不動産投資の融資審査に必要なプロフィールシートとは?融資面談の対策についても解説!
- 更新:
- 2022/04/28

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不動産投資を成功させるには、金融機関による融資審査の攻略が不可欠です。融資という他人資本を活用できるのが不動産投資の強みであり、自己資金で買える物件には限りがあるためです。
また、金融機関によって金利の割合が変わる点にも注意が必要です。金利が変われば月間のローン返済額も変わり、家賃収入から返済額を差し引いた月々の収益も変わります。すなわち、金利の差によって投資計画に大きな差が生じます。金融機関からの融資審査を攻略することで、可能な限り金利が安く、大きな額の融資を受けられるようになります。
融資審査を攻略するには、申込者のプロフィールシートの作成が不可欠です。この記事ではプロフィールシートに記載する内容や、プロフィールシート以外に準備する事柄をご紹介します。
プロフィールシートとは
プロフィールシートとは、申込者に関する情報が記載された書類のことです。基本的にはA4サイズ1枚に収まる形で作成します。金融機関が融資を検討する際に参照する項目が記載されており、当人の属性が分かることから「属性票」とも呼ばれています。
属性とは具体的に、「年齢・職業・勤務先・雇用形態・勤続年数・年収・他社からの借入状況など」を指します。これらの内容が記載されたものがプロフィールシートです。
プロフィールシートがあることで、属性に関する情報を簡単に金融機関に示せるというメリットがあります。融資の審査は申込時に対面する担当者だけでなく、行内の担当部署によって精査されます。担当者は行内に共有する資料を作成する必要があるため、プロフィールシートがあれば過不足なく担当部署に情報が共有されます。
特に地方銀行や信用金庫は申込者の属性だけでなく、「不動産投資家に向いているか」という人柄の部分も考慮する傾向にあります。自身の情報が端的にまとまった資料を作るということは、「しっかりした人」という評価にもつながります。
プロフィールシートに記載する内容
プロフィールシートの役割やメリットについて触れたところで、実際にプロフィールシートに記載する内容をご紹介します。先述のとおりA4サイズ1枚に収まるのが理想的なため、情報が端的に伝わる形で項目ごとにまとめましょう。
個人についての基本情報
氏名・性別・生年月日・年齢・住所・電話番号を記載します。また、現在の住まいが持ち家か賃貸かを記し、賃貸であれば月々の家賃の金額も記載するとよいでしょう。
家族についての情報
自身の家族の氏名・続柄・同居の有無・生年月日を記載します。勤務先や年収も記載すると、家族単位での支払い能力の評価につながるため、可能な限り詳細に記入しましょう。
家族の勤務先に金融機関から電話が行くことはよほどのこと(家族を連帯保証人とし、申込者の融資返済が滞り、申込者本人も家族も連絡が取れない場合など)がない限りあり得ませんので、なるべく当人の同意を得て記載することをオススメします。
勤務先の情報
職業・業種・社名・職種・部署・役職名・住所・勤続年数を記載します。属性の評価に関わるため、勤続年数は忘れずに書くようにしましょう。また、上場企業は評価に有利に働くことから、上場企業であれば上場の有無と上場先を記載するとよいでしょう。
直近3年間の年収
勤務先からの給与年収と、副業があれば副収入を合算した年収を直近の3年分記載します。年収について分かる資料(後述します)も金融機関に提出するため、正確な金額を記入しましょう。
一般的に、会社に勤めている人の「年収」とは、源泉徴収票における「支払金額」に記載された金額を指します。また、年収から「給与所得控除額」を差し引いた金額を「所得」、さらに所得から「源泉徴収税額」・「社会保険料等の金額」を差し引いた金額を「手取り」と呼びます。
副業や個人事業における「年収」は定義が曖昧ではありますが、一般的には年間の売上から経費を差し引いた金額を指します。会社に勤めながら別の事業で収益がある方は、双方の年収を合算した金額を書くようにしましょう。
保有している不動産
保有している不動産がある方は、不動産の名称・種類(一棟マンションなど)・構造(木造など)・所在地・土地面積・延床面積・築年月・購入金額・残債を書きます。保有している物件の詳細資料は別途用意する(後述します)ため、プロフィールシートでは不動産の基本的な情報だけでかまいません。
保有している金融資産
預貯金・外貨・株式・投資信託・債券・掛け捨てではない生命保険・確定拠出年金といった金融資産を可能な限り書き出します。また、親族の金融資産があれば先々の相続の可能性を示せるため、分かる範囲で洗い出すことをオススメします。
金融機関から融資される金額は、申込者の年収だけでなく保有資産の累計の評価額によっても変化します。書き忘れのないようにしましょう。
プロフィールシート以外に準備するもの
金融機関に申込をする際は、プロフィールシート以外にも必要な持ち物があります。プロフィールシートに対応するもの(プロフィールシートに記載した内容を証明できる書類)も用意する必要があるため、直前になって慌てることのないよう確認しておきましょう。
身分証明書
申込者の顔が分かる身分証明書と健康保険証を持参しましょう。身分証明書は運転免許証が一般的ですが、免許証がない方はパスポートやマイナンバーカードで代用が可能です。また、身分証明書と健康保険証は本体と両面のコピーを持参するようにしてください。
職務経歴書
申込者の職歴が分かる職務経歴書を持参します。特に、プロフィールシートに記載した勤続年数と整合性があることを確認しましょう。
直近3年間の源泉徴収票・確定申告書類
会社に勤務している人は源泉徴収票、個人事業や副業をしている人は確定申告書類を提出します。プロフィールシートに記載した3年間の年収を証明する形で、双方の資料を3年分用意します。
確定申告書類は本人向けの控えではなく、提出した書類の写しを持参するようにしましょう。また、申告書の第一表のみなど一部ではなく、提出書類一式の写しを用意します。確定申告書類の写しは税務署で発行できるため、前もって準備することをオススメします。
保有物件についての資料
不動産を所有している場合は、物件についての資料を用意します。具体的には販売図面・謄本・返済予定表・管理会社からの送金明細書を指します。
また、プロフィールシートに購入金額や残債を記載しているため、保有物件についての収支を示す資料も用意するとよいでしょう。不動産投資の収支を示す資料とは、決算書のことです。賃借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3点は「財務三表」と呼ばれ、決算書の代表的な書類に位置づけられています。
法人化していないサラリーマン投資家であれば決算書の作成は義務ではありませんが、新たに融資を受ける際に提出が求められます。投資実績を示して2件目・3件目と拡大することが不動産投資の利益や安定性の向上につながるため、すでに不動産投資を始めている方には決算書の作成をオススメします。
金融資産についての資料
プロフィールシートに記載した金融資産について、金額や預入先が分かる資料を用意しましょう。たとえば株式であれば、証券会社から送られる取引報告書や配当金計算書により、株式の取得価額や取得時期、配当金額を証明することができます。
購入を検討している物件の資料
金融機関の融資審査には物件の価値や収益性が考慮されるため、購入したい物件を定めてから審査を受けるようにしましょう。購入を検討する物件についての資料は、基本的には不動産会社が用意することになります。具体的には物件概要書・謄本・公図・測量図が該当します。
物件の運用計画書類
購入費用・空室率・実質利回り・運営上起こりうる問題と対策・金融機関に希望する金利と借入年数を記載した運用計画書類を作成しましょう。空室率や修繕費用(実質利回りの計算に用いる)は想定のものになるため、シミュレーションとして収支を記載します。金融機関は「貸したお金が返ってくるか」を検討するため、ローンの借入年数分の運用計画を立てることをオススメします。
面談対策として準備しておく内容
プロフィールシートや必要書類を揃えたら、融資審査の準備は8割ほど完了したと見てよいでしょう。残りの2割は、融資面談への対策です。
金融機関は「本当にこの人にお金を貸して大丈夫か」という面を対話を通して判断するため、申込者と面談をおこないます。この融資面談で聞かれる内容を想定しておき、受け答えを準備しておくことでスムーズに面談を進められます。信頼できる投資家と判断してもらうためにも、しっかりと面談対策をしてから審査に臨むようにしましょう。
不動産投資を始めた経緯
基本的に、不動産ローンの返済は数年~数十年単位の長期にわたります。金融機関は申込者と長期的なお付き合いができるか判断するため、不動産投資を始めた経緯を問うことがあります。
応答としては、申込者自身の意思で能動的に不動産投資に取り組んだことを示すとよいでしょう。何を見て(誰からの勧めで)不動産投資に興味を持ち、自分なりに何を調べて、どこに連絡し、どのような手続きを進めて融資の申し込みに至ったかのストーリーを示せれば問題ありません。申込者の能動性や思考力が担当者に伝わることで、審査に有利に働きます。
不動産投資に関する準備や実績
不動産の運用経験がすでにある人は、所有物件の運用実績を示すようにしましょう。運用経験がない人は、図面の作成や経理(管理会計や財務)など、不動産経営にプラスになるようなスキル・職歴をアピールするとよいでしょう。不動産経営に関わるスキル・職歴がなければ、その旨を正直に伝えます。
また、物件選びや内見など、物件の購入に向けて準備した事柄が聞かれることもあります。質問を通して「なぜその物件を購入したいと思ったか」が問われていると考え、物件のどういった箇所が選択の決め手になったか、どの部分に注意して内見をおこなったかを応答に含めるとよいでしょう。
投資全般に関する実績
不動産投資の経験がない人には、「ほかに投資経験はありますか」といった質問がされることがあります。不動産とは関係のない投資でも、実績があれば臆せずアピールするとよいでしょう。
上記の項目と同様、担当者は申込者の能動性や思考力を見ています。「なんとなく話題だったからビットコインを買ってみた」といった返答ではなく、「こうした部分でビットコインに魅力を感じ、手元資産〇〇円の中から××円を投資した」と具体的に答えるようにしましょう。具体的な金額を示すことにより、計画的で無理のない投資をする人物であることを相手にアピールすることができます。
その金融機関を選んだ理由
就職時の面談とも重なりますが、「なぜこちらの金融機関を選んだのか」を問う担当者もいます。自身や親族が口座を持っていたり、自宅や物件から本店が近いことなどが妥当な理由となります。
家賃収入が想定より下回ったらどうするか
信頼できる投資家であるかを判断するため、イレギュラーな事態への対応が問われることもあります。家賃収入の減少に対しては「自己資金や本業の収入から切り崩す形でローン返済を継続します」といったように、想定外の出来事があっても返済を滞らせない意思を示すとよいでしょう。
まとめ
今回の記事では、金融機関による融資審査を通過するための準備について、プロフィールシートを中心に解説しました。プロフィールシートに記載した収入や資産についての証明書が持ち物にあるように、プロフィールシートを中心に組み立てることで不足なく準備することができるでしょう。
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