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どこを見る?金融機関に共通する審査のポイント

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不動産投資をされる方の多くが、購入時に金融機関からの融資をご利用されるかと思います。不動産投資は、大きな額の物件を、レバレッジをかけて運用することで利益を得ようとする投資手法ですから、その資金の調達方法はかなり重要な要素となります。

実際、「融資を制する者は不動産投資を制する」という言葉もあるぐらいで、いかに条件良く融資を引けるかは、購入後のキャッシュフローや、売却時の現金化のしやすさに大きく関わってきます。

しかしながら、よほどの経験をお持ちの方でない限り、各金融機関の条件について詳しく知っている方は多くないと思います。というのも、金融機関といってもメガバンクや地方銀行、信用金庫や農協など数多くの機関が存在しますし、それぞれの金利や融資機関、融資審査のスタイルに精通することは非常に困難だからです。

もちろん、全ての金融機関の条件を網羅的に記憶することはほとんど不可能といってもいいでしょう。一方で、ほとんどの金融機関に共通する「審査基準」が存在することもまた事実であり、この基準を知っておくだけでも、「自身の属性から逆算して、どのくらいの物件が買えるのか」といった戦略を立てることができるようになります。

そこで本記事では、ほとんどの金融機関に共通する審査基準について詳しく解説するとともに、その理由についても金融機関の目線からお伝えしたいと思います。

融資審査で見られるポイントとは?

それではまず、多くの金融機関が共通して見るポイントについて説明していきたいと思います。そのポイントは、以下の通りです。

  • 年齢
  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • エビデンス
  • 借入額

年齢は融資の可否や期間に大きく関わる

やはり、まず審査の対象になるのはその方の年齢ではないかと思います。「不動産投資は、物件の入居者が代わりに返済してくれるのだから、オーナーの年齢は関係ないのではないか」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、金融機関は最悪の事態を想定し、「物件が空室になったとしても、その方の本業の収入で返済をすることはできるのか」といった目線で審査を行います。したがって、すでに定年退職された60代、70代の方には、ほとんどの場合融資をしてくれる金融機関はありません。

また、現在定職に就いている方であっても、融資期間をどれだけ長く伸ばせるかは、現在の年齢と大きく関わってきます。多くの金融機関では「完済年齢」を定めており、「◯◯歳までに返済を完了する」といった規定が存在します。

例えば、ある投資家の年齢が50歳だったとします。その方が、完済年齢75歳と定める金融機関に融資申込を行ったとすると、融資期間は最大でも25年間になります。一方で、30歳の方が同金融機関に申込を行うと、35年〜45年の融資も可能となるのです。

このように、年齢は融資の可否や期間に、大きく関わっています。

年収が高いほど評価が上がる

二つ目のポイントとして、その方の年収は審査の際に大きな要素となります。例えば年収が1,000万円以上ある方であれば、多くの金融機関の融資の可能性が高くなる一方で、年収が100万円に満たないパート・アルバイトの方の場合、相当の預貯金や資産がある場合を除き、融資を引くことは難しいでしょう。

もちろん年収は高ければ高いほど金融機関の評価が上がるのも事実です。しかしそれ以上に、勤務先の情報は大きなポイントとなります。

勤務先は公務員か上場企業がベスト

3つ目のポイントは、その方の勤務先情報です。実は、金融機関は年収以上に勤務先に着目します。というのも、金融機関からすると「年収が1,000万円あるが、経営が怪しい企業に勤める人」よりも「年収は500万円で、安定した上場企業に勤める人」の方を評価しているからです。

その意味で、一番評価が高いのは公務員の方ということになります。というのも、公務員は国から給与が支給されているわけですから、国が破綻しない限り、安定していると考えられるためです。それに次いで、上場企業の会社員、非上場企業の会社員、自営業という順で評価がなされています。

参考サラリーマンや公務員が不動産投資に向いている4つの理由

勤続年数は3年以上

4つ目のポイントは、その方の「勤続年数」です。実はこの勤続年数は多くの方の盲点なようで、「年収の高い会社に転職したので、不動産投資をしてみたい」と考える方も多くいらっしゃいます。しかし、勤続年数が短い場合、融資を引くことはかなり難しくなります。

というのも、勤続年数が数ヵ月の場合、金融機関からすると「この方は、しっかりと同じ会社に長く勤務することができるのだろうか」と疑問視されるケースがあるためです。そういう意味でも、長く安定した勤続をされている方のほうが、高い評価を得ることができます。

ちなみに、必要となる勤続年数は金融機関によって違いがありますが、源泉徴収票が3期分あれば(つまり、勤続3年以上であれば)、勤続年数のせいで融資に落ちることはほとんどないといっても良いでしょう。

エビデンスはなるべく多いほうが良い

5つ目のポイントは、その方のエビデンスの内容になります。エビデンスとは、「金融機関に見せることのできる預貯金、株式などの資産額」という意味で、その方の資産的な余裕や安定を示す材料となります。

先日のスルガ銀行の事件の際に、エビデンス改ざんで大きな問題となりましたが、それだけ融資審査において、エビデンス額は大きな要素となっています。

エビデンスを見せることで、その方がしっかりとした資金計画を組むことができるのか、浪費癖はないかといった点を金融機関に評価されます。たとえフルローンやオーバーローンを組む場合であっても、なるべく多いエビデンスを保有していることで、融資の審査に通りやすくなることでしょう。

借入が既にある場合は返済比率に余力があるか

そして6つ目、最後のポイントが、その方の借入内容です。どれだけ勤務先が安定していて年収が高かったとしても、借入が数億円ある場合にはこれ以上の融資を望むことは難しいでしょう。一方で、年収が500万円前後の方で借入がない場合には、返済余力が高いと見なされ、融資も引きやすくなります。

その際、重要な指標となるのが「返済比率」という指標です。これは、年収に占める返済額の割合を表すもので、その値によって「その方が余裕を持って借入を返済できるか」を判断することができます。返済比率の計算はやや複雑なので、実際のケースで説明していきましょう。

例えば、年収600万円のサラリーマンが、既存の借入として住宅ローンを組んでおり、毎月の返済額が8万円だったとします。その場合、一年間の返済額

8万円 ✕ 12ヵ月 = 96万円

となります。

そして、その96万円を年収の600万円で割ると、

96万円 ÷ 600万円 = 16%

となり、現段階での返済比率は16%となるのです。

この方が、返済比率の上限を40%と定めている銀行で借入したいと考えた場合、理論的には

40% − 16% = 24%

の余力があります。年収の24%が余力として残っているということは、

600万円 ✕ 24% ÷ 12ヵ月 = 12万円

つまり、毎月更に12万円の返済を追加することが可能ということになります。

もちろんこれは理論値ですので、実際にはその方の勤務先や年齢、エビデンスによって融資額は変動しますが、大枠ではこの返済比率計算によって、融資額が決まります。この返済比率は、融資を引く上で非常に大切な概念ですので、不動産投資を検討されている方で既存の借入がある方は、ご自身の返済比率をしっかりと把握しておくようにしましょう。

まとめ

ここまで、融資審査における金融機関の共通の審査ポイントについて見てきました。年齢や年収、勤務先など、明らかに重要だとわかるポイントもある一方で、勤続年数や返済比率など、あまりよく知られていない審査ポイントが存在することも分かって頂けたと思います。

冒頭でも述べましたが、「融資を制するものは、不動産投資を制する」という格言がある通り、資金調達は投資における最も重要なポイントの一つです。

もちろん金融機関によって独自の審査基準を設けているところもありますが、それに先立って共通の審査ポイントをしっかりと把握することにより、「自身の属性はどうか」「どれくらいの借入が可能なのか」といった目安にすることが可能です。

しっかりと自身の属性を振り返り、金融機関がどのような視点で審査しているかを深く理解することで、より良い融資条件を引き出すための糧にしていってもらえればと思います。

この記事の執筆者: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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