【2023年最新版】家賃収入にかかる税金の計算方法や税金対策について
- 更新:
- 2022/12/26
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本記事では、家賃収入にかかる所得税の計算方法や、所得税以外にかかる税金の種類と算出方法、そして不動産投資における税金対策で重要なポイントを詳しく解説していきます。
家賃収入に、税金はどのくらいかかるのでしょうか?サラリーマンであれば税金は源泉徴収されているので、いざ不動産投資を行うとなると税金の金額や申告方法について不安を感じる人も多いのではないかと思います。
そこで、家賃収入はいくらから税金がかかるのか、その計算方法、税金対策、確定申告などについて説明します。
不動産所得の計算方法
不動産投資をおこなうと毎月家賃収入が生じますが、「収入」と「所得」は別のものであり、所得税は不動産収入の合計ではなく不動産収入から必要経費を差し引いた「所得」に対して課せられます。
そのため、まずは不動産所得の計算方法を知っておきましょう。
- 総収入額 ー 必要経費 = 不動産所得
総収入と必要経費に含まれるものには上表のようにいろいろなものがありますが、課税対象となる不動産所得額の計算方法はとてもシンプルな計算式で求めることができます。
【重要】給与外所得が20万円を超えると税金がかかる
サラリーマン等の給与所得者を前提として考えると、給与以外の所得が年間20万円を超える場合に税金がかかります。これは家賃収入に限らず、雑所得なども含めた合計額です。もちろん、確定申告も必要なので、年間20万円を超えるか、超えないかをひとつの目安として考えておくとよいでしょう。
参考国税庁HP No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
家賃収入にかかる所得税の計算
家賃収入にかかる税金は、課税所得金額によって所得税率が変動するため一律ではありません。課税所得金額は不動産所得だけで考えるものではなく、給与所得も関係します。これに所得控除も関わるので、「家賃収入の税金はいくら」と単純に計算できるものではありません。
ここでは、計算方法を詳しく説明していきます。
家賃収入の所得税の計算方法
所得税額を求めるためには、課税所得金額を計算して、税率を導き出す必要があります。課税所得金額は以下の計算式で求めることができます。
- 課税所得金額 = (給与所得 + 不動産所得) - 各種所得控除
各種所得控除の内訳は、基礎控除や給与所得控除、配偶者控除など、それぞれの状況によって異なります。
所得税は、累進税率といって所得が多いほど税金の負担が大きくなることになっています。
下表のように、家賃収入の税率は所得の合計に応じて決定し課税所得金額に応じて5%から最大45%までの7段階に区分されています。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超、330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超、695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超、900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超、1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超、4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
引用国税庁HP
所得税額を求める計算式は以下の通りです。
- 所得税額 = 課税所得金額 ✕ 税率 ー 控除額
例)課税所得金額が400万円の場合、税率は20%ですので以下のような式になります。
- 400万円 ✕ 0.2 ー 42万7500円 = 37万2500円
所得税以外にかかる税金とは
家賃収入を得ることによって納めることになる税金は、所得税だけではありません。所得税以外の税金には、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税、住民税、印紙税などが存在します。消費税は建物購入にのみかかり、家賃収入にはかかりません。
不動産を取得した時にかかる税金(初年度のみ課税)
印紙税
不動産の売買契約書には、金額に応じた額の印紙の貼付が義務付けられています。
なお、平成26年4月1日から令和2年3月31日までの間に作成された契約書には軽減措置が適用されます。
軽減後の税率
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円超、50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超、100万円以下 | 1千円 | 500円 |
100万円超、500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
500万円超、1千万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1千万円超、5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円超、1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超、5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超、10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超、50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
登録免許税
登録免許税は、不動産を取得したことを公示するため所有権などの権利を登記する際に課せられます。
- 登録免許税 = 固定資産税評価額 ✕ 税率
売買による所有権の移転 | 税率 | 取得期間 | 軽減税率 |
---|---|---|---|
土地 | 2% | 令和3年3月31日迄 | 1.5% |
建物 | 2% | - | - |
不動産取得税
売買などにより不動産を取得したときに課税されます。
- 不動産取得税額 = 固定資産税評価額 ✕ 4%
ただし、特例によって以下のとおり軽減税率が適用されます。
- 土地及び住宅 3%
令和3年3月31日まで
受託以外の家屋 4%
不動産を保有している間かかる税金(毎年課税)
固定資産税
- 固定資産税 = 固定資産税評価額 ✕ 1.4%
都市計画税
- 都市計画税 = 固定資産税評価額 ✕ 0.3%
住民税
住民税は、前年の所得に応じて課税される「所得割」と、所得金額に関わらず一定額の納付を求められる「均等割」の2つの区分からなり、両者を合算して納税します。
以下は東京都の例です。
- 所得割額 = (総所得金額 - 所得控除) ✕ 税率(10%) ー 税額控除
均等割額 = 都民税額(1,500円) + 市区市町村民税額(3,500円)
固定資産税、都市計画税、住民税は居住する地方自治体に支払う税金であり、地方税法で大枠は定められているのですが、条例などによって別段の設定をしている市区町村もあります。
くわしくはお住いの自治体のホームページで確認してみましょう。
家賃収入の税金対策3つのポイント
税金対策は、知ることが一番重要です。不動産所得に関する必要経費も知らなければ計上できませんし、損益通算も確定申告をして初めて利用できます。不動産経営に役立つ税金対策のポイントを、いくつか紹介します。
①必要経費を漏れなく計上
家賃収入にかかる税金を節税するポイントは、必要経費です。不動産所得に関する必要経費は色々ありますが、計上していない場合でも、税務署が指摘してくれるわけではありません。以下のような費用・税金が不動産所得の必要経費として扱えます。
- 共益費(管理費)
- 修繕費
- 町内会費
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 減価償却費(中古物件は注意)
- 管理委託費(家賃収納代行なども含む)
- 損害保険料(火災保険・地震保険)
- ローンの利息
- 地代家賃
- 交際費・交通費
不動産投資をおこなう方の中には、経費を固定資産税しか計上しない方が意外に多いのですが、使った経費をすべてきちんと計算する、たったこれだけでかなりの節税対策になるんですよ。
②不動産所得が赤字なら損益通算
不動産投資には、不動産所得が赤字の場合に使える節税対策もあります。それが損益通算です。簡単に説明すれば、不動産所得のマイナス分だけ、給与所得などの他の所得と通算することができます。サラリーマンが損益通算する場合、すでに差し引かれた所得税から、赤字分にかけられた税金が戻ってきます。
損益通算には確定申告が必要なので、赤字の場合でも、しっかりと行うようにしましょう。
③青色申告
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、通常の確定申告のことを白色申告といいます。青色申告というのは、日々の取引状況を詳細に記帳したものに基づいて正確な申告をおこなうことと引き換えに、税制上の優遇を受けることができる申告制度のことです。
不動産投資の中でも事業的規模の場合は一定条件を満たすことで65万円、事業的規模以外の場合でも10万円の青色申告特別控除を受けることができます。
「事業的規模」の基準は、アパートやマンションの場合10室以上の室数、戸建の場合は5棟以上が目安とされています。
また、不動産所得が赤字になって損益通算しても全額が引ききれなかった場合、「純損失の繰り越し控除」といって、翌年以降3年間に渡って損失を全額繰り越せるという特典もあります。経費がかさむ初年度は不動産所得が赤字になることが珍しくないため、こうした特典は大きなメリットとなります。
青色申告は、白色申告と比較すると事前の届け出や記帳、必要書類の保管期間、優遇措置に必要な条件の確認などの手間がかかりますので、受けられるメリットの大きさと手間が見合わないという場合もあるかもしれませんが、経営状態を常に正確に把握できるという点では節税対策以上のメリットがあるといえるでしょう。
会社員の節税対策には、不動産投資が最適
多くのサラリーマンが仕事と兼業して不動産投資を取り組んでいますが、実際に不動産投資は節税対策となるのでしょうか。結論から言えば、サラリーマンにとって不動産投資は節税対策、主に税金対策の一つとなります。
その理由として、経費計上が出来ることが挙げられます。先述した通り、不動産投資は多くの費用と税金が不動産所得の必要経費として扱うことが可能です。これはつまり、確定申告を行う際に「経費として使用した」と申告でき、これにより収入が減ることで、節税対策となるのです。特に、不動産所得が赤字であれば、赤字分を給与所得から差し引くことができ、所得税や住民税が一気に下がるので、不動産投資は税金対策といえるでしょう。
また、個人の不動産投資が税金対策となる仕組みは「損益通算」と「減価償却費」がポイントとなります。
損益通算とは
損益通算とは、不動産投資の赤字を給与所得から相殺できる仕組みのことです。
給与は源泉徴収という税金が引かれた状態で支給されています。しかし、不動産投資で得た収支が赤字だった場合、損益通算をすると給与から不動産投資の赤字分が相殺され税金が還付されることも。これは税金対策や、節税策としても有効ですね。
しかし、この還付を受けるためには確定申告が必要です。確定申告は必ず行いましょう。
不動産投資は特に始めたばかりの初年度に、多額の経費と税金がかかるため赤字となりやすいといえます。そのため、損益通算は初年度の税金対策としては有効といえるでしょう。
減価償却費で税金対策
減価償却とは物件を購入した金額を、数年にわけて費用計上する仕組みのことです。物件の購入費を購入年に全額計上するのではなく、分割して経費として計上することで税金対策となります。ちなみに、費用計上できる期間は財務省令で定められた法定耐用年数です。
減価償却費が税金対策のポイントとなるのは、毎年計上できる金額が増えることで、収入を減らして報告することが可能です。収入が減ることで、所得税や住民税も少なくなります。
また、減価償却費は実際は経費の支出がない帳簿上の金額となるため、手元にキャッシュフローが残りやすくキャッシュフローの悪化も防ぐことができます。個人はこのような、税金対策を上手く活用することで、少しでも節税に活かしてください。
参考ローンの利息分だけが経費?不動産投資の必要経費を正しく理解して賢く節税しよう
法人化した場合に出来る節税対策
先ほどは個人の節税対策について解説してきましたが、法人化した場合はどのような節税対策があるのでしょうか。解説していきます。
まず、不動産投資で利益を得た場合、多くの人が法人化を検討すると思います。これはまず、不動産投資で得た所得金額から検討しましょう。やみくもに「法人化をすれば良い」というわけではありません。法人化におけるメリットとデメリットもきちんと把握するべきです。
法人化するべき所得金額
では法人化を検討すべき所得は、900万~1000万円です。これ以上になるのではあれば、法人化にメリットがあります。サラリーマンであれば、給与と合わせた年収が1500万円前後となった際に、法人化を検討しましょう。
まず法人化したことで大きくかわることは税率に関してです。特に所得税です。所得税は所得が増えるほど税率が高くなり、高額所得者は高額納税者です。日本は超過累進税率を取っており、所得が小額であれば10~20%程度の税率ですが、所得が1800万円を超えると40%、4000万円以上は税率45%にまで跳ね上がります。税金は所得税だけではなく、住民税もあるため高所得者の多くは、高額な住民税も支払っています。
あくまでも、この税率は個人の場合です。法人化すると、法人税は23.2%となります。不動産投資の法人設立は、多くが資本金1億円以下となり、そうすると税率は19%~最大23.2%の税率となります。
個人の所得税が最大で45%であることから、課税所得が高額になった場合は法人化したほうが税金対策、節税対策になることが理解いただけるでしょう。また、法人化することで経費計上が可能となるため、日常で掛かる金額も経費となる場合があります。そうすると、所得は更に低く申告することも可能です。
また、家族を役員にすることで役員報酬を支払うことで、人件費分も経費となります。個人の課税所得は、事業所得から経費を引くだけですが、法人の場合は事業所得から経費と役員報酬を引くことも可能です。法人化は人件費も活用することが出来るため、これは個人と法人の大きな違いといえるでしょう。税金対策としても有効な手段となります。
参考不動産投資で法人化?資産管理会社のメリット・デメリットを徹底解説!
家賃収入を得たら必要な確定申告
節税対策のポイントの一つとして青色申告を挙げましたが、初めて確定申告をする時は、とても難しく感じてしまうかもしれません。しかし、ひとつひとつ冷静に対処すれば、何も難しいことはありません。時間に余裕を持ち、落ち着いて対応していきましょう。
家賃収入がいくらから確定申告が必要なのか
確定申告は税金の額を申告するものなので、確定申告が必要になるのは税金がかかる基準と同じく、給与以外の所得が年間20万円を超えた場合です。年間20万円を超えなければ確定申告の必要はありませんが、損益通算のように、確定申告が条件になる制度も存在するので、注意してください。
確定申告の基本3つのステップ
ここでは確定申告について覚えておくべき3つのステップを説明します。
①申告時期
確定申告は毎年2月16日~3月15日迄におこないます。
郵送でも可能ですが、税務署でおこなう場合は所在地や開庁時間を事前に調べておきましょう。
②必要書類
- 不動産売買契約書
- 源泉徴収票
- 不動産収支内訳書
- 所得税青色申告決算書
- 確定申告書B
不動産売買契約書は不動産会社から取得、源泉徴収票は勤務先から取得し、その他の書類は国税庁のホームページからダウンロードするか税務署で取得します。
ダウンロードはこちらからできます。
これらのほかに、家賃収入を証明する通帳や賃貸契約書、必要経費を証明する証券や領収書なども必要となりますので準備しておきましょう。
③確定申告書類の提出方法3つ
- 最寄りの税務署に持ち込む
- 郵送する
- e-TAXを利用する
まとめ
いかがだったでしょうか。以上が家賃収入にかかる税金の計算方法と税金対策になります。税金の計算や確定申告の手順自体は、それほど難しくはありませんが、必要経費の計上や損益通算などの税金対策まで、しっかりと把握しておきたいところです。知識があるかないかで、節税公課は大きく変わってきます。