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判例から読み解く!不動産投資のトラブルとその解決法とは?

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不動産投資では、強引な勧誘やトラブルが問題となっています。独立行政法人国民生活センターや国土交通省からも、投資用マンションの販売勧誘に対する注意喚起が出ている状況です。

高額な不動産投資は、簡単に儲かるツールとして利用される傾向があります。リスクを説明されずに購入してしまった買主が、売主である不動産投資業者に向けて裁判を起こすケースも散見されます。

本記事では、不動産投資にまつわる裁判例を紹介し、トラブルとなった原因を解説します。合わせて、トラブル解決方法として、不動産投資業者を選ぶ際のポイントを紹介。最後まで読むことで、不動産投資に関するトラブルを回避する方法を理解できるでしょう。

不動産投資のトラブルが気になる方は、ぜひ最後までご一読ください。

原告の請求が認められた判例

不動産投資トラブルの判例は、大きく2パターンあります。原告の請求が認められた事例と認められなかった事例です。最初に、原告の請求が認められた事例を2つ紹介します。

判例①:気になる女性の誘いなら……SNSで知り合った女性からマンションを購入させられた事例

最初の判例として紹介するのは、令和3年7月20日に東京地裁で行われた裁判です。デートを重ねて親密になることで高額商品を売りつける、いわゆる「デート商法」の事案になります。

デートをしていたはずが不動産を買っていた原告

原告男性は、ある女性からSNSでメッセージをもらいます。原告と女性は連絡を取り合い、食事やデートを繰り返す仲となりました。女性に対して、恋愛感情を抱いていく原告。交際を申し込むも、明確な返答を避けられる日々が続きます。そんな中、原告は女性から不動産投資に誘われました

原告は、女性の上司を交えた3名で面会し、不動産投資について話を聞きます。結果、不動産投資用のマンションを2件立て続けに購入、女性や上司が勤務する会社との不動産コンサルティング契約も締結します。

購入したマンションの価格は…驚愕の査定結果!

半年後、原告は同社から追加で物件を購入。しかし3件とも利益が出ず、赤字は膨らむばかりです。不安になった原告は物件の買取を求めますが、会社はこれを拒否。原告は弁護士に相談します。

弁護士の提案で、原告は複数の宅建業者に所有物件の査定を依頼。すると「3件とも現在の市場価格は購入価格の50〜60%程度」という結果が出ました。

査定結果を見た原告は、女性と上司がいる会社に対して、購入価格と諸費用、コンサルティング料、慰謝料の合計9,641万円の支払いを求めて裁判を起こします。被告となった女性の勤務先は「不当な勧誘はしていない」「原告と知り合ったときは女性は本社従業員ではなかった」として争いました。

判決:女性はデート商法と認定・慰謝料以外の支払いが認められる

判決では、下記の理由から、女性は被告の業務として不動産投資の勧誘を行った = デート商法であることが明らかとされました。

  • 原告と知り合って間もなく不動産投資の勧誘を行った
  • 交際を求められると、明確な回答を避けながら勧誘を継続した

加えて、被告には女性に対する使用者責任があることも認定。被告に購入価格と諸費用、コンサルティング料の支払いが命じられました

参考いわゆるデート商法によりマンション購入契約をさせられたとする買主の購入代金全額の損害賠償請求が認容された事例

判例②:甘い話にはワナがある?!不利益となる事実をわざと告げなかったことが認められた事例

平成24年3月27日の東京地裁判決です。自分にとって有利な話を信じて投資用マンションを購入したことから、購入契約の解除を求めた事案となります。

お買い得で利益も出る?!小遣いで何とかなるとマンション購入!

原告は、会社の同僚からマンション投資を勧められました。同僚から紹介された仲介業者は、原告に次のように伝えます。

  • 通常3,130万円する物件を、会社に無理を言って2,840万円で押さえている
  • 家賃収入があるので、月々のローン返済額が保険と同じ
  • 売却時に価格が10%低下したとしても、ローンを返してなお利益が出る

ここでは、不動産価格の急激な変動や購入時に売却価格が下がることの説明はありません。メリットだけを聞いた原告は「小遣いで何とかできる」と誤信し、マンションを契約しました。

別の日に似たような説明で2件目を紹介された原告は、なんと2件目も契約してしまいます。

話が違う!契約解除を申し入れたが…

その後、原告は、他の業者に購入したマンションの簡易査定を依頼します。結果、2件とも、購入価格より低価値と評価されました。マンションの評価額が低いことから、原告は被告に契約解除を申し入れます。しかし、担当者は「今解約するともったいない」と解約に応じません

消費者保護法4条では、事業者の行為により誤認を起こして消費者契約をしたときは、契約を取り消しできる規定があります。

条文 事業者の行為内容 契約者の誤認内容
4条1項 重要事項について、事実ではない話を伝える 伝えられた内容が事実であるとの誤認
4条2項 物品、権利、役務など契約の対象物に対し、将来価額や金額、価値の変動など、将来の変動が不確実な事項に対して断定的な判断を伝えること 伝えられた断定的判断の内容が確実であるとの誤認

原告は、上記4条2項を根拠として、契約取り消しの訴えを起こしました

判決:被告の説明不足により原告は誤認!契約解除が認められる

判決では、以下の点から原告の請求が容認されました。

  • 被告が提示した価格は根拠がなく、合理的な変動の範囲内とは到底思われないことなどを考慮すると、適正な価格を反映したものとは言えない
  • 被告は原告に不利益な事実をわざと告げておらず、被告の説明により原告は誤信した

上記の理由により、原告は投資用マンションの売買には不利益がないと誤認し、契約を締結したとして、消費者保護法4条2項による契約の取り消しが認められました

参考買主は、売主業者の不利益事実の故意の不告知により、「誤認」して契約したものであるとして契約の取消しを認めた事例

原告の請求が認められなかった判例

不動産投資トラブルの裁判では、原告の請求が認められなかった例もあります。原告の請求が認められなかった事例を2つ紹介します。

判例③:倉庫として貸せないなんて聞いてない!損害賠償を請求した事例

最初の事例として、令和2年10月23日の東京地裁判決を紹介します。マンションを購入した原告が、被告である売主に対して求めた損害賠償が棄却された事案です。

かつて倉庫として利用していたマンションは駐車場に

原告が購入したマンションの1階は、前のテナントが倉庫として使用しており、すぐ倉庫として使える状態でした。その一方で、1階部分の約8割を駐車場として利用することで、容積率の規制を満たしている状況ともなっています。

容積率とは、建築基準法に定められた敷地に対する建物全体の面積割合です。駐車場部分をそれ以外の用途で使うと、建築基準法違反となってしまいます。

倉庫としての賃貸実績が書いてあるのに貸せない!

マンションの1階は売主から提供された賃貸借状況一覧表では、1階部分の用途は未記載でした。一方で、倉庫としての賃貸実績から想定賃料が140万円と記載されています。

このことから、原告は、マンション1階を倉庫業者に貸す契約を締結します。しかし、業者から「1階部分の建築確認が取れず営業倉庫として利用できない」とのクレームを受けて、賃貸契約を解除しました。

原告は、売主に対して、建築基準法により1階部分を倉庫として第三者に貸せないことへの損害賠償を求めました。

判決:被告の説明義務は果たされているとして請求棄却

判決の争点は、1階部分を倉庫として貸し出せないことについて「被告の説明義務が果たされているか」でした。

判決では、下記の点から、被告は説明や資料の提供を尽くし説明義務を果たしたとして、原告の請求は棄却されました。

  • 事前に被告が渡していた資料には容積率の計算過程が明確に示されており、駐車場が容積率の対象面積外であったことが想像できた
  • 1階の用途が「駐車場、事務所」であり倉庫として利用するには用途変更が必要なことも、原告は理解できていた

参考収益物件の用途制限について必要な説明はなされていたとして、買主による損害賠償請求が棄却された事例

判例④:2台分の駐車場が1台しか使えない!?経済的損失と慰謝料を請求した事例

最後に紹介するのは、平成30年7月11日東京地裁判決です。駐車場2台分の収益が得られるからと購入したのに1台分が使えないとされたことに対して、慰謝料と経済的損失を請求した事案になります。

購入した物件の駐車場が使えない!

原告は、被告となる仲介業者より「駐車場2台付き」と記載された新築マンションの紹介メールを受け取りました。仲介業者が添付した平面図には、2台分の駐車場があることや2台駐車している絵が記載。販売広告にも、駐車場2台分の想定賃料が記載されていました。この平面図と広告は、売主である別の宅建業者が作成したものです。

メールを見た原告は、駐車場を貸し出すことを見込んで新築マンションを購入します。しかし、車庫証明を取りに行ったところ、警察署から「片方の駐車場には車庫証明が交付できない」事実を告げられたのです。

駐車場が使えない理由は「窓先空地」

本件マンションが建築された東京都では、建築安全条例が制定されています。東京都建築安全条例19条には「窓先空地(くうち)」に関する規定があり、本件マンションでは、1階住居の窓に直面する敷地を幅員1.5mの空地にしなければいけません。

窓先空地とは、共同住宅1階住戸の窓に直面する敷地部分に必要な空き地です。火災や地震などで避難する際、空地を避難経路にするために規定されました。本件マンションは1階部分の駐車場が窓先空地の指定地であったため、駐車場の片方が使用できなくなりました

原告は仲介業者と売主に対し、虚偽広告と、広告作成前の不十分な調査を理由として損害賠償請求を行いました。請求額は、駐車場の経済的価値約409万円と慰謝料200万円の計約609万円です。

判決:慰謝料の請求は一部認められる

判決では、仲介業者と売主が作成した広告により、本来は駐車場2台分の収入が得られないにも関わらず収入を得られると思ってマンションを購入したことが認められ、慰謝料の一部として60万円の支払いが命じられました。

また、仲介業者と売主には次の不法行為も認められています。

仲介業者 広告について誤解を生じさせないような注意・調査義務違反
売主(設計主) 駐車場が窓先空地であると認識できたにも関わらず、不正確な販売広告を作成したことによる不法行為

経済的損害の請求については、以下の理由により「経済的損害を被ったとは言えない」として却下されました。

  • 本件マンションで得られる収入は、駐車場2台分だけではない
  • 駐車場として使えなかった敷地にも。土地としての価値がある

参考窓先空地規制により駐車場利用ができないことの説明をしなかった売主業者の不法行為責任が認められた事例

どうしてトラブルになった?3つのポイントを解説!

上記の4判例には、トラブルに発展した共通点があります。ここからは、それぞれの判例がなぜトラブルに発展したか、ポイントを解説します。

ポイント①:メリットしか説明されていない

不動産投資では、物件のデメリットを言わずメリットだけを説明されて購入するケースが散見されます。

デート商法の判例①では、原告男性の気持ちにつけこみ、不動産投資のメリットだけを伝えていました。小遣い内で何とかできると誤信した判例②では、デメリットをわざと説明していないことが判決でも認められています。

説明責任を果たしているとされた判例③でも、被告が倉庫として利用できないことを知りながら仲介していたことに対して、疑問が提示されています。

判例④は、使えない可能性を知りながら駐車場が2台あることを強調した広告を出したことに対し、仲介業者にはデメリットへの注意義務があったことを認めています。

参考怖すぎ!不動産投資に潜む嘘とは!

ポイント②:不動産業者からの情報を精査せず鵜呑みにした

トラブルのポイント2点目は「不動産業者からの情報を精査せず鵜呑みにした」ことです。仲介業者から提示された情報が正しいか、自分でも精査することが大切です。

判例①のようなデート商法の事例は、調べると出てきます。当事者には酷ですが、SNSで知り合った異性から突然不動産投資の話が出てくるのはおかしいと言わざるを得ません。さらに、築29年のマンション価格も、ある程度事前に調べることができたはずです。判例②と④は、自分で調べなかったため失敗した典型と言えるでしょう。

判例③では、1階部分を倉庫に転用できないと理解できる材料を十分提供していたことから、請求が棄却されています。買主の判断による損失であることが認められたとも言えます。

ポイント③:物件に対する責任意識が希薄な業者だった

被告である4業者の共通点は「物件に対する責任意識が希薄だった」ことです。

判例①と②は、物件が売れさえすればいいという姿勢なので論外です。判例③では、倉庫としての賃貸実績を提示したことによる原告の誤認は事前に想定できたと考えられます。

判例④では、利用できない可能性を知りながら精査せず、駐車場があることを売りにした広告を出したことによりトラブルになりました。

不動産投資トラブルを避けるための業者選定ポイント

上記のような不動産投資トラブルを回避するには、信頼できる不動産業者の選定が大切です。不動産業者を選ぶ際に、確認しておきたいポイントを紹介します。

メリットとリスクの双方を説明してくれる業者を選ぶ

不動産投資には、メリットだけでなくリスクもあります。不動産投資をする際は、メリットとリスクの双方を説明してくれる業者を選びましょう。

上記判例のように、メリットだけを説明する業者は危険です。せっかく購入した不動産が利益を出さないだけでなく、売却もできないことになりかねません。

不動産投資には、利益が出ないリスクもあります。入居者が入らないことや価値の変動などによるリスクについても、包み隠さず説明してくれる業者を選びましょう。

参考不動産投資の仲介業者選びで間違えないためには!?

契約前に複数の業者から話を聞く

不動産投資では、契約前に複数の業者から話を聞くことも大切です。いわゆる「セカンドオピニオン」になります。判例②では、契約してから別業者に査定を依頼しています。もし契約前に査定を依頼していたら、原告は契約せずに済んだかもしれません。

複数の業者に話を聞くと、市場価値だけでなく次の点も確認できます

  • デメリットをきちんと伝えてくれるか
  • どういう視点で物件を見ているか
  • 自分の考え方と合っているか

不動産仲介業者1社の説明だけで購入を判断すると、不利益を被る可能性もあります。不動産投資は仲介業者の話を複数聞いたうえで、利用する業者を選びましょう。

参考【完全版】マンション投資で失敗しないための5大知識とは!?

まとめ

不動産投資は高額であることから、詐欺の温床となりがちです。そのことから「不動産投資は危険」と思われがちですが、悪徳業者ばかりではありません。安心して取引を任せられる業者もたくさん存在します。

当社は中立的な投資家目線で、不動産投資のリスクを包み隠さずお伝えします。無理に購入を勧めることはありません。状況によっては、購入をおすすめしないケースもあります。

不動産投資においては複数の意見を聞くことが大切です。当社では、セカンドオピニオンとしての相談も受け付けています。不動産投資で気になることがありましたら、ぜひ当社の無料相談を活用してください。

この記事の執筆: 堀乃けいか

プロフィール:法律・ビジネスジャンルを得意とする元教員ライター。現役作家noteの構成・原案の担当や、長野県木曽おんたけ観光局認定「#キソリポーター」として現地の魅力を発信するなど、その活躍は多岐に亘る。大学および大学院で法律や経営学を専攻した経験(経済学部経営法学科出身)から、根拠に基づいた正確性の高いライティングと、ユーザーのニーズに的確に応えるきめ細やかさを強みとしている。保有資格は日商簿記検定2級、日商ワープロ検定(日本語文書処理技能検定)1級、FP2級など。

ブログ等:堀乃けいか

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

経験豊富なコンサルタントが
投資家目線で課題をヒアリングし、
中立の観点でアドバイスを行います。

不動産投資で成功するためのアドバイスですので、お客様のご状況によっては不動産投資をあきらめていただくようおすすめする場合もございます。あらかじめご了承ください。

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