銀行を使って物件を買う時の流れとは?ステップごとに解説!
- 更新:
- 2021/09/10

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銀行で借り入れするメリットは低金利・団体信用生命保険が用意されており、はじめての方でも安心して申し込むことができる点です。ただ、不動産投資の場合、個人で好条件の融資を受ける事は難しいと考えておくと良いでしょう。
なので、より好条件で融資してもらえるよう事前にリサーチが必要になってきます。ここでは、不動産投資における融資について学んでいきましょう。
不動産投資用のローンの種類
不動産投資ローンにはアパートローンとプロパーローンの2種類があります。
①アパートローン
アパートローンは、審査基準や融資条件が下から決まっているパッケージ商品です。不動産の保証会社が付いているケースが多く、すべての審査をクリアすれば融資を受けられます。基準がしっかりしているため、審査スピードは速い方ですが、一方で条件を1つでもクリアしていない場合、審査落ちしてしまうという厳しい面もあります。
②プロパーローン
プロパーローンは一般事業向けの融資で、不動産投資用のローンとして利用できます。こちらは保証会社がなく、銀行それぞれ独自の審査基準を持ち、融資を行っていきます。審査基準が定まっていないため、アパートローンと比べると融資までの時間が長いですが、企業並みに好条件で融資を受けられる可能性が高いです。
金利も、個人の属性や経済力によって個別に設定してくれるので非常にありがたいローンです。
不動産投資用のローンの借り入れ方法
不動産投資用のローンの借り方には3種類あります。
①一般的なローン
物件価格から頭金や初期費用を引いた残りの金額を借りる
②フルローン
頭金なしで物件価格全額を借りる
③オーバーローン
物件価格 + 購入にかかる初期費用全て(不動産所得税、登記費用、仲介手数料、印紙税等)を合算した全額を借りる
この3種類の中から自分に合った借り入れ方法を選ぶのですが、借り入れ金額の目安は年収10〜20倍程度といわれています。
※銀行や、本人の属性・物件の価値によって一人一人融資金額は変わってきます。
銀行融資を受けるときに気をつけるべき注意点
銀行で不動産投資用のローンを受ける際、主に3つのことを中心に審査されます。
①個人の属性
年収や会社情報、勤続年数など収入状況を見ます(安定した返済ができるか)
なので上場企業の役員や医師、公務員、士業などは有利とされています。
ただし、銀行によっては人柄を見るところもありますし、家族構成や借り入れ状況まで総合的に見て判断することもあります。審査する側も「信用できる人に貸したい」と思うのは当然なので、融資の相談に行く際は遅刻しないことや身なり、言葉遣いまでしっかり意識して臨みましょう。
②自己資金額
銀行の融資審査基準には、自己資金の多さを重視する傾向があります。
2019年に金融庁が出した「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査」によると、3分の1以上の案件で、頭金を求めていると答えた金融機関は、信用金庫・信用組合で67%。銀行はなんと88%にものぼりました。
資金ショートの恐れや、返金比率などあらゆるリスクを考慮すると、自己資金が多ければ多いほど、銀行からの評価は高くなります。
※返金比率は50%以下が不動産投資における「安定運用」の目安であり、頭金を多く入れることでこの返済比率を下げることが可能です。
③物件の担保価値・収益性
不動産投資用ローンの返済資金は主に家賃収入です。
そのため万が一ローンの返済が厳しくなった際は、銀行は担保としている不動産を売却してローンの残債に当てることができます。
なので、銀行側は収益価格と積算価格から物件の担保価値を算出し、審査基準にしています。
※プロパーローンの場合、自身の属性が低くても物件価値が高ければ、交渉次第で融資がおりる可能性もあります。
どんな銀行を選ぶべき?選択の幅はある?
不動産ローンの選択肢としては5つの金融機関があります。
- ①都市銀行
- ②地方銀行
- ③信用金庫・信用組合
- ④ノンバンク
- ⑤日本政策金融金庫
そのうち銀行に焦点をあてて見てみましょう。
都市銀行
- 金利1%前後(低金利)
- 長期借入可能だが審査が厳しい
- 新築や築浅物件向き
- 担保価値の高い物件向き
- 金利1.5〜4.5%
- 銀行によって融資制度が異なる
- 新築物件向き
- 古い物件なら高利回り物件向き
地方銀行
新築のアパート、マンションや都心部の区分マンションを購入する際には都市銀行をお勧めします。キャッシュフロー重視なら、多少金利が高くても地方銀行を活用するのも良いでしょう。このように、手にしたい物件と自身の属性、今後の展望などを加味し、判断するという点では幅広い選択の余地があると言えます。
不動産投資と切っても切り離せないのが、ずばり「銀行」です。銀行の融資の成功は、不動産投資の最初の成功であると言っても過言ではないでしょう。
一方で、ほとんどの方が銀行のことについてあまり知らないというのが現状です。いくつか投資用不動産をもっている方であったとしても、全ての流れを不動産業者の担当者に任せているため良く分からない、という人も多いのです。
しかし、2018年に発生したスルガ銀行のかぼちゃの馬車の事件からも分かるように、銀行のことを一切知らずに不動産投資を始めるのは、ある意味リスクであるとも言えます。というのも、銀行はあくまで自社の利益を追求する団体であり、決してボランティアの慈善団体などでは無いからです。
ここからは、実際に投資用不動産を銀行融資を使って購入する際の流れと、注意すべきポイントなどについて解説を行っていきたいと思います。
投資用ローンを借りる際の流れとは?
それでは、銀行からローンを借入するときの大まかな流れについて、その一つ一つを詳しく見ていきたいと思います。大きなイベントとしては、以下の通りです。
- ①不動産業者によるヒアリング
- ②事前審査・事前承認
- ③契約
- ④本申し込み・本承認
- ⑤金銭消費貸借契約
- ⑥引渡・決済
以下で、解説をしていきたいと思います。
①:不動産業者によるヒアリング
借入をして不動産を購入したい、と考えた際にまず一番最初にやることは、不動産業者との打ち合わせです。その時、「あなたはどういう物件が欲しいのか?」ということはもちろん聞かれますが、それ以上に大事なのが「属性情報」です。
というのも、どれだけお客様が買いたいと希望をしても、銀行が通らなければその時間が無駄になってしまう可能性が高いからです。その為、不動産業者はお客様から属性情報を聞いておき、各銀行にその方の利用可能性についてヒアリングをしておくのが一般的です。
そのヒアリングでは、銀行の担当者と連絡をとってその方の情報を伝えたうえで、「おそらく通りそう」という回答をもらえれば、次のステップに進むことが出来るのです。
次のステップ、それは銀行による事前審査と事前承認です。
②:事前審査・事前承認
最初に不動産業者による銀行担当者へのヒアリングがなされ、通る可能性が高いという回答があった場合には、次に「事前審査」というステップに進みます。
事前審査とは、実際にお客様の属性情報を示す書類を銀行担当者に提出し、更に「借入申込書」への記入・捺印を行います。これによって初めて銀行は、正式な審査に入ることが出来るのです。
ちなみに、事前打診に必要な書類は、主なものとして以下の通りです。(銀行によって異なります)
- 源泉徴収票
- 身分証、保険証のコピー
- 確定申告書の写し
物件を保有している場合
- 借入返済表
- 賃貸借契約書
- 謄本
これらの書類の準備ができ、申込書を記入すると、いよいよ事前審査の開始になります。これも銀行によりけりですが、早いところだと数日以内、遅くても2~3週間の間には事前打診の結果が通達されます。
もしここで、融資が難しいという回答があったならば、これ以上その銀行で融資を望むことは難しいでしょう。一方で、事前承認の連絡があった場合には、契約という次のステップに移ることができるのです。
③:契約
事前審査を通過し、無事事前承認が下りた後は、契約というフェーズに入ります。契約では、宅建士による重要事項の説明があり、その後署名・捺印という流れで進行をしていきます。
基本的に、契約では不動産業者の担当者とのやり取りとなるため、銀行が間に入ることはあまりないのですが、一点だけ大事な点があります。それが「融資(ローン)特約」という特約です。
融資特約とは、簡単に言うと「融資が通らなければ、契約を破棄します」という定めのことを言います。よくいただく質問に「すでに銀行から事前承認をもらっているのに、融資が通らないなんてことはあるの?」というものがあります。
それに対する回答としては「あくまで事前承認なので、融資が通らない可能性もあります」とお伝えしています。
というのも、銀行の審査には大きく分けて2つの段階が存在し、事前承認 → 本承認という流れがあります。そしてこの本承認が下りない限り確実に融資が通るということは言えないのです。
したがって、たとえ事前承認を得ていたとしても、融資特約はつけてもらったほうが確実であると思います。
④:本申し込み・本承認
物件の契約を締結した後は、いよいよ本申し込みの段階に入ります。内容は、基本的に事前審査と変わらないのですが、提出する書類がやや異なります。具体的には以下の書類が必要となるケースが多いです。
- 住民票
- 印鑑証明書
- 課税証明書
- 納税証明書
上記資料は、一括りに公的証明書と呼ばれます。要は、事前審査で銀行側に提出された資料が、役所から発行される公的証明書と相違がないかを照合しているのです。
晴れて本審査に通過すると、本承認を得ることができます。これにより、融資を組むことが確実となります。
本承認が下りたのちは、銀行との契約、すなわち「金銭消費貸借契約(通称:金消)」を締結する段階に入ります。
⑤:金銭消費貸借契約
銀行の本承認が下りたら、次は銀行との金銭消費貸借契約を行います。
基本的には融資先の銀行で行われることが多いのですが、場合によってはお客様の勤務先に近くの喫茶店などで行ってくれる銀行も存在しています。
金消では、まず銀行の担当者から今回の融資の内容に関する説明があります。金利や、融資期間、購入する物件の内容が間違っていないかなどの確認を経て、署名捺印を行います。
また、同時に所有権移転・抵当権の設定を行う司法書士がこの時同席するケースも多く、その際には顔合わせだけでなく、登記の委任状への捺印を行うこととなります。
金銭消費貸借契約が無事済めば、いよいよ引渡・決済に移ります。
⑥:引渡・決済
銀行との金消が終わると、数日~数週間空けて、決済に入ります。当日は、朝の時点で銀行からお客様の指定銀行口座に融資金が振り込まれているので、まずその入金を確認し、その後売主の口座に金額の振り込みを行うこととなります。
場所は、一般的には不動産会社の事務所か、振り込みを行う銀行の会議ブースで行うことが多く、そこは不動産業者や司法書士との調整が行われます。決済日は意外と時間もかからず、早い時では数十分程度で決済を完了して解散、というケースもあります。 決済が完了し、司法書士の移転登記が済むと、無事にお客様が不動産のオーナーとなることができるのです。
まとめ
ここまで、実際に投資用不動産を購入する際の流れを、一つ一つ解説してきました。不動産をまだ持たれてない方にとっては、「こんなに複雑なのか」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、実際にはこの流れのほとんどの調整は不動産会社の担当者が行うため、お客様が行うのは署名・捺印だけということも多くあります。
不動産を購入する際には、これだけのステップを踏み、多くの関係者がいるんだ、ということを感じ取っていただけたらと思います。
冒頭でも述べたように、融資の成功は不動産投資の成功と言っても過言ではありません。
- 銀行から借り入れをする際の流れについてしっかりと理解するようにしておきましょう。