ここで差がつく!駐車場経営で他を圧倒するための戦略とは!?
- 更新:
- 2023/12/26
本記事は動画コンテンツでご視聴いただけます。
所有している土地を活用するために駐車場経営を始める方が増えています。
初期費用が少なく管理が簡単な駐車場経営は不動産投資の中でも手軽に始められるので初心者にも人気ですが、きちんと収益を出すためには事前に最低限の知識を身につけておくことが大切です。
今回は、駐車場経営の種類やメリットとデメリット、そして成功のポイントについて詳しくお伝えしていきたいと思います。
駐車場経営は本当に初心者向け?
土地をただ保有しているだけでは、毎年固定資産税がかかり、資産価値が高い土地ほど多くの税金を支払うことになります。土地は活用しなければ損をする…という理由からも、初心者向けと言われる「駐車場経営」は大変人気です。
資格不要で、少ない初期費用で始めることが可能で、うまくいけば毎月の家賃収入のような固定収益を生む優れもの。
ただし「とりあえず余った土地を駐車場にしよう」という安易な発想では失敗するリスクもあります。
駐車場経営を成功させるためには、収益性・立地・経営パターンなどあらゆる分析が必要になるので、初心者が独学で始めて成功するには、少しハードルが高いように感じます。
月極駐車場とコインパーキング
駐車場経営には「月極駐車場」と「コインパーキング」という2つの形態があります。
この2つの形態にはさらに2種類の方式があります。
月極駐車場
利用者から毎月一定額の賃料を受け取る駐車場です。
土地があればラインを引いて車止めを設置するだけで始められます。
管理委託方式:初期投資は自分でおこない、利用者の募集と管理・運営を委託する
一括借り上げ方式:初期投資は自分でおこない、駐車場を一括して業者に貸し出し利用者に転貸する
月極駐車場の一括借り上げ方式では、満車の時も空きがある時も契約した業者から毎月一定の賃料が支払われるので、収益が稼働率に左右されない安定感がありますが、その分管理委託より高額な手数料を支払う必要があります。
コインパーキング
時間貸しの駐車場です。精算機やロック板などの初期投資が必要です。
土地賃貸方式
コインパーキング業者に土地を貸す方法です。
自己経営方式
初期投資は自分でおこない、利用者の募集と管理・運営を委託する方法です。
精算機などの機械を設置するコインパーキングは完全に自己管理することは難しいので、専門業者に委託することになります。土地賃貸方式の場合、月極駐車場の一括借り上げ方式と同様、土地を貸した業者から毎月一定の賃料が支払われるので、安定した収入を得ることができます。
駐車場経営の5つのメリット
その1 自己資金ゼロで始められる
駐車場経営は建物が必要ないので初期費用はそれほどかかりません。
土地さえあれば自己資金がゼロでも始めることもできます。
初期費用は駐車場の規模や形態にもよりますが、土地をアスファルト舗装する費用と車止め、コインパーキングなら精算機などの機械代くらいなので、銀行から借り入れをせずに自己資金だけで始める方もたくさんいらっしゃいます。
その2 変形地・狭小地でもできる
横長で家を建てるには不向きな土地や、建ぺい率を考えると収益が見込めないような小さな土地でも、立地によっては駐車場経営に適している場合があります。
街中で稼働率が高い人気エリアなら、2~3台分の規模の駐車場でも収益をあげることができるでしょう。
その3 短期間で準備が整う
土地の上に建物がある場合、人に貸す前にはリノベーションやリフォームをする時間が必要ですが、駐車場経営を始める場合は更地にして設備を整えるまでに1か月程度あれば可能なので短期間ではじめることができます。
舗装済の土地であれば、管理を委託する業者を決めれば半月程度で駐車場経営が始められます。
その4 管理不要
駐車場経営は、住宅と違って管理がしやすいのも魅力です。
コインパーキングの場合は専門業者に管理を委託すればメンテナンスの必要もなく、一般的な月極駐車場でも簡単な掃除くらいでほとんど手間がかかりません。
自宅の近隣で駐車場経営をする場合、出かけたついでに少し様子を見てみるといった程度で充分です。
建物と違い土地だけなので老朽化もなく、築年数なども関係ないので長年駐車場経営をしていても賃料が下がる心配もありません。
その5 速やかに撤退することができる
駐車場経営は、うまくいかなかった場合ややめたくなった場合、簡単に撤退することができます。
コインパーキングの場合は、管理を委託している業者と解約をすれば速やかに駐車場経営をやめることができますし、月極駐車場の場合でも利用者に経営解除の事前予告をすれば1か月程度で退去してもらえるので、こちらもそれほど時間をかけずにやめることができるでしょう。
準備にも撤退にも時間や手間がかからない手軽さが駐車場経営の特徴です。
駐車場経営の2つのデメリット
その1 税金が高い
駐車場経営を検討するうえで知っておきたいデメリットのひとつが、アパートやマンションなど建物の投資と比較して税金の負担が大きいということです。
駐車場経営には、以下のような税金が課せられます。
所得税・法人税
利益が出たときに課税される税金
固定資産税
固定資産の所有者に課税される税金
都市計画税
固定資産の所有者に課税される税金
消費税
商品やサービスの取引の段階で課税される税金
(消費税は駐車場の形態や貸し方によっては課税されない場合もあります)
人が住むための「住宅用地」には、固定資産税・都市計画税の優遇措置が認められていますが、駐車場の場合はこの優遇措置が受けられないので満額が課税されます。
また、居住用賃貸物件を相続した場合には「小規模宅地等の特例」を受けることができ相続税が大幅に減額されることがありますが、駐車場にはその特例が適用されません。
このようなことから、駐車場経営は節税対策には不向きな投資といえるでしょう。
その2 土地の利用効率が悪い
駐車場経営は基本的に平面でおこないますので、広い土地があってもワンフロア限定の活用となります。 そうすると建物で上方向へ土地を活用できるアパート経営やマンション経営と比べてどうしても収益率は低くなってしまいます。
駐車場経営成功のポイント
駐車場は立地が命
駐車場経営に成功するための最大のポイントは、どんな場所でどんな駐車場を経営するかということです。
月極駐車場はほぼ毎日利用することが前提となっているので、長期契約があると安定した収入を得ることができます。
おもに近隣住民が対象になる月極駐車場経営においては、近隣にどのような住宅があり駐車場の数はどのくらいあるかということや、大規模マンションの部屋数と駐車場の収容台数が見合っているかといったことを調べると、需要を予測しやすくなるでしょう。
地方の場合、住宅の敷地内に駐車スペースがあることが多く、駐車場そのものの需要が低いことがあります。
地方で月極駐車場を経営するなら住宅密集地や駐車場が不足している地域を選んだほうが収益を上げやすくなります。
コインパーキングは、月極駐車場のように毎日利用するのではなく、その近辺に用事がある時に一時的に駐車するという使い方をします。
周辺に商業施設や娯楽施設、車でアクセスする人が集中するような施設があるエリアにコインパーキングを作れば、稼働率が高くなり安定した収益が見込めるでしょう。
ただし、観光地や駅前など、一時的な駐車が多そうな場所はライバルが多いこともあるので、値下げ合戦で赤字なるといったリスクがあるのが気になるところです。
また、近隣にコインパーキングがたくさんある場合や、商業施設がなくなってしまうといったこともあるのがコインパーキング経営の難しいところですが、立地さえ良ければ狭小地や変形地でも経営できるのが良いところです。
都心部で稼働率の高いエリアの特徴とは
駐車場の稼働率が高いエリアは、基本的に繁華街になります。その中でも都内で特に稼働率が高いエリアを紹介します。
六本木・赤坂エリア
六本木や赤坂エリアは都市開発も盛んで、大きなビルが出来たり消えたりと、稼働に関しては浮き沈みの多いエリアですが、需要は高いです。
赤坂は、昔からの立体駐車場が多く稼働するエリアなので、立体駐車場での参戦はお勧めしませんが、通常の駐車場ならかなり高い売り上げが見込めます。
青山・新橋・大門エリア
ビジネス街エリアは土日の稼働は下がるものの、平日は活発に利用されています。トータル的に見ると六本木エリアより売り上げは下がりますが、駐車場需要率は高いです。
青山エリアは土日も稼働することから、かなり高い売り上げが見込め、投資効率も高いエリアです。
このように都心部で稼働率が高いエリアは、同時に土地の価格も高いため、よほどしっかりと収益計算が出来てからでないとリスクになりかねません。需要と供給のバランスだけでなく、競合との比較も忘れずにリサーチしましょう。
月極駐車場と時間貸し駐車場はどちらの収益性が高いのか
- 結論、時間貸し駐車場の方が収益性は高まります。
次にそれぞれの比較情報を見ていきましょう。
月極駐車場
収益性 | 低い |
---|---|
立地 | 広範囲で可能 |
初期費用 | アスファルト塗装(砂利敷きでも可能) |
管理会社 | 町の不動産屋が多数 |
契約 | 個別車ごとの契約が多数 |
安定性 | 空車が続くことも多数 |
賃料下落 | そんなにない |
手間 | 個別車契約だとその都度 |
時間貸し駐車場
収益性 | 高い |
---|---|
立地 | 好立地のみ |
初期費用 | アスファルト塗装 |
管理会社 | 駐車場専門業者 |
契約 | 一括借り上げ |
安定性 | 有り |
賃料下落 | 有り |
手間 | ほとんど無し |
ただし、上記でも述べたようにエリアによっては好立地でも収益性が見込めない場所もあるので要注意。時間貸し駐車場に絞ってお伝えするならば、東京の中心部からやや離れた方が儲かります。なので、全国的に都市の中心部から円を描くようにドーナツ状に広がって駐車場経営がされています。
パーキングに適した土地を狙うことが大切
周囲の立地や環境も大切ですが、単純に駐車場経営として理想的な土地のパターンをご紹介します。
①ウナギの寝所
設置面積が広めで館に細長い形状の土地を指します。
建物には向かない形状なので、場所によっては土地の価格が安いケースもあります。こういった場所は決まった駐車スペースを決め、区切っておくと非常に駐車しやすく、台数効率が高い駐車場経営が見込めます。
②マンションの駐車場
マンションの駐車場は入居者用に作られていたものが、売りに出されているケースもあります。
※オーナーとしても使わずに放置するのはもったいないと考えるため
こうした土地は土地代も安く、月極駐車場やコインパーキング駐車場として活用しやすい土地です。ただし、入居者以外も利用しやすい立地かどうか?見極めが大切です。
③繁華街・商業地
繁華街や商業地は人が多く訪れるため駐車場需要は高いですが、その分土地代も高く人気があるので手に入らないと思っている人が多いです。こうした場所は建物を建てたほうが儲かるので、周辺の建物が撤退するのも待って自身の物件を立てようとするパターンもありです。その場合、そのまま待機するより駐車場にして稼働しながらタイミング待ったほうが効率が良いと考えます。
こういった点から、決して安易には始められませんが狙い目とされるのが繁華街・商業地の駐車場経営です。
④すでにコインパーキングとして使われている土地
コインパーキング業者とすでに契約している土地です。なんらかの理由でオーナーさんが土地を手放したという稀な例です。すでに周辺のリサーチが済んでいるので手間は省けますが、利益率が高い駐車場を手放すとは考えにくいので、慎重に判断することが大切です。このように、パーキングに適した土地で経営をするために狙い目を絞って判断すると良いでしょう。
重視すべきは「実利回り」
駐車場の利回りは立地や道路付けによって差が出るため、3%~10%と幅広いのが特徴です。
利回りには「表面利回り」と「実利回り」があり、それぞれ以下のような計算式で算出することができます。
- 表面利回り(%)= 年間収入(満車時)÷ 土地価格 ✕ 100
- 実質利回り(%)=(年間収入 - 諸経費)÷(土地価格+初期費用)✕ 100
表面利回りの計算はシンプルですが、実利回りは初期費用とランニングコストを差し引いて計算します。
どのような形態の駐車場にするかにもよりますが、初期費用にはアスファルト舗装や精算機、機械設備工事費のほか、土地を購入した場合に発生する不動産所得税、登録免許税などの費用が挙げられます。
諸費用は、管理委託量や固定資産税、設備のメンテナンス代などの費用のことです。
経費は必ず発生するので、収入から経費を差し引いてどの程度の利回りになるのかを確認することが大切です。
不動産投資をした場合と比較して考える
不動産投資の中でもアパート経営と駐車場経営に分かれますが、この2つの大きな比較は
- 「利益率」と「初期費用」
アパート経営は初期費用もかかりますが、長く大きな収益を生み出す可能性があります。
駐車場経営は手軽に始めやすくリスクも低いですが、そこまで大きな収益性は見込めません。
ただし、遊休地の利用とその後の転用としては駐車場の方が圧倒的に柔軟性が高いので、将来性を考えてどちらにするか決めることをお勧めします。土地を保有している限り、固定資産税などの出費はかかるので、赤字にならないよう上手に活用していくことが、広く見て不動産投資の成功に繋がるといえるでしょう。
まとめ
今回は駐車場経営のメリットとデメリット、そして成功のポイントについてまとめましてみました。
駐車場経営は、はじめるのもやめるのも手軽にできて管理も簡単、ということで初心者にもおすすめの不動産投資ですが、確実に収益を出すためには最低限の知識を身につけておくことが大切です。
賃貸住宅経営よりも収益率が低い駐車場経営でしっかりと収益をあげるためには、どこでどのような駐車場を経営するかどうかにかかっています。
初心者向けで始めやすい土地活用法である駐車場経営ですが、必要な知識がないまま始めてしまうと思ったような収益があがらないどころか赤字になってしまう可能性があります。立地や実利回りの計算など、すべてひとりでおこなうのが不安な場合は、不動産投資の専門家や駐車場経営のプロに相談してアドバイスを受けるのもおすすめです。