の大きさから「100年に一度の再開発」といわれています。

中野といえば、漫画やアニメなどを中心とした「サブカル」のイメージが大きい方も多いでしょう。

しかし、東京都財務局の「令和4年東京都基準地価格」によると、中野区は都内で「地価の上昇率がもっとも高かった商業地」であり、今後の発展が期待されている注目エリアでもあります。

本記事では、今注目の「中野駅エリアの再開発」について不動産市場への影響も含めて解説します。

中野駅周辺の現状と再開発の背景

まず、中野駅周辺の特徴と再開発に至った経緯について見ていきましょう。

中野駅周辺の概要

中野区の中心となる中野駅は、新宿駅からJR中央線快速で1駅という便利な立地にあります。中野区全体の人口は34万人、昼間人口より夜間人口が少し多く、新宿区・千代田区・港区の3区を中心に通勤通学する住民が多くいます。

「中野」と聞いてまず挙げられるのが、さまざまな店舗が集まるサブカル(サブカルチャー)の発信地「中野ブロードウェイ」と、国内外の大型アーティストのコンサートがおこなわれた「中野サンプラザ」でしょう。

そのほかにも、中野駅から少し離れたところには哲学をテーマにした珍しい名勝「哲学堂公園」もあり、交通の利便性と共に多様な文化に触れられるエリアです。

中野周辺へは関東大震災後に家を失った人々などの移動が進み、昭和20年から30年代にかけて人口が激増した歴史があります。

中野駅周辺の現状と問題点

中野駅周辺のまちづくり計画は、2001(平成12)年度の警察大学校の移転をきっかけとして検討が開始されました。

警察大学校の移転で空いた大規模な国有跡地を活用した、都市機能の向上を目指したまちづくりと緑の保全、広域避難場所の確保による防災機能の維持が主な目的です。

中野駅周辺まちづくり計画(平成17(2005)年5月)」によると、中野駅周辺には以下のような問題がありました。

  • 全体的に道路網が不足、道路率が周辺区と比較して低い
  • 駐車場や公共交通スペースの不足など、都市基盤の整備が不十分
  • 警察大学校跡地に隣接する囲町エリアの行き止まり道路の存在、敷地の細分化など
  • サンモール・中野ブロードウェイエリアの連なる木造建築物と狭い道路、建物の老朽化

これらによる防災上の課題のほかにも、地形的な街の分断、歩行者動線の確保不足も改善が必要であり、「にぎわいと環境、安全が調和するまち」としての新たなまちづくりを推進することになりました。

中野駅周辺の再開発プロジェクトの内容

中野駅周辺の11個の再開発プロジェクトのうち、住宅関係を中心にプロジェクトの内容と完成時期について紹介します。

再開発はいつ完成する?

「中野駅周辺 まちづくり事業」は全部で11の事業からできています。その中心となるのは中野駅の北側、警察大学校の跡地を利用転換した「中野四季の都市(なかのしきのまち)」西側の「中野四丁目西・新北口」、南側の「囲町」です。

それに加えて南口側の「中野二丁目」の再開発・区画整理、南北をつなぐ「中野駅」の整備・リニューアルがおこなわれます。

中野区によると、まちづくり事業のスケジュールは以下のようになっています。

今年度中に着工・完了する事業もありますが、現時点で計画が決まっている事業だけでも完了予定は2029(令和11)年度。開始時期が未定の事業もあり、まちづくりがすべて完成するまでには2030年を迎える可能性もある大きなプロジェクトとなっています。

再開発の内容①:中野駅北口エリア

中野四季の都市の南側、線路との間に挟まれた囲町エリアには「囲町東地区」「囲町西地区」、2つの事業があります。

囲町東地区には三井不動産レジデンシャル・三井不動産株式会社が「パークシティ中野」を建設予定で、2025年12月に竣工予定です。

  • 地下2階地上25階建・地下1階地上20階建の2つの「住宅棟」
  • 1 ~ 3階が店舗、その上階をオフィスとする地下2階地上12階建の「オフィス・商業棟」
  • 既存の囲町広場と一体化した「地区施設広場」

これらは駅からペデストリアンデッキで接続され、自然と都市の利便性が融合したエリアとなる予定です。

また、囲町西地区でも広場と住宅棟が2027年度完成予定となっているほか、東西地区と線路の間には都市計画道路が整備され、駅とのアクセス性向上の役割を果たします。

次に、中野四季の都市の西側「中野新北口エリア」と「中野四丁目西地区」です。中野新北口エリアでは、中野サンプラザの建て替えとともに、現在の中野区役所が中野四季の都市の北東に新築移転します。中野四丁目西地区の再開発事業は未定となっていますが、新区役所と駅との間をデッキでつなぐ計画が予定されています。

これに合わせて中野駅の北口を移転し新北口に交通広場を作り、現在の中野駅の課題となっている「車と人の混在」と「面積不足による機能不足」の解消を図ります。

これらの再開発事業により、すでに完成している中野四季の都市を中心とした南北・東西の回遊性が強化された一体感と防災性の高いまちづくりがおこなわれる予定です。

再開発の内容②:中野駅南口エリア

中野駅の南側、「中野ニ丁目地区」では駅前広場をはじめとする地区内の道路整備、「中野三丁目地区」では西口広場の整備などがおこなわれます。

これに加えて地下2階地上20階の業務棟と地下2階地上37階の住宅棟2つの建物ができるほか、2つの広場と区画道路の整備により、2019年に建て替えられた隣地にある旧公社中野住宅も含めて駅からの動線や景観が向上します。これらはすべて、2027年度までには工事完了予定です。

再開発の内容③:中野駅エリア

再開発に合わせ、中野駅もリニューアルします。

中野駅は橋上駅舎になり新たに西口ができるほか、南北通路が整備され新たにできる駅ビルと一体化します。すでに着工しており、西口・南北通路・駅舎とも2026年に開業予定です。

北口に加え西口ができることで観光客と日常利用の人の流れを分散でき、大学が多く学生も多い中野駅周辺の混雑解消が期待されます。

中野駅再開発によるシンボルの変化

再開発で大きく変わる中野駅周辺ですが、中野の中心的なスポット、「中野サンプラザ」と「中野ブロードウェイ」は今後どうなるのでしょうか?

中野サンプラザ閉館!その後どうなる?

閉館した中野サンプラザですが、建て替えられNAKANOサンプラザシティとして生まれ変わります。

歴史ある中野サンプラザの面影がトップ部分の三角カットデザインに取り入れられたシンボルタワーを中心に、最大7,000人収容の大ホール・ホテル・オフィス・住宅・商業施設・広場からなり、2028年度に完成予定です。また、タワーとホールを結ぶスカイデッキを⽂化交流の中核にする狙いもあります。

中野ブロードウェイはどうなる?

漫画やアニメを中心とした、多様で個性的な店舗が軒を連ねるショッピングセンターとマンションからなる複合ビル「中野ブロードウェイ」。

中野ブロードウェイが完成したのは1966年。2014年に大規模修繕工事がおこなわれたものの、もうじき築60年にもなり建て替えが必要な時期ですが、現在のところ建て替えの情報は出ていません

区が全額出資していた中野サンプラザと違い、民間企業が運営し住宅と200以上の店舗がある中野ブロードウェイの建て替えには時間がかかることが予想されます。

中野ブロードウェイがある中野5丁目は中野4丁目の隣接エリアであり、双方の動線の悪さと手狭な道路による防災上の危険性が課題です。

中野五丁目商業エリアまちづくり基本方針(案)」では、現在の個性的なにぎわいを保ったまま安全性を高め、現在未定である「中野四丁目地区」のまちづくりを将来的に中野五丁目全体へ広げていくとしています。

中野駅の再開発計画における今後の見通し

再開発で中野駅周辺が大きく変わることにより、地域の活性化と生活環境の向上が予想されます。

再開発による地域活性化

再開発による新たなまちづくりによって、従来の課題の根本的理由であった中野駅周辺の南北・東西の動線の悪さと都市基盤のキャパシティー不足が解消され、回遊性が大きく向上します。

JR東日本の永杉 博正氏らも論文の中で「区役所跡地及びサンプラザ跡地開発による東西コミュニティの接続,中野5丁目と2丁目を結ぶ南北通路をすべておこなった場合に,閉路数が49に増加する.(中略)全体の回遊性向上のためには、これらの一体的整備が必要だといえる」と述べています。

参考永杉 博正, 羽藤 英二. "ネットワークの閉路特性に着目した駅周辺街路の回遊性分析とその適用-JR中央線9駅の駅周辺街路ネットワークを対象として- ."都市計画論文集 49 (2014): 2-3.

閉路とは同じ点を2回以上通らず始めの点に戻れる道のことであり、「閉路数の増加 = 回遊性の向上」です。回遊性の向上は利用者の滞在時間の増加、ひいては消費活動の活性化にもつながるでしょう。

また、中野区によると、新宿から近いにもかかわらず中野のテナント賃料は中央線沿線主要駅の中で近隣より低く、立地のコストパフォーマンスが高いとしています。中野の都市整備によりビジネス需要の増加にも期待できます。

中野駅周辺の都市環境と生活環境向上

サブカルやコンサートといった「遊びに行く」印象が強い中野駅ですが、実はSUUMOの2023年「住みたい街(駅)ランキング」では21位、ほかの年も20位前後に位置し「住むまち」としても人気があります。

しかし、HOMESでは、「利便性が高い」といった良い口コミの一方、「緑が少ない」「移動・買い物が不便」といった口コミも上がっていました。

今回の再開発による交通網の整備、公園の増加や建物の整備による回遊性と防災性の向上により、中野駅の生活環境が向上しさらに住みやすい人気エリアになるのではないでしょうか。

中野駅周辺の再開発による不動産投資への影響

再開発による今後の見通しが、不動産投資にどのような影響をもたらすかについて考察します。

中野周辺エリアのファミリー層増加

中野区の人口構成は30歳代が17.7%、20歳代が16.3%、また単身世帯が全世帯数の62.3%(令和2年国勢調査)を占めます。1世帯あたりの人員が少なく、定住率が低いのが中野区の現状です。

このことから、「住みやすさ」より「利便性」を重視している住民が多いと考えられます。

しかし、今回の再開発により公園や都市基盤が整備され住みやすさが向上すれば、住宅の供給増加に伴いファミリー向け物件の需要が上がると考えられます。

中野区・杉並区・武蔵野市の不動産価格上昇の可能性

中野駅周辺の再開発によって沿線も含めた利便性が一層注目され、中野駅周辺だけでなく中央線沿線の不動産価格が上昇する可能性もあるでしょう。

東京都財務局の「令和4年東京都基準地価格」によると、杉並区は中野区に次いで2番目に価格上昇率が高いエリアです。買い物に便利で中野から2駅の「阿佐ヶ谷」、東京メトロ丸の内線も利用でき中野から通勤快速で1駅の「荻窪」などを中心として、杉並区の不動産価格の上昇が続くと予想されます。

また、区の南には東京メトロ丸ノ内線、北には西武新宿線、都営大江戸線が走る中野区は、全域が利便性の高いエリアでもあります。

ファミリー層からの需要が増加すれば、中野駅周辺だけでなく中野区全域の不動産価格が上昇する可能性もあります。

まとめ

中野駅の再開発計画は、全体的に「回遊性を上げて一体化したまちづくり」というテーマで進んでいます。

サブカルだけではない、「訪れると楽しいまち」から「住みたいまち」という新しいイメージを与えられるのでしょうか。

中野の雑多なにぎやかな雰囲気を残したまま利便性が高まり、ますます魅力が増すのが楽しみですね。

都心に隣接し不動産投資のポテンシャルの高い、中野駅の再開発に注目です!

この記事の執筆: ひらかわまつり

プロフィール:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士資格を有するママさんライター。親族が保有するマンションの管理業務経験を有するなど、理論・実務の両面から不動産分野に高い知見を持つ。また、自身でも日本株・米国株や積立NISAなどを行っていることから、副業や投資系ジャンルの執筆も得意としている。解像度の高い分析力と温かみのある読みやすい文章に定評がある。不動産関連資格以外にも、FP2級、日商簿記検定2級、建築CAD検定3級、TOEIC815点、MOSエキスパートなど多くの専門資格を持つ。

ブログ等:ひらかわまつり

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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