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木造アパート投資に潜む3つの危険とは?

執筆者:釜田晃利不動産投資コンサルタント

大学で4年間不動産について学び、老舗の投資不動産会社にて区分マンション販売の営業として10年間従事したのち、2015年にストレイトライドで不動産事業をスタートしました。取締役として経営に携わりながら、不動産投資コンサルタントとして営業活動を行っています。高校を卒業してから約15年(2018年1月現在)にわたり、不動産業界一筋で仕事に取り組み、もう不動産しか知らない、不動産のこと以外わからない、そんなキャリアになります。

不動産投資における投資対象として、区分マンションや一棟RC(鉄筋コンクリート造)、戸建や機械式駐車場など様々なタイプが存在しています。中でも一棟木造アパートは、初心者からベテランまで多くの投資家に人気の投資対象であり、実際、ポータルサイトを経由したアパートへの問い合わせ数やセミナーの数は非常に多いのが現状です。

確かに、一棟アパートには他の投資対象に勝るメリットがあるのは事実です。例えば木造であることを生かして、減価償却費を多く計上できるといった税法上の強みなどがそれに当たります。一方で、アパートにはとても大きな危険性が潜んでいることも事実です。特に投資初心者の場合、扱う額が数千万から数億円と高額なだけに、少しのミスが命取りとなりかねません。

そこで本記事では、木造アパート投資の特徴とリスクについて、不動産営業マンの視点から解説していきたいと思います。まずはそのメリットから見ていきましょう。

木造アパート投資の2大メリットとは?

メリット①:収益性が高い

木造アパート投資の一つ目の強みは、その高い収益性にあります。例えば区分マンションの場合、月額の家賃収入から管理費・修繕積立金といった固定費が毎月引かれ、その結果手残りのCFはそれほど多くはなりません。一方でアパートだと、ある程度のランニングコストは捻出する必要があるものの、区分マンションのように毎月決まった額が自動的に引かれていく訳ではないため、結果として多くのCFを得ることができるのです。

また、構造がRC(鉄筋コンクリート)の区分マンションと比べて木造アパートは1戸あたりの購入価格を抑えられるため、その結果投資利回りが高くなるといったメリットも存在しています。

メリット②:税金対策になる

アパート投資の二つ目のメリットとして、税金対策になることが挙げられます。一般的に不動産投資においては、減価償却を活用することで税金面のメリットを享受することができると言われています。減価償却の詳細については以下のページをご参照ください。

【参考記事】:不動産投資が節税になる仕組みを分かりやすく解説

例えば新築の物件を購入したとします。区分マンションの場合、耐用年数いっぱいの47年間で建物価格を償却していくこととなるため、毎年経費として上げられる減価償却費は微々たる額となってしまいます。一方木造アパートの償却期間は22年ですので、毎年多くの減価償却費を計上することができ、結果として本業の給与所得と打ち消しあって税金の還付を受けることができるのです。

こうしたメリットがある一方で、木造アパートへの投資には大きな危険性が潜んでいます。以下では、その3つのリスクについて解説していきます。

アパート投資の3つのリスクとは?

リスク①:空室リスク

木造アパート投資の一つ目のリスクは、その高い空室リスクにあります。このように言うと、「アパートもマンションも空室リスクは同じではないのか」と思われるかもしれませんが、実は大きく異なります。その理由が「用途地域」です。

国や地方公共団体は、都市計画を策定する際、エリアごとにその特色を定めることができます。例えば、閑静な住宅街のあるエリアには高いマンションを建てないようにしたり、駅前に大きな商業施設を優先的に建てさせたり、といった決まりがこの「用途地域」です。これが定められると、当然駅前には高層マンションなどの高い建物が建つようになり、戸建住宅や木造アパートはどうしても駅から遠い地域に建てざるを得なくなります。その結果アパートは、どうしても賃貸ニーズの低い地域に多くなりがちになり、空室リスクがマンションと比べて高くなってしまうのです。

このような法令上の制限の観点から見ても、マンションと木造アパートには空室リスクに大きな差があると言えるでしょう。

リスク②:建物老朽化のリスク

アパートの二つ目のリスクは、ずばり建物老朽化リスクです。これは非常にイメージしやすいかと思いますが、マンションの場合は構造がRC(鉄筋コンクリート)ということもあって非常に長持ちします。法律上の耐用年数は47年と定められてはいるものの、維持管理をしっかりと行うことで60~70年以上使用することが可能です。そのため、例え中古マンションを購入したとしても、すぐに建物が崩壊するといった可能性はかなり低いと言えるでしょう。一方で木造アパートの場合、法令上の耐用年数で見ても22年とマンションの半分以下の期間で、さらに雨漏りやシロアリといった重大な問題が発生する恐れもあります

さらに、建物管理の観点で考えてみても、マンションではほとんどの場合管理会社に建物の維持管理を任せているため、管理費は取られるもののプロの手によってしっかりとした計画のもとに運営がなされています。一方でアパートの場合、オーナーが自主管理をしているケースが多く、どうしても管理の目が行き届かない範囲が生まれてしまうことがあります。その結果、気づいた時にはすでに手遅れの状態だった、というケースも実際に起こっているのです。

こうした老朽化リスクは、アパートへの投資において避けては通れない問題点となっています。

リスク③:景気リスク

3つ目のリスクは、ややマクロ的な観点とはなりますが、景気に大きく左右されるという問題です。不動産は大きく土地と建物に分かれますが、その内土地の価値というものはその国の経済状況によって大きく変動していきます。国が毎年各エリアの基準となる路線価を公表し、それを基準に取引の価格が形成されているため、バブル期に日本の土地価格が急激に高騰したことも、当時の景気が急激に上向いていたことが要因となっています。実はこのに連動した土地価格形成が、木造アパート投資の大きなリスクとなっているのです。

区分マンションを購入すると、そのマンションが建っている土地の権利も保有することになりますが、土地を各区分所有者で分割して所有するため、その持分は非常に僅かなものとなります。したがって、例え土地価格が変動したとしても、その資産性にそれほど変わりはありません

一方でアパート投資の場合、その物件が建っている広い土地を全てオーナーが所有する形となるため、所有資産における土地の比率が大部分を占めることになります。その結果、その資産価値は土地価格に大きく左右されることになり、それはつまり景気によって左右されるということなのです。

もちろん、今後日本の景気が大幅に上昇することを期待して、土地値の上昇とともに売却しキャピタルゲイン(売却益)を狙うという戦略があるのであれば話は別ですが、東京オリンピックが終わった後の景気減退が囁かれる昨今の状況においては、あまり現実的ではないでしょう。こういった景気の変動に伴う資産価値(特に土地価格)の変動リスクは、アパート投資において大きな敵であると認識すべきです。

まとめ

ここまで、木造アパート投資の3大リスクについて見てきました。もちろん冒頭で述べた通り、木造アパートだからこそ享受できるメリットがあることも確かです。区分マンション投資では得ることのできない多額のキャッシュフローを見込んで投資を検討されている方も多いかと思います。

しかし、旨みが多い分危険性があることもまた事実です。数千万〜数億円という高額資産を運用するという特性上、一度のミスが命取りとなりかねません。だからこそ、今回述べたようなリスクをしっかりと認識し、もう一度自身の投資スタイルの見直しをして行く必要があると思います。

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