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不動産投資で鍵となる!「キャッシュフロー」の重要性とは?

この記事の執筆者: 不動産投資コンサルタント 釜田晃利

老舗不動産投資会社にて投資用区分マンションの営業マンとして約10年間従事したのち、2015年にストレイトライド株式会社にて不動産事業をスタートしました。現在は取締役として会社経営に携わりながら、コンサルタントとしてもお客様へ最適な投資プランの提案をしています。過去の経験と実績をもとに、お客様としっかりと向き合い、ご希望以上の提案が出来るよう心がけています。

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キャッシュフローとは、現金の流れやお金の出入りのことを表した言葉です。不動産投資でのキャッシュフローは「手残り額」、つまり家賃収入と支出の差から手元に残る額のことを指します。

不動産投資で最もよく見られる数値は利回りですが、キャッシュフローも非常に重要な数値だとよく言われます。これはつまり「手残り額が重要」と言っているのと同義です。なぜ不動産投資ではキャッシュフロー=手残り額が重要なのでしょうか?

この記事では、キャッシュフローが不動産投資における重要な判断材料となることを詳しく説明していきます。これから投資を始める方はもちろん、すでにいくつか物件を所有されている方も、長期間の投資を展開させるための一助としてご参照ください。

  • キャッシュフローの計算方法
  • なぜキャッシュフローは重要なのか?
  • 帳簿上の利益とキャッシュフローの違い
  • キャッシュフローの健全性を確認できる債務返済倍率(DCR)
  • キャッシュフローを増やす5つの方法

キャッシュフローの計算方法

キャッシュフローの計算式は、以下のようにシンプルです。

キャッシュフロー = 家賃収入 -(ローン返済額 + 運営経費 + 税金)

得られる家賃収入から、その運営のために必要な費用を差し引いた金額が手残り額、つまりキャッシュフローです。もし所有物件で駐車場代など家賃以外の収入がある場合はその収入も含まれます。

下記のワンルームマンションの場合、キャッシュフローの概算はこのようになります。

【例:都内区分マンション / 月額家賃10万円】
家賃収入   120万円
ローン返済額  74万円
運営経費    20万円
税金      10万円

年間キャッシュフロー=120万円ー(74万円+20万円+10万円)=16万円

このワンルームマンションのオーナーの場合、年間16万円のキャッシュフローを得るということになります。
物件広告でよく目にするのは「利回り」の方ですが、キャッシュフローは購入後自分の手元に入る金額がより具体的に算出されていることが分かります。

なぜキャッシュフローは重要なのか?

それでは、なぜキャッシュフローは重要なのでしょうか? それは、キャッシュフローによって不動産投資の健全性が把握できるためです。特に、キャッシュフローがマイナスになると、その分を手出し資金で補うことになるので、マイナスを回避することはとても大切です。

利益を求めて行うはずの不動産投資なのに、利益が出ないどころかさらに手出しが発生するのでは意味がありません。たまたま空室が発生した短期間などであればいいのですが、長期間になると精神的にも厳しく、最悪の場合は予定よりも早く売却せざるを得なくなることもあります。

キャッシュフローは不動産投資を健全に行うためにも、非常に重要な指標となる

帳簿上の利益とキャッシュフローの違い

不動産投資を行うと、確定申告を行う必要があります。そのため、不動産事業の帳簿をつけることになるので、毎月・毎年の利益はその帳簿にまとめられます。

この帳簿があればあえてキャッシュフローを考える必要がないのでは?と思う方もいるかと思いますが、帳簿上の利益とキャッシュフローは異なり、帳簿上の利益とキャッシュフローの違いは、物件購入費用の扱いです。

物件購入はローンを組んで行なっているので、帳簿においては、その購入費用は減価償却費として数年間に分割して経費計上します。この経費は現金の支出を伴わない経費です。現金が出て行く支出は、ローンの利子のみです。

一方でキャッシュフローは現金の手残りを表すものなので、減価償却費ではなく、元本・利子を含めたローン返済額として扱います。

≪帳簿の利益とキャッシュフロー 比較≫

帳簿の利益 家賃収入 -((減価償却費 + 借入金利子)+ 運営経費+税金)
キャッシュフロー 家賃収入 -((ローン元本+借入金利子)+ 運営経費 + 税金)

減価償却費は現金の支出を伴わない経費なので、帳簿上の利益が赤字でも、キャッシュフローは黒字ということが起こり得ます。そのため、帳簿上の利益だけを見ていても実際の手残り額の把握はできないので、別途キャッシュフローを確認する必要が出てくるのです。

キャッシュフローは帳簿上の利益よりも手残り額が具体的に出る

キャッシュフローの健全性を確認できる債務返済倍率(DCR)

不動産投資の健全性を確認するための指標としては、債務返済倍率(DCR=Debt Coverage Ratio)というものがあります。債務返済倍率は、家賃収入からローン返済額以外の経費・税金を引いた金額(営業純利益:NOI=Net Operating Income)をローン返済額で割った値で、1.3以上あることが健全性のひとつの基準です。金融機関は1.2以上なければ融資の検討ができないと言われています。

債務返済倍率の計算式は以下です。

債務返済倍率(DCR)= 年間の営業純利益 ÷ 年間のローン返済額

先にあげていた都内区分マンションの例を用いて債務返済倍率を計算してみましょう。 年間の営業純利益は90万円(120万円 − 20万円 − 10万円)、年間のローン返済額が74万円なので、債務返済倍率は【90万円 ÷ 74万円 = 1.21】となり、融資の検討基準に達しているものの、健全性の基準を下回っている状態です。

今購入を検討している物件や、すでに購入した物件がキャッシュフローの健全性を下回っている時はどうすればいいのでしょうか。キャッシュフローの健全性を上げるため、手残り額を増やすための具体的な手段として、次の方法が挙げられます。

キャッシュフローを増やす5つの方法

キャッシュフローが重要だということを説明してきましたが、その金額を増やすには、どうすればよいのでしょうか?

改めて、キャッシュフローの計算式を見てみると、【家賃収入 -(ローン返済額 + 運営経費 + 税金)】となっています。このうち運営経費や税金については購入時点から予め決まっており、自力で減らすのはなかなか難しい項目です。そこで注目すべき項目が家賃収入とローン返済額です。この2点に着目するとキャッシュフロー増額につながる次の5つの方法が挙げられます。

  1. 家賃収入を増やす
  2. 自己資金の比率を増やす
  3. ローンを繰り上げ返済する
  4. ローンの返済期間を長くする
  5. 自己資金・運用方法に合わせたローンを選ぶ

それぞれについて、順に説明していきましょう。

1.家賃収入を増やす

家賃収入を増やすことができれば、手残り額が増えることは明らかです。とはいえ、すでに所有している不動産の家賃収入を増やすことは容易ではありません。購入前の物件選びが最も重要だということになります。

家賃収入は「設定家賃」×「集金回数」です。設定家賃はその立地や築年数によって相場が変わります。また、集金回数は空室になると減ってしまいます。つまり、高い家賃設定ができる人気エリアの物件を選ぶと、家賃収入が高くなるということになります。 最も家賃を高く設定できるのは新築ですが、新築は費用が割高です。高い家賃ばかりを意識してしまうと、物件購入費用も高くなってしまうので、利回りとのバランスを意識してください。

また、中古でも築浅物件や人気エリアを選ぶことで、新築より割安な諸費用のまま充分な家賃設定もでき、空室リスクも減らすことができます。購入前の物件選びの時点で、家賃金額はもちろん物件の維持管理状況や周辺環境の情報も把握しておくことが肝心です。

参考記事:目安は何%?不動産投資の利回りの平均や相場について

参考記事:マンション投資で成功する物件の選び方

2.自己資金の比率を増やす

物件購入時、自己資金の比率を増やせば、その分ローンの借入額が少なくて済みます。月々の借入額が小さければ利子も小さくなるので、月々のローン返済額は小さくなり、手残り額は大きくなります。

自己資金の目安は、物件購入費用の2~3割弱です。自己資金ゼロでも始められる不動産投資をうたう不動産会社もありますが、購入後のキャッシュフローが小さくなってしまうのでお勧めはしません。

逆に、あまりたくさんの自己資金を用意しようとする必要もありません。今は超低金利ですので利子は小さいですし、自己資金が貯まるまで待っているとなかなか物件を購入できません。ある程度の自己資金がたまったタイミングで物件購入をするのがよいでしょう。

参考記事:不動産投資を始めるためにはいくら必要?初心者のための初期費用・自己資金の目安

3.ローンを繰り上げ返済する

物件をすでに購入した後でも自己資金の比率を増やす方法があります。それがローンの繰り上げ返済です。
ローンの繰り上げ返済とは、月々分割返済しているローンを一部まとまった額返済することです。ローン返済期間の短縮利息の軽減効果が主なメリットで、2つの方法があります。

①返済期間短縮型:返済を繰り上げた分ローン期間を短くし、利息の軽減に効果がある

②返済額軽減型:返済を繰り上げた分月々の返済金額が減るので、急な支出リスクに強い

住宅ローンの繰り上げ返済、メリットや手数料、注意点を解説!

住宅ローンの繰り上げ返済、メリットや手数料、注意点を解説!

参考資料:SUUMO「住宅ローンの繰り上げ返済、メリットや手数料、注意点を解説!

2つの方法は物件を購入したあとの自己資金の状況を見ながらでも選ぶことができます。資産状況や今後の投資に係る支出を計画しつつ検討するのも良いでしょう。不動産投資におけるローン繰り上げ返済については、こちらでも詳しく解説しております。ローン返済中の方もぜひ参照ください。

関連記事:不動産投資ローンは繰り上げ返済すべき?メリットとデメリットを検証

4.ローンの返済期間を長くする

ローンの返済期間を長くすることでも返済額は小さくできます。要するに「薄く長く」返済することでキャッシュフローを大きくする方法です。

「2.自己資金の比率を増やす」で述べた繰り上げ返済とは対照的に完済までの期間が長くなってしまうので、いたずらに長くすることはおすすめできません。しかし、手残り額を大きくすることで余裕を持った不動産投資を行うことができるというメリットがあります。

5.自己資金・運用方法に合わせたローンを選ぶ

キャッシュフローには家賃収入に対するローンの比率が鍵を握っています。ローンの返済には「元金均等方式」と「元利均等法式」の2つがあり、自己資金や物件の利回りによってどちらが適しているのかを考える必要があります。

フラット35:元金均等返済と元利均等返済の違い

フラット35:元金均等返済と元利均等返済の違い

参考:フラット35:元金均等返済と元利均等返済の違い

元金均等方式は、元金返済額のみが均等で、ここに金利を上乗せしていく方式です。そのため、支払当初は返済額が高く、キャッシュフローにも影響しますが、徐々に支払額が減っていくので支払利息を抑えることができます

元利均等方式は、元金と利息の合計支払額を均等にして返済していく方法で、支払額が変わらないので、手持ちの資金を確保したい場合には適しています。

ローンの返済額を重視して利息を減らしたい人、リスクを抑えるために手持ち資金を確保したい人など、投資の方針により最適な方法は様々です。今一度ご自身の投資の方針を見直すことで、目的に適った方法を選んでいきましょう。

キャッシュフローを見ていくことは、自分にとって最適な自己資金の動かし方やローンの返済方法の選択につながる

まとめ

不動産投資においてキャッシュフローが重要な理由は、不動産投資の健全性が確認できる数値だからです。特にキャッシュフローをプラスに維持することは非常に重要であり、仮にマイナスになってしまったら出来るだけ早くプラスに転換させる必要があります。

物件購入当初は家賃収入のうちほとんどの割合がローン返済を占める場合がほとんどです。返済期間中であっても家賃収入でローン返済をカバーできる範囲に収めることが長期を費やす不動産投資において肝要です。

利益を出すための投資用物件を維持するためにも、マイナスを補おうと手元資金を崩していく状況は長く続けることはできません。そのようなことにならないよう、キャッシュフローを不動産事業の指標としてよく把握しておくことをお勧めします。

現在ご検討されている物件のキャッシュフローは健全か、また、今所有している物件のキャッシュフローで気になることがある、など不動産投資に関する疑問点がございましたら、お気軽に当社のコンサルタントにご相談ください。投資の現状や今後の計画を踏まえた上で、具体的で的確なご提案をさせていただきます。

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