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どうなる!?恒大集団問題について徹底解説!

恒大集団, 問題

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ここ最近、中国の大手不動産会社である恒大集団の経営危機問題が取り沙汰されています。特に、2021年8月頃から、恒大集団が債務不履行(デフォルト)に陥るのではないかとの噂が飛び交い、「とうとう中国不動産バブルが崩壊するのか」との話も出てきています。

9月23日の社債の利払いを一旦は終えたこともあり、一時的に楽観的な見方も出て来てはいるものの、未だにこの巨大グループの倒産の危機は継続しているといっても差支えないでしょう。

恒大集団について改めてまとめると、同社は1996年、創業者である許家印によって広東省で設立されました。設立当初は10名程度の規模であったにも関わらず、そこから僅か25年で、年間売上5,000億元(日本円で約8兆円)、従業員約20万人という超巨大企業にまで成長をしました。

恒大集団がここまで急速に企業規模を拡大することに成功出来たのは、代表の許氏の経営手腕は勿論のこと、1990年代後半から始まった中国の不動産市場の成長と、時勢に乗って借入金によるレバレッジを上手く活用したことが大きいと言われています。実際、1996年の創業後、恒大集団は急速に土地の取得とM&Aを推し進め、2021年現在では、日本円で約34兆円の負債を抱えるにまで至りました。その結果、当社が現在保有している土地は、なんと東京23区の3分の1規模にまで上るとされています。

そこで本記事では、そもそもなぜ、恒大集団がこのような未曽有の経営危機に陥ってしまったのかについて解説をしていきたいと思います。また、今後の中国不動産市場の動向について、過去の日本のバブル崩壊と比較しながら見ていきたいと思います。

恒大集団はなぜ経営危機に陥ったのか

本章では、僅か25年ほどの短期間で会社規模を急拡大させた恒大集団が、なぜ突然経営危機に陥ってしまったのか、その理由について解説をしていきたいと思います。

恒大集団が経営危機に陥ってしまった理由を解説するにあたり、まず最初に中国の不動産市場についてお話をする必要があります。

中国の不動産市場について

中国の不動産取引における大前提として、国内の全ての土地が全人民所有制(公有制)であることは有名な話です。共産主義国家である以上、政府が土地を所有するという理屈なのですが、ではなぜ、国民は政府のものであるはずの不動産を売買できているのでしょうか。

実はこの問題は、中国の不動産市場が活発になったこととも大きく関係しており、時は1990年代半ばまで遡ります。中国は、政府の所有物である土地を取引対象とするため、日本の「定期借地権」の概念を導入することにしました。定期借地権とは、土地の所有権と使用権を切り離すことにより、他人の所有物である土地に建物を保有することを可能にした制度であり、有名どころで言えば、今年9月5日に閉館したお台場の「大江戸温泉物語」が挙げられます。同施設を運営する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ社は、土地を所有する東京都と事業用の定期借地権設定契約を結び、同土地の使用を行っていました。

この「定期借地権」の概念を1990年代半ばに導入した中国政府は、その後土地の使用権を払い下げ、そこから急速に都市開発が発展することとなったのです。その後の不動産開発のスピードは凄まじく、例えば2019年の中国国内の不動産投資額は約13.2兆元(日本円で約220兆円!)にも上りました。この額は、同年の中国の国内総生産(GDP)の約13%以上を占めており、どれだけ大規模な開発が行われていたかがお分かり頂けるのではないでしょうか。

一般的に、供給が増えれば価格が落ち着くというのが通常ですが、中国市場では逆に、不動産価格が高騰し続けてきました。不動産価格の高騰感を示すのに良く用いられる指標として、勤続者の平均年収に対する不動産平均価格の倍率があるのですが、東京の場合9~14倍程度(平均年収450万円とすると、4,050万円~6,300万円)なのに対して、中国の倍率はなんと50倍以上にも上ると言われているから驚愕です。これが「中国の不動産市場はバブルだ」と言われている所以なのです。

3つのレッドライン問題

上述の不動産市場の成長の波に乗り、恒大集団も大きく発展を遂げました。その際に、銀行からの多額の借入を行い、大きなレバレッジをかけて開発を行ってきたのです。その結果、2019年時点における恒大集団の負債額は約1.9兆元(日本円で約32兆円)にまで膨れ上がり、総資産2.3兆元に対する負債総資産割合は、約83%の水準にまで達したのです。

しかもこの驚くべき負債額は恒大集団だけの問題ではなく、中国国内の大手不動産デベロッパーの多くが、同程度の水準となってしまいました。この状況に危機感を覚えた中国人民銀行(中央銀行)は、2020年の夏に「3つのレッドライン」と呼ばれる財務指針を示し、この3条件を満たさない不動産業者には融資の制限措置を行うことを宣言しました。

その3つのレッドラインとは、①負債の対資産比率70%以下、②純負債の対資本比率100%以下、③手元資産の対短期負債比率100%以上、というものでした。上述の通り、恒大集団の負債の対資産比率は約83%であり、求められている水準に全く届いていないことから、融資の制限を受けることとなりました(③についても条件未達)。ある意味これが、現在も続く恒大集団の経営危機の発端であると言えるでしょう。結局このレッドライン以降、恒大集団の経営状況は急速に悪化の一途を辿ることとなりました。

中国政府の思惑と「共同富裕」

先に述べた「3つのレッドライン」問題と、それに伴う恒大集団の経営状況の悪化を見ると、「一体中国政府は何をしていたのか」と疑問に思うのも無理はないでしょう。というのも、大規模な不動産開発が中国の成長を下支えしてきたと言っても過言ではない中で、恒大集団のような大手不動産デベロッパーの衰退は、中国という国家にとって少なからず負の影響を与える可能性があるからです。

しかし実は、ここには非常に複雑な中国政府の思惑が渦巻いています。近年急速な成長を成し遂げてきた中国の国内において、「富める者はより富み、貧しきものはより貧しく」というような貧富の格差の拡大が顕著となった結果、富裕層に対する国民の不満が徐々に増加していきました。こうした国民の不満が、共産党の独裁体制に向くことを恐れた習近平は、「共同富裕」というスローガンのもとで、一部の富裕層を槍玉に上げることにより、国民の不満のガス抜きを行うこととしたのです。

「共同富裕」というスローガンは、実は習近平が考え出した概念ではなく、中国共産党の初代国家主席である毛沢東が、1953年に提唱したものであると言われています。自国の発展にとって重要な役割を果たしてきた不動産業界に対しての「総量規制」は、習近平にとっても苦肉の策であったことは間違いないでしょう。しかし、それ以上に共産党の求心力の低下だけは避ける必要があり、そのための手段として建国の父と謳われる毛沢東の思想を利用したと見られているのです。つまり、今回の恒大集団の経営危機は、ある意味中国政府によって「仕組まれた」ものであると言うことができるでしょう。

日本のバブル崩壊との比較

前章で述べた通り、中国恒大集団の経営危機は、富の二極化に対する国民の不満による共産党の求心力の低下を恐れた中国政府が、特に成長産業である不動産業界に対して恣意的に行った「総量規制」によるものでした。それでは、この状況は日本が過去に経験したバブル崩壊と比較して、どのような点が類似し、逆にどのような差があるのでしょうか。

まずは、かつての日本のバブル崩壊の経緯について見ていきましょう。

バブルの始まり

まずは1980年代前半にまで遡ります。当時、日本は戦後の混乱から完全に脱却し、積極的に自動車や電器製品などを輸出できるようになっていました。一方、アメリカは厳しい金融引き締めによって金利が上昇したためにドル高が進行し、結果として莫大な対日貿易赤字に苦しんでいました。当時、アメリカでは「ジャパン・バッシング」が横行し、経済不況の煽りを受けた労働者を中心に、日本車を破壊するなどのパフォーマンスまで行われたほどでした。

「ジャパン・バッシング」の一環として日本車を破壊するアメリカ人

引用1980年代半ばの日米貿易摩擦 ~ 日本車を打ち壊す労働者 ~

このような事態を重く受け止めたアメリカ政府は、1985年に有名な「プラザ合意」を、日本を含む主要各国と交わし、ドル高の是正に向けた国際協調を約束させました。

このプラザ合意の影響は非常に大きく、当時1ドル=235円であった為替相場が、翌年には1ドル=150円にまで変動したというのだから驚きです。日本からすると、この急速なドル安(=円高)によって輸出していた日本製品の国際競争力が一気に下がり、これまで躍進していた対米輸出が落ち込むようになりました。

この円高に懸念を示した日本政府と日銀は、公定歩合の引き下げといった低金利政策を行うことにより国内に貨幣を流通させ、円安方向にバランスを取ることを試みました。その結果、国内の銀行は一気に融資を拡大し、そのお金を企業や投資家は土地や不動産へと向かわせたのです。これが、後に「バブル」と呼ばれることとなる日本の好景気の始まりでした。

バブル崩壊へ

日銀の低金利政策により市場に大量に流入した資金は、企業による設備投資に使用され、その結果土地の価格が暴騰することとなりました。どのくらい暴騰したかというと、1985年当時の東京都の基準地価が62万円/㎡だったのに対して、1990年にはなんと302万円/㎡にまで上昇しました。当時、山手線内側の土地の価格が、アメリカ全土の地価を上回ったという話もあり、その凄さがお分かり頂けるかと思います。

参考土地代データ_東京都

とはいえ、この急激な日本の好景気は、中身のない「バブル」に過ぎず、儚くも潰えることとなります。不動産価格の上昇を懸念した日銀は、1990年初頭に総量規制を行うことを決め、各金融機関に融資の引き締めを行うよう行政指導を行ったほか、公定歩合を2.5%から6%にまで引き上げました。

またこれらの金融政策に加え、一定の広さ以上の土地に対して課税する「地価税法」の施行により、異常なまでに高騰していた不動産価格は、瞬く間に暴落することとなりました。この「バブル崩壊」の影響により、日本はその後長い不景気に悩まされることとなり、その後2010年代初頭までの「失われた20年」の道を歩むこととなりました。

恒大集団問題と、日本のバブルとの比較

ここまで、1980年代から1990年代初頭に日本が経験したバブル崩壊について、その全貌を解説してきました。ここで一つ、疑問として投げかけるべき問いがあります。それは「今回の恒大集団の経営危機を発端とする中国の財政状況悪化は、日本のバブル崩壊と同じなのか」という問題です。

勿論、両者は時代も違えば民族も異なっているため、すぐに「バブルは崩壊する」といった断定を行うことは困難なのは間違いありません。しかし一方で、両者の共通点と相違点をそれぞれ考察することは、今後の中国の不動産市況や、日本への影響を分析する上で有用であると思います。

まず、今回の恒大集団問題と日本のバブルとの間での共通点は、共にあるタイミングから不動産市場に一気に資金が流入したこと(中国:国有地の使用権の払下げ、日本:プラザ合意からの低金利政策)と、不動産価格の高騰を懸念した政府および中央銀行による総量規制の2点です。この2点の類似性は非常に高く、バブル時代を経験した多くの日本人が、恒大集団問題を見て過去のバブル崩壊を思い出したのではないでしょうか。

一方、両者の相違点は何でしょうか。これは非常に難しい問題で、先述の通りそもそも別の国家を比較している以上、相違していることは当然なのですが、そういった些末な問題を取り除いて考えると、おそらく本質的な両者の違いは政治体制の違いであると言えるのではないかと思います。

それはつまり、日本の場合には民主主義的な意思決定体制を有しているために、一部の企業のみを優遇するような政策が取りづらかったり、意思決定に要する時間が非常に掛かる一方で、中国の場合は共産党による一党独裁体制であり、党の息のかかった特定の企業への優遇や、スピーディな意思決定が行われやすい体制にあるという点です。

上記の相違点については、今の時点で両者に決定的な影響を与えているかは顕在化していませんが、この違いが今後、中国が過去の日本と同じバブル崩壊の道を進むのか、もしくは別の道を進むのかにどのような効果をもたらすかについては、注視していく必要があるでしょう。

まとめ

本記事では、ここ最近経営危機が取り沙汰されている中国の恒大集団問題について、そもそもなぜ同社がここまで規模を拡大することが出来たのかを、中国の不動産市場の始まりの歴史から振り返りました。また、類似の事件として1980年代に日本で起きたバブル崩壊の歴史を取り上げ、今回の恒大集団問題との共通点と相違点を比較、解説しました。

既に述べた通り、今回の中国の恒大集団問題は、場合によっては世界経済に大きな影響を与えかねない問題であり、その動静に目を凝らすことは、日本の不動産市場の趨勢を占う上でも非常に重要です。そのためにも、それぞれのファクターの裏にある歴史を知り、どのような思惑の上に目の前の事象が成り立っているのかを分析することが必要でしょう。

「この問題が今後どのように日本に影響するのか」「日本の不動産投資は大丈夫なのか」といった疑問がございましたら、是非弊社コンサルタントまでお問い合わせを頂けたらと思います。

参考和島英樹「中国恒大の破綻危機はなぜ起きた?予想される影響と今後の見通し」

参考高幡和也「「中国恒大集団」危機:中国不動産バブル崩壊で、日本でも暴落あるか?」

参考石平「恒大危機など序の口、中国不動産バブルの恐るべき深度と規模の全体像」

参考日本経済新聞「共同富裕とは 中国、成長の裏で格差拡大」

参考加谷珪一「中国、不動産バブル崩壊へ…だがそれは日本人が思う「バブル崩壊」ではない」

この記事の執筆者: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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