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【2024年8月最新】大阪万博の工事遅れ問題はなぜ起きている?7つの理由と3つの対策案まとめ

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「大阪万博の建設工事が遅れている」と昨年からテレビやネットニュースで話題となっており、気になって多くの方が調べています。数年前から大阪万博の工事が遅れる可能性は指摘されていたものの、開催まで1年を切った今、ことの重大さが明らかになってきています

そこで今回は、大阪万博の工事スケジュール遅れの問題が起きてしまっている5つの理由と、政府や万博協会が打ち出している4つの対策案をまとめました。大阪万博の実情が気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

工事スケジュール遅れ問題が起きている大阪万博とは?

工事のスケジュール遅れ問題が話題になっている大阪万博(関西万博)とは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(以下、万博協会)が主催する「2025年日本国際博覧会」です。国際博覧会(万博)とはざっくりいうと「2か国以上が参加する、人類の技術や芸術を発信する会」で、これまでにも建築・美術の分野を中心に、数多くの新たな流行を世界にもたらしています。

今回は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日 ~ 2025年10月13日の半年間、大阪・夢洲で開催。1970年にも大阪で万博が開催されましたが、その際の来場者数は約6,421万人と当時までの史上最高であったことから、2025年の大阪万博の経済効果にも期待が高まっていました。詳しい経済効果などについては、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

参考2025年大阪万博による経済効果は?不動産市場への影響まで解説

建物の工事を2024年7月、内装の工事を2025年1月までに完了させる予定だった

2025年の大阪万博は、すべての建物の工事を2024年7月までに、内装の工事を2025年1月までに完了させる予定で計画されていました。しかし、2022年末ごろから雲行きが怪しくなってきます。このころから、パビリオン(展示館)工事の入札不調が相次いだのです。

2023年7月13日時点で約3割しか着工していない

2023年7月13日の時点で、大阪万博の関連工事は全体の約3割しか着工していない状況でした。同年4月13日に着工式が行われたにもかかわらず、約7割はまったく進んでいません。約3割についても、あくまで「着工」しただけのため、2024年8月時点の進捗率としてはせいぜい10~20%というところでしょうか。

万博協会の石毛博行事務総長は「年内に着工すれば間に合う」と発言していますが、具体的なデータ等はなくその根拠は不明です。事実、海外パビリオンの計画書提出が遅れたなどの理由で、2023年度中にすべてを着工することは叶いませんでした

2024年7月10日現在も8か国の施工業者が未定かつ2か国が未着工

2024年8月14日現在も、8か国におけるパビリオンの施工業者が決まっていません。施工業者が決まってはいるものの、着工に至っていないのも2か国ある状況です。

同年6月中旬の段階では「12か国が業者未定・9か国が未着工」であったことを考えると、間違いなく進捗は良くなってきています。しかし、それでも当初のスケジュールよりはるかに工事は遅れており「100%開幕に間に合う」とはいえないでしょう。

会場の「夢洲」への工事車両の進入に大きな制約が発生するため、万博の開幕後に工事を受け入れるのは困難です。万博を成功させるには、工事を間に合わせることが「必須要件」となっています。

2024年3月に起きた「メタンガス爆発事故」で現場の安全性に疑問も

2024年3月28日、大阪万博会場の建設現場にて「可燃性ガスに工事中の火花が引火したことによる爆発事故」が発生しました。事故が起きた場所は、もともと廃棄物処分場だったとのこと。生ごみ等が腐敗すると可燃性のあるメタンガスが発生するため、これが爆発の原因になったとみられています。

幸いにもこの事故で死亡者やケガ人は出なかったものの、万博会場の安全性が新たな懸念点として浮上してきた状況です。万博工区には約80本にのぼるガス抜き管があると関係者は語っていますが、開幕までに可燃性ガスが出なくなる保証はどこにもありません

参考東京新聞

なお大阪府は万博に子どもを無料で招待する事業を計画しています。しかしこの爆発事故を受けて、保護者が200筆にのぼる署名を集めるほどの反対活動まで起きてしまいました。府としては「なんとしても参加者を募りたい」という思いがあることから、「安全性の検証」の面でさらなる工期遅れが発生することもあり得るでしょう。

参考毎日新聞

大阪万博の工事遅れ問題はなぜ起きている?7つの原因・理由を解説

大阪万博の工事遅れの理由としては、下記の7つが考えられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由①:建設費が高騰している

最大の理由として考えられるのが建設費の高騰です。もともと2025年大阪万博の会場建設費は、2005年に開催された愛知万博と2017年時点での物価上昇率の実績をもとに「1,250億円」と設定されていました。コロナ禍後から建設資材の価格をはじめ物価が高騰し、予算は2020年に600億円増の1,850億円に増加したのです。

しかし資材価格の高騰はとどまるところを知りません。一般財団法人経済調査会経済調査研究所の調査によれば、2024年6月時点の「建設資材価格指数」は、2020年比で142.1ポイント。つまり、2020年時点と比較して資材価格は平均1.4倍以上となっています。

これだけ資材価格が上がっていれば、もう当初の予算で進行するのはほぼ不可能です。建設会社は当然利益度外視の受注ができないため、今後さらに資材価格が高騰するリスクも考慮し万博関連の工事受注を回避する流れが出てしまいました。

理由②:海外パビリオンの計画書提出が遅れていた

50か国以上が自国で費用を出してパビリオンを建設しますが、2023年4月に着工してから、大幅に各国の「基本計画書」の提出が遅れていました。初めて計画書を提出したのは韓国で、それでも同年7月末のことです。

各国の計画書提出が遅れたのは「建設の受け手が見つからない」ことが最大の理由でした。この「受け手不足」が起きた原因は下記の3つです。

  • 2024年からの「残業上限規制」で工期に間に合わない可能性がある
  • 根本的にとび職(高所作業をする人)が足りない
  • 資材高騰で予算内に収まらない

つまり、人手もお金も足りなくなるリスクがあるため、日本の建設会社は受注を敬遠していた状況です。大手のゼネコン各社ですら、さまざまなリスクを加味して受注を避けていました。当時ネット上でも騒がれていた「協会による万博工事の残業上限規制適用除外要請」は、こうしたリスクが背景にあるとみられます。

理由③:開催地の夢洲へのアクセスが悪い

もうひとつの理由として挙げられているのが、開催地・夢洲へのアクセスの悪さです。実際に地図を見ると一目瞭然ですが、夢洲へアクセスできる陸路は「夢咲トンネル」と「夢舞大橋」の2つしかありません。

当然、建設資材を運ぶトラックなどのルートも限られます。多くの海外パビリオン担当者はこの交通事情を理解しておらず、通常の万博と同じペースでの発注を想定しているとのこと。多くの建設会社は建設が間に合わない「責任問題」を押し付けられることを恐れ、海外パビリオンの工事に関わらないように立ち回っています。

理由④:入札のやり直しが相次いでいだ

下記ふたつの理由で、国内パビリオン建設案件への入札のやり直しが相次いでいたのも工事遅れの原因といえるでしょう。

  • 資材高騰などの要因で予定価格に収まらない
  • そもそも建設会社の入札がない

基本的に建設関連の入札には「予定価格」の上限が設定されています。しかし資材の高騰などが要因で、参加するすべての建設会社の入札価格が予定価格を上回ってしまうケースが少なくありませんでした。それどころか、そもそも1社も入札しない案件すらあった状況です。

予定価格を上回った案件は条件を変えて再度入札を募るか、建設会社を指定する「随意契約」に切り替えるしかありません。再入札となれば当然期間がかかるため、工事が遅れる理由のひとつとなっています。

理由⑤:万博協会の意思決定が遅い

「万博協会の意思決定の遅さ」もひとつの理由として挙げられています。万博協会のメンバーは政府や関西の自治体、大手民間企業からの出向者が中心です。会長には経団連の会長である十倉雅和氏、事務総長には元経済産業省キャリア官僚の石毛博行氏が就いています。錚々たるメンバーではあるものの、その実態は「寄せ集めの集団」であり、円滑な意思疎通が取れていないのでしょう。

さらに先日の東京五輪をめぐる談合事件で、大規模イベントの運営が得意な電通などの企業が指名停止となり、今回の万博協会のメンバーにも加わっていません。「万博協会」という名でありながら、万博を運営できるような人材がいないのが協会の実情です。

理由⑥:そもそもトラブルを想定していない予算編成となっていた

大阪万博の工事遅れの要因として「そもそもトラブルを想定せずに予算を編成したのではないか」という点が指摘されています。

一般に公共事業というものは「その事業が円滑に進む前提」で予算を組むもの。今回の大阪万博も例にならい、余裕のある予算を組むことはしませんでした。「そもそも万博にカネを使うな」という、世間からの逆風も要因としてあったかもしれません。

そして建設資材の高騰などさまざまな問題に直面し、結果的に予算不足で「カネで業者を動かせない」状況になってしまった、といえます。今となっては後の祭りですが、当初からもっと「余裕のある予算編成」ができていれば、おそらく現状よりはスムーズに工事が進んだでしょう。

理由⑦:2024年4月から建設業の残業規制が適用されている

2024年4月から「建設業の残業規制」がスタートしています。2019年から始まった残業規制が、猶予期間を終えてついに建設業にも適用された形です。この規制により、建設業の残業時間上限が下記のように変化しました。

項目 残業時間上限(原則) 特別な事情がある場合の残業時間上限
改正前 なし(行政指導のみ) 年間6ヶ月まで上限なし
改正後
  • 月45時間以内
  • 年360時間以内
  • 原則の残業時間上限を超過できるのは年間6ヶ月まで
  • 月100時間未満
  • 複数月平均80時間未満
  • 年720時間以内

※残業時間には休日労働時間も含む

参考厚生労働省「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」

2024年3月までは残業時間に関する原則が存在せず、いってしまえば無制限に工事を進められる状況でした。しかし規制が始まったことで、月45時間を超える残業が不可に。「特別な事情がある場合の残業時間上限」を適用させても、原則を超える残業をさせられるのは6ヶ月に制限されています。

万博工事の遅れが指摘され始めた2023年7月ごろには、万博協会が「万博工事だけ残業規制を適用外にすること」を政府に要請しました。しかし、大阪府職員労働組合や日本労働弁護団から「労働者の命と健康を軽視している」と猛反発されます。

最終的にこの万博協会の要請は却下されたため、万博工事における建設業の残業規制は撤廃されていません。しかし、それは「工事をスピーディーに進めるには、工事に携わる人の数を増やす」しかなくなったということ。とはいえ建設費もギリギリの状況で、なかなかスケジュール通りに進んでいないのが現状です。

大阪万博の工事遅れ問題への日本の対策3つ

大阪万博の工事遅れ問題への対策として、政府や万博協会は下記4つの対策を打ち出しています。

  • 海外パビリオンを日本が建設代行する
  • 建設費を増額する
  • 「万博貿易保険」を創設する

それぞれ詳しく解説します。

対策①:海外パビリオンを日本が建設代行する

万博協会は一部海外パビリオンの建設を代行する「タイプX」への移行を検討しています。建設代行を行えば、各国が建設許可を取るまでのフローが大幅に省略されるため、開催までに間に合う可能性は格段に上がるでしょう。さらに「プレハブ工法」という建築技法を用いることで、工期の大幅短縮も目指しています。

実際に2024年7月の段階で、ブラジルなどの5か国が「タイプX」への移行を決断しました。しかし「タイプX」として建設中のパビリオンは9棟となっており、6棟の利用先が未確定となっています。この6棟については今後「タイプX」への移行が増えなければ、複数国でパビリオンを共同利用する「タイプC」に転用するか、休憩所として使うかの2択となりそうです。

参考読売新聞オンライン

対策②:建設費を増額する

単純な解決策のひとつとして挙げられているのが建設費の増額です。建設会社が万博関連工事の受注を避ける主な理由は「人手不足」と「採算が取れない」ことの2つ。資材価格の高騰に合わせて建設費を増額すれば、建設会社の採算問題は大きく改善されるでしょう。

実際に2023年10月には、1,850億円だった当初予算を2,350億円まで増額させました。万博協会会長は「会場建設費が増えるのは今回が最後」としています。とはいえ2024年7月現在も工事は予定通りに進んでおらず、さらなる増額があり得るかもしれません。

経済産業省は2023年8月2日、海外パビリオンの建設を促すために「万博貿易保険」を新設しました。保険の対象となるのは海外パビリオンの工事を受注した建設会社で、万が一海外の発注元が建設代金不払いとなった場合に、政府が代金を100%肩代わりするというものです。

建設会社にとっては代金を踏み倒されるリスクがなくなるメリットがありますが、この保険の創設について国民は反発。「勝手に国民の税金を使うな」「踏み倒しを前提に万博を開催するのか」という声が集まっています。

「政府が100%出資する」って、全部国民の金だろう。建設会社が採算度外視で万博の仕事を受注し、損したら全部国民が補填するのか?

工事を促進するためには合理的な保険制度ではあるものの、万が一踏み倒しがあればそのしわ寄せは国民に来るでしょう。国民が納得する形で海外パビリオンの建設を促すために、諸外国と「交渉」をする力は、もはや万博協会にはないのかもしれません。

引用Twitter(現X)

その他の対策は具体性が薄い

2023年8月には、経済産業省が「大阪・関西万博に関する課題と対応方針」を打ち出しています。しかし内容を見るとパビリオンの建設方針や建設費の件を除き「インフラ改善に関する要望をいただいている。(中略)速やかに環境整備をしっかり整えていく。」といった漠然とした対策しか記載されていません。

参考経済産業省「大阪・関西万博に関する課題と対応方針」

具体性が非常に薄いことから、国も工事遅れの状況を危惧してはいるものの、根本的な打開策が見つからないことがうかがえます。結局のところ、開催予定の2025年4月までに大阪万博の工事は間に合うのでしょうか。今後の情報に注目です。

大阪万博の工事遅れに関するQ&A

大阪万博の工事遅れに関するQ&Aをまとめたので参考にしてください。

大阪万博の工事は結局スケジュール通りに間に合わないの?

大阪万博の工事は、すでにスケジュール通りに間に合っていない状況です。当初は2024年7月の時点で建物の工事をすべて終えている予定でしたが、いまだ9か国が未着工となっています。このままでは、2025年4月の開催までに建物・内装工事が完了しない可能性も非常に高い状況です。

2025年大阪万博はどうなる?中止決定する可能性はある?

2025年の大阪万博が中止になる可能性はゼロではありません。過去には1996年、バブルの崩壊をきっかけに多くの参画予定企業が撤退し、東京世界都市博覧会が中止となったことがあります。
東京世界都市博覧会は万博ほどの規模ではなかったものの、国連や世界の46都市、100を超える国内の多くの自治体が参加予定だった大きなイベントです。これを加味すると、予定通りに工事が進まず、開催に間に合う見込みが薄い2025年大阪万博が中止になることはあり得るでしょう。

大阪万博の目玉「空飛ぶクルマ」が中止になったのは本当?

大阪万博の目玉とされていた「空飛ぶクルマ」は、4社中2社が乗客を乗せての商用飛行を見送りました。この2社は「デモ飛行」のみを行う予定となっています。なお、空飛ぶクルマの中止に工事の遅れは関係なく、単純に万博までの期間で技術的な国の承認を得るのが難しいとの判断です。

参考読売新聞オンライン

しかし残りの2社については、現在も予定通り乗客を乗せての商用飛行をするつもりで準備を進めています。今後の情報に期待しましょう。

まとめ

大阪万博は2025年4月13日から開催される予定で、2025年1月にすべての工事を終えるスケジュールで計画されています。しかし建設資材の高騰や建設会社の人手不足、開催地の夢洲へのアクセスの悪さなどが理由で、工事が予定のスケジュールどおりに終わらない可能性が出てきているのが現状です。

政府や万博協会も複数の対策案を打ち出していますが、多くは国民の反感を買っています。国民が納得する形で万博工事が予定通り進み、かつ日本が不利益を被らない形で万博が開催される未来はあるのでしょうか。

当社は不動産会社のため、最後に「不動産投資への影響があるか」という点で考察を付記します。建設費高騰の影響もあるため、最終的に万博が開催されれば、不動産価格の底上げにつながる可能性が高いです。大阪への投資は好機といえる状況となっているので、気になる方はぜひお気軽に当社へご相談ください。

この記事の執筆: 及川颯

プロフィール:不動産・副業・IT・買取など、幅広いジャンルを得意とする専業Webライター。大谷翔平と同じ岩手県奥州市出身。累計900本以上の執筆実績を誇り、大手クラウドソーシングサイトでは契約金額で個人ライターTOPを記録するなど、著しい活躍を見せる大人気ライター。元IT企業の営業マンという経歴から来るユーザー目線の執筆力と、綿密なリサーチ力に定評がある。保有資格はMOS Specialist、ビジネス英語検定など。

ブログ等:はやてのブログ

この記事の監修: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

経験豊富なコンサルタントが
投資家目線で課題をヒアリングし、
中立の観点でアドバイスを行います。

不動産投資で成功するためのアドバイスですので、お客様のご状況によっては不動産投資をあきらめていただくようおすすめする場合もございます。あらかじめご了承ください。

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