頭金ゼロの不動産投資!?そのメリット・デメリットを解説
- 更新:
- 2022/09/09

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不動産投資を検討されている方であれば、一度は「頭金ゼロから始める不動産投資」といった文言を目にしたことがあるでしょう。この記事を読まれている方の中にも、本当に頭金ゼロで物件が買えるのか、といった疑問を抱かれている方も多いのではないかと思います。
実際、不動産投資の本やセミナーを見てみても、なるべく自己資金を抑えたローンを組むことが可能であるような記述も見つけますし、実際に営業マンの話を聞くと、頭金なしで新築のマンションを持つことが出来る、といったトークもあります。
最初に結論から申し上げると、実際に頭金ゼロで物件を購入することは可能です。但し、うまい話には必ず裏があるのと同様に、いくつか気を付けなければいけない点があるのも事実です。
本記事では、頭金ゼロで物件を購入することが出来る仕組みと、その際に気を付けなければいけないポイントについて、分かりやすく解説をしていきたいと思います。
頭金ゼロの仕組みとは?
まず最初に、頭金ゼロで物件を購入することのできる仕組みについてお伝えしたいと思います。その為に、不動産の取引には大きく2つのタイプがあることを知って頂く必要があります。
不動産取引の2つのタイプについて
不動産の取引形態には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
- 仲介取引
- 売主取引
仲介取引とは、売主と買主の間に不動産業者が入り、両者の契約を手伝う取引形態のことを指します。各種投資用不動産のポータルサイトに掲載されている物件のほとんどは、こちらの仲介取引物件になります。
一方で、売主取引とは、その名の通り不動産業者が売主となって物件を販売する取引形態になります。不動産業者が実際に物件の仕入れ契約を締結し、そのうえで次の買主に直接紹介をする形です。
一見すると、上記2タイプの取引に差異がないようにも感じるのですが、実は全く異なります。両者のどちらのタイプに属するかで、融資の内容がまったく違ったものとなるのです。
仲介取引と売主取引における融資の違いについて
それでは、仲介取引と売主取引とで、どのように融資内容が変わってくるのでしょうか?結論から言うと、売主取引の方が、仲介取引と比較して融資の条件はかなり優遇されています。金利面で優遇があるだけでなく、求められる自己資金割合も大きく違うのです。
例えば仲介取引の場合には、自己資金は最低でも2割出すよう銀行から求められますが、売主取引の場合には自己資金を出さないフルローンで引くことも可能といった具合です。
ではなぜ、両者の取引形態で、このような融資内容の差が生じるのでしょうか?答えは、『銀行から見た担保力の違い』にあります。
仲介取引の場合、個人の売主と個人の買主が取引をし、その間に不動産業者が入って仲介業務を行うわけですから、銀行から見ると「買主と物件」のみしか担保となるものが無いのです。その為、信用の補填をするべく、自己資金をいくらか出すように買主に求めざるを得ません。
一方で、売主取引の場合には、上記「買主と物件」に加えて「不動産業者」も担保力としてカウントしてくれます。銀行から見て信頼できる提携業者が販売する物件だから信頼できるだろう、というのが大まかなロジックになります。
この、「担保力」の差こそが、仲介取引と売主取引とで融資条件を大きく変える要因となっているわけです。
ここまで見て頂いた方は、既にお気づきかと思いますが、「頭金ゼロ」で買える物件はほぼ例外なく、売主物件なのです。業者が、自社の信用力を担保にして、フルローンが引けるようにしているという仕組みなのです。
それでは、「フルローンが引ける物件はほぼ全て不動産業者が売主の物件である」ということを分かったところで、実際に物件を買う際の注意事項についてお伝えしたいと思います。
頭金ゼロで買う際の注意事項とは?
頭金ゼロで売主物件を買う際の注意点は、大きく3つあります。それは以下の通りです。
- 物件価格が相場より高い場合がある
- 毎月の返済額が増える
- 無理な営業を受ける可能性がある
注意点①:物件価格が相場より高い場合がある
まず1つ目の注意点は、物件の販売価格が、相場に比べてだいぶ高いケースもある、という点です。売主物件は、不動産業者が直接販売をする取引形態ですから、当然の如く「仲介手数料」は取ることが出来ません。では不動産業者がどのように利益を上げるのかというと、物件価格に利益分を上乗せするしか無いわけです。
もちろん、不動産業者売主の物件に利益が乗っていること自体はなんら批判すべきことではありません。不動産業者もボランティアで仕事をしている訳ではないため、仕入れ時の費用や労力を鑑みると、仲介手数料+α の利益を取るのは当たり前だからです。
しかし、業者によっては買主が無知であるのにつけこんで、相場からかけ離れた金額で販売しているケースも稀にあります。もしそのような物件にフルローンが出たとすると、買主は買った時と同じ額で物件を売ることが出来ず、長期間にわたって返済に苦しむ、というリスクも出てきます。
ですから、売主物件を購入する際には、相場からあまりにもかけ離れていないか、という点はしっかりとチェックする必要があるでしょう。
注意点②:毎月の返済額が増える
頭金ゼロのフルローンを引く際に気を付けるべき事項の2つ目は、どうしても毎月の返済が大きくなってしまうことにあります。物件価格に対して丸々融資を引いているわけですから、ある意味で当たり前のことではあるのですが、不動産投資においてはCF(キャッシュフロー)をプラスで回していくことがかなり重要になります。その際に、フルローンをした結果毎月の返済が高額になり、赤字経営となってしまうと元も子もありません。
購入前にしっかりと事業計画を立て、フルローンを引いても毎月プラスで回せるか、というのを吟味する必要があるでしょう。
また、既にフルローンを引いて、毎月赤字となってしまっている方であっても解決方法はあります。それは「繰り上げ返済」をするという対策です。
繰り上げ返済とは、本来返済すべき金額以上の額をまとめて返済することで、元本を減らし、毎月の返済額を緩和したり、返済期間を短縮したりすることの出来る手法です。
例えば、現時点で毎月2千円の赤字となっているのであれば、早めに繰り上げ返済をして、プラスマイナスゼロになるまで返済額を減らしていく、というのも大きな戦略であると言えます。
ここまで、頭金ゼロでローンを引いた際に気を付けるべき2つのポイントを解説してきました。購入する物件が相場から大きくかけ離れていないか、毎月黒字で経営できるのか、といった点に着目することが、投資成功への近道となるでしょう。
注意点③:無理な営業を受ける可能性がある
「頭金ゼロの物件を買うのと、無理な営業を受ける可能性があることになんの関係があるの?」と思われた方もいらっしゃると思います。ですが、これまでの話を俯瞰して考えると、頭金ゼロの物件に無理な営業が付いてくるリスクが高いことが分かって頂けると思います。以下で、分かりやすく説明することにします。
もともと、頭金ゼロで買うことのできる物件は不動産会社が売主の物件のみであることは上述しました。というのも、個人が売主の仲介取引の場合には、銀行から見た時に担保力を持つアクター(=不動産会社)が足りず、その穴を自己資金で埋める必要があったためです。
そして、営業マンからすると、頭金ゼロで購入できる自社の物件には売り物の数に限りがあるほか、売らなければならない在庫として考える必要があるのです。というのも、自社で仕入れをした物件がいつまでも売れないことは、業績にも悪影響を与えることにほかならないからです。
毎日たくさん売り物の出ている仲介物件に比べて、自社売主の物件はそこまで多くを仕入れることが出来ません。それは営業マンにとって、代替となる商品が用意できず、なんとしてでもその商品をお客さんに買ってもらう必要があるのです。
「売らなければいけない在庫」という縛りが頭金ゼロの自社売主物件にかかっている場合が多いからこそ、営業マンの営業スタイルが非常に強気であることに繋がっているのです。これが、頭金ゼロの物件を買う際に、無理な営業を受ける可能性があるという理由になります。
なお、多くの投資用不動産業者が自社売主の物件のみを取り扱っている状況の中、弊社では買主様専門の仲介会社として、お客様の希望・状況に合わせて仲介取引をメインで行わせて頂いています。
他社の無理な営業に嫌気が差してしまった方、より中立な立場からアドバイスをしてくれるコンサルタントをお探しの方は、是非弊社までお問い合わせ下さい。
ケーススタディ
ここまで、頭金ゼロの不動産会社売主物件を購入する際の注意点について、詳しく解説を行ってきました。注意点を重点的に取り扱ったため、デメリットにばかり目が行きがちになってしまいますが、当然のことながら提携物件には多くのメリットも存在しています。
そのメリットは、言葉ではなく数字で示す方が分かりやすいでしょう。以下に、ある仮想の区分マンションを提携取引と仲介物件で購入する際のシミュレーションをしてみたいと思います。
仲介物件のケース
提携物件と仲介物件を比較するための条件として、仲介物件の場合には2,200万円の築10年の物件を購入することとします。金利は約2.0%、融資期間は30年で、自己資金を2割入れる必要があります。家賃収入は9万円、管理費積立金は計1万円、賃貸管理費用は4千円と仮定します。
この場合、必要な資金としては自己資金2割の440万円のほか、仲介手数料や登記費用、銀行手数料などで約160万円の、合計約600万円ほどの支出が必要となります。
上記の内容で返済額を計算すると、毎月約6.5万円の返済をする必要があります。家賃収入から各支出を差し引くと、毎月のCFは + 1.1万円となります。
年間の収支は、1.1万円 ✕ 12か月 = 13.2万円となりますので、純粋に自己資金に対する利回りは、13.2万円 ÷ 600万円 ≒ 2.2%です。これが、仲介物件におけるシミュレーションです。次は提携物件についても見ていきましょう。
提携物件のケース
それでは、次に提携物件のケースも見て行きましょう。基本的な物件の条件は仲介物件の条件と同じですが、販売価格が異なります。頭金ゼロを謳っている訳ですので、かかってくる諸費用と、仲介手数料分+α(仕入れの際に掛かった費用など)の利益が上乗せされます。
例として、先ほどの物件のケースで考えると、仲介手数料 + 50万円 + その他諸費用で、計210万円を価格に上乗せしてシミュレーションしてみましょう。その場合の物件価格は、2410万円となっています。なお、提携金融機関の条件は、金利1.9%、融資期間45年で試算します。
その結果、毎月の返済額は約6.6万円となり、CFは + 1万円となります。なんと驚くべきことに、600万円の自己資金を入れて購入した仲介取引の物件と、頭金ゼロで購入した提携物件のCFは、ほとんど変わらないのです。
さらに着目すべきは、投資した自己資金に対する利回りです。自己資金を全く入れていないのにも関わらず、年間で12万円のCFが出る訳です。このように、自己資金に対する利回りの高さが、提携物件の強みでもあるのです。
まとめ
ここまで、頭金ゼロで物件を買うことのできる仕組みと、その際に注意すべきポイントについて解説をしてきました。覚えておいていただきたいのは「フルローン = 悪」では決してないという点です。むしろ、レバレッジを利かせて投資をすることが出来るという点では、フルローンは魅力的かつ効果的な資産形成手法なのです。
そのことは、ケーススタディで見て頂いた通り、実際に支出する自己資金に数百万円の違いがあるにも関わらず、毎月のCFにほとんど差がないことがお分かりいただけたかと思います。
ただ、不動産業者によっては、自社の所有する物件に、相場とはかけ離れた値段を付けて、無理やり販売するといった手法を取る会社もありますので、その点はしっかりとリスク認識をして頂ければと思います。
もし、他社から提携物件の営業を受けていて、第三者の中立的なアドバイスが欲しい、という要望がございましたら、お気軽に弊社のコンサルタントまでお問い合わせ下さい。10年、20年、30年という長期的なスパンで見て、お客様の利益を最大化するための最適なアドバイスをお伝えさせて頂きます。