サブリースとは?契約のメリットや問題点をご説明
- 更新:
- 2021/02/11
サブリースとは、不動産投資物件を管理会社に借り上げてもらい、一定の手数料を支払う代わりに家賃を保証してもらえるサービスです。空室によらず安定した家賃収入を得られる仕組みとして一時期サブリース物件が急速に増えましたが、多数のトラブルも発生しました。
そこで、サブリースとは何かについて改めて説明し、その問題点やトラブルを起こさないための方法について説明します。
サブリースとは?
サブリースとは、投資物件を不動産会社に一括で借り上げてもらうサービスです。客付けは契約した不動産会社が行います。つまり転貸・又貸しをするというわけです。
オーナーは物件を借り上げてもらっているため、入居者がいるかどうかによらず保証家賃を月々定額で得ることが出来ます。保証家賃は周辺相場の設定家賃で満室想定した場合の80%~90%になることが多いです。
サブリースのメリット
サブリースの最大のメリットは、空室リスクを回避できることです。不動産投資において、空室リスクは事業計画に関わる大きな問題です。ローン返済や修繕費等のメンテナンス費用の観点からも、空室が出ることによる減収は事業計画の根幹を揺るがしかねません。サブリースはこのようなリスクを回避することができます。
サブリースは通常の管理委託契約と同様、家賃の集金や入居者とのトラブル対応なども行ってもらえます。物件管理も同様です。物件の管理状況が悪くなれば客付けに影響し、管理会社自身が苦労することになるので、主体的に管理を行ってくれます。「契約してしまえばあとはお任せ」のようなスタイルで不動産投資を行うことができるのです。
さらに、確定申告時の事務作業が非常に簡素化できるのもメリットのひとつです。通常の確定申告では、入居者個別に入退去時の収支を処理しなければいけませんが、サブリースの場合、収支管理をするのは契約した不動産会社とのやりとりだけです。非常に簡素化され、帳簿作成が楽になります。
サブリースの問題点
次は冒頭でも触れた、サブリースの問題点・デメリットについてです。
まず、現状に何か不満があっても、オーナー側からのサブリース契約の解約が非常に困難なことが上げられます。逆にサブリース会社からは一方的に契約を解除することが可能です。これは、サブリース契約における不動産会社との関係が「オーナーと入居者」と同じ扱いになるため、解約に関しては不動産会社が圧倒的に有利な契約となります。
また、満室保証のため、実際の満室になった時は通常の不動産投資よりも低い保証家賃しか得られません。空室の不安が少ない物件であれば、サブリースをするのはマイナスでしょう。
そして多くの場合、保証家賃は年々下がっていく契約になっています。
サブリースの問題点については以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。
【参考記事:サブリースの問題点とは?トラブルの原因と解決策を説明】
サブリースでトラブルを起こさないために
サブリースでトラブルを起こさないためには、何よりもまず契約書をよく確認することが必要です。
サブリース契約は、通常の管理委託契約よりも複雑で分かりにくいものとなっています。特にトラブルが多いのは、解約条項の部分です。契約を解約する場合の違約金がどうなっているのかについては必ず確認しておきましょう。
【参考記事:サブリースは解約できない?契約解除で起こる問題と解決策】
実際にサブリース契約を行うならば、不動産会社に対し、不明点はしっかりと確認し、どのような契約内容でサブリースを行っているのか把握しておかなければなりません。もし、周辺の賃貸需要や家賃相場などを考えた時に、サブリースではなく通常の管理委託契約でも十分に客付け可能であり、収益が見込めるのであれば、無理にサブリースを選択する必要はありません。
物件購入時に信用できる不動産会社をパートナーとしているならならば、その点を不動産会社と相談してみるとよいでしょう。
初めからサブリースありきで考えるのではなく、まずは自力での経営が可能であるかどうかをよく検討することが必要です。その上で、メリットが大きければ、サブリースを選択するのがよいでしょう。
まとめ
サブリースには、空室リスクを回避し、一定の保証家賃を得ることが出来る点で安定した経営ができる可能性のあるメリットがあります。ただし、契約内容をよく確認しない場合、解約時などでトラブルを起こすことが少なくありません。
そもそも客付けに不安があり、サブリースで家賃保証を得られなければ経営が成り立たないような物件に投資すること自体が間違っています。そして、サブリースを行う不動産会社も様々です。中には悪質な業者、経営状態のよくない業者もあります。しっかりとした情報収集を行ったうえで、サブリースをするかどうかの検討を行っていきましょう。